satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第39話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で適当にわーわーすごす物語です。本編とは一切関係ございません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック。
前回、ようやく、ステラが皆とほぼ横並びになりました! あー……ここまで長かったで~
ステラ「私だけアラシさんともレオンさんともツバサちゃんとも知らない人だったもんね!」
アラシ「作者サイドのミスだろ。よくよく考えれば、俺達が図書部に行けばよかったんだから」
レオン「にゃはは~♪ 色々つけ足してた割にはステラの方は無視だったよな?」
……ぶっちゃけていい? それすると長くなるっていうのと、図書館についての設定がその時点でなかったんだよね! どうなってるのかっていうやつ! あと単純に私が忘れてましたね!!
ステラ「鬼」
レオン「悪魔~♪」
アラシ「レオンは黙ってろ。面白がってるのが丸見えだ」


《L side》
頬杖をしながら、睨み付けるように見つめていた。そんなことをしても何かが変わるわけではないのだけれど、それくらい私にとっては悩ましいのである。他人から見れば、不機嫌にも何かに怒っているようにも見えるだろう。
「……っあぁぁ! どう頑張っても無理! 無理だよね! 足りないよね!?」
「そうだな」
フォース君の短い返答が返ってきた。そして、横から手が伸びてきて、私の悩みの種であるそれを摘まみ上げる。
「三日で往復は無理。諦めろよ」
「はあぁ~……夏まで待つ? 駄目って言われるとやりたくなるよね。そういう性だよね」
放課後の誰もいない教室。珍しく、生徒会室ではなく、自分のクラスに居残っていた。理由は単純で日直の仕事をしていただけだ。黒板を綺麗にしたり、軽く点検したり等。ティールは先に生徒会室に行っているが、フォース君はここにいる。彼は午後の授業を丸っとサボり、ついさっき、荷物を取りに教室に来たのだ。そこから、私のご相談に乗ってもらっている。
ちょっとした探検へ行きたいと少し前からティールと計画を立てているのだが、本格的に行くのなら、ここから離れた場所がベストなのである。が、まとまった休みなんてあるわけもなく。いや、あるにはあるか。長期休暇は学生お馴染み、夏休みがあるけれど、それこそ何ヵ月か先だ。その間に成果挙げられていたら、行き先変更も必要だし、それをするだけで行く気が萎える。
ということで、次の休み……しかも三連休でどうにかこうにか行ければと思っているのだが。
「もう一週間くらい休めよ。そんくらいの方がじっくり出来るだろ」
フォース君が持っているのは、探検の計画書。とはいえ、言った通り、どう頑張っても行けるわけもないんだけれどね! 目星つけていたところが案外遠くて、三日でどうにかなる距離ではない。帰りは探検隊バッジを使うにしても、難しいところである。彼の言う、一週間くらいあれば余裕なんだけど。
「真面目も逃げる大真面目ティール君が許さないでしょ。剣技大会もあるしぃ。それが終われば筆記も実技テストもある。私とフォース君じゃないんだよ! 一週間前になってからようやく手を出す私達とは違うんだよ!?」
「おれは前日でもなんもしねぇけどな」
知ってるよ……
「はっ! 寝ずに三日だとすればワンチャン……」
「ねぇよ。諦めろ」
移動系魔法を使いたい。瞬間移動的な。
私に魔力はない。そのため、魔法を使うことは出来ない。どう頑張っても出来ないものは出来ないのである。
そもそも、どう言った原理で魔法となるものが出来上がるのかという話からである。この世界には大きく分ければ二つの人が存在する。魔法を使える人とそうでない人だ。その大きな違いは、空気中に漂う『魔素』という物質……エネルギーを『魔力』に変換する力があるか否かである。ツバサちゃんやアラシ君達は元々、魔力変換の力を持っていて、予め『魔素』を『魔力』へと変換しておき、いざ使うぞってときに、見合った魔力量を消費するわけだ。まあ、適性はあるけれど、攻撃だったり補助だったり多様な魔法を使う。
対する私達は、その変換能力を持たない。魔力を持っていないと言い換えられる。じゃあ、どう戦うんだよって話だが、出来ないなら出来るように補助をすればいい。補助アイテム……魔素を別の力へと変化するための道具、魔道具を使えば、魔法ではないけれど、攻撃をすることが可能だ。私達はそれを『技』と呼ぶ。様々なものが存在するものの、めっちゃ便利! という訳ではない。何て言うんだろう。痒いところには手が届かないとでも形容しようか。しかしその分、誰にも真似出来ない技を作り出すことも可能で、完全オリジナル技なんてものを持っている人は持っている。まあ、数は少ないと思う。しなくても、日々開発されていくし、ダンジョンへと出向かないのなら、使う必要もない。基本を押さえておけばある程度立ち回ることは可能だ。
どっちがいいんだろうって話だけども、何とも言えない気はする。魔法は便利なものも多いけど、適性のしがらみがある。出来ないものは出来ない。私がいいないいなと連呼する、瞬間移動を全員が使えるかと問われれば、それはNOだ。取得不可能なものは存在するし、なんなら、普段使いが難しいものに適性が現れる人だっている。また、魔力が切れてしまえば、戦うことはおろか、意識すら保てなくなる。そこは大きな弱点となりうる。
その点、技はまんべんなく習得出来る。防御も攻撃もサポートもなんでもござれのバランスが取れるのはいいと思う。もちろん、攻撃特化だったり、サポート特化だったりするだろうけど、やろうと思えば、攻撃特化な自分とサポート特化な自分の二つのバージョンを作っておいて、その場で切り替えられる。……という器用なことが出来るのなら、戦いの幅はぐんと広がるだろう。魔力切れなんてことも起きないし。
……いや、でも、今のこの場面において、技よりも魔法の方がいいに決まっている。しゅんって移動したい。しゅんって……はぁ。瞬間移動出来る道具作ろうかなぁ……ここに行きたいよ! って念じれば飛ばしてくれる……的な。あー……駄目だ。それは危ないな。
「いや、考えたって仕方ないか。……こんなところで油売ってないで生徒会室行こう?」
「あ、やっと行く気になったんだ」
まあ、うん……
十数分程、教室でどうでもいいことを悩んでいた訳だが、いい加減にしないとティールが呼びに来てしまう。そうなれば、彼の小言を浴びなければならない。さっさと行かなくては。
「でもさ、探検行きたい云々以前にお金をがっぽり稼ぎたい。春は出費多い割に仕事をセーブしているし。……悪者退治でも一手に引き受けるかな。そうなったら、来る?」
「おれ? いいけど、報酬の分け前は?」
頑張った分だけ……歩合制でと言いたいところだが、んなこと言ったら、私の分け前が減るに決まっている。フォース君、強すぎるから、気付いたら周りに誰もいない何てことになりかねない。
「平等に均等に分ける。受けるものによるけど、それなりの額は保証するよ」
「ふーん。なら、やってもいいよ」
じゃ、近いうちに悪者退治するってことで。
……おっかしいなぁ。探検しようぜって話をしたかったんだけど。

フォース君と共に生徒会室へとやって来た。中に入ると、ティールとツバサちゃんがすでに来ていて、ティールがこちらに反応した。
「日直お疲れ様。……あ、フォース、どこ行ってたの?」
「散歩」
「嘘つけ。どうせいつものサボりだろ」
「ははっ♪ そうとも言う」
ティールもいつものことなので、深く突っ込みはしない。フォース君が定位置に座り、私は冷蔵庫からお茶を取り出し、コップに注ぐ。
ここまでツバサちゃんはノーリアクションだ。どこか上の空でぼんやりしている。……恐らく、他の何かが気になっている感じか。何事もない、大したことがないのなら首を突っ込みはしないけれど、その判断は難しい。私達に黙っているのなら、話すつもりがないのだろう。が、無理矢理聞き出すのも、スマートではない。何か確証が欲しいところだ。助けが必要か否か、判断出来る何かが。
私は席につき、フォース君を見る。彼は私の心を読んでくれたようで、一瞬、嫌な色を見せるものの、視線を隣のツバサちゃんに移した。狡いけれど、本心を読み取れるフォース君に任せるのが一番だ。ツバサちゃんは素直だから、隠すようなこともないだろう。……というか、読めるって話をした記憶がないので、読まれているなんてのも思わないか。
なんて考えていると、フォース君の目線が私に戻ると小さく頷いた。
はぁー……よし。やるか。
「ツバサちゃん」
「!? は、はいっ! わっ! ラルさんにフォースさん! ごめんなさい。全然気づかなくって」
私が呼び掛けると、ビクッと体を振るわせ、俯き気味だった顔を上げた。ようやく私とフォース君を認識したらしく、ぺこぺこと挨拶をする。
「いいよ。遅れてきたのは私達だから。とりあえず、こっちおいで?」
「はい」
いつも通り膝の上に座らせ、頭を撫でる。嫌がってはいないが、普段よりも表情は暗い。まあ、遠回しに聞いてもツバサちゃんに通用しない可能性もあるので、直球で行こう。
「何か悩み事でもあるの?」
「ふえ……? あ、いえ! 何にもありません」
私の方を見て、笑顔で答えるが、裏は取れている。……ついさっきだけど。
「そう? なんだかぼーっとしているから、何かあったのかと思ったんだけど。いかにも悩んでますってオーラ出てるよ?」
「あっ……と。そんなに、です?」
無言で頷く。ついでにフォース君もティールもだ。何も言わなかったが、ティールも気付いていたらしい。恐らく、自分で聞き出すよりも、私やフォース君に任せた方がスムーズだと思ったのだろう。二人きりではあったものの、何か質問をしたり特別、話したりはしなかったようだ。そして、その判断は間違っていない。
この場の全員に肯定され、ツバサちゃんは少し恥ずかしそうに小さく俯く。
「何かあるなら聞くよ? 笑顔じゃないツバサちゃんは、私、悲しいし、嫌だな~」
「う。……その、実は……ちょっと前から、物がなくなるんです」



~あとがき~
事件の予感。

次回、ツバサちゃんの身に起きている事件とは!

またあれですよ。視点切り替えしていくあれです。ラルサイドと……まあ、もう一つは分かるよな。わかるよな!? とりあえず、次回もラルです。

前半のあれは今後の布石というか、これを書いておけば、お仕事風景書くよな。書けよ、私!! という宣言的な奴です。話は何もまとまってませんが。この世界においてのバトルというものを書きたいなと思っているので……はい。頑張る。
魔道具使って技を出すってのはプロフか何かで書いた気がしますので、どこかでどんな魔道具なのかというものを紹介出来ればと。

ではでは!