satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第40話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわっちゃわっちゃする物語です。本編とは一切関係ございません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバックだ!
前回から、また新しい話へと入ってます。視点切り替えしていく系です。よろしくです。
そして、まだ物語内は入学してから一ヶ月過ぎだと思われるんですけど、四十話となりました。私はこれの終わりの展開を考えていないのですが、まあ、普通に考えればラル達三年組が卒業すれば一区切り……言うなれば、1st season終了みたいな? あれ。この言い方は続くやつ……?


《L side》
ぽつりぽつりと話してくれたのは、ツバサちゃんの周りで起きているちょっと……いや、かなり困る出来事の数々であった。
「初めは鉛筆とか消しゴムとか……予備があれば大丈夫なやつだったんです。だから、私が知らない間になくしちゃったのかなって思ってたんですけど。……そうも言ってられなくなってきてて」
「その言い方だと、それ以外も?」
ティールの言葉にツバサちゃんは静かに頷く。
「体操服とか……おっきいものがなくなるようになっちゃって」
ふむう。嫌がらせ……とか? こんな可愛いツバサちゃんに嫉妬かな。分かるよ。めっちゃ可愛いもんね!
言葉にはしていなかったが、能力使いのフォース君から真面目に聞けという圧を感じ、私の純粋な気持ちをそっと仕舞っておく。
「でも、その他は何もないんです。嫌なこと言われるのもなくて。悪口とか陰口とか、そんなのも全然です」
「この前のラルみたいな感じに悪口言われてもねぇんだ? よくある典型的な奴」
机に『学校来るな』とか『死ね』とかそんなのを書かれるあれかな。あれ、器物破損で賠償請求可能だと思うんだけど、どうなのかな。逆手に取られる可能性……いや、そうならないように立ち回れるわ。私。
「いえ。全くないです」
「えっと……ツバサを見た感じ、ないとは思うけど暴力を振るわれる、なんてこともないの?」
「はい。ないです」
男子二人の質問に対し、答えはNO。……物がなくなるだけ……か。地味に困る奴だな。
「それ、今も続いてるの? 後、アラシ君にこのことは?」
「今もなくなってます。……アラシ達には何も言ってません。その、アラシ、怒ると怖いので」
自業自得だし、いいと思う。アラシ君にボッコボコにされちゃえばって思うけれど、ツバサちゃんはそれを望まないようだ。それなら、私達も報告はしない方向でいこう。……いや、でも、多分……
「犯人に心当たりはあるのかな? 意味もなく物を盗るなんてないと思うんだ。小さなことでもいいから、ツバサ、覚えてない?」
「うーん……? 何もないです。クラスの皆さん、とってもいい人達でよくしてもらっていますし、クラスメイトではないと思ってます」
アラシ君いるしなぁ。内部犯ではない……いや、主観的な情報に流されるのはよくないな。やるからには徹底的に調べなければ。
「よーし! 決めた! 今日のお仕事はツバサちゃんを困らせる悪い奴を退治しよう~♪」
「え!? や、ラル、仕事……」
「そんな紙のぺらっぺらでいつでもできる仕事なんて後だ、後。今は天使ちゃんの平穏が第一だよ! 生徒の安心安全、平穏な学園生活を守るのも生徒会のお仕事! 違う?」
ぎゅっとツバサちゃんを抱き締めながら訴える。ティールの呆れ顔は見慣れているので、特筆もしない。いつものことだ。
「後半は取って付けた言い訳にしか聞こえないんだけど? まあ、いいや。ぼくも心配なのは確かだし。そうじゃなくても、物を盗るのは立派な犯罪行為。取り締まり案件だから、調べる価値はある」
「ふふん♪ そうと決まれば、早速行動に移ろう。フォース君はここで待機ね。やって欲しいことがあれば指示をするから。ティールとツバサちゃんは私についてこ~い」
膝の上からツバサちゃんを下ろし、立ち上がる。それに合わせて、ティールも立ち上がった。フォース君は待機なので、座ったままだ。私とティールが扉へ近づき、開ける直前、後ろから慌てた声でツバサちゃんが呼び止める。
「あ、あの! いいんですか? 私の個人的なことに巻き込んでしまって」
「いいのいいの。天使の危機は私の危機! ツバサちゃんの笑顔を守り隊の隊長だから、こんなのちゃちゃっと解決したるぞ~♪」
「それ、今、作ったろ。……ツバサの悩みを解決するのと同時に、窃盗犯を捕まえるってだけさ。もしかしたら、被害が拡大するかもしれない。ツバサ以外にも飛び火する可能性もあるからね」
ティールの言う通り! 何も言わないけど、フォース君もそう思うよねー?」
あまり喋らなくなっていたフォース君に話を振ると、少しの沈黙があり、肯定が返ってくる。
「大事になる前にどうにかしてくれ。会長」
自分が動きたくないからって適当に返したな。いいさ。大事にはしない。私自ら動くんだからね。
「まっかせて。……ま、もしかしたら、私がどうにかする前に解決するかもだけどね」
私のこの言葉に、三人は首を傾げる。
ツバサちゃんの幼馴染みが変化に気付かない等あり得ない。短い期間しか過ごしていない私ですら気付くのだから、アラシ君達が知らないなんて、あり得ないと想像するに難くない。……しかしまあ、それはそれでいい。こちらはこちらで動き、アラシ君達が動いているなら問題はない。
「まずは現場にgoだ! ツバサちゃんのクラスに行くぞ~♪」
「了解だよ、ラル」
「は、はいっ! ラルさんっ」
「いってら~」

数分でツバサちゃんのクラスへとやって来た。しかし、扉に手をかけるとびくともしない。今日は真面目な日直らしく、さっさと教室の施錠をしているらしい。別に閉めなくても、警備員だったり、教師だったりが閉めに来るのだが。いや、規定は、日直のお仕事だよってなってはいるんだけれど。
「閉まってますねぇ」
「職員室へ行って鍵持ってこないと……ですね」
「その必要はない。……だろ、ラルさん?」
そうだね。
私は制服のポケットから鍵を取り出す。数本まとめてある鍵の中から一つを選び出し、扉の鍵穴へと差し込んだ。抵抗なく入り、くるりと回せば簡単に解錠された。
「ラルさん、それって」
「マスターキーとでも言っておこうかな。この学園の鍵はこれで開けられるよん♪」
いくつか種類があるのは、形状が違う鍵があるから。もちろん、開けられない部屋は存在するし、全て網羅している訳ではないが、とりあえず、私の持つこの鍵達で、開けられない部屋はほぼないと断言できる。
「凄いですね……でも、なんでそんなものを?」
「適当に教師をやり込めたんだよ。ラルお得意の説得でね」
「ほ、ほへ~」
「違う違う! 嘘を教えるな! 理事長に直談判したの。やり込めてないし、これは借りてるだけ。卒業と同時に返却する約束で持ってるの」
ティールにしては珍しくボケるじゃないか。やめろ。そのポジションは私の席だぞ……!
「お母さんから借りてるんですか?」
「そそ。ツバサちゃんのお母さんに直訴してね。生徒会長になるのと同時にお借りしました。もちろん、管理は徹底的にするって話だし、さっきも言ったけれど、入れない部屋もある。理事長の部屋とか、校長の部屋とかがいい例だよ」
それ以外だと、保健室も入れない。薬品とかあるため万が一、悪用されないようにというのが理由だ。……ぶっちゃけ、薬品だけが理由ではないが。色々あるしな、あそこ。その話はいいか。
さて、少々問題はあったものの、無事に教室へと入れた。とはいえ、ここは普通教室。冒険科の教室とほぼ変わりはない。強いて言うなら、魔術関連の本が学級文庫として並べられているくらいか。
「ここが私の席です!」
ててっと愛らしく自分の席に駆け寄った。机の横に立つと、こちらを振り向く。
「でも、ラルさん。教室に来ても何も分からないくないですか? 証拠とかもないと思いますし」
「視るから大丈夫」
物的証拠があるとは思っていない。自白が取れれば問題はないし、その方法はいくらでも存在するのだ。私を敵に回して逃れられると思うなよ~?
ティール」
「分かってるよ。……でも、あんまり無理しないでね、ラル?」
久し振りだからなぁ。けど、なんとかなるだろ。



~あとがき~
何をするのかは察して←

次回、別視点だ! 行くぞ!!
つっても、あんまりすることはないので、証拠集めパート(?)のラル視点にすぐ戻ります。多分。

話すことないなぁ……(笑)
鍵の話でもしとく??
ぶっちゃけるなら、ラルなら持ってるだろうと持たせただけですね。ただ、しっかりと公的に借りてるだけです。盗んで持ってたでもいいけどね! そんなのティールが許さないので、ちゃんと許可を頂いた後、所有しています。そっから合鍵を作ったのかどうかは……まあ、ご想像にね。お任せしようかね。うん。

ではでは!