satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第216話

~前回までのあらすじ~
激動の三日目が終了しました。回収出来ていないフラグというか、伏線というか、言葉というか、用語等々ございますが((
このあと回収する予定ですので。いや、もしかしたらしないのもあるかもだけど! そんときはブラフやったんかい! と適当に流してください。
今回はひっさしぶりのイブの一人称視点。久し振り過ぎて書ける気がしない。


昨日、訳も分からないまま色んなことが展開してって、理解する時間も与えられずに朝を迎えた。目覚めたのはギルドの一室……ではなく、ピカさんの基地の中。私とチコちゃん、ポチャさんは一緒に帰ってきたからここに寝ている。その後に帰ってきたのか、コンちゃんとフィフィ君も同じところで寝ていた。すーくんは私の中で寝ているみたいだけれど、ピカさん、ソルさん、チルさんの姿はなかった。
まだ誰も起きてなくて、私が一番だったみたいだ。昨日の今日だし、他の人達を起こすのは悪い。ってことで、私の選択肢は一つだけ。すーくんに話しかける! これ一択!
「おはよ~……すーくん、起きてる~?」
『おはよう。残念ながら、まだ寝てるんでまた後でご用件をお申し付けください』
返事してるってことは起きてるじゃん。ピカさん達は?
『ラルは知らん。少なくとも基地には入ってきてない。アブソルとチルタリスは他の奴らと一緒に帰ってきたけど、朝、さっさと出てった』
ふーん。ソルさん達、朝早いなぁ……
なんだかすーくんと話していたら、二度寝したくなってきた。堪えきれずにあくびをして、くるりと体を丸める。
『確かにあいつら二人の朝は早かったけど、今はそこそこいい時間だぞ。もうすぐ昼だよ』
「……にゃんだってぇぇぇ!?」
すーくんの言葉に私の眠気はどこかへ吹っ飛び、大声を上げた。この声で他の人達ももぞもぞ動き始める。申し訳なさを感じつつも、昼前まで寝ていた事実に驚いてて、それどころではなかった。
「なぁに、イブ~……?」
「チコちゃん! もうお昼だって! 流石に起きよう!? 人様のお家だし!!」
「ん~……おひる……? えっ!? 昼!?」
朝がちょっぴり弱いチコちゃんもびっくりしたみたいで、目を白黒させながら飛び起きる。
はにゃ~……あ、イブお姉ちゃん、チコお姉ちゃん、おはよ!」
「お、おはよ。フィフィ君……あの、お邪魔してます。ごめんね? ギルドが開くまでって思ってたんだけど、ワタシ達、寝ちゃってたみたいで」
「ん? んーん! フォースお兄ちゃんのお話聞いたから! それに、ソルもチルも入ってもみんな、ねれたもん」
そうなんだ。……ってことは、ソルさん達がいない理由とか、ピカさんの行方とは知ってる?
「うん。あのね、今日、おまつり、えんちょーするんだって。花火、とちゅうになったでしょ? だから、やりなおしだーって親方さん言ってた」
ま、まあ、確かにせっかくの花火大会を台無しにされたし、やり直しってのはいいことだと思うけど、今日なんだ。
「悪いことで終わらせたくないって言ってた。それで、ソルとチルはけーびで、ピカはイベントのおてつだい!」
何度も言うけど、昨日の今日で元気だな!? いやまあ、誰かがやらなきゃなんだろうけれど。ピカさんだって、あんなにボロボロだったのに、駆り出されてるの……? ピカさん、大丈夫なのかな。
私の心配はよそにフィフィ君は近くで寝ているコンちゃんを揺り起こしていた。寝起きは悪くない……というよりも、お昼近くまで寝ていたのもあって、思ったより早く目が覚めたみたいだ。たった今起きたコンちゃんとフィフィ君は無言で頷きあうと、二人で未だに目を覚まさないポチャさんに乗っかった。
「うぐっ……!」
「おはよ~! ポチャ、朝だって! いや、昼だけど! おっきろ~!」
「おまつり、いく~!」
「ぎゃああ~!?」
わ、わあ……なんか、あれだな……
「休日の休みたいお父さんVS外で一緒に遊びたい子供……みたいな感じかな? でも、せっかく花火大会もやり直しするなら、ちゃんと見たいよね? ワタシ達も初めての夏祭りだったんだもん」
「そうだよね。うん♪ 私もまだまだ楽しみたい! 行こう!」
多分、ここで寝ていてもピカさん達は何も言わないし、許してくれるだろうけれど、目の前に楽しいことがあるのに、寝ているだけなんてもったいないよね?
「お姉ちゃんたちもいっしょ、いく?」
「うん! フィフィ君達がよければ、ワタシ達も一緒に行きたいかな」
「もちろん、いーよ! いっぱいの方が楽しい! よし、フィフィ、ポチャを起こすぞ!」
「は~い♪」
フィフィ君とコンちゃんは強く頷き、より強くポチャさんを揺らし、体重をかけ始めた。
……ポチャさん、ごめんなさいです!

二人の健闘もあり、ポチャさんもようやく目が覚めたらしい。ここまで朝に……いや、寝起きが悪いんだな。まあ、昨日を考えると、仕方ないのかもしれないけれど。寝起きのポチャさんにフィフィ君は、ソルさん達のこと、今日のことを説明した。
「ふうん……で、ピカは今日も働いていると。いっつもそれくらいのやる気を見せてくれればいいのに……休んで欲しいときに休まないのはなんでなの」
うん。ポチャさんの言い分も分からなくない。
「はあ。……フォース、いる?」
「あいよ」
ため息一つついた後、すーくんに呼びかける。それを拒まず、素直に呼びかけに応じた。
「昨日、ありがとうね。最後の方、完全に寝てたけど……」
「いいよ。リーダー命令は絶対ってね」
あのとき、ピカさんからの通信を受け取ったのは偶然だったと思う。私達は全然違う方向にいて、ピカさんを捜しつつ、敵の排除をしていた。フィフィ君とヴァルツさんて人が、敵の弱点を可視化してくれたおかげで、厄介な敵が雑魚退治へと変化した。かなりやりやすくなり、終わりが見えてきた頃に、すーくんから預かっていたスカイの探検隊バッジに通信が入ったのだ。そこから、るーくんとチコちゃんと相談し、空から捜す……という流れだ。すーくんが私の中にいながらもピカさんの居所を捜し出して、あの場面に出くわした。
「昨日の顛末はピカから聞いた方がいいかな?」
「そうだな。最終的に最後まで残っていたのはラルだ。一番詳しいと思うよ」
「じゃ、ピカの居場所、知ってる?」
「ん~……おれは何も聞かされてないが、行けば嫌でも分かるんじゃないか?」
「そりゃそうか。……よし、行こう」
二人だけの会議が終わったところで私達六人は、お祭り会場へと足を運んだのだ。



~あとがき~
今までのと比べると短いかも。けど、これが本来の長さだったりする。

次回、ピカのお仕事(イベント手伝い中)を見に行きます。

イブ達がどうやってピカのところへ行けたのか、ここで分かりましたね。万能フォース君の力なんですね。困ったらフォースにやらしておけっていうのがお約束です。
もしもの話をすると、ピカやヴァルツが苦戦したあのガオガエン戦ですら、楽とは言わないけれど、二人よりは楽に倒したでしょうね。ピカが躊躇した武器破戒も厭わないでしょうし。まあ、そんな空と海キャラ内でもチート級な彼にも弱点はあるわけで、そこを突かれて今回、ピンチにもなりましたけども。

ではでは!