satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第58話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でのんびり過ごす物語です。本編とは一切関係ございません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、前日話というか、剣技大会(プロローグ)が終わったって感じですね。今回からは大会当日の話です! だからって、さっさとバトル開始とはなりませんけど。
ラル「どう書くか決まった?」
いや。全く……バトル時の視点どうしよう(汗)
アラシ「いつもの成り行きか」
ラル「はぁい! いつもの入りました~!」
アラシ「えっ!? あの、お前もやけになってない?」


《L side》
いつもの登校時間と大して変わらない時間帯。普段と違うのは、学園内がお祭りの最終準備で騒がしいという点だ。屋台が出て、その準備に追われている人や最終チェックをしている人。そんな人達の波をかき分けて、私は生徒会室へと向かう。別に仕事がしたくて向かうわけではない。かと言って、大会から逃げ出したい訳でもない。いや、仕事からは永遠に逃げたいと思っている。一生、働かずに過ごしたいと考えてはいる。……いや、そうじゃなくって!!……こほん。
最終ミーティングに行くだけだ。仕事と言えば仕事だが、話をするだけなので、それを仕事と形容していいのかは微妙なラインではある。ティールは大会時に使用する会議室のチェックをしてもらっている。フォース君は……まあ、ギリギリに来る。多分。
生徒会室に到着すると、カバンから今回の大会についての書類と関係者名簿、参加者名簿、そして、来賓のお客様名簿を取り出した。その中でも大会参加者名簿を捲りながら、椅子に座る。
今大会は予想通り、今まで以上の参加人数になった。例年、平均して百から二百といったところだが、今回は四百である。傾向なんて無視して、一年生の参加も多い。そして、二年、三年も多い。……これは例年通りか。
参加人数増加理由は準備時から予測していた、賞品が影響しているのだろう。何せ、冒険科より魔術科の参加者が多いのだ。理事長の講習会目当ての人達ってことだ。理事長の専門は冒険ではなく、魔術。講習会がどんな内容になるのかは分からないが、魔法関連の方がより詳しい話が聞けるだろうと推測は容易だ。また、ツバサちゃんの母親というのもあるのかもしれない。あの飛び級の才女様の母親だぞ!? めっちゃヤバいじゃん!? みたいな感じなんだろう。
「……うん。間違ってないけどね。その反応はさ」
セラ理事長からは、私とティールを探検隊へと育てた親方……ここの校長と似たような雰囲気を感じる。のほほんとした雰囲気なのに、隙がない。隙があるような気がするのに見えてこない、と言うか。言葉にするのは難しいのだが、要は似ているのだ。あの二人は。
……校長と言えば、ギルドの親方であるし、生徒のスカウトのために誰かをこちらに寄越すのだろうか。剣技大会には数多くのギルドのお偉いさんが来るわけで、一応、人員確保するいい機会だ。流石にご本人様直々は……ないな。うん。いない。
「どうせ、音符が……ないか。人事向いてないもん。後、来るとしたら誰だろ」
妥当なのはリンか。
どうでもいいことを考えながら、参加者名簿を閉じると、次は事前に確認したい項目だけを見ていく。
今回の試合形式は予選からのトーナメント戦。負けたらそこで終わりだ。参加者が多いため、ブロック毎に制限時間を設けてはあるものの、残りが二人になるまで戦う。そして、それを四ブロック繰り返し、残ったメンバー八名でトーナメントを組み、勝ち上がれば、優勝となる。
生徒会からも何名か出場するが、ほぼ予選落ちで終わるだろう。人数が人数だし。ちなみに、予選で負ければ、生徒会のお仕事が待っている。厳密に言えば、トーナメント戦から裏方へ復帰していただく。余程のことがない限りは、現場に来てもらう約束だ。使えるものはとことん使っていくスタイルなので、お昼休憩でも挟めば動けるはずだという考えの下、生徒会メンバーには伝えてある。
トーナメント出場候補としては、将来有望なキーくんとユーリ君の二人だ。が、キーくんは視野が狭いし、ユーリ君もまだ本調子ではなさそうなので、優勝はどうかと思う。まあ、予選くらいは勝ち上がってくれたらな、とは思うけど。
「あ、ユーリ君が予選落ちすれば、お仕事ばりばりこなすのか。……惜しいなぁ!」
「おはようございます。会長、人の不幸を願わないで欲しいです」
おや。ユーリ君。聞かれたか。
「おはよ。……現地集合でもよかったのに。生徒会が使う部屋で最終ミーティングやる予定だよ? 私はマル君……大会実行委員長君と打ち合わせするから、ここにいるだけで」
規定通りの魔術科制服姿のユーリ君は、少し困った顔でぽつりと呟く。
「人、多いなぁと」
静かで集中出来る場所を探していたのかな。それにしても、クールなユーリ君がストレートな物言いをするなんて。
「あら。とげとげしい」
「戦うって分かっていて、のほほんとしてられませんから」
「ふうん。……体、どう?」
丁度二週間前、とある事件に巻き込まれたユーリ君は命に別状はないものの、痛手を負わされた。怪我はほぼ完治しているはずだが、対人戦での怪我は何かと精神的に来る。職業柄、数えきれないくらい経験してきて慣れてしまったが、ユーリ君はそうではないはずだ。明確な殺意を向けられるなんてそうそうないのだから。
ユーリ君は左肩に手を置き、少し間を空けてから口を開いた。
「もうほとんど痛みもありませんし、問題ありません。……ただ」
「ただ?」
「あれで、体の癖って言うか、それが抜けきらなかったですね。せんせ……イツキのおじいさまに稽古をつけてもらったんですけれど」
「あ~……かばってるのか、背中」
「はい。気にする必要がないのは理解しているのですが。……会長はそういうとき、どうします?」
「え~? 怪我したときの戦い方ってこと? ん~……動かない。相手を利用しまくる、かな。その癖って弱点だからさ、悟られないようにする。そのためには動かないのが一番」
まあ、考え方によれば、強みにもなるけれど。それを利用するのは今のユーリ君では難しいだろう。
「参考にします。……では、お邪魔しました」
「ギリギリまでいてくれてもいいよ?」
「大会が始まる前に調整しておこうかと。……ここで武器、振り回しますよ?」
「それは駄目だ~♪ また後でね!」
「はい。それでは」
教室を出ていくユーリ君の背中を見つめた。そういえば、ユーリ君って何の武器使うんだ? 普段、キー君の後ろでサポートとして、補助魔法を使うから、武器を出すところ見たことないかも。去年は大会出てなかった気がするし、少しだけ、楽しみになってきた。
私はカバンから、探検に行くときに身につけている三日月のチャームがついたペンダントを引っ張り出す。これのためだけにこれを入れてきたと言ってもいい。
このペンダントは私が技を出す際に媒体として使っている魔道具の一つだ。これは主に補助系統を出すために使っている。ぶっちゃけ、使い分ける必要なんてないんだけれど、私のスイッチと言うか、気持ちの切り替えとして、アイテムの使い分けをしているのだ。余談だが、学校内では雷姫を媒体として使用している。もちろん、雷姫を使っても補助系統は出せるが、如何せん、雷姫が嫌がるので仕方なく分けているところはある。
「出てきて。”ドール”!」
「はぁい! お呼びですか? 我が主様♪」
私そっくりの分身がどこからともなく目の前に現れる。見た目がそっくりなだけで、思考回路や性格は全く似ていない。本来は私の分身として、相手を欺いたり、二人で共闘したりとバトルの面で大いに活躍するのだ。私の使う技の一つで、ある技の応用で編み出した技でもある。
「やってもらいたいことがあるの」
「マスターの替え玉はお断りですよぅ? 以前、ティール様に叱られましたので」
「しないしない。二度も同じ手は効かないからね。そうじゃなっくて……服を繕って欲しいの」
「お洋服ですか? はっ!? マスターのお召し物に何か!?」
「ないよ。用意して欲しいだけだもん。私のじゃなくて、ね」
不思議そうに首を傾げるドール。そんな彼女に私は笑みを返すだけだ。
さてさて……上手くいくといいけれど。



~あとがき~
試合はまだまだ先です。

次回、大会前のお祭りを堪能します。
……ツバサちゃん達がな!! 視点は言わなくても分かるな!?((

ユーリ君を出したのは、前の休日回で色々あったからです。
あとは、話の流れ……(笑)

技を使用する際の媒体……魔道具の話はどっかでしましたっけ? 覚えてねぇ……!! いや、でもした気がする! 気がするけど、ここでもさらっと説明をば! 技を出すために必要な道具です。魔道具は人それぞれ、合ったものを使用します。アクセサリーだったり、武器だったりです。色々形はありますが、用途はどれも同じです。
ラルの魔道具その一は今回、登場したペンダント。それと、魔道具とは違いますが、代用できると言った意味で、雷姫がその二になります。あともう一つ持ってますが、まあ、どっかで出るか。
ちなみに、ティールは懐中時計とスイ、セツ。スイ、セツは雷姫同様、代用可といった感じですね。フォースは……あいつは能力で戦うので魔道具は使いませんが、赤い石がついたネックレスつけてるんで、それですね。使いませんけど。あと、一つは持ち歩きしてますが、滅多に使いません。結局、こいつは技を使わないっていう結論に……(笑)
ステラは武器としてチャクラム等の飛び道具。能力で使えませんが、将来的には武器を通じて技を出します。……え? いつになるか? 知らない!←
リーフは横笛とハープです。
イツキはこの前使ってましたね。ブレスレットです。後は武器も媒体にするんじゃないですかね。武器での戦闘だと、自身の愛剣を使います。

ではでは!