satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第225話

~前回までのあらすじ~
ピカとポチャのおデート風景でした。そこから戻ってきて、基地でのお話です。
前回までの四話は二年前くらいに書いておいたものですね。結構前に書いたから、文章と文章量があれですが、今更直す気にもなれないので、あのまま出しました。すみません! 今回のも前に書いたものですが、いつ書いたのかは覚えてないです。
ピカ「夏祭り編のバトルが書けなさすぎて、現実逃避した作品を出したっていう」
まあ、元々の計画の中にはやるってのがありましたんで……(汗)


とりあえず、山積みになっていた依頼書をなんとか片付け、最後の仕上げとも言える書類整理をやっていた。それももうすぐで終わりそう。毎回、この後始末で苦労するんだよなぁ……この作業は嫌いではないけど、好きにもなれない。そんな感じの仕事。
本来なら、ぼくとピカの二人でやらなくてはいけないけれど、助っ人としてイブ、チコ、フォースが手伝ってくれていた。
「はぁー……ごめんね、三人とも。こんなことに付き合わせちゃって」
「全然問題ないです! こういう仕事も新鮮ですし、楽しいですよ」
そんなことを言ってくれるイブは、にこにこと笑いながら、書類をファイリングしてくれていた。出来た後輩だなぁ……
イブの側で黙々とファイルの整理をしてくれているフォースは特に返答はない。聞こえてはいるんだろうけど、反応はしないみたい。
「というか、ペラップさんに『ピカんとこ行ってこい』って言われたので! ワタシ達のお仕事もありませんでした。あれってピカさんが言っといたのでは?」
チコは首を傾げつつ、ピカに質問をする。そんな質問をされたピカはというと、やる気がなさそうにぐでっとしていた。それでもチコの言葉は届いていたようで、あーっと呟いた。
というか、関係のない三人が来てくれたのにそのやる気の無さはないんじゃないか……?
「それはご想像にお任せするよぉ」
「はぁい♪ じゃあ、想像通りってことにしておきますっ」
「お好きにどぞ~……っと。今までのまとめ終わった?」
「……終わった。そこに積んであるファイルがそう」
フォースが指差すのは、さっきまでまとめてくれていたファイルだった。ピカは、それを目視で確認をすると、目の前のノートパソコン(ちなみにぼくは一度も触ったことがない)を閉じてすくっと立ち上がる。
「ん、ありがとう。……よぅっし! ライブちゃんとこ行くか。ついでにギルドにも行ってこよう。イブちゃん、チコちゃん、私についてこーい♪」
「あ、はーい!」
「了解です。すーくん、あとは頼んだっ」
「へいへい……」
それなりの量があったのだけれど、全てトレジャーバッグに放り込むと、イブとチコを連れて基地を出ていってしまった。二人を連れていくことに何か意味があるのかは分からないけれど、まあ、ピカが動いてくれるなら何でもいいや。
この場に残されたのはぼくとフォースだけになった。まだ全部終わったとは言えないから、手は止められない。フォースも三人を見送った後、再び整理に戻る。
……これはいい機会かもしれない。あのことを相談してみよう、かな。
「……あのさ、フォース?」
「んー」
「その、仕事やりながらでいいから、話を聞いてくれる?」
「おー……いいよ」
お互いに手は動かしたまま、雑談っぽく話を進めていく。簡潔に、かつあまり思い出さないようにしつつ、慎重に言葉を選んでいく。
「ここに帰ってくる前に、ピカと……町に寄ってきたんだよ」
「おう。デートな」
んんっ!! う、うん……ソウ、デスネ。デート……ぼくの頑張りって……
「……そんで?」
急に黙ったぼくを不思議そうに見て、話を促した。理由なんてバレていると思うんだけど、分かっていてわざと知らないふりしてるんだろう。クールで羨ましいが、憧れたところでぼくに素質がないので、気を取り直して話を再開させた。
「で、いつも通りの他愛ない会話しながら、歩いてて……で、そこで」
あー……駄目だ駄目だ! 思い出しちゃうぅ……!
「なんだ。単刀直入に言え。男だろ」
「う。ごめんなさい……」
「まあ、ペンギンが何を言いたいのかは分かるよ。ラルに自覚はない。以上」
一言で片付けられた……
フォースにとってはそれでいいのかもしれないけど、ぼくはそれで終われない。
「そこに本音はあると思う?」
「結婚うんぬんの話の中に?」
なんでその話を知っているんだろう……いや、心を読まれたのかな。顔色一つ変えずにやるものだから、全く気づかない。普段の生活の中でもやられてるんだろうな。きっと。
「結婚に関しては気になったから聞いただけだろ。あいつの性格上、そこに深い意味はないはずだ。……でも」
「でも?」
フォースはそこで言葉を止めると、少しだけ考え込む。何か思い当たる節でもあるのだろうか。続きを待っていると、彼はにこっと笑う。
「まあ、そこら辺は本人に聞けよ。そっちの方が手っ取り早いぞ」
「えぇ!? 聞けたら苦労はないんだけど!」
「おれの予測を聞いたって面白くないだろ。それは、予測であって真実ではないんだから。……この機会に少しは頑張れよ」
「が、頑張るって……」
「ラルはお前のそういうところも理解してるだろうけど、たまには恋人らしいこともしてやれってこと。そういうの、敏感だぞ? 女って奴は」
フォースと恋愛絡みの話をするのはあまりないから、彼自身の経験なんてものも聞かない。少しだけ気になって、首を傾げた。
「……それ、経験談?」
「まあね。おれの相方は積極的だったから、不満に思えば自分から動く奴だったけどな。……ラルはそうじゃないだろ」
「……そう、かな」
「そうだよ。自分のことは二の次のラルが、恋愛で肉食系女子になるわけない。自分勝手に色々やるけどさ、自己中ではないんだよな、あいつ。そう見えても、底には何かを考えて行動してる。……悪ふざけに意味はないだろうがな」
「フォースはよく見てるね、ピカのこと」
ぼくがそう言うと、フォースはきょとんとして、小さく首を振った。
「ラルに限った話じゃねぇよ。暇だから、観察してるだけ。後は……まあ、色んな奴に会ってきたからな。なんとなく、分かるだけだよ。……とにかくだ。あんま放置すんなよ。飽きられることはないだろうが、不安にさせるのは毒だぞ」
……う、うん。そう言われると、何も言い返せないな。
このあとは、他愛ない話を織り混ぜつつも、真面目に作業をすることになった。

三人のお陰で夕方になる前に全部の仕事が終わった。いつもなら夜まで二人……いや、基本ぼくだけでやってるし、人手って大切だなぁ。
「ありがとね、三人とも。お陰で早く終わっちゃったよ。巻き込んでごめんね?」
まあ、終わってなくても夕飯前には帰してたし、終わらなそうならピカも本気出してやってたと思うけど。今回、ピカはほぼ動くことなくだらーっとしてたけど!
「いえいえ! さっきも言いましたけど、こういうお仕事も楽しいですから! ね! チコちゃん」
「うん。いつかワタシ達も卒業したら、あんな風にやらなきゃなって体験ができましたから」
イブとチコは笑って許してくれた。ピカももう少し、彼女達を見習って欲しいけど、きっと無理なんだろうな。
「それでは、また! お手伝いできることがあれば、何でも手伝いますからね~♪」
イブが頼もしいことを言い残し、三人はギルドへと戻っていった。帰るとき、フォースがぼくのことを見て、やれよって目で訴えてきた……気がする。
「大丈夫。……頑張るよ」
「? 何が?」
小さく呟いたつもりだったけれど、ピカに聞こえていたらしく、怪訝な顔でぼくを見てきた。
「あ、えーっと……な、なんでもないよ! ほら、ぼくらも戻ろ!」
「変なポチャ」
あう。



~あとがき~
最近書いてたレイ学ティールと空海ポチャの性格違いすぎて、戸惑ってる。同じ人物のはずなんですけど、これはあれかな。通ってきた経験の差かな……? レイ学の方が肝据わってね?(笑)

次回、そろそろピカとポチャのほわほわ恋人っぽい話を終わらせますよ。

なんかぐでーっとしてるピカを書くのは久し振りで、こいつはこんなんだったなーと思い出しました。どっかでも言いましたが、本編だとぐでぐでーっとしているピカは出てこないんですよね。最近だと、夏祭り編二日目がぐでっとしてましたね。……話の中では最近だけど、私たちからするとかなり前ですね。

ではでは!