satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第63話

~attention~
『空と海』のキャラが学パロなif世界で面白く過ごす物語です。本編とは一切関係ありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバックで!
前回、長かった射的の話が終わりました。
今回で探索編は終わりかなーと思います。思いたいですね。
アラシ「願望が入ったな」
ステラ「探索が終わっても、次から大会が始まるとは言ってないんですよね~」
アラシ「あ、確かにそうだな」
そんなところに気づくとはお主も悪よのぉ……
アラシ「ステラが心底嫌そうな顔してるぞ」
ひえ……


《A side》
思った以上に色々あった射的屋から離れ、流れで、イツキ先輩達とも一緒に行動していると、各地に設置しているスピーカーから音声が流れ始めた。
『放送部からのお知らせだ! もうすぐ大会が始まるから参加生徒、大会関係者はイベント会場に集まってくれ! 到着した参加生徒はイベント会場入り口に集まり、案内の指示に従ってくれよ? 大会実行委員、生徒会の生徒は会場内の控え室Aに集合だ! もう一度繰り返す!』
聞こえてきた声は随分とテンションが高い。大会が始まる合図なので、ある程度はいいとしても、これ、始まったらさらに上げていくのだろうか。
「大会開始まで約一時間前ってところですかね。予定通りです」
あ、そうなんだ……ついでだ。これも聞いちゃえ。
「ユーリ先輩、この放送主って、昼の人っすか?」
昼の時間になると、放送部の活動の一つらしい、ラジオのようなもの週に何回か流れるのだ。内容は面白いのだが、何分、かなりの音量で話しているらしく、教室で音量を最小で聞いていても、よく通る声である。それはそれで、才能の一つなんだろうけど。
「はい。放送部部長のリュウさんですね。会長曰く、厄介者だそうです」
「厄介?」
「なんでも、よく放送機材を故障させるんだって。それで、会長様が放送部にお呼ばれして、機材を直しに行くの。余程のことがない限り、新しいのは買わせないって。高いから」
なるほど。ラルからすると、厄介の何者でもないってことか。
にしても、なんでもできるな、ラルのやつ……
「俺達も会場向かうか~」
「そうだな。時間内ならいつ行っても一緒だろうけど。……リリアやツバサさんはお仕事がありますし、会長から何かあるかもしれません」
……ん? その口ぶりだと、ユーリ先輩も大会参加する方?
「はい。当たった際はお手柔らかにお願いします」
うわあ……どうなるんだろ。
観客側のステラとリーフとはここでお別れである。一般客の入場はまだ先だから、二人はもう少し時間を潰す必要があるのだ。
「アラシさん、頑張ってくださいね! イツキ先輩とユーリ先輩も! 私達、席から応援してます♪」
「ツバサと、リリアーナ先輩はお仕事、頑張ってください♪」
後輩二人からの労い受け、俺達は会場へと向かった。ここで先輩達と別れる理由はないため、一緒に行くことにした。先頭を歩くのはイツキ先輩とユーリ先輩で、その後ろに俺とツバサ、そしてリリアーナ先輩だ。
「大会中の警備班、どんな組み合わせだと思う?」
「そんなの普段通りじゃない? あ、イツキと僕が抜けて、他にも二年生は何人かいないか。……代わりは誰だろ。とりあえず、隊のトップは副会長かな。フォースさんは生徒が出してる店の方をまとめてた気がする。お金関係で」
「んでもって、ラル先輩は全体の総括しないとだもんな。俺ら抜きってさ、各隊のリーダーはどうなんの? 入学式のときは俺達でやってなかった?」
「やったけど、大体三年生はでしょ。でも、今回は三年生、大会参加率高いからな。えぇ……と、今回のリーダー誰だったかなぁ」
生徒会って何してるんだろうって思っていたけど、そんなことやってるんだな。
「うん。全体の指揮は会長様のお仕事で、各班のトップに指示を出すの。で、そのトップから各部隊のリーダーさんに指示が飛んで、隊員が動く! いつも大きな行事だとこんな感じかな?」
へえ……組織化されてんだな。
「入学式とかはそこまでの人員を動かさないけど、剣技大会や文化祭とか、規模が大きくなると大変みたい。でも、会長様はいっつもスマートにお仕事をなさるのっ! かっこいいんだよ~!」
……リリアーナ先輩も、ツバサまでとはいかないものの、ラルが好きなんだな。いや、ツバサの好きとはベクトルが違うかもしれないけど。
熱弁するリリアーナ先輩にツバサは何度も頷き、先輩の言葉に同意した。
「ラルさん、とってもかっこいいです!」
「ねー!!」
そのうち、この二人で何かするんじゃないかな。ラルを崇める会とか褒めちぎる会とか、そんなのを立ち上げそう。
なんて下らない話をしていると、あっという間に会場までたどり着いた。教師達の誘導で、続々と参加者をさばいていく。ここで、ツバサとリリアーナ先輩とはお別れだ。二人は生徒会関係者の部屋へと向かい、俺とイツキ先輩、ユーリ先輩は参加者の集まるホールでブロック決めをしなくてはならない。
「じゃあね、いっちゃん、ゆっちゃん。予選落ちなんてしたら、あれだよ! いっちゃんは耳引っ張って、ゆっちゃんは尻尾を引っ張るから!」
リリアーナ先輩からの激励に二人の顔は青ざめる。そして、イツキ先輩は両手で耳を押さえて、ユーリ先輩は困り顔だ。
「幼馴染みがこわぁい……」
「言うようになったね、リリア」
「私は二人を信じてるんだよ?」
「いや、それなら、頑張っての一言で十分だけどね?」
「それだけじゃ、ゆっちゃん、手抜きするから」
「俺はユーリの巻き添えかよ!?」
「抜かないよ。……少なくとも、予選上がるまでは。僕の目標、そこだもん」
思ったより、低い目標……なんて、思ったけど、参加人数がかなりいるみたいだし、勝ち上がるだけでも相当大変だろう。ある意味、少し低めのハードルを設けて、努力した方が達成感があっていいかもしれない。
「アラシも頑張ってね! その、あーちゃんのこともあるけど……頑張って!」
あ、はい……うん、アリアなぁ……

俺は参加者の待合室として、かなり大きめのホールへと通された。どうやら、人数の関係でいくつかの待合室が用意されているらしく、俺と先輩達は別の部屋へと通された。そりゃ、何百人が一か所に集められて、さらにくじを引くなんて、時間がかかる。分けて行うのが普通だ。
「ん? あれ、ミユルとシエルも参加すんのか?」
俺と、ここに入ってすぐに見つけたレオンとアリアとで待合室の端に固まっていると、見知った顔がこちらに近寄ってくるのが見えた。
ミユルはにこりと笑って答えた。
「セラおばさんの講習会に行きたくて。講習会なら、優勝しなくても参加資格貰えるかもだし。シルも私と同じ理由よ♪」
「へ~……俺やレオンは賞品に興味ないんだけど、そういう人が多いんだろうな」
「ま、二人はそうだろうね。……で、そのレオンは大丈夫なの?」
シエルの視線の先に、壁に全体重を預けてぐでっとしているレオンがいた。俺がアリアとレオンと合流したときからこんな感じである。気絶はしていないから、会話は可能だけど、極力話したくないようで、俺に状況説明をした後は、ずっとこの調子だ。ちなみに、アリアは興奮気味で落ち着かない様子である。
「なんか、ここに来るまでに首根っこ掴まれたまま引きずられたんだとさ。周りがくじを引き始めたら、勝手に復活するって」
そこから数分後、教師からのアナウンスが入り、参加者によるブロック決めが始まった。そして、予想通り、ぐでっとしていたレオンが跳ね起きる。近くに立っていたシエルが驚いたのか、びくっと体を震わせた。
「っしゃ! どうせなら、皆で確認しようぜ! いっせーのーせっ感じで!」
「それはいいけれど、どうして?」
ミユルが不思議そうに質問をした。俺が考えるに、大した理由なんて存在しない。聞いたところで呆れるだけだ。
案の定、レオンはけらけらとおかしそうに笑って、一言。
「んなの決まってるだろ? そっちの方が面白そうだから、だよ!」
ほらな。心底、どうでもいい理由だった。
俺達が全員、一枚ずつくじを手に持ったのを確認したレオンはニヤニヤ顔のまま、合図で紙を開くように促した。俺が持っているくじを見てみると、それは四つ折りになった簡素なものだった。これを実行委員達が一から作ったのかと思うと、彼らの苦労も途方もない。……もしかしたら、使いまわししている可能性もあるけどな。
「せーのっで見えるように開けるぞ~?」
「予選は四ブロックで行われるってことは、僕達は五人だから、最低でも一組は被るね」
「ふふ……タダ券……♪ ご飯……!」
「気合い入っているわね、アリアちゃん♪」
「タダ券……!」
出てくる言葉は「タダ券」か「ご飯」のほぼ二択だが、ミユルの言葉に頷いている辺り、話は聞こえているらしい。やれやれ。それなら、もっと違う言葉も話してくれたっていいだろうに。……無理か。
「せー……のっ!!」
レオンの掛け声で俺達は一斉にくじを開いて、お互いに見せ合った。皆の反応はそれぞれだが、俺は叫ばずにはいられなかった。
レオンはAブロック。アリアはBブロック。ミユルはCブロック。シエルはDブロックだ。
そして、俺の手の中にあるくじは大きく大文字の『B』の記述。それが意味するものは、俺の割り当てがBブロックだということ。俺とアリアが被ったということ。
これが頭を抱えない理由がないだろ。
「なぁぁんで、俺なんだよぉぉ!!??」
「ゆう~しょうっ♪」
タダ券とご飯以外も話せるじゃん! いや、そうじゃねぇ!!
「にゃはは~♪ 頑張れ、アラシ~♪」
くっそ! むかつく笑顔しやがって!! こういうのはお前の担当だろう!?
「担当なんて初耳だけど!? いや、俺はあれだ。さっきの屋台巡りに行ったから。それでほら、免除だよ。免除」
一生、レオンがアリアの相手してくれよ……
「地獄だな~……無理~」
くっ……決まったものは仕方がないとはいえ、俺が何をしたと言うんだ。



~あとがき~
探索編終わった……勝手に探索編とか呼んでるけど、終わった……

次回、大会(予選)スタート! の前に、生徒会の話をちらりとしますね。まあ、流れでスタートできるでしょう。

大会始まるまで約十話程かかってますね。長いね。
ここから予選が終わるまで、どれだけかかるのやら……十話でおさま……らないか。うん……

全くのノープランでしたが、アラシ君が生徒会二年組とお話しするシーンが書けて満足です。今後、何かあるかもしれないし、交流を広げておけ、アラシ君!!←え

ではでは!