satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第68話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわちゃわちゃしてる物語です。本編とは一切関係ありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック。
前回から予選が始まってます。Aブロック終わりましたね。本当は二話に分けようかと思ったんですけど、中途半端になりそうだったので、長くなりましたが、一話に収めました。無理矢理。
今回は順当にBブロックのお話です!
アラシ君視点でいきます。なんでかって? そりゃあ、そっちの方が面白いから(訳:一人称視点の方がやりやすいから)です。


《A side》
「……うわぁ」
モニター越しに見ても、かなりの威力のある攻撃魔法だと思った。魔力のコントロールが下手なレオンらしいと言えば、らしいんだが。いやでも、あそこまでする必要性ってなんだ。
『おおっと!? いきなり雷が落ちたと思ったら、二人を残して、残りはノックダウンだ!』
『ト、トーナメント出場権を獲得したのは……冒険科二年、イツキ・カグラ先輩と、冒険科一年のレオン・エクレール、です!』
リュウ先輩とキャスの実況で、残ったのは術者のレオンとそれを回避したイツキ先輩の二人がトーナメント進出を決めたことを告げる。
へらへら笑うレオンと、あまり事態を理解していないらしいイツキ先輩の顔が映し出された。音声は流れないものの、二人が何か会話しているのが分かる。まあ、世間話か何かだろう。
レオンの攻撃は強力だったが、心配はいらないだろう。おばさ……セラ理事長のかけた特殊効果付きのフィールドもあるし、何より救護班が何とかするはずだ。大きな怪我にはならない。少なくとも、俺が見てきた中で、大怪我したなんて話は聞いたことがないからだ。
『十分の休憩、及び準備時間を経て、Bブロックを開始するぞ! 該当選手はフィールドに集まってくれよな!!』
……始まってしまうのか。ある意味、地獄の始まりとも言える、予選が……いや、アリアがいなければ、地獄でも何でもなく、ある程度は楽しいと思う。こいつがいるからモチベーションも上がらないし、テンションも底辺なのだ。
「……はぁ。行くぞ、アリア」
壁に立て掛けてあった武器、双剣を手に取りつつ、近くで観戦していた─しっかりと見ていたかは怪しいところだが─アリアに呼び掛ける。アリアは俺の言葉に直ぐ様反応し、普段のクールさはどこへやらと言った具合に、元気よく答えた。
「タダ券っ!」
アァ……ハイ。イイオヘンジデスネ……
ふんすふんすと鼻を鳴らして興奮しているアリアを連れ、フィールドへと繋がる通路を歩く。この瞬間もある意味恐怖を感じているんだけれど、これを誰とも共有できないのが残念でならない。
できることなら、ユーリ先輩とは別のブロックでありますように……イツキ先輩は終わったし、知り合いでブロックを知らないのはユーリ先輩だけ。なるべく、被害は最小限の方がいいに決まっている。それに、知り合いが巻き込まれるのを見るのはちょっと……ね。いやまあ、レオンとかは別だし、仮に自分に何かあるなら、知り合いでも差し出しちゃうけど。……ま、差し出す人は選ぶけどな。

フィールドに出ると、俺達よりも先に到着した人達がたくさんいた。各々、軽い準備運動をしている。舞台に立つと、観客の声援というか、声が結構聞こえてきてて、臨場感がある。モニター越しよりも何倍にも、今、大会に参加しているという実感が湧いてきた。
「タダ券……優勝……!」
この場に立って、更に興奮してきたのか、嬉しくなってきたのか知らないが、アリアのテンションはてっぺんを知らない。普段がローテンションなだけに、ギャップが凄いだけかもしれない。
あの様子を見るに、俺は攻撃姿勢を取るよりも防御姿勢に力を入れる方が得策な気がしてきた。一応、釘差しておこう。
「アリア、俺はあっち行くけど……お前、本気なんか出すなよ? ぜーったいに、だぞ!?」
「優勝……♪」
頷いてはいるものの、本当に分かってるのかはさっぱりだ。タダ券のことで頭がいっぱいになって、適当に返している可能性もなくはない。ええい。話を盛ってでも、言い聞かせないと今後に関わる。
「……くれぐれも、最大出力で魔法なんか使うなよ!? どうなるか分かったもんじゃないし……下手したら、大会中止もあり得るからな! タダ券もなくなるかもしれないからな!!」
「分かった。優勝、タダ券。頑張る」
……大丈夫、かなぁ。本当なら近くで見張っていたいが、そんなことをして、俺が予選敗退するのはいただけない。できる限り、アリアからは離れて対策を練りたいのだ。開始のゴングがなる前にアリアから離れ、どうするか……というか、アリアからの攻撃をいかに食らわずに生き残るかを考えなくては。あぁ、もう! なんでこんなことになってんだよ!? 俺はアリアと同じブロックなんて望んでませんけど!? 願い下げだよ、くっそ。
自分の運を呪いつつ、アリアのいる位置とは反対側まで移動したところで、リュウ先輩の声が聞こえてきた。ここまでにユーリ先輩を見かけていないし、恐らく、別のブロック……ってことにしておこう。
『さぁ! いよいよ予選、Bブロックの試合開始だ! このブロックは他よりも三年生が固まってるために、Aブロック以上の激戦が予想されるぜ! 相棒! 開始のゴングを頼んだ!』
『へあ!? あ……はい! それではBブロック! スタートです!』
試合のゴングが鳴り響くのと同時にフィールド上にいる生徒達の激しい攻防戦が始まる。……が、それも急に周辺の気温が下がり始めたことで、ほぼ全員が攻撃の手を止める。
「……な、なんだ。誰かの魔法か技か?」
「それにしたって寒すぎだろ……霧まで出てきてるし」
俺を含めた周りの人達をドライアイスのような霧が辺りを包み始める。発生源を探している人もいるが、俺からすればそんなことをしたところで止められるものではないと知っている。
あんのやろぉ……!! 俺の言葉理解してねぇだろ! あの大食いバカは話をちゃんと聞いてたのか!?
恐らく、普通の防御魔法なんかでは間に合わないだろう。ここは先人のありがたいお言葉、『攻撃は最大の防御』に倣うしかない。
俺は構えていた剣をその場で地面に突き刺し、防御姿勢を取った。取っただけで、これで防げるなんて思っていない。
「“紅炎舞”!」
本来、炎属性の広範囲攻撃魔法である“紅炎舞”を発動させる。その瞬間、俺の体を包むように……この場合は守るように火柱が上がった。その瞬間、周りの人達から悲鳴が数多く聞こえてくる。
……やりやがりましたね、あいつ。
ある程度、落ち着いたところを見計らって、魔法を解除。すると、俺の目の前には氷の壁がある。でも、多分これ、壁じゃなくて……
『フィールドに突如として現れた巨大氷山! ほとんどの生徒がこれに飲まれてしまったようだぁぁ!!』
「……デスヨネ」
地面に差した剣を抜き、鞘に納める。俺の立つ場所以外はこの氷山に覆われているのだろう。こんな芸当をするなと忠告したはず。俺の言葉は届いていなかったのだろうか。それとも、これは彼女なりの手加減……なわけない。これを認めてしまえば、世の中のあらゆる魔法や技が手加減の範疇になりかねない。
パキパキと音が鳴っている氷山の上から滑り降りてきた、ことの原因に俺は怒りを抑えられなかった。あれほど言ったのに。言ったのに!
「……アリアァァァァ!!!」
「タダ券っ!」
誇るな!! 褒めてねぇわ!!
この氷山、何か名のついた魔法と言うよりは、気持ちが抑えられなかったアリアによる産物だ。簡単に言えば、とりあえず、興奮したから目一杯の魔力をぶつけてみたよ☆ 的なやつだ。迷惑極まりない。
「俺、始まる前に言ったよな!? 手加減! て・か・げ・ん! 知ってる!? この言葉!」
「優勝……♪」
「聞けよ!!?? さっきまで返事してくれてたよな! アリア! アリアさぁぁあん!?」
「……ご飯。優勝、タダ券」
「もうやだ。……俺、こいつのこと分かんない」
これに巻き込まれた先輩や同級生には同情しかないが、これも運の尽きだと諦めてもらうしかない。こいつの友人として、心の中で謝るわ……すみません。こんなやつで……
それにしても、このあとも試合が続くし、トーナメントだってここでやるはずなのに、フィールドをこんな風にしてしまって、大丈夫なんだろうか? これ、実行委員や生徒会にも迷惑が……あー……ごめん、ラル会長……ごめん。本当に。
……なんで俺がアリアのやらかしたことに罪悪感を感じなきゃなんねぇんだよ。意味分からん。



~あとがき~
Bブロックはアラシ君による一人劇場だと思ってる。一人で怒ったり、嘆いたり忙しいね……(哀れみ)

次回、アリアちゃんが作り出してしまった氷山をどうするのか! 
また別視点に切り替えますよっと~♪

特に言いたいことないですね。
もう少し、描写のお勉強したい。
似たような言葉ばかりを使ってしまいますが、お許しを……キャパがねぇんだ……(泣)

ではでは!