satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第97話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわーわーしてる話です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
長かった……遂に決勝ですよ!!
ラル「そこじゃなくて、別のこと突っ込んでいい?」
はい。なんすか!
ラル「あなたのメインである空海の話数に近づきつつありますが、それについて一言」
……空と海はそれとして進めるさ!
ラル「約七年かけて二百越えなのに、こちらは約一年程で百です」
いやぁぁぁ!!! あれっすね! 二人で作ると違うね!!
ラル「おい」
今回の決勝戦は第三者目線! それぞれに焦点は当たるとは思いますが、ラル多めかな? 分からん!


大会が始まってからずっと着けていた通信機を耳から外し、机の上に置く。そして、手早く学生服から探検隊の仕事着へと着替えた。ラルはいくつか仕事用の服は持っている。理由としては用途によって使い分けているのと、彼女なりのスイッチの切り替えのためだ。しかし、今回は仲間であるクラウセレクトである。デザートイエローを思わせる少しくすんだ黄色のベストにVネックの黒のインナー。そして、カーキーのホットパンツに身を包み、膝上ほどまである編み上げのロングブーツを黒タイツの上からしっかりと身につける。……これが今回のスタイルだ。
一部だけ結ってある髪もほどき、完全に下ろした状態にする。たまたま部屋にあった鏡で全身をチェックするも、若干の違和感は否定できなかった。
「もっと地味なのでよかったのでは……?」
ここまで目立つような格好をする必要があったのか、と。
しかし、時間はもうない。ここは潔く諦めて、これでいくしかない。残りの装飾品を身につけて、ティールから拝借したセツを装備しようとしたところでその手は止まった。
これから行くのは対戦相手となりうる人物達が集まる部屋。そんなところで見せるように武器を構える必要性はない。もちろん、見えないようにマントを被るのも考えたが、フォースに読まれては同じことである。バレたくなければ連れていかないのが一番なのだ。
「セツちゃん、ちょっとお留守番しててもらっていい? 変な人についていかないでね。一応、ここの鍵閉めるけど」
『あいあいっ! らいじょーぶよ! るーとてぃーいがいのひと、きたらやっつけちゃうから!』
それはそれで別の案件が発生しているのだが、やめろとは言わなかった。それくらいの気持ちでいてもらった方が頼もしいと言うものである。
しかし、ラルは念には念をと魔道具を使い、自分の分身とも言える“ドール”を呼び出した。今の自分と瓜二つの姿をするドールはぴしっと敬礼ポーズで登場する。
「はぁい! お呼ばれしたので飛び出してきました! 何かご用ですか、マスター!」
「ここを留守にするから、セツちゃんと留守番しててくれる? 万が一、盗られでもしないようにね」
「わっかりました! マスターのご命令とあらば、なんでもやっちゃいますよー! 安心して行ってきてくださいっ♪」
『またあとでねー! るー!』
元気な二人─『人』で数え方が合っているかは分からないが─を部屋に残し、ラルは集合場所へと向かう。バックヤードである通路に人気はなく、誰ともすれ違わずに、目的地へと到着した。一応の礼儀としてノックをする。
「あ、ラルさん。待ってたよ」
ラルを出迎えたのは、今年の大会実行委員長であるマルだ。ふわっと笑い、中へと通してくれる。部屋には先程、試合を終えたばかりのミユルと焼きそばを頬張るアリアがすでに待機している。また、離れたところに制服姿だが、フォースも部屋の隅で椅子に座っていた。
「なんでお前は制服なんじゃ……」
「着替えとか一秒で事足りるだろ?」
ニヤリと笑うフォースは、お得意の創造の力を使い、着替えるつもりらしい。なんとも狡い手ではあるが、彼の力はそれくらい何とも思わないのだ。
ラルは、これ以上は何も聞かず、離れているフォースの腕を掴む。そして、無理矢理集合させた上で、マルに向かって頷いた。
「えっと……説明しても大丈夫、かな?」
この疑問は最もだろう。これは主にアリアに向けられたものだが。それに答えず、ただただマイペースに焼きそばを食すアリアに代わり、ミユルが笑顔で答える。
「大丈夫ですよ、先輩。アリアちゃん、ちゃんと聞いてると思いますから♪」
「ならいいけれど……それなら、話、始めちゃうね?」
静かな部屋に場違いな生活音が響く中、マルは二枚のカードを取り出した。右のカードに『ラル』、左のカードに『フォース』と手書きで書いてある。
「このカードを今から決勝に勝ち進んだ二人に引いてもらうね。そこに書いてあった相手とコンビを組んで、決勝で戦ってもらう……相手は完全に運任せってことになるね」
つまり、この場にいる誰もがこの先どうなるのか分からない。ラルのパートナーがアリアかもしれないし、ミユルかもしれない。分かっていることといえば、ラルとフォースは対立するし、ミユルとアリアも同様であるという点くらいだろう。
ラルとしては、広範囲魔法を感情に任せて使っているアリアとはあまり組みたくはないのが本音である。使っている属性的には、ティールとほぼ変わらないので、やりやすさはあるのかもしれない。が、それとこれとは話が別というものだ。
「おれ的にはどっちも嫌だからどうでも」
「誤解を生む。大会が嫌だと言え」
「大会が嫌です」
自分に素直なのか適当な奴なのか、フォースは大した感情も込めないまま、言葉を紡ぐ。しかしまあ、本心のところ、人が嫌というよりは、現状が嫌なのだろう。それはラルも同じである。
やる気のないゲスト二人は放置したまま、マルは二枚のカードを裏返しにした状態で適度に切っていく。そして、どちらが誰なのか分からないくらいになるまで繰り返し、ミユルとアリアの前に裏返しのままで差し出した。
「好きな方を選んでください」
「はぁい♪ さて、と。……どっちを選ぼうかしらね~? どうする? アリアちゃん」
じっとカードを見た後、笑顔でアリアに呼び掛ける。変わらず焼きそばから手は離れないものの、目線はカードへと向いている。一応、選ぼうとする意思はあるらしい。
一方のゲスト枠の二人はすることがないので、カードを引く光景を会話をしながら見ていた。
「フォース君がアリアちゃんと組めばいいんだよ」
「あ? まあ、おれはどうでもいいけどよ。誰だろうと、やることは一緒だし」
「協力プレイって知ってる?」
「今の今まで交流がなかったのに、協力なんて無理。おれの性格知ってんだろ」
「そぉだけどさぁ」
「あんまりなりたくないとか考えてると、ディーネさんと組むことになりますわよ、奥さん」
楽しむような笑みにラルは一瞬だけ言葉に詰まる。普段から個性豊かなメンバーを取り仕切るラルだが、好き好んでやりたいとは思わない。
「フラグはへし折るもんだから……」
「回収するもんだよ」
下らない話をしている間に、ミユルとアリアはカードを選び終わったらしい。それぞれには一枚のカードが手に渡っていた。二人の「せーの」という声でカードが表になり、名前が開示される。
「……あら、フォース先輩は私とですね♪ よろしくお願いします」
ミユルが見せるカードにはフォースの名前が書かれていた。となると、必然的にアリアのパートナーはラルになるわけである。
「あはっ♪……つーことだ。よろしくねぇ、リーダー?」
「……は、はあぁぁぁぁ!? へし折れよ! フラグ!! 私、どんだけ厄日なんだよ!?」
これぞお約束と言わんばかりの展開である。
驚愕するラルに、マルは戸惑いつつも励ましの言葉をかける。
「だ、大丈夫だよ。ラルさんなら、アリアさんとも上手くできるって」
「そーそー! おれらのリーダーなら、大丈夫だよぉ? ま、頑張れ。おれは平和的に終わらせる」
フォースから、励ましにもならない煽りの意がこもった言葉を投げ掛けられるものの、それに突っ込む元気すらなかった。……というよりは、これからどうしようという考えが頭を支配し、反応できなかったのだが。
「アリアちゃん、フィールドに上がったら確実に暴走すると思いますが、よろしくお願いしますね? 会長さん」
と言う、ミユルの忠告も上の空である。
ラルがちらりとアリアを見ると、未だにご飯中であり、このあとに戦う気迫すらない。
「……どうするかな」
ラルの呟きは誰に届くものでもなく、話は進んでいく。アリアとミユルからカードを回収したマルは、扉の方へと近づき、こちらを振り返る。
「じゃあ、試合が始まるまでの残り時間で軽い打ち合わせをお願い。ないならないで構わないけれど……それじゃあ、僕はリュウ達にこの結果伝えてくるね」
それだけを言い残し、部屋を出ていった。残されたのは試合にて戦う四人のみ。
「おれとラルの入口はお前らとは別だからな。作戦会議したいなら、今しかないぞ。やる必要があるなら、だが」
「なら、少しお話ししましょう♪ ちょっと出てくるわね、アリアちゃん」
聞かれないようにか、部屋の外で話をするらしい。ミユルとフォースが出ていったあと、ラルは小さくため息をつく。
自由人の如く暴れると予想されるアリアの手綱をどう操るべきなのか。そもそも、それが自分にできるのか。不安は尽きない。
「……アリアちゃん、私達も少し話をしよう。なんて、聞かないんでしょうけれど。一応の忠告はしておく」
食事の手は止めないものの、視線はラルへと向けられている。最低限、話を聞く姿勢はあるようだ。これならば、まだ通じるものがあるはずだ。
「初っぱなからの広範囲魔法を止めるつもりはないけど、それだけで勝てるとは思えない。アリアちゃんが相手をするなら、きっとフォース君が来る……あいつのやる気はないと思うけどね。それでも、注意するのをお勧めするよ」
「……」
「それと、少し約束してほしい。難しいことじゃないけれど、これを守ってもらわないと優勝……いや、ご飯のタダ券はないと思って」
アリアはラルの言葉にこくりと頷く。今のアリアにタダ券というフレーズは何かと便利な機能を果たすらしかった。内心ほっとしつつも、ラルは一つだけ条件を提示したのだった。
その条件を聞き、アリアが納得したところでラルは、部屋を出ていく。フォースの言う通り、ラルはアリアと同じ入り口から入場するわけではない。また、着替えで使った部屋にドールと雪花を放置したままである。どちらにせよ、あの辺で解散となっていただろう。
「あの言葉がどれだけの意味を成すのか……かなり不安だ」
『ふふん♪ 何やら酔狂なことをしておるの、マスター? 我も交ぜとくれ』
自身の背後から雷姫の気配を感じとる。ラルと見た目が似る雷姫だが、ドールのように瓜二つではない。髪も雷姫の方が長く、妖艶な笑みを浮かべている。それを視れるのはラルしかいないのだが。
雷姫はゆらりとラルにまとわりつくが、主である彼女は大して気にせずに歩を緩めなかった。
「もちろん。全面的に協力してもらうわよ」
『ほほう? それは楽しみじゃ』
チーム一の実力を持つフォースと、魔法によるサポートを得意とするミユル相手にどこまでできるのか……否、アリアをどれだけコントロールし、観客に満足してもらえるのか。ラルの課題はそこである。
「いいところまで引き延ばす。これが今回の最大ミッションよねぇ」



~あとがき~
嵐の前の静けさと言うか、まだバトルにはならないですね。

次回、アリア&ラルVSミユル&フォース!
どうでもいいけど、フォース、ハーレムみたいですね←

特に言いたいことはないですね……(笑)
あれかな。ラルの探検隊衣装。本当にいくつかパターンがありまして、まあ、それぞれの用途によってって感じではあります。
どんなやつなんだ!? ってイラストは例の記念イラストにて描ければと思ってます。フォースとあわせて描くよ~!(多分)

ではでは!