satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第101話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で好き勝手する物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
ラル&ドールVSフォース&ミユル&鈴流戦でした! 今回はまた、戦況が動きます! だらだらと戦闘も書けなくてさらっと終わってしまいましたね。気持ち的にはもっと書きたかったけど。
ラル「そうやって先伸ばすのよくない! 空海本編の乱闘を思い出せ!!」
それなぁぁぁ!!!(泣)


フォースがミユルの元へ辿り着いたときには、もう一人のラル改め、ドールの姿はなかった。ドールを捕まえていたであろう植物と、鞭を構え、若干困惑気味のミユル。そして、ふわふわと漂う鈴流のみである。
「フォース先輩、会長さんが……いえ、それよりもアリアちゃんの第二波が来ます」
ミユル自身もアリアの魔法予兆を感じていたのだろう。真剣な眼差しをフォースに向けた。
「了解。……で、お前らが戦っていたのは偽者。ドールに雷姫持たせるとは大胆だよ。何するかわかんねぇな、あいつ。……ま、予定外なこともあったが、これはこれで作戦通りになるだろ」
「……ええ。そうですね。では、予定通りに。幸運にも、準備はできてますし」
ドールを拘束していた蔦をしゅるりと操り、満面の笑みを浮かべた。それを見たフォースは、ため息を一つ漏らす。
「……ほんとにやるのか?」
「もちろん」
ミユルの迷いのない返事を聞き、フォースはもう一度ため息をついた。今度は、誰にでも聞こえるようにわざと大きくした。

一方のフォースを見送ったラルは雷姫を腰に差し、傍にはドールが付き従っていた。ドールは不思議そうに首を傾げる。
「マスター、よかったのですか? もう少し、彼女達を引き付けていてもよかったのですよ」
「いいよ。ここで終わらせるわけにはいかない。まだまだ、楽しいお祭りは続けなきゃ」
今頃、アリアの広範囲魔法の対策でも打って出ているところだろう。
『……この我がドールに使われてやったのだ。それなりの見返りは期待しておるよ、マスター?』
ドールの能力値はラルとほぼ変わらない。そのため、雷姫を操るのもドールには可能だ。ラル以上の火力は生み出せないにしても、普通に刀として使い、簡単な能力解放くらいならば、容易いのである。あくまで、能力的には。雷姫本人がそれをさせてくれるかはまた別問題だった。
「大丈夫。ちゃんと楽しませるよ、雷姫」
『当たり前じゃ。……時に、マスター』
「なぁに?」
『人魚の娘、やる気満々じゃの』
「……は?」
『れーき、びんびんにかんじるぞー!!』
氷の力を操る雪花が元気よく答える。恐る恐るアリアのいる方角を見ると、試合開始直後と同等、もしくはそれ以上の氷属性の魔法を放とうと準備中であった。仲間を気遣うようなものではなく、巻き込まんとする程の力を感じ、ラルの背筋に寒気が走る。
「私もいるの忘れてるよね!! 忘れてるよね!? もうやだ!! こんなん三つ巴戦だよ。一対一対二って構図だよね! あーもー! セツちゃん!」
『あいっさー!』
半ば投げやりに雪花を地面に突き立て、防御姿勢を取る。もしかしたら、フォースやミユルが止めるかもしれないが、準備をしておくに越したことはない。
「ドールは一時退避。さっさと帰れ」
「りょーかいでっす! 乱暴なマスターも嫌いではないですよ! むしろ、大好きです!」
「変態な捨て台詞吐くな」
くるりと一回転したドールは満面の笑みを浮かべたまま、この場から消えていった。
『ふむ? マスター、何やら奇っ怪なことが起こっているようじゃぞ?』
「は? 何……お、おぉ?」
『すー、かたいかたーいしてるのら』
「固くないよ。高いな。たかいたかーいだよ、セツちゃん……?」
雪花の些細な言い間違いを訂正したラルの目に写ったのは、ミユルの作り出したであろう太く丈夫そうな蔦状植物にフォースが捕らえられている光景だった。攻撃タイプではないミユルが、唯一の戦力と言っても過言ではないフォースと仲間割れなどあり得ない。となれば、作戦の一つだと気付くのに時間はかからなかった。
『小僧が縛られておる。んふふ。滑稽じゃの~♪』
『すー、びみょーなかおしてる』
「まあ、不服なんだろうね。あはっ♪ しばらくネタにしてやる。……って、じゃなくて!!」
植物は上へ上へと成長を続け、ある程度の高さになるとぴたりと止まる。そして、大きくしなると、フォースを投げ飛ばした。その方角には今、まさに魔法を放とうとしているアリアがいる。
「あー……強引だけど、効果的な手だ。セツちゃん、守んなくていいよ」
地面に刺されていた雪花を抜き、ラルは自身の腰にある鞘へと納める。
接近戦となれば、フォースとアリアをぶつけてしまった方が彼女の強力な広範囲魔法を防ぎ、同等に張り合える。フォースの気分次第ではアリアを圧倒できるかもしれない。彼にその気があれば、だが。
「ってことは、次の相手は……」
「私です。会長さん♪」
ミユルがいつの間にかラルに接近し、鞭による攻撃を放とうとしているところだった。それに素早く対応し、雷姫を抜刀。眼前に迫っていた鞭を刀身と少しの電撃で弾く。
「あっちに気を取られていたとはいえ、なかなかのスニーキングスキルですね。ミユルさん?」
「お褒めいただき、恐縮ですわ」
ちらりと辺りを探るも、鈴流の気配はなかった。フォースについていったのか、帰したのかまではわからないが。しかし、二対一にならなかっただけ、よかったのかもしれない。
「フォース君よりは難易度低めだといいなぁ」
「流石にフォース先輩みたいにはいきませんよ。それでも、精一杯相手を務めます」
ピシッと鞭を構え、笑顔を浮かべる。その表情は余裕である。それに雷姫がふんっと鼻を鳴らした。
『この娘からは覇気も殺気も感じぬ。まだ、小僧の方がやる気はあったわ。つまるところ、本気ではないのだろう。……つまらんの』
「別に命のやり取りはしたくないから、それでいいんだけど。……行くよ、雷姫」
『仕方がないの~』
フォースとの一戦の方がまだよかったらしく、未練がましく返事をする。そんな雷姫に呆れつつも、ラルも腰を落として雷姫を中段に構える。
「せやぁっ!!」
「雷姫!」
ミユルの放った鞭を雷姫の電撃が弾く。それを何度も繰り返し、攻めているのはミユル。守りに入っているのはラルという構図が出来上がった。雷姫で鞭を弾く度、バチッと赤い電撃の火花が舞う。
鞭がしなる分、稼動範囲はミユルの方が上だ。背後からの攻撃はないが、距離は離れていても攻撃はできてしまうのだ。また、弾くタイミングがずれてしまえば、あっという間に雷姫を絡め取られてしまうだろう。極端な話、ミユルがやたらめったらに打ち込んできても、ラルにはかなりの負担となりうる。
「この攻防、不利だな」
『ふん。我が盗られても、あの娘は使いこなせないどころか、我が精神力を食ってしまうだろうな』
「その事故だけは防ぎたいねぇっ!」
どこかで折り合いをつけなければと思っていると、勢いよく弾いた手前、ミユルの素早い切り替えに対応できなくなってしまった。ミユルの鞭がぐるぐると雷姫の刀身に巻き付き、動きを封じられる。
「やぁっと捕まえました。ここまで耐えられるとは思ってませんでしたよ?」
「そりゃ、どうも……」
ミユルがぐいっと鞭を引っ張るとそれに合わせて雷姫が持っていかれそうになる。ラルは慌てて両手で雷姫を握り、自分の体の方へと引き寄せる。この力比べはラルに軍配が上がったようで、ミユルはこれ以上、雷姫を引き寄せられなかった。
「つかぬことをお聞きしますが、私達のこの会話は会場の皆様には聞こえていますか?」
「は……? いや、会場を飛んでいるカメラのマイクじゃ、余程近くによらない限りは拾わない。私達に至近距離では近付かないようになっているよ。戦闘中にカメラと接触事故なんてしたくないもの」
質問の意図が分からなかったが、ラルは素直に答える。そして今答えたものは事実だった。会場では試合中ずっとリュウが実況しているし、外に設置しているモニターには、放送部の声と映像しか映し出さない。フィールドの周りにマイクを設置しているわけでもないのだ。大声で話すなら未だしも、普段の声量くらいでは当人同士のみにしか聞こえていないだろう。
「私とミユルちゃんのこの会話を聞いている人は恐らくいない。まあ? 唇を読むとか、心を読むとか? そういうことをされなければ、手段はないと断言しようかな」
「そうですか! なら、よかったです。……会長さん、取引をしませんか?」
「……あ?」



~あとがき~
半分? 半分くらいかな??

次回、アリアVSフォース! そして、ラルVSミユルです!
アリアちゃんはご無沙汰ですね。

特にお話しすることはないので、終わります。
進展してると思ったけど、案外そうでもないんですよね。話すことがない。

ではでは。