satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第105話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でどんぱちする物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
勝戦も終わる! ラルが終わらせたいと言ってたからな! 終わるぞ!!
ラル「ここで問題です。ででーん」
ミユル「ふふっ♪ わ~い♪」
ん????
ラル「ここまでの決勝戦、バトルのみでどれだけの話数が使われているでしょうかぁ~?」
ミユル「さあさ。お答えくださいな~♪」
……あぁ~……えーと……うん! 始めるよ!!
ラル「逃げたな」
ミユル「あ、十はないですよ~?」


莫大なエネルギーがぶつかり合えば、互いの力を衝突させ、中和させ、消滅していく。そして残ったものだけが更なる攻撃を仕掛けてくる。
アリアとラルが勝てば龍がこちらに突っ込んでくるし、ミユルとフォースが勝てば光線が二人を焼き払うだろう。
しかし、ラルが放った“雷龍”に勝てるはずもない。一頭なら未だしも、アリアの双龍もいる。相殺など─元よりするつもりはなかったが─夢のまた夢であった。そして、“雷龍”の能力を知るフォースだからこそ、次なる行動は決められた。
巻き上がる砂埃の中でフォースは小さくため息をついた。内心、やりやがったと悪態をつきながら。
「こんだけ視界悪けりゃ、観客からおれ達は見えていないだろ。今のうちに伏せとけ」
「フォース先輩は……?」
フォースの言う通りにミユルは地面にうつ伏せになったものの、彼を見上げて首を傾げる。計画では二人でやられたふりをする手筈だったからだ。この場に寝転ぶだけで問題はない。……先程までは。
「自殺というか自滅か。それしてくる。……鈴流、助かった。帰っていいよ」
『わかった。気をつけてね~?』
鈴流を帰し、フォースはフィールドの外側に向かって走り出した。説明を全くされていないミユルには何がなんだかさっぱりである。そんな彼女にフォースは一言だけ忠告した。
「そこ動くなよ。感電したくなければ」
「……えっ?」
戸惑うミユルを残し、フォースは全力疾走した。ちらりと後ろを見ると、初めよりは小さくなったものの、“雷龍”が迫っている最中であった。これにミユルを巻き込まないように逃げる必要があったのだ。悠長に説明する暇などなかった。
“雷龍”には敵に大ダメージを与えられる強力な技であると同時に、追尾効果がある。狙った敵を力が続く限り、地の果てまでも追いかけるという恐ろしい能力が。その効果をラルはフォースに向けたのだ。
「最後に置き土産しやがって、あのアホ!」
“雷龍”に莫大な代償が必要なのは知っている。少なくとも、このようなところで使う技ではない。ついでに言えば、ゲストの仕事はこれで終わりでも、生徒会長の仕事は終わっていない。それを承知でこれをしたのだろうかと思ってしまう。
そんな余計なことを考えたせいだろうか。
不意に体が痺れる感覚と共に、勢いよくフィールド外にある水路に落とされていた。龍に捉えられ、突進されてしまったのだ。しかし、龍はここで力尽きたのか、役目を負えたのか、ぱちんと小さく弾けて宙へと消えてしまう。
「……覚えてろよ」
戻ろうと思えば戻れるとは思うが、それをする気分ではなかった。アリアと戦った時点でずぶ濡れだったのだ。今更、回避行動をする必要もない。
大きな水柱と飛沫を上げながら、彼はその場の流れに身を任せることを決めたのだった。

『Wiener! 勝者はアリア&ラルチーム! よって優勝はアリア・ディィィィィィィネェェェェェ!!』
一、二分程してようやく視界も晴れ、リュウの勝利を告げる声が響いた。フィールドには万歳をするアリアと予定通りに倒れているミユル。そして、雷姫を鞘へ納めるラルの三人がいる。
『小僧はマスターの思惑通りに落とせたらしいの』
「……だねぇ。恨まれてなきゃいいけど」
ラルは上機嫌な雷姫の声を聞きながら、水路の方まで歩み寄り、下を覗きこむ。すると、近くの梯子まで泳ぐフォースの姿があった。決して泳ぎに適した服装ではないのだが、スムーズに泳いでいた。
『ふん。滑稽じゃ~♪』
雷姫の声が聞こえたのだろう。フォースがこちらをちらりと見上げた。そこから何かを読み取れるほど感情は感じなかったものの、呆れてはいるんだろうな、と勝手に予測立てる。
次にラルは今も倒れたままのミユルの側まで近寄り、手を差し伸べる。
「もう立っても大丈夫じゃない?」
「……そうですね。一応、演技しておきます」
ミユルはラルの手を素直に掴み、よろけながら立ち上がる。実際はそこまでではないだろうが、『やられたフリ』をする必要があるからこその仕草だろう。立ち上がったミユルは丁寧に頭を下げる。
「ありがとうございました、会長さん」
「いえいえ。こちらこそ」
『これにて、大会本選は全て終了したぜ! 最後に! 俺達に熱い戦いを見せてくれた四人に大きな拍手を!!』
リュウのいらないお節介により、会場から割れんばかりの大喝采を浴びる。ラルはミユルと共に手を振って応えていたが、何かに気がつき、その動きをぴたりと止める。
「四人……おいこら、フォース!! 帰ろうとするな! 待て! ステェェイィィ!!」
注目されるのを嫌うフォースがこれを素直に受け止めているはずもなく、梯子を上りきった彼はそくささと近くの出入り口から引っ込む最中であった。ラルに呼び止められ、足は止めるもののすぐに歩みを再開させ、フィールドを後にしてしまう。
「あら……フォース先輩にもお礼言いたかったのに、行っちゃいました」
「あの薄情者め……まあ、いいや。どっちにしろ、ゲストの私達の仕事はここまで。とっとと学生に返さないとね。二人はこのあとの閉会式で表彰式もあるから、係りに従って。ついでにアリアちゃんは任せた」
「はい。分かりました」
アリアにも何か挨拶をしようかとも思ったが、今の彼女と話しても、何も伝わらないし、無視されるだろう。単純に虚しくなりそうだったため、ラルも大人しく引っ込むことにした。
『こ、このあと、十分後に閉会式と今大会の表彰式を行います! 会場の皆様はそのままでお待ちくださいっ!』
キャスの案内を聞きながら、先程フォースが通っていた出入り口を潜る。すると、コートを脱ぎ、額に張り付いた前髪を鬱陶しそうに弄るフォースの姿があった。
「……一人で帰ったかと思ってたよ、フォース君」
「文句の一つでも言ってやろうかと思ってたの」
閉会式中に生徒会でかるラルやフォースのすることはなく、大会終了後の片付けまでは時間はある。とはいえ、のんびりとここで立ち話する必要はない。二人は救護室へと歩を進めた。
「よくもやってくれたな、お前。あんなところで“雷龍”を撃つなんて、頭おかしいんじゃない?」
「決勝戦だよ? 最後は派手にどかーんとしないと、つまらないじゃない?」
「……そうかもしれんが」
どこかはっきりしないフォースにラルはニヤリと笑う。素直じゃない彼らしい反応でもあると思いながら。
「なぁに? 心配してくれるの?」
「まあね」
「そう思うならおんぶしてくれよ~? 今、結構しんどいんだぞ~」
実のところ、こうして歩くのも辛かった。技の反動もさることながら、鈴流からの容赦のない攻撃もまた、今になって響いてきているのだ。戦闘中は全く気にしていなかったのだが、いざ終わってみるとあちこちが痛む。フィールドに立っていたときは観客のいる手前、ばったり倒れるわけにもいかず、余裕そうな態度を見せていたのだった。
「ま、自業自得だけどな。……おんぶねぇ。してもいいけど、おれ、めっちゃ濡れてるよ?」
「それはやだ。寒そう」
「着替えるならいいんじゃね?」
「閉会式終わるまで寝るって決めてるから。濡れたくない」
「……そのままで?」
「制服で寝たらシワがつくだろ。嫌だよ! 一秒でも早く寝る。着替えるのはその後でいいよ」
しっかりしているのか、不真面目なのか分からない発言をしているが、すると決めたのならそうするのがラルだ。このまま、救護室にあるベッドに倒れこむつもりなのだろう。
フォースは小さくため息をつき、彼女の意識が途切れないように絶えず話しかけながら救護室へと向かった。



~あとがき~
とっちらかってるなぁ。

次回、閉会式だー!
もう終わるね。やったね!

こちらの世界でも“雷龍”はめちゃんこ強い技だけど、反動も凄い技として認識されてます。
バトル描写はあまりないので、今後また使うことがあるのかは謎です。うん。覚えなくてもいいかな。

ではでは。