satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第119話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界できゃいきゃいする話です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
ラルが感じ取った気配はアリアちゃんでした。そのアリアちゃんの手にはティールがゲットできなかった幻のジャムパンが!!
まだ全体の半分も終わらないこの三年メインの話。一体、何話かけるつもりなんですかね、私は……?
ラル「十話以上?」
……かけてるな、それ。


見せてくれていたジャムパンを引っ込め、アリアちゃんは再びそれを食べ始める。凄まじい食欲である。この前の大会やツバサちゃんから話を聞いて、知ってはいたけれど、知ったつもりになってただけなんだろう。
「五個ってことは、今、アリアの手には四つあるってことか……」
「ううん。…………さっき、一個食べた。……今あるの、これ入れて、四つだけ」
「マジですか……?」
「……ん」
毎回、それだけ食べて飽きないんだろうか。いや、飽きないんだろうなぁ。うん。
毎週、五個欠かさず買っているのなら、いの一番に会計を済ますのだろう。あの喧騒を避けて、買っているんだろうか。どのような手を使っているのか気になるところである。授業サボってゲットしています、なんて。そんなしょうもない答えではなさそうだけれど。今日はたまたまいなかったけれど、毎週、授業にいないわけでもないし。独自ルートがあるのか、単純に足が速いのか。
……んー……推測するには情報が足りない。さっぱりである。
「……♪」
美味しそうにジャムパン(二個目)を食べるアリアちゃんを羨ましそうに見る、ティール。気持ちは分からなくはないが、みっともない。
「諦めろ、ティール。君の分はないのだよ」
「そうだぞ。人のものを盗ったらドロボーだぜ? 嫌だよ、おれは。そんなことのために手を染めるなんて」
「むう。二人して意地悪なんだから。……盗らないよ。いやでもさ、近くにこんな猛者がいるとは思わないだろう? 凄いなぁって感心とショックと……その、色々感情が複雑なだけだよ」
それには同情しよう。ドンマイ。気が向いたら代わりに行ってあげるよ。……気が向いたらな。
落胆しつつも、ティールは本日の昼食、フィッシュバーガーにかぶりつく。ようやく、彼も昼食タイムである。
食べ始めたとはいえ、やはり、未練はある。バーガーを食べつつも、ちらちらとアリアちゃんを見ていた。
「……はぁ。にしても、噂程度には聞いてたけど、ほんとに十個だったんだな」
「ふうん? 噂にはあったんだね?」
「うん。昔は十個あったらしい、みたいな。そんな感じのをね」
アリアちゃんが卒業すれば今度は昔、五個だけだったらしいって噂に変わるんだろうか? 流石にないか。
「…………あげる」
何を思ったのか、アリアちゃんは一つのジャムパンをティールに差し出した。パンを差し出されたティールは、アリアとパンを交互に見つめ、困惑気味だ。
「え。……え? え、と。え??」
「だって……食べたいんでしょ?…………僕、また来週買うし……あげる」
思いがけない施しにティールは硬直してしまった。動かなくなった彼の目の前にパンを置いたアリアちゃんは、袋から残り二つを取り出す。そして今度は、私とフォース君に一つずつ渡してきた。
「ラルとフォースにも……あげる」
「んえ……いいの?」
「ん。……いい。…………それに、フォース、なんにも、食べてないから」
あ、いや、こいつは何も食べなくても……ってのは、無粋か。受け取るか否かはフォース君自身が決めることだ。
「……くれるなら、もらう」
中越しに受け取ったフォース君はパンを咥える。私の記憶では、フォース君は一度もあの戦場を体験していない。あれを知らないままこれを食べるのか、フォース君は。
「ありがと、アリアちゃん! 一回食べたことあるんだけれど、美味しいよね」
「……ん♪」
いつだったか、ティールにせがまれて参加した経験がある。結果、一つを手にして勝利を納めた。現状、それが最初で最後なんだけれど。
ドリアを食べ終え、パンを食べる……程の余裕はない。仕方がないので、先にデザートを食べてしまおう。パンは置いておいてもまあ、大丈夫だろうが、パフェは怖い。悪くなるといけない。
「フォース君。あと、アリアちゃん。話がある」
「んあ?」
「……?」
「がらっと話の流れは変わるんだけれどね。……三日後、サバイバル合宿あるから、必ず出るようにとのお達しですよ」
なんか遠い昔のように感じる、数十分前の授業で言われた件について二人に話した。頼まれたのはフォース君だけだが、アリアちゃんもいるなら好都合だ。大切なことは何度だって繰り返しても足りないくらいなのだから。
「さっき、イグさんの授業で頼まれたから。忘れないうちに伝えとこうと思って」
「あ? 今日の魔物学、イグニースだったのか。……なら、出ときゃよかった。いないだけでアホみたいに減点してくるからな、あいつ」
「いやぁ、理由なく減点はしないよ? 君がサボってるってバレてるんだろ。先生に」
「……なんでバレてんの?」
「登校した記録はあるから?」
「あぁ……なるほど」
ぶっちゃけ、星の数ほどサボりを実行してきたフォース君に今更減点なんて脅しにもならない。あくまで落第したら面倒だから、最低限気を付けるだけで、抜くところは徹底的に抜く。それがフォースという男である。
「ま、過ぎたことは仕方ねぇけど。…………まぁた、あのくそつまらん合宿の時期か。何の意味があんだよ、あれ」
先程の授業に関してはもう興味もなくなったのか、話題はサバイバル合宿へと移る。本来、こちらの方が本題ではあるが。
年長者のフォース君からすれば、つまらないかもしれないけれど! これの出席は卒業必須項目の一つ。忘れましたなんて、許されないんだからね?
「わぁってるよ。逃げませんって」
とかなんとか言って、一年の頃に放置された恨みは忘れてないからな?
過去にフォース君と組んだことがある。このときはお互い、腹の探り合いが主で、騙し騙されを繰り返した挙げ句、夜中に一人で放置されるという痛ましい事件が起こった。もちろん、一年のも卒業必須科目だから、教師が点呼を取る朝に、ふらりと戻ってきたのだけれど。放置されたのは百歩譲ったとして、そのあとの雷姫様を宥めるのに苦労した。深夜にマスター一人にしておくなど、何を考えているのじゃ!……と怒り心頭であったのだ。主に雷姫が。
とまあ、このようなことがあったのだけれど、置いていった張本人は真顔で一言。
「そんなことありましたっけ?」
「あったわ、バァカ!!」
お前とタッグ組んだのが運の尽きだったわ! やっぱり、斬るべきだな。今! ここで!!
「まあまあ。二人とも落ち着いて? あの合宿は山の魔物や獣を狩って一晩過ごすだけだから。……今回は四人一組なんだって」
ジャムパンの感動から復活し、フィッシュバーガーを食べ終わったティールが苦笑いしながら、私とフォース君を宥めた。
「四人ねぇ。おれら三人ですけど」
「三人ってそれがネックだよね~……いっそ、ぼくら、バラバラになってみる? 自画自賛じゃないけど、バラけた方が皆、手を挙げそうじゃない?」
まあ、私達三人とも現役だからな。その可能性は大いにある。あるにはあるが……
「却下。私が楽できないから」
「もー……ラルってば。そういうことしか考えてない」
「考えるでしょ。ティールやフォース君がいた方がこきつか……頼りになるし!」
「ラル~?」
「見えてるぞ。人使い荒いリーダー様の本心が」
わざとだよ。
しかし、そうなるとあと一人を見つけなければ。一人で、ある程度の交流がある人だとやり易い。更に言えば、料理や設営よりも狩りをしてくれるような……そんな、人……が。
「…………アリアちゃん!」
「むぐ……ぐ?」
カレーパンに夢中だったらしいアリアちゃんは、私達の話を聞いていたかは怪しい。しかし、そんなことを気にしている余裕はない。ここで言わずして、どこで言う!?
「今回の合宿の件ですが! 私達と組まない!?」



~あとがき~
ようやく渡されたプロットの半分です。
なんでここまでかかるのか? わたしがいらん場面足しまくってるからだよ!! 楽しい!!

次回、サバイバル合宿の幕が上がります!!
癖の強いメンバーを筆頭に、ラルはどう攻略するのか!?……なんて、大それたことはしません。わちゃわちゃーっとして終わりです。

書くことないな……
あ、ラルがジャムパンゲットしたルートはふっつーに廊下走りました。ただ、雷姫様にも助力してもらってます。一応、喧騒前に到着し、一つだけ購入したという形のようです。
今もやろうと思えば、できると思います。まあ、ラルはジャムパン信者ではないので、参加はその一度きりでしたっていう背景があります。
関係ないですが、このジャムパンネタ、何かと相方と私のネタになってます。ティールがアホの子になるりんごネタだからだと思います。
りんごネタはティールをお馬鹿にする唯一のネタなので、製作陣に弄ばれてます(笑)

ではでは!