satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第124話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でもぐもぐしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ラルとフォースの手によって夕食が完成した辺りまできました! このサバイバル合宿編も終盤ですぞー!! 展開的にはな!
ラル「話数的にはもうちょいかかります。一、二話で終わるような状態ではないです」
それな!


追加のお仕事を終えて、アリアちゃんとティールが帰ってくる頃には、夕食の準備もしっかりと終わらせた。
今回のメニューは雑多に突っ込んだ謎のスープ(味は保証する)、アリアちゃんとティールが狩ってきたお肉と、その辺で収穫した山菜の炒め物、お情けで全班に配られているパン。デザートにカットした果物というまあ、質素な食卓である。とはいえ、サバイバルにしては豪華なラインナップか。
「パンは今そこにあるだけしかないからな」
これは参加者全員が唯一、必ず確保できる食料のパンである。学食の料理長、ゴンツさんお手製なので、味は一級品だ。もしかしたら、この中で一番美味しいのはパン……なんてこともあり得る。悲しいけどね。
「あ、スープだけは大量に残って……って、アリアちゃんをこれ以上待たせるのも怖いので……食べながら話すよ」
私の隣でスープから目を離さないアリアちゃん。きっと、私達の話すらも聞こえていないんだろう。なんという食欲。
「はーい、みなさーん。一日お疲れ様! 明日の朝まで頑張るぞー……ということで、いただきま─」
「いただきますっ!!」
早い早い早い……
若干のフライングをして、アリアちゃんはスープを勢いよく食べていく。私達三人はぽかーんと眺めていたものの、ふと我に返り、各々手をつけていく。
「何入ってるの、このスープ」
「色んなもの。その辺にあった色んなものだよぉ」
「こわ。毒とか入ってない?」
冗談のテンションだな。つか、私らに聞く前に食べとるやんけ。
ティールの疑問に、これまた悪ノリしたフォース君がにやりと笑った。
「おれが毒味してるから、大丈夫」
「それ、本気のやつだよね」
「そだよ」
「フォースは毒入りの山菜とかキノコとか、食べたことあるの?」
「あるよ。事故とかで」
あるんだ。……え、事故?
食事しながら話すことではないけれど、制御者という特殊体質のフォース君だからこその話題でもある。アリアちゃんがあまり気にしていない─というか、多分、スープに夢中で聞こえていない─のをいいことに、悪ノリ状態の私達三人はこのまま話が進んでいく。
「毒入りのって旨いもんは旨いんだよね。これぞ、冥土の土産。言葉通り」
「いらない土産……事故って何? 間違えたとか? フォース君ともあろうお方が?」
「おれが間違えるわけねぇだろ。大体はアホが突っ込んでたの。料理に」
とんだ大事故が起こっている……!
「マスターさんの料理て」
「混入以前の問題だよなぁ……ぶっ倒れても、それが毒のせいなのか料理のせいなのか分からんし。んで、そのものの味が気になって手を出すみたいな」
フォース君のマスターさんは、力を司る神様のファウスさんって人らしい。もちろん、実際に会ったことはないけれど、そのファウスさんの趣味が料理らしく、その料理は劇物だと時折フォース君が愚痴っている。フォース君は何回かその餌食になっているらしい。
にしても、フォース君もフォース君だ。怖いもの知らずというか。そんなに死にたいのだろうか。いやぁ、この辺、ブラックな話だな……突っ込めん。
「……あの人、自分が作った料理食べても平気なんだよな。舌が馬鹿なんじゃないかな……馬鹿って言うか、味覚なんて存在しないんじゃなかろうか」
うぅん……どうなんだろうねぇ。
話がマスターさんのお料理に移っているが、大して気にしない。ちなみに、私は試したいとは思わない。絶対に昇天する自信があるからだ。私はまだ死にたくない。
「誰もあの人の料理なんて食いたくねぇから」
「……? どんな味、するの?」
何杯目か分からないくらいのスープを食していたアリアちゃんがふと首を傾げた。ご飯に夢中で何も聞いてないと思っていたけれど、料理の話だからか、気になったのだろう。
アリアちゃんの疑問にフォース君は即答で答えた。
「お前さんがぶちギレたくなるくらい不味い」
「……?」
……うん。話題変えよか。食べながらする話じゃないわ。
今更な気もするけれど、普通の話題に切り替える。
ティール、今年の夏は実家帰るの?」
「母上からの帰ってこいコールがうるさいけど、今のところ帰るつもりはない。……なんで?」
「この前……ティールがポカやらかした日の。あのとき、親方から夏休み空けとけーって話があって。雰囲気的に、私とティールっぽいんだけど」
「分かった。覚えとく。んでも、せっかくだから、探検行きたかった~」
「何させられるんだよ、お前ら」
それな。全く分からないから怖いよね。
いつの間にか食べ終わってるフォース君が早速後片付けをし始める。多分、元から少なかったんだろう。食べなくてもいいし、それなら、少しでもアリアちゃんの分を増やしてやろう……的な考えだ。まあ、その根底になるのは、優しさではなく、アリアちゃんの空腹が怖いだろう。

アリアちゃんが綺麗に全部食べてくれ、大満足してくれたところでイグさんが顔を出した。各班指示された場所ではなく、好きなところでキャンプしているが、教師側は何らかの手段でこちらの場所を把握している。何かあった場合の対処のためだろう。
……という推測を立てた上で、私は彼を見上げる。
「追跡ですか~?」
「そりゃあ、生徒の安全は保証しないとな♪ アリアのその顔を見るに、ちゃあんと食料の確保はできたみたいだな~っと」
イグさんは手元のリストに何やら書き込むと、すぐに顔を上げた。
「んで? もう寝るだけか?」
「まあ、そうだな。片付けも粗方終わってるし、することと言えば、火の始末と獣避けの術の確認くらいか?」
「ほいほいっと~♪ 流石、現役ばっか集まってるグループだな。手慣れててこっちは楽だよ♪」
「イグ先生、何かあったんですか?」
イグさんの口振りに何かを感じたのか、ティールが質問を投げ掛けた。それに対し、イグさんが苦笑を浮かべる。
「ん~……大したことじゃないけど、なかなか食料の確保が満足にできなかったチームがちらほらいたのと……料理失敗して、おかずないとかなんとか……三年にもなって何してんだってミスだけどな」
食料の確保……ねぇ?
うん。関係ない。関係ない。アリアちゃんは毎回参加しているわけで。捕れなかった班は運がなかっただけなので。うちは何にもしてません。
「そういうチームって教師側からの施しあるんですか? 私、経験したことないけど」
「狩りが上手くいかずに夕食少ないとかだと、こちらの助けはなし。最初にパン渡してるから、それで我慢してもらうしかないな~♪」
うっわ。容赦ねぇ……一日、山の中駆け回って夕食パンだけなの。え、辛くない?
「んなこと言われても、食料確保も採点項目の一つだからな。今回は学内だが、一歩外を出たら、頼れるのは自分か仲間だけ。……だろ?」
イグさんの真剣な声に四人は黙って頷く。なんせ、働いてる四人なので。その辺の理解はある。
でも、サバイバル飯をするのは長期くらいで、短期なら携帯食持ってくけどね。皆が皆、サバイバル飯得意にはならないとは思う。
リアさんは“イベントリ”の魔法があって、普段からたくさんの調理器具を持っている人はまた別の話だけれど。あの人のご飯見てると、「サバイバル飯とは?」って考えてしまうくらい豪華な料理作るんだけれども。まあ、あれは例外中の例外だ。
ふと、疑問が浮かんでしまい、私は心底どうでもいいことを聞いた。
「ねー? イグさーん」
「ん? なんだ、ラル?」
「在学中もリアさんの豪華なご飯、健在でした?」
「いんや」
あれ。そうなの?
私と知り合ってから数々の器具を持っていたのに、使わなかったのか。
「……持ち込みの制限……じゃない?」
アリアちゃんの呟きで納得した。あれも制限のうちなのか……確かに、絶対に必要かと聞かれるとNOだな。
「あ~……俺らが一年の頃はなかったんだよ。持ち込み制限。まあ、元々禁止されてるもんはあったけど、数の制限とか持ち込みの申請とかはなかったんだよな」
……え? でも、今は予め申告しないと持ち込み厳禁ってルール……まさか。
「俺とリアが初めて参加した合宿で、あいつ、自前の調理器具を使って本格的な料理しだしたのよ」
「探検隊時代のリア先生ですね、それ」
「そーそー……なんだけどさ、たまたま近くに別班の拠点があってな。そこのチーム、料理に失敗したんだと。んで、量もあったからお裾分けしたら……どこで聞き付けたのか色んなチームが俺らんとこ来ちゃってさ~? 結果、大騒ぎになって、教師にまで嗅ぎ付けられて……次の合宿からルール変更入ったわけ」
リアさんの料理上手がこんなところで……いや、そもそもだ。
「お裾分けってありです?」
「禁止はしてないからな」
さっきの真面目トーンで話していたのはなんだったのか。信じられるのは自分と仲間だけって話でしたけどぉ!?



~あとがき~
どうでもいい話をしまくる食事会でした。

次回、就寝じゃー!!
お泊まりの夜が楽しくないわけない! ウッキウキだぜ!!

思い付くままに色々と書きました。まあ、言いたいことはあまりないのですが、これだけ。
有毒なもんを簡単に食べるなよ!! 当たり前だけど!! なぁにしてんじゃ、フォースは!!←
たまに訳のわからない行動をとるフォース君です。疲れてんのかな。いや、もうそうだよね。疲れてます。彼も。
謎の物体を上司から差し出されるんだもん。現実逃避したいんじゃないんですかね。(適当)
まあ、大体は仲間達が全力で止めに入ると思いますけどね。

ではでは!