satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第135話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でお出かけする物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、イグニースお兄様のお力添えもあり、ラルはツバサちゃんのお見舞いの約束を取り付けましたとさ。アラシ君の苦悩は続きます。
アラシ「ゼッタイ、ユルサナイ」
イグニース「いつものことだろ~? 色んな意味で」
アラシ「そうだね!?」
ま、あの場面のイグさんはアラシ君のお兄さんからラルのお兄さんになってたきがします。もしくは、ツバサちゃんのお兄さんかな。
視点はラルに戻ります。


全力で嫌がっていたアラシ君に申し訳なさもありつつも、イグさんからの「強く押せ。俺も援護射撃するから♪」という謎のアドバイスで、ダメ元でお見舞いの付き添いをお願いしてしまった。
結果、無理矢理っぽさはあるものの、OKしてもらえて、お見舞い当日を迎えた。
私はレースのブラウスにスカートというよそ行きファッションに身を包んでいた。多分、恥ずかしくない格好だ。多分。
「君が強引なのはいつものことだけどさ……本当によかったの?」
「私もそう思うけどさ。……イグさんがあそこまで言うんだもん。仕事もやってくれるって言うしさ。多分、ツバサちゃんの気遣いもあったとは思うけども」
承諾をしてくれたその日にアラシ君には、私とティールと行きますとは言ってある。私一人でもよかったけれど、どうせティールも暇になるなら連れていこうかと。あと、きっとブレーキになってくれる。
「……? 何?」
「なんでもない。頼りにしてるね、ティール」
「は? どういうこと?」
いつものしゃきっとした服装に身を包んでいるティールから、当然のような突っ込みが入った。そして、その突っ込みはスルーした。
あの日は二人だけという話だったのだが、その後にステラちゃんとリーフちゃんにも話が伝わり、「私達も行きたいです!」と言われてしまった。あんなに拒否された後に打診するのも気が引けたのだが、アラシ君には─少し嫌そうにはしていたものの─思ったよりはあっさりと承認された。一人を案内するのも、四人を案内するのも変わらないのかもしれない。

アラシ君との待ち合わせ場所に向かう途中でステラちゃんとリーフちゃんと合流。
ステラちゃんはふんわりとした桜色のワンピース、リーフちゃんはシンプルなTシャツに若草色のカーディガンを羽織っている。
「つい、強引にお願いしちゃいましたが……大丈夫でしょうか?」
ツバサちゃんを心配するあまり、強気に迫ったことを今更ながらに申し訳なく思ったのだろう。ステラちゃんが困ったように話しかけてきた。
「アラシ君にも聞いたけど、大丈夫だっていうし……無理なら手土産渡して、さっさとお暇すればいいよ」
「てっきとうだなぁ……フォースは?」
「なんか、仕事がどうのって……だから、ワタシは探検のお仕事なのかなって思ってましたよ?」
リーフちゃんの言葉に「そうだっけ?」とティールが聞いてくる。私は何も聞いていないし、こちらから入れた記憶もない。独自に入れたのか、或いは。
「ウィルさんにお呼ばれしちゃったのかもよ?」
「制御者のお仕事か……すーくん、機嫌悪かったからなぁ。そうかもしれないです」
じゃあ、十中八九、自分の意思で入れた仕事ではないな。
「やっほー!」
待ち合わせの噴水公園に辿り着くと、こちらに手を振る人影があった。アラシ君がやっほーなんて言いながら歓迎するわけがないので、残る人物は……
「レオン。君もお見舞い?」
「まあな! 俺もツバサの幼馴染みとして様子は気になるし!」
明らかに仏頂面で不満げなアラシ君の横に、楽しそうに笑うレオン君がいた。二人ともラフな私服姿である。
「……勝手についてきたんだよ、レオンのやつ」
「だって、こんな面白いこと内緒にする方が意地悪だろ! 教えてくれたイグさんに感謝だな♪」
あのお兄ちゃん、良くも悪くも引っ掻き回すな。楽しいんだろうか。しかし、イグさんのことだ。無計画に引っ掻き回しているわけではあるまい。
「ご、ごめんなさい、アラシさん。やっぱりこんな大人数で押し掛けるのはご迷惑ですよね……?」
「え、あ……いや、そうじゃなくて……そっちは大丈夫だ。変な気使わせてごめんな」
ステラちゃんの言葉にアラシ君は首を振る。仏頂面の理由は、レオン君の突撃だけではなさそうだ。そもそも、ツバサちゃんの家に行くのが嫌そうだった……否。正確には私達を案内するのが、だ。面倒だからという理由だけではなさそうだが、それがなんなのかは分からなかった。
この中でただ一人、アラシ君の嫌がる理由を知っているだろうレオン君はにやにやと弄りモードで彼に話しかけていた。
「にしし。なんだよ、アラシ~? そんなにあいつと会いたくないのか? それをラルや後輩に見せたくないのかぁ?」
「うっせ! お前はそれ以上喋んな!!」
理由を悟られたくないアラシ君はレオン君を一喝し、くるりと方向転換した。
「……ツバサん家はここから遠くないから。行くぞ」
問い詰めるなオーラが凄い。
理由を知らない私達四人は顔を見合わせるものの、とても聞ける雰囲気ではない。まあ、どうせ行けば分かるだろう。急いで聞く必要はないか。
代わりに別の話題にでも。
「ねえねえ、アラシ君。ツバサちゃんのお家ってどのくらい大きいの? お嬢様だし、おっきいんでしょ?」
「んー……かなりでかい。そこは想像通りでいいと思うぞ」
お、会話は普通にしてくれるらしい。よかったよかった。
アラシ君の言葉に、続けてレオン君もにこやかに教えてくれる。
「使用人を住み込みで何人も雇ってるしな♪ 豪邸だぞ~♪」
わ、わあ……
庶民な私とリーフちゃんはそれを聞いただけでも、鳥肌ものだ。が、今はともかく、似たような環境に身を置いていたティールとステラちゃんは、そりゃそうだよねみたいな顔である。
これだから、金持ちは。感覚がおかしいんじゃなかろうか。
「お見舞い品、これで大丈夫なんでしょうか。今更ですけど、ワタシ、心配になってきた」
「大丈夫……私も大したもん持ってきてないから」
「大丈夫だって。そこまで畏まらなくても。俺達もガキの頃からお世話になってたし……その、なんだ。あそこの使用人は一部普通じゃないから……うん。ラル達ならすぐ慣れるって」
なんだそれ。褒めてるのか? 励ましか?
「お、ここだぞ! とうちゃ~く♪」
アラシ君とレオン君が立ち止まったのは立派な門の前。というか、門だと言われなければ気づかないくらいの高さの門だ。え、これが門なのか?
「え、こ……ここぉ!?」
「へぇ……なんだか、おとぎ話に出てきそうな大きなお屋敷だね。久しぶりに見た」
「ほんとですよ! 奥のお屋敷、すっごく大きい! ほわー!」
門の隙間から見える屋敷は確かに大きい。距離は少しあるが、この場からでも存在感は健在だ。とはいえ、学校の正門から校内までの距離はないけれど……あれと通常の家を比べちゃ駄目な気がする。規模が違うもの。
「ここの地域、なかなかの値段するんだよなぁ。流石ツバサ。すっごいお嬢様だ」
はあ!? そうなの!?
けろっとした顔でティールがとんでも発言をしている。というか、なんでそういうことを知っているんだ。
ティールは他の人達を少しだけ気にしつつも、こっそり耳打ちしてきた。
「……留学する前に調べた」
「この辺も候補地だったの……?」
「そこまでは知らない。今のぼくらの家って、父に言われて住んでるだけだもん。で、うちはいくらか調べたときに、たまたま知っただけだよ」
いや、なんで今の家の土地代調べたのよ……
「興味本位」
「どこに興味持ってんのよ!?」
その質問には答えずに、そっと私から離れた。これ以上はアラシ君達に勘づかれると思ったのだろう。まあ、ムカつくけれど、いい引き際ではある。
他の人達はお屋敷の話をしているらしく、私とティールの話には気づいていないみたいだった。
「そろそろ開けるか。たむろしても仕方ないし」
え、開ける? どうやって……?



~あとがき~
早く屋敷は入れ!←

次回、すんごい豪邸に潜入です!(笑)

ティールの実家は王宮ですので、ツバサちゃんの家を目の前にしてもそりゃそうだよね。お嬢様だしくらいの感想です。
ステラも似たようなもんです。どっかで言ったかは覚えてないけど。あの子もお嬢様です。んでも、ツバサちゃんの家ほど大きくはないですかね?
大金持ちではなく、お金持ち程度だと思ってください。……私には違いがわかりませんけどね!!←

ではでは!