satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第138話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でお茶してる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
リランはすでに絶滅した太古の白竜っぽい何かだとか、ぽやぽやしてるツバサちゃんが出てきたりと進んだようでやっぱり、玄関先から動かないラル達でした。
今回からは中庭へ場所を移します。中庭と言えばお茶会ですね。
ラル「……そうなの?」
ティール「そう、みたいだね?」


カルタムさんが案内してくれた中庭は中央に噴水があり、周りには色とりどりな花が咲き誇っている。そして、その噴水近くに数本の大きな木、そしてハンモックが設置されていた。
私達はそこから少し離れたテラスに置かれているようなテーブルとチェアが置かれたところへと通され、座るように促される。
「……The.お金持ちってところを見ている気がする」
「どういうこと?」
「お前に私の気持ちは分からんよ……!」
ティールのとこも中庭あったし……そういうもんなのかもしれない。お金持ちあるあるみたいな。
「失礼いたします。こちら、お飲み物でございます。どうぞ」
カルタムさんは軽く一礼し、私達の前に紅茶を置いていく。そして、アフタヌーンティーセットのようにスコーンやクッキー、プチシューなどが出てくる。
「……あれ。ワタシのとステラの香りが違うかも」
「ほんとだ! もしかして、みんな違うんですか?」
「お嬢様のご友人ですから、お話はお嬢様から伺っておりますゆえ。皆様のお好みはすでに把握しておりますから。このくらい、容易いことでございます」
容易いか!? え、容易いの!?
「ほ、ほえー……プロだよ~……カルタムさん、すごいです」
ステラちゃんの素直な感想にカルタムさんは微笑むだけである。きっと、この仕事に誇りがあるのだろう。このくらいどうってことないって感じだ。
お茶会の準備が整うと、カルタムさんは一礼し、ツバサちゃんの傍にそっと佇む。執事さんっぽい。
「それで、さっきはうやむやになっちゃったけど……結局、リランって何なの?」
それぞれお好みの紅茶で一息ついた頃合いを見て、ティールが問いかける。そういえば、そのような話をしていたところだった。
ちなみに、話題の中心となっているリランはというと、ツバサちゃんの足元で大人しくしている……かと思ったのだが、なぜか私の足元でしきりに匂いを嗅いでいた。
えっと……私、そんなに珍しい匂いなの?
『小賢しい竜め。気安くマスターに近寄るでないわ。何もできぬ子竜風情が』
いや、近寄るのはいいんだけれど。
今日はよく出てくるね、雷姫?
『気が休まらんのだよ』
……? どういう……?
「そうだな……文献にあるような白竜とは違うって意味かなぁ」
おっと。
雷姫に構っていると、アラシ君がティールの疑問に答え始めていた。こちらの話もしっかりと聞かないと。
私は一度だけリランを撫でると、嬉しそうに尻尾を揺らしてくれた。そして、私は佇まいを正した。
「ん~……じゃあ、昔の白竜さんとは違うってことですか? 精霊、とか?」
「えー……ドラゴンの精霊? ワタシ、聞いたことないけどな。授業とかでも」
「それは……私もだけどさ。……ティールさんは?」
「え。ぼくも聞いたことないなぁ。……ラルは聞くだけ無駄だよね」
叩っ斬るぞ。ま、ティールが知らないなら私も知るわけがない。
「なはは……やっぱ、そうなるよなぁ。百聞は一見にしかず! 見せた方が早いんじゃないの~」
「だな。……ツバサ、頼めるか? 俺やレオンでもいいけどさ、ここは主のツバサがやるのが筋だろ?」
「わかった~♪ おいで、リラ~ン」
「わふっ」
アラシ君の言葉に素直に頷いたツバサちゃんは席を立ちながら、リランを呼び寄せる。そんな主の声にずっと私の近くで匂いを嗅いでいたリランは、素早く主人の元へと駆け寄った。
「リラン。チェンジ」
この「チェンジ」の一言に、リランはその場でぴょんっと高くジャンプをし、空中で一回転すると、光に包まれた。その光に思わず目を閉じ、次に開くとドラゴンの姿はなく、代わりにツバサちゃんの手に武器が握られていた。大会のパフォーマンスで使用した、両剣である。
「は、はわ!? リランが消えちゃった……!」
「その代わりに、ツバサの武器……?」
「……リランの代わりにツバサの武器の出現。……ってことは、まさかとは思うんだけど、これ、リラン……なのか?」
ティールの結論にツバサちゃんはほわっと笑う。代わりに答えたのはアラシ君だった。
「正解。リランの正体はツバサの武器だ」
「は、はあぁぁぁ!?」
何も知らない私達四人の叫びがこだまする中、再び強い光に包まれた武器はドラゴンに姿を変えた。
「あんっ♪」
という、自信に満ち溢れた一鳴きで返事をした。

衝撃的なシーンを目撃した私達だったが、カルタムさんの淹れてくれたお茶とお菓子で心を落ち着かせた。これ以上、難しい話を聞く気がなくなったのか。もしくは、リランが遊んでとせがんだのもあるのか、ツバサちゃん、ステラちゃん、リーフちゃんの三人と一匹は噴水の近くで遊んでいる。
「リランがここに来たのは、今から二年前。ツバサのじぃちゃんのプレゼントとしてあの武器をもらったのが始まりなんだとさ♪」
と、レオン君はプチシューを一つだけ摘まむと、ひょいっと口に放り込む。ここからは彼が話してくれるらしい。
彼の話をまとめると、ツバサちゃんのお祖父さんがオリジナルで手掛けたと言う武器─ツバサちゃんは両剣、ツルギ君は刀だそうだ─にそれぞれ、白の魔力石が埋め込まれているらしい。ツバサちゃんは二つ、ツルギ君は一つ。
初めは普通の武器であったツバサちゃんの両剣に変化が訪れたのは、お祖父さんのプレゼントから約一ヶ月後の話だと言う。
「なんでも、自分の部屋に置いてあった両剣がツバサの魔力に干渉し、リランが目覚めたって話だ♪ そんとき、部屋で自作の魔法を試してたって言ってたから、そのせいだな」
十歳にして、自作の魔法を試すという件をさらりと流されたのだが、その辺は突っ込んでも仕方がないのだろう。ツバサちゃんだもの。
私、魔法とかよく分からないので、すごさも、よく、わからないので……!
そう自分に言い聞かせ、それでも釈然としない部分はある。それに関しては質問しても問題ないだろう。
「気になる話は多いけれど……それはともかくとして。あの、少しいいですかね?」
「どうぞ?」
「ツバサちゃんの魔力が原因だっていう根拠を知りたい。それに、今の話からすると、魔力石そのものがリランであるみたいに聞こえるけれど……魔力石が出来上がる工程であり得るの? それ」
私の質問にレオン君は少しだけ考え込むものの、それも僅かな時間であった。すぐにいつもの明るい笑顔に戻り、あっけらかんと答えた。
「原因については、現状、この説が有力ってだけだな~♪ 状況証拠ってやつよ」
なるほど。それ以外の原因が考えにくいということか。まあ、話に聞く限り、他の原因はなさそうに思える。
「で、もう一つの答えだけど……こっちも理論上の話になってくるんだよな~……その前に、二人は魔力石の出来方って知ってる?」
その問いかけに私はちらりとティールを見る。私の視線に、小さくため息をつき、レオン君に向かって頷いた。
「長い時間をかけて空気中の魔素が魔力へ変化し、やがて結晶体になったものが魔力石だよね。これが一般的な考えだけど……他にもいろんな説があるって聞いたことはある」
「そそ! それが基本の魔力石の作られ方なんじゃないかって言われてる。んでも、最近の研究では、とある方法でも製造つーか、精製できるんじゃないかって言われてんだよな♪」
とある、方法?
今まで楽しそうに話していたレオン君が、すっと真面目な顔つきになる。
「魔力持ちの生物が己の命を使って、魔力石になるという方法」
……え。つまり、命そのものを石に変える?
リランは自分の意思で、石に命を閉じ込めていたということになる。……本当に、そんなことが?



~あとがき~
衝撃的事実連発中。

次回、お茶会(真面目話)とお遊び。
ここの予告がてっきとうになってきた! いいか! 誰もあてにしてないもんな!!

以前、イギリスへ行ったときのアフタヌーンティーを思い浮かべつつ描写しましたが……実際はめちゃんこ量多くて、これ! お菓子の時間に食べるもんじゃないよね!? ないよね!?
と思いながら食べた記憶があります。美味しかったです。アフタヌーンティーでサンドイッチ出てくるのびっくりしました。軽食も兼ねているらしく、食べ方も決まっているらしいです。まあ、行ったときは好きなの食べてええで! って感じでしたが。
日本でもアフタヌーンティーを出してくれるお店があるようなので、少しだけ気にはなりますね。
あれ。何の話だっけ?(汗)

ではでは!