satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第150話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でのんびりお話ししてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、嫌がるリランのご機嫌(ついでにレイの好感度も)アップに成功し、広場にいくぞーってところです。
そして、今回で150話。何かする訳じゃないですが、ここまできましたね。ここまできて、まだまだ全体の半分も終わってません。四分の一も終わってません。レイ学はまだまだ続くんじゃ。


広場へと移動する間、その広場についての説明をアラシさんがしてくれた。
この研究所には、精霊の自然な行動観察をするための場所……所謂、遊び場があるらしく、室内ながらもかなりの広さがあるらしい。人工芝で作られた丘や精霊が遊べるようにとおもちゃ、草花が植えられているとのことだ。
「──前回、そこで遊んでたリランを見て、レイフィードさんが採血しようってなったんすよね」
「パパ、なんでしようって思ったのかな?」
アイの疑問にアラシさんは困ったように笑う。
「正直、難しくて俺らにもさっぱりなんだよな。ツバサ曰く、リランの血には生命を癒す力があるとか、なんとか?」
「? いーにぃ、わかる?」
「いーにぃもわかんなーい」
これを理解しているのは、父さんとツバサさんだけっぽいな。
そんな前を歩く父さんとツバサさんは、真剣にリランについてを話しているらしい。
「前回、採取したリランの血を使って色々と調べたんだが……やはり、リランの血のほとんどは魔素によって作られたものみたいなんだ。だから、昔の研究者、イングラシア・バーベルが書いた『魔素循環理論』の内容に似たようなものだと推測しているんだが」
完全仕事モードの父さんだな。のほほんとしている普段の父さんと目付きが全然違うや。
一同がぽかんとしている中、ツバサさんは父さんの言葉に反論した。
「でも、その理論を参考にすると、リランの血の効果である“血に触れた生命の全回復”の理由が説明つかないと思います。リランは本来武器なわけですし、『魔物魔法式理論』の方がよっぽど有力なような……?」
「その場合、魔法式の組み合わせはどうなるんだい?」
「……実は自作ではありますけど、私、何個か魔法式を組んでみたんですよ。そのまとめたものがこれなんですけど」
ツバサさんは鞄から一枚の紙を取り出し、父さんに手渡す。ここからでは見えないけれど、話の流れから察するに、魔法式が羅列されているのだろう。
「……ふむ。確かにこの組み合わせなら、理論上可能となっている。……が、果たして行ったとしても魔力が足りるのかは疑問だね」
「はい。……やっぱり、当時の”白竜の保有する魔力量”に関する資料を先に集める方が先決かもですね……今度リーナおばさんにも資料があるか聞いてみます」
うーん。聞いたことある単語もあるけれど、僕も知らない専門用語の方が多い。理解するには知識不足だな。
「やめてー! テスト前の頭に余計な知識が!!」
「寝たら忘れるだろ、お前は」
「イツキ先輩……」
呆れられてるぞ、後輩に。
「つーか! なんでそんな高度な魔法の話してんの! ツバサやばいな!!」
「あれ、いつもやってますよ~? 俺らには見慣れた光景っす♪」
「だからこそ、レイ学にも飛び級できたんじゃないっすかね?」
ついこの前、生徒会室でもフォースさんとも似たような話をしていたような。僕の近くにいた会長が、その会話を全く理解していなかったのをよく覚えている。二人をたっぷり見つめたあと、僕に「あれ、異次元の会話なの?」と真顔で聞いてきた。魔法に関する会話ですと答えたら、すぐに興味なくしていたけれど。
「フォースさんとの会話も僕、半分も理解できなかったし、レベル的には父さんと話してるくらいのものだったんだろうな」
「魔法使わないはずのフォース先輩がそんな話をするのも気になるけど! ツバサこっっわ! ほんとに十二歳!?」
年齢はアイとあまり変わらないはずだけれど、生まれ持った才能と言うものなんだろう。世界は不平等だねぇ……

広場の入り口と思われる扉の前には、とっくに到着していたリランが「早く開けて!」と言わんばかりに扉をぺしぺし叩いていた。ここのフロアの扉は全て認証ロックがかけられているから、リランでは開けられないのだ。
「あらら、ごめんごめ~ん。今開け……そだ。ユリくん、ノワールとリランを遊ばせたいんだけど、いい? アイちゃんも一緒に遊ぶ~?」
「え、ノワールを?」
「! パパ、遊んでいいの!?」
「遊んでいいよ~♪ 実は、今までリランを他の精霊とコミュニケーション取らせたことなくってね。俺が精霊召喚魔法使えたらよかったんだけど」
そういうことなら、僕は構わないけど。僕はいいけど、ノワールは……
一番後ろを歩いていたノワールを見てみると、心底嫌そうな顔をしていた。なんで俺がこんなチビと遊ばにゃならんのだ、みたいな。そんな感情がひしひしと伝わってくる。
「先生、むっちゃ嫌そうじゃん! いつもと変わんなくない? どこが嫌なのさ~?」
「がう」
「アイちゃんと楽しく遊んでるじゃん。一緒だよ。一緒」
「がうがう」
「なんか違うって~」
リランの方が幼い分、遠慮がなくて嫌なのかもしれない。遠慮がないのはお互い様だろうに。
「めっちゃ嫌がってますね、ノワール
「ですね。性格上、遊ぶって柄ではないので……ノワール、遊ばなくてもいいから、リラン達の傍にいてやって。気が向いたら遊べばいいから、な?」
「ぐる……がう」
納得はしていないものの、とりあえずは頷いてくれた。どうせ、アイのお遊びに付き合って、走り回ってくれるだろうから、頷かせただけでこちらの勝ちだ。
「いいってさ、父さん」
「やた~♪ んじゃ、開けるね~」
扉のロック解除をし、目の前の壁がなくなった瞬間、リランは全速力で中へと突っ込んだ。それに続くようにアイとツバサさんも後ろを追いかける。
ノワール、頼んだ」
「……がぁぁ」
ため息に似たような唸り声を上げ、ゆったりと一匹と二人のあとを追いかける。ノワールは鼻が利くから、あのスピードでも彼女達を見失うこともないだろう。
「俺らも入ろ~♪ 中に座れるとこあるからね、そこ行こっか」
「はーい」
残された僕達は父さんの引率のもと、ちょっとした休憩スペースのようなところへと案内される。少し離れたところにツバサさん達が見えた。
「ユリくん、ユリくん! そこにお茶を淹れる機械あるから、お願いしてもいーい?」
父さんが指差した方向にウォーターサーバーのようなものが確かにある。ボタン一つで適量注がれるようなタイプらしい。
「はいはい。何でもいいの?」
「いーよ! お茶しか出ないからね!」
レパートリーなさすぎか……悩まなくて楽だけど。
全員分のお茶を紙コップへと注いだところで一度には運べないなと気づいた。少しだけ考え込み、僕は適当に狼を呼び出した。
「これ、溢さないように運んで」
「あうっ!」
四つ足狼達でどう運んでくれるのかと思ったら、頭の上に器用に乗せ、慎重に運んでいく。我ながら、器用なやつらだな。優秀。
「あうあうっ!」
「んお、先輩の狼じゃん! サンキューな!」
「精霊を手足のように扱いますね、ユーリ先輩」
「そうでしょうか? まあ、比較的得意な魔法なんですよね、精霊魔法は。運んでくれてありがとう。帰っていいよ」
全員分を運び終え、狼達は影に溶け込むように消えていく。それを見ていた父さんは楽しそうにしていた。
「やっぱ、習得したぁい~♪ 今度、パパに教えてよ、ユリくん」
「いいけど、父さんあれこれ難しいこと言い始めるからなぁ」
「研究者の性だね!」
誇らないで。
そういえば、遊んでいるのはツバサさんとアイの二人だけだ。アラシさんやレオンさんはいいのだろうか?
僕の視線に気づいたのか、レオンさんがにっと笑った。
「俺らはあとなんすよ。あーと! 全力でやらないと割に合わないんですよね~♪」
「だからまあ、今のうちに体力温存しときたいんす。というか、行きたくなくてもどうせ突っ込んでくるし」
そういうものですかね?
「そうそう♪ だから、覚悟しといてくださいね、イツキせんぱいっ!」
「ん!? なんで俺名指しなの!」
……頑張れ。よくわかんないけど。



~あとがき~
雑になってきた気がする。申し訳ない!

次回、まだまだ遊ぶよリランさん。

なんか難しい言葉出てきましたね。私にもわかりません。説明とかも特にないです。多分。

フォースが魔法のアレコレを知る理由については、年長者だから知っているというのもあります。彼が勉強するのが嫌いじゃないってのあるし、過去に魔力持ちの継承者でもいたのかもしれない。
まあ、経緯はなんでもいいけど、ラル達の中での魔法関連はフォースの分野でした。ツバサちゃんが生徒会に来る前まではな!(笑)

ではでは!