satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第154話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でお仕事してる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ノワールとリランの話が終わりました。今回はラルとティールの話。この二人の話、最近多いな……もっと別の子に当てればええのに。例えばステラやリーフにね……?
いや、でも彼女らレイ学だと探検隊してないから、無理なのよ! すまん!!
ま、主人公その一なラルとそのパートナーだもの。出番多くて当たり前だよね。うんうん←?


突然ですが、もうしばらくすると夏休みです。私達の高校生活最後の夏休みがやってくる。そんな夏休み前だというのに、私達は相も変わらずお仕事をこなしていた。夏休み前なんだから、仕事やめようぜ! どうせ夏休みに仕事─未だにどんなのか不明なやつだけど─あるんだし! なんてのはなかった。無慈悲なパートナー様だ。
「ラル! ラストだよ!」
「はぁいよっ!」
後ろでライフル構えて援護狙撃していたティールの指示で、私は目の前に迫っていたなんかごっついモンスターに一太刀お見舞いする。その一撃で呆気なく倒れ、ドロップ品を残し、跡形もなく消えていく。
毎回思うのだけれど、絶命したモンスターがこう光に包まれて消えていくのはなぜなのだろう。神のご加護……なわけないか。ダンジョンの効果? モンスター全員に付与された能力?
ま、今はどうでもいいか。倒せたという事実だけが重要なのだ。さて、最後までこいつの種族名が出てこないな。
「えーっと? なんだっけ、こいつ」
「ジャバウォク、だよ」
ライフルをウエストポーチ─探検隊御用達、異次元収納機能つきのやつ─にしまいながら、ティールが答えを教えてくれた。
「あーそうだ。それそれ……ドラゴンっぽいよね。痩せ細った干物ドラゴンっぽい」
「干物って……ま、ドラゴン種にしては体格はあれなのは認めるけど。いや、本当の分類はドラゴンじゃないだろ。……翼生えてるから、そう思うのかな?」
かもしれん。
とはいえ、私の斬撃一つでご臨終されたので、そこまで強い魔物ではないのだろう。多分。
ドロップ品をそれ専用の袋に詰め、私も肩掛け鞄にしまう。これでギルドに報告すればこの依頼は完了だ。
「これであとはギルド行って終わり?」
「うんにゃ。実はもう一つだけ残ってる。ティールは嫌がるかもしれないんだけどね~」
「……?」
ギルドに戻ろうとしていたティールは首を傾げる。不思議そうにする彼に私はただ笑みを返すのみだだった

探検隊の仕事は多岐にわたる。
モンスター討伐、素材採取、配達依頼、救助依頼、ダンジョン内部調査、護衛、遺跡探索、お尋ね者退治等々。
もちろん、これらのどれかに特化したギルドや部隊もある。シエルくんのスカイガーデンは配達ギルドで、配達専門だ。アリアちゃんの所属するところは……その、ちょっと特殊な依頼を片付けるギルドな訳で。うん。大声では言えないです。
じゃあ、探検隊らしい仕事はなんだと言われたときに、真っ先に思い付くのは遺跡探索やダンジョン調査。つまり、未知なる場所へ一番に乗り込み、調査をするというものだ。ま、そんなところ、頻繁に行ければ苦労はないわけで。普段は、どんな仕事でも依頼されれば、きちんと責任と誇りを持ってお仕事する。これが私達がホームしている『フェアリーギルド』の信条の一つだ。
そして、その志に則り、私達はある種の何でも屋として働いているわけだが……
「な、なんなの、この雰囲気のある建物……」
「ラストは調査依頼だね。夜な夜な不審な影や気配がするので、この館を調査してくださいってギルドに要請があったんだって~」
私とティールの目の前には、何がとは言わないが、いかにも出ますよ!……という雰囲気を醸し出す洋館が建っていた。辺りは森に包まれ、雰囲気はばっちりである。何がとは言わないけれども。
そして、ティールにこの手の話は駄目なのだ。大嫌いなのである。得体の知れないお化けとか幽霊とか、怖い話が駄目な人なのだ。だからまあ、直前まで隠していたのだけれど。
私の軽い説明にティールは滅茶苦茶にビビって、意味もなく私の後ろに隠れた。男子としてどうなのかと問いたいが、本人は大真面目である。
「ぼくがこういうの駄目だって知っててやってる!? というか、これはフォースの役目じゃない!?」
「彼には丁重にお断りされました」
本来なら、よく視える目を持つフォース君に任せるのが正解なのだけれど、「ガキ共の家庭教師するんで無理」の一言で本人には断られた。流石にステラちゃんとリーフちゃんのお勉強の邪魔はできない。彼女らの成績を脅かしたくはない。
「文句は私じゃなくてノウツに言ってよね。この話持ってきたの、あいつなんだから。ま、ちょいちょいっと館内見れば終わるっしょ」
「ほ、ほんとに? ほんとになんもない!?」
普段、慌てることはあれど、怯えることはないから、こうもビクビクしているティールはお目にかかれない。だからだろうか。私の中にあるいじめたい欲求に火がついた。
「さぁ……保証しかねるねぇ」
にやりと笑って見せると、ティールは予想通りにあわあわし始める。
「やめて! 保証して! なんもないって言ってくださいっ!!」
「だぁって、色々あるんだもん。こんな生活感のないお屋敷なのに、人影がいるーとか人魂見たーとか。泣いている声を聞いたとかなんとか……」
「やだぁぁあ!! 無理無理無理ー!!」
と、叫びながら後ろから抱きついてきた。年頃の女子に抱きつくんじゃないと剥がしたいけれど、それはそれでかわいそうだし、悪化しそうなのでこのままにしておこう。
……うん。ごめん。多少盛った。声は聞いてないよ。まあ、面白いから言わなくてもいいか。
「実はここ、有名な小説家さんの別荘というか、持ち物らしくって。見た通り雰囲気あるから、作品にもリアリティーを求めて、ちょくちょく使ってるんだって。でも、ここ最近は来てないんだけど、さっき言った噂をどこからか耳にしたらしいの。で、その真相を確かめてほしいってのが詳しい依頼内容」
「なるほど? つまり、本当に人が住んでるかもしれないってこと……? それなら、捕まえないとだけどね」
「或いは幽霊的な某様が~」
「その先は言わなくていい!!」
仕事の話を持ち出しても、一向に離れる気配のないティール。とはいえ、行かないわけにもいかない。癪だが、一度任された仕事を投げるのはプライドに反する。
「もしあれなら、ティールは先に帰っててもいいよ? 私一人でも問題ないでしょ」
「……いや。ぼくも行く。もしかしたら、悪い人がいるかもしれないんでしょ? 戦闘になったら大変だもん。それに、ラル一人なんて信用できない」
それは一体、どういうことかなぁ!?
「日頃の行いだよ。反省して」
ぐ、ぐぬぬ……さ、最近は大人しい方だと思うんですけれどね~?
とはいえ、引っ付いたまま真面目な話をされても格好はつかない。私の心に響くものはなかった。
「じゃ、説教する前に離れてください」
「……それとこれとは話が別っ!」
「なんやねーーん!!」
抱きつかれたままでは動きにくいため、無理矢理引き離し、仕方なく手を繋ぐ。彼は何の躊躇いもなく強く握ってきた。
いやぁ、違うよね。本来なら女の子が好きな男の子に「やだぁ! 怖いよー! 〇〇くんっ」となる場面だよね。立場おかしくない? なんで私が男子側やってんだ!?



~あとがき~
きっと短くすむはず。私はそう信じてる!

次回、雰囲気のある洋館に殴り込みー!!……ではなく、不審者がいないか調査!

ラルとティールだけっていいのかなぁと思いつつも、ラル&ティールの話って考えやすいのでついつい書いちゃいますね。
今回は二人で仕事来てますが、真面目になるシーンはあんまりないと思いますわ。(フラグ)

ではでは!