satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第168話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で楽しそうにしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ラルとティールの真面目な話からのじゃれあいと、シリウスのと再会を果たしました。
今回はのんびり(?)四人で会話していきます。
もうそろそろこの過去編も終わりますね。よしゃよしゃ。
リア「前回のあとがきの件についてお聞きしたいんですけれど……?」
はて?? なんのことでしょー?
リア「惚けないで……」
ラル「はいはーい! いいじゃないですか。イグさんにあーゆーことされて、満更じゃないくせにっ」
リア「ラ、ラルちゃぁぁあん!?」
ほい。始めてくぜぃ!


テーブルの上をさっと整理し、ついでなのかイグニースさん達もそれぞれの飲み物を持ってきたところで、改めて自己紹介しよう的な空気になる。
「二人は知ってるみたいだけど、一応、名乗っとくな~♪ 俺はイグニース・フェルド。んでもって、こいつが俺のパートナーの」
「リア・フォルテです♪ イグニース……イグと二人でチーム『シリウス』を組んでいる探検隊なの。よろしくね?」
「よろしくお願いします。ぼくはティール……ティール・クランドと言います。そして彼女がぼくのパートナーのラルです」
「……ラル、フェラディーネ、です。チーム名は『スカイ』で、そのリーダーやってます」
「おう♪ よろしくな♪」
明るく挨拶してくれるイグニースさんだったけれど、何か思うことがあるのか、少しだけ考え込む。
「にしても……『クランド』……か」
と、呟いてティールをちらりと見る。そして、リアさんに視線を移した。何かを確かめるようなアイコンタクトに、リアさんも目を合わせる。
……ティールの名前に反応する理由は、大体が彼の家のことを知っているから。しかし、ファミリーネームだけを聞いても、ピンと来る人は案外いないものだ。別国だからという理由もあるだろうし、表に出るお父さんが公式の場で『クランド』の名自体をあまり名乗らないのもあるらしい。それは多分、こうして子孫が修行と称して国を離れることがあるからだと思う。それでも、徹底して隠しているわけでもないから、知っている人は知っているみたいなもので。
この二人も、ティールの『本当』を知っている人、なんだろうな。
「あの……失礼なことを聞くようだけれど、ティールくんは……もしかして、海の国の第一王子様……?」
リアさんの問いかけにティールはすぐ答えなかった。どう答えていいのか分からなかったのもあるだろうし、私を気遣ったのかもしれない。
隣の私をちらりと見て、テーブルの下でそっと手を握る。「大丈夫」と伝えるかのように。
……今の私、どんな顔してるんだろう。
聞ける状況じゃないし、口を挟める場面でもなかったから、せめて、ティールの手を握り返した。私も大丈夫だからと伝わるように。
「……はい。そうです」
「あぁ! じゃあ、お前が噂の『家出王子』ってことか!」
……は? 何言ってるんだ、この人……?
「い、家出……?」
ティール、家出してたのか。初耳なんだけど」
「何言ってんの、ラル。家出中ならあんな家に住んでるわけないだろ」
うん……まあ、そうだよね。あんな立派なおうちに住んでないよね。まだまだ空き部屋あるもんね?
「それは関係ない」
ティールと二人でひそひそ話をしていたのだが、それを見ていたリアさんがくすっと笑い、イグニースさんも、笑いを堪えていた。
「ふふっ……ごめんなさい。いきなり変なこと言っちゃって。実はね、私達が妹みたいに思っている子がいるんだけれど、その子の親戚がやっているギルドが隣街にあってね?」
えぇっと。お知り合いの女の子の親族がギルドをやっている……ややこしいな。隣街ってどこだろ。ここ、隣接してる街、いくつかあるからなぁ……
「そこの親方とティールの親父さん……海の国の王様と親交があってさ。それのせいだと思うんだが、ティールのことも有名なわけ。一方的ではあるけどさ~? んで、そこではティールを『家出王子』って二つ名というか、あだ名で呼んでてな~♪ まあ、堂々と名前を使わない隠語みたいなもんだ」
いやいや、どんな隠語だ。
「本当にギルド内だけで使われているみたいだから、ティールくん本人は聞きなれないわよね」
「え、あ、はい……? 大丈夫、です?」
戸惑い気味に返事をするが、それもあっているか怪しいものだ。
……家出ねぇ。ここには留学として来ていたはずなのに、何がどうして家出になるのか。謎だ。どう伝われば、家出という言葉にすり変わるのだろう?
「ラル」
「はい……?」
「今、変なこと考えたでしょ」
「か、考えてないよ。ただ、留学から家出に変化するプロセスについて熟考してたんだよ」
「熟考する必要なくない!?」
「や、だって、家出だよ? 留学と家出は天と地ほどの差があってだな……まさか、ティール、家を出るときに宣言してきたの……? 二度と戻らねぇ的な宣言してきたの!?」
「するかぁぁ!! 両親公認だよ! うちの仕来たりだって前に教えたでしょ!?」
そうだけどさ、となると、両親公認の家出……?
「両親が公認の家出って何! というか、ラル、笑ってるじゃん! その発言も本気じゃないだろ」
「ふっ……悪ふざけに笑いを我慢する必要性ないじゃないですか、やだなーもー♪」
「時と場合って言葉、知ってる……?」
「いやぁ、だってさ……家出王子様ってやばいよね……字面が……もう、やばくて……ぷふっ」
「笑わないでよ! というか、またくすぐられないわけ……?」
げっ!? それは勘弁だから!
私とティールの言い合いにイグニースさんとリアさんが抑えきれなくなったのか、くすくす笑い始めた。
「それが二人の素なのね? いつもの二人ってことなのかしら♪」
「す、すみません! つい……もう。ラルが変なこと考えるから」
「考えてない。ティールが家出ってあちら側に思われるのが悪い」
「はぁ!? ってあーもう! ラルは黙ってて!」
「ははっ♪ いいじゃん。さっきまでなーんか緊張気味だったし、今の方が気楽でいいぞ? 特にラルはな」
……私?
「そうね。私達と話しているときのラルちゃん、ずっと不安そうだったもの。だから、この家出王子の話をしてよかったわ♪」
「そう……ですか?」
「まだちょっと表情は堅いけど、さっきよりは大分いいぞ~?」
む……
リアさんはティーカップを持ち上げ、紅茶を一口飲むと、にっこりと微笑む。
「私達はティールくんを王子様だからって変な風には接しないわ。探検隊同士、先輩後輩として通じていきたいもの。ね? イグ?」
「だな。かたっくるしいの面倒だしな~♪ 気楽にいこうぜ。なんなら、ダンジョンやモンスターのこととか聞いてくれていいぞ? そうだな、仕事も一緒に行く?」
え、展開早い……
「それなら、二人の戦い方や探検についてのアドバイスもできるわね。しばらく、四人でお勉強してみる?」
展開がはやぁぁいっ!!!



~あとがき~
ちょっと短いですが、これにて過去編終了です。

次回、時間を現在に戻してまとめに。

この出会いを経て、スカイの二人とシリウスの二人が親密な関係を築いていきます。
少なからず、ラルとティールは二人のイグさんとリアさんの影響を受けていますので。反対はどうか分からないけど……イグ&リアの創造者ではないので(笑)

ではでは!