satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第180話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわたわたしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、家族の写真を見せられたティール。彼の心情はラルには分かりませんでしたっと。
まだまだルーメン親方の部屋からお送りしますよ~!
ラル「進まないねー」
ねー? まあ! いつかは進むので! もう少しだけお付き合いくださいませませ~


《L side》
「とりあえず、アズやライトの話は落ち着いたかの。……改めて、依頼を受けてくれて感謝する♪ ギルド『明けの明星』の親方として歓迎しようぞ」
アルバムを元の棚に戻し、再びこちらを振り向きつつ、挨拶をする。
ティールのことは少しあとに考えよう。今は、ルーメンさんと仕事の話をしないと。
「……いえ。こちらこそ。しばらくの間、お世話になります」
私が頭を下げると、ティールとしーくんもそれに倣う。
「うむ。プリンから聞いた通り、礼儀正しいチームじゃの~」
……どういう風に伝わってるんだろうなぁ?
「改めて、ツバサもここまでありがとうな~♪」
そう言いながら、ルーメンさんの側に立っているツバサちゃんの頭を撫でた。それを受けて、ツバサちゃんの耳や尻尾は嬉しそうに揺れていた。
「あんあんっ!」
私も私もー! と元気よく駆け寄り、リランが撫でろアピールをし始める。そんなリランにルーメンさんは嫌がる素振りもなく、優しく撫でた。
「リランも久しぶりじゃの~♪」
「あうーん!」
こちらもご主人様と同じように嬉しそうに尻尾を揺らしていた。今は犬の姿だから、尻尾だけで、ドラゴンだったら翼もパタパタさせていたかもしれない。
「ふむ。セラの連絡にあった通り、『神の祝福』を受けたあとじゃからな。魔法も魔力も安定しておるの。……どれ。ツバサ、リランを元に戻してあげなさい。ずっとこのままなのも窮屈じゃろう?」
「はーい! いっくよ、リラーン!」
「あんっ!」
ルーメンさんの指示でツバサちゃんはリランにかけていた変身魔法を解く。リランの体を優しく暖かな光が包み込み、瞬く間に一体のドラゴンが姿を表した。久しぶりの本来の姿にリランも体をほぐしたかったのか、ぐぐっと背伸びをする。
「まっちろドラゴンだー! リラーン!」
「くぅん? あんあんっ!」
しーくんに呼び掛けられ、リランは嬉しそうにしーくんの側へと近寄ってきた。そして、ペロペロとじゃれ始める。
「あー! リラーン! ダメダメ! 雫くん、じいじとお仕事のお話しするのにー!」
「んー! くすぐったぁい! えへへー!」
「あーあ……やめろって! リラン!」
しーくんをペロペロ地獄─やられた本人は特になんとも思ってないみたいだが─から救い出したアラシ君はリランをしーくんから離し、ハンカチで顔を拭いてあげていた。
本来なら私がやらないとなんだろうけれど、出遅れたな。
……うん。すっげーお兄ちゃんっぽい。
「……は? 何言ってんだ?」
「なんでもないよ。ありがとね、アラシ君」
「いいよ。リランが悪いんだし」
アラシ君がリランをじとーっと見るが、見られている白竜さんはこてんと首を傾げるだけだ。何が駄目だったの? みたいに。
「ごめんね、雫くん! 大丈夫だった?」
「うん? うん! だいじょぶだよ」
まだ少し遊び足りなさそうなリランだけれど、ツバサちゃんから「駄目」という一言にしょんぼりである。
「ほっほっほっ♪ 仲良しじゃの~♪ しかし、そろそろ本題の話もせんとな?」
あぁ、色々忘れそうになる。本題はそこだ。その話をしにきたんだ。
「ツバサ達は隣の部屋で待っててくれるかの?」
「はーい♪」
「うっす」
依頼内容の確認と詳しい説明をするのだろう。大まかな話はイグさんから受け取った書類あったけれど。
「そういえば……スイ? セツ? いるのか? ずっと静かだけど」
『むゆ! い、いるよ!!』
『いるー!』
ふわっとティールの側に液体と冷気になった二人がどこからか近寄ってくる。
「そろそろ剣に戻って。それから、しばらく喋るなよ」
『う、うみゅ……ね、てぃー』
「何? 話ならあとで……」
『へんなかんじするの~』
変な感じ?
セツちゃんがそう言うと、スイちゃんも同意するように頼りなく、ふわふわし始める。
『なんか、きてう』
「なんかって何? 誰か近くにいるとか?」
『ひとじゃないー!』
『なんか、すいちゃのなかに、なんかあるのー!』
怖い表現だな。
「中ねぇ……? お前らの体ってこと?」
「いや、体って。スイちゃん達の体って何さ?」
「え? う、うーん。ぼくも自分で言ってて、よく分かんないけど……」
『うみゅぅ……あううう』
『は、はわ。てぃー! なんかきちゃうー!! ぽわぽわーってして、はわわーってなる!!』
「ごめん。お前達と長い付き合いだけど、今のは意味分からない。何だって? どうにかなるのか?」
部屋を出ていこうとしていたツバサちゃんもアラシ君も気になったのか、その足を止め、こちらの様子を窺っていた。何でも知っていそうなルーメンさんですら、不思議そうに事の行く末を見守っていて。
『はわーーーー!! くるくるー!!』
『う、うまれるー!!!』
スイちゃんとセツちゃんがぐるぐるとティールの周りを飛び回る。いつもなら、鬱陶しいって怒るところだけれど、普段と違う二人にティールも無下にせず、落ち着かせようと話しかけていた。
「スイ! セツ! とりあえず落ち着け。ちゃんと分かるように説明しろ!」
『ぴゃあぁぁ!!!』
『みゅうぅぅう!!』
「ぼくの話を聞けよ!! ってうわっ!?」
スイちゃんとセツちゃんの叫び声が響き渡り、親方部屋を閃光弾みたいな激しい光が包み込んだ。この場にいる全員が思わず目を閉じ、「ポンッ!」とこの場に似つかわしくない音が聞こえて、そっと目を開けた。
「わ、あぶなっ!」
私よりも先に目を開けていたのか、ティールが慌てて上から落ちてきた何かをキャッチする。彼の腕の中にいたのは、二人の小さな妖精。
青色の髪にぴょこんと一本のアホ毛が特徴的な水色のポンチョちゃんと、水色の髪にぴょこぴょこっと二本のアホ毛が特徴的な青色のポンチョちゃん。
ここにいる人達の中で青で思い付くのはティールかしーくんだけれど……しーくんにこんなことできるなんて聞いていない。現に、ぽかーんとしているわけで。
ティール君、ついに精霊召喚を覚えたですね。おめでとーございまーす」
「適当か。召喚なんて無理だよ。……ねえ、スイとセツはどこ?」
そういえば、ティールの周りをふわふわしてたはずなのに、今はどちらもいない。なんなら、声も聞こえてこない。
「……ほわ~」
「はわわ~……」
ぱちっと目を覚ました二人は、ふらふらっと空中へと浮かび上がる。そしてお互いの顔を見合わせた。
「みゅ……せっちゃなの?」
「すいちゃ? すいちゃなのら?」
小さな妖精達はぺたぺたとお互いの顔を触りまくっている。私達のことなんて見えていないらしい。
……まさか。
「お、お名前呼んだら手をあげてくださーい。えっと……スイちゃーん?」
「あいっ!」
と、青髪妖精。
「えっ!? じゃ、じゃあ、セツ……?」
「ほいなー!」
と、水色髪妖精。
……これ、スイちゃんとセツちゃんでは?
「えっ……前からなれたのか?」
「なれるわけない。雷姫さんじゃあるまいし……というか、なれるとしたら、ぼくの胃が持たない!」
「そっちの心配かよ」
アラシ君の疑問にティールが食い気味に答える。まあ、なれたとすれば、ティールのストレスフルな生活の始まりだろうけれども。
「ほほぉ? これは……」
『……ほう。面白いことになっとるの?』
ルーメンさんやアルフォースさんは何か思い当たることがあるのか、少し考え込んでいる。雷姫に関しては、答えを知っているみたいなトーンである。でも、くつくつと可笑しそうに笑うだけで教えてはくれなかった。



~あとがき~
変身。

次回、急に姿が変わったスイとセツ! その原因とは……?

ルーメンさんのところでどんどん事件(?)が起こりますね。話が進まねぇ~(笑)
そして、これ以上言いたいことはないです。

ではでは。