satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第181話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわーわーしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ティールの剣の水泉、雪花こと、スイとセツがチビッ子妖精に!
ティールのキャパシティはもうゼロよ!!
スイ「ふんふんふーん!」
セツ「からだあるのいーね!」
スイ「ねー!」
ティール「……」
なぜこんなことになったのか……は、今回のお話をどぞ!
そして、視点はアラシ君です。よろしくー!
アラシ「お、おう」


《A side》
ラル達が仕事の話をするって言うから、俺とツバサ、リランは部屋を出ていこうとした。……のだが、部屋が激しい光に包まれ、次に目を開けたときには……
「スイ! セツ! かわいーねー!」
「えへー! しーもかわいーよ!」
「しーとおそろいのいろー!」
……謎の妖精みたいのが現れた。
ラルやティールが言うには、ティールの剣だったらしいのだが、今は雫にむぎゅっと抱かれている。
「本当に、ティールの剣なのか?」
俺は剣のときのスイとセツ─ってティールもラルも呼ぶから、俺もそう呼ぶことにする─の声を知らないから、判断ができなかった。
俺にはできなくとも、剣の声を知るツバサは俺の疑問に小さく頷いた。
「うん、多分……今まで聞こえていた声とそっくりだもん。でも、なんで急に?」
ラルの刀である雷姫が人になるのは見たことがあるが、ティールの剣が人になるのは見たことがないし、本人もさっき、「なれるわけがない」と断言していた。だから、何かしらの原因があるとは思うのだが、それが何なのかはまでは、俺には分からなかった。
「もう、ぼく、あれこれありすぎて倒れそう……熱出るって」
「おっと……知恵熱って年でもないだろうに……おい、雷姫。笑ってないで答えろ~?」
この訳の分からない事態に目眩がしたのか、ティールがラルに寄りかかる。そんなティールをラルは戸惑いつつもしっかりと受け止め、自身の腰に帯刀させていた雷姫に話しかけていた。が、反応はないらしく、ラルのため息だけが聞こえてきた。
「ふむ。恐らくじゃが、ツバサのせいかの」
「そうですね。僕も同意見です」
……ツバサの?
ここでツバサがやったことと言えば、リランの変身を解いたくらいだけど。
「その、変身魔法の解除が影響しているんだと思うよ?」
アルフォースおじさんがそう答えると、ルー爺も頷く。
「推測に過ぎんがの~……変身魔法を解除させた際、空気中にツバサの魔力が分散……それを水泉と雪花が吸収してしもうたんじゃろう。聖剣は技使用者の魔道具としても代用できると聞く。空気中の魔素を取り込む要領で、無意識に行ったんじゃろうな」
でも、今回はツバサのかけた変身の魔法に使った魔力そのものを吸収してしまった?
「多分、だけどね。効果が消える前に取り込んだから、その魔法にかけられた、と解釈できる」
剣に変身魔法がかかった状態ってことか。いやでも、あり得るのか? 剣だぞ。生きてるわけでもないのに。
話を聞いていたラルも似たようなことを思ったのだろう。ティールの頭を撫でながら、考えるように口を開く。
「無機物だけど、そういうのありなん……あぁ、そうか。……聖剣だからこそ起きた事案か」
「え……?」
「聖剣は長い年月をかけ、強力な力と意志を持った。つまり、自我を持つ剣。そう言った意味では、人になれる神器と大差ない。意志を持つ雷姫が刀や人になるように、ね」
「……なれる条件はあった、ってこと?」
ティールの言葉にラルは頷き、話を続けた。
「ただ、人の魂を食らう神器とは違い、聖剣は人の形を……魂の形を知らない。だから、真似っこできないから、なれなかった」
「そこに、丁度、ツバサがリランにかけていた魔法があった。”変身”……つまり対象の姿形を変える魔法だからの。そして、その姿は主であるティールに近い形に似たんじゃろ」
ラルの話を引き継いで、ルー爺がまとめた。結局、ツバサの魔法の断片を剣が受けてしまったってことなんだろう。
変身魔法という何か別の形になれる力を借り、ティールの剣は主人の見た目そっくりに……人の形になった。
「それに、ツバサの魔力が干渉したからか、僕やアラシくんも、聖剣達の声が聞こえるようになったみたいだね?」
「な……なるほど……?」
そう言われると、そうか。雫とじゃれあう二人の妖精の声は俺の耳にも届いている。となると、今の姿は誰にでも見えているということか。
人となった……というか、妖精になったスイとセツは、現在、雫の腕から抜け出し、ぐったりしているティールの周りを楽しそうに飛び回っていた。俺から見ると、どっちがどっちなのか分からないが。
「てぃー! みてー! ひとになったよー!! やったー!」
「てぃーとおそろーい! やったねー!」
「やったぁ……じゃないよ。ぼくにとっては、人だろうと剣だろうと、お前らがうるさいことには変わらないんだよ……というか、人型で視認できるようになったから、視界がうるさい。……最悪だ」
えーっと……随分な言いようだな。
「スイちゃん、セツちゃん、しーくんの相手、してあげて?」
「わかた! るーのいうとおりにするね!」
「しー! おいでー!」
「うんっ!」
ぐるぐる飛び回っていた二人をティールからさりげなく引き離し、ラルはティールをよしよしっと撫でる。
「ドンマイ、ティール」
「……声で分かる。ラル、楽しんでるだろ」
「えへ☆ バレたか~♪」
やっぱ、ラルはラルだったわ。

ティールもダウンし、雫もスイとセツとの遊びに夢中で、これでは話にならないと、仕事の話は一旦中断となる。
俺達も仕事の話をしないならと、ここに留まることにした。というか、スイとセツがツバサとリランを遊びに誘ってしまい、出るに出れなくなっただけなんだけど。
仕方がないから、俺達は商談用に使われるソファに座り、少し離れたところから、人二人と妖精二人とドラゴン一匹の戯れを眺めることに。
「あくまで一時的だと思います。なので、あまり深刻に考えなくても大丈夫だと思いますよ?」
と、おじさんからの慰めが入るものの、ティールからの返事はない。ラルに抱きついたまま、完全に塞ぎ混んでいる。
レオンがこれを見たら茶化してんだろうな。場違いながらも。
抱き付かれているラルはというと、ティールの落ち込みなんて無視して、ツバサ達に端末のカメラを向けていた。
「やだ。天使達が妖精と戯れているなんて。天国よ。ここは天国! エデンの花園なのねー! やだー!! 可愛いー!」
俺にはちょっと何言ってんのか分からんけども。とりあえず、雫やツバサが可愛いってことだろう。ここが天国とかエデンとかちょっと理解できないけども。
「おじさん、効力って長くても一日とかっすかね?」
「そうだと思うよ。吸収した量にもよるとは思うけど、長くても夜には解除されるかなって」
「……無理。一日中、ぼくの視界をうろうろされるとか、ストレスしかない。無理……やだ」
「はうぅ~……可愛いって正義……♪」
温度差で風邪引きそう。
「ほっほっほっ……仲がいいの~♪」
それは、どっちの意味なんだろう。スイとセツが? ラルとティールが?
「あん! あんあんっ!」
「あわー! りら、だめなのらー! とっちん、だめー!!」
ふわふわ浮くスイにリランがぴょんと飛び付き、どうにかして捕まえようとしているらしい。駄目と言う割りには大変楽しそうなのだが。
「りらー! すいちゃいじめ、だめー!」
「あうんっ!」
「ぷぎゃー!!」
絡まれていたスイを助けようとリランに突進したセツだったが、あえなく、リランの前足に捕まる。そして、くんくん匂いを嗅がれまくっていた。
「せっちゃー!!」
「あうっ!」
「ほわー!? すいちゃもつかまたー!」
なんのためにセツはスイを助けたんだか……結局、両方捕まり、リランの餌食じゃん。
「……なんなんだ、あのてるてる坊主コンビは」
「辛口だねぇ~……可愛いのに?」
「どこが」
あ、あはは……ご主人のティールも手厳しいことで。



~あとがき~
かなーり久しぶりなアラシ君視点。なんかよく分からなかったね……(笑)

次回、遊びまくるスイとセツ。
え? 本題? 知らね……

前回はスイとセツを心配していたティールでしたが、手のひら返し凄いですね。
まあ、心配をよそに元気に飛び回っていたので、シャクに触ったんでしょう。ぼくの心配返せ。的な。

ではでは。