satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第183話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でお話ししてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、最終的にアラシ君がスイとセツの餌食になったところで終わってます。かわいそうにな……(笑)
アラシ「笑ってんじゃん……!」
今回は真面目なお話になります。アラシ君が楽しくどたばたしている間のラル達の様子をご覧ください。
アラシ「俺も頑張ってたんですけどねぇ……!?」


《L side》
アラシ君達がルーメンさんの部屋を出ていき、残ったのはルーメンさん、アルフォースさん、そして、私達スカイの三人。
「……さて、最初に依頼内容から確認しておこうかの。認識を共有しておこうぞ」
「はい」
さっきから私とティールが座っていたソファの向かいにルーメンさんが座り、その側にアルフォースさんが控える。こちらは三人仲良く横並びでお行儀よく着席している。順番はティール、私、しーくんの順。
さて、今回、ルーメンさんの依頼にあったものは大きく分けて三つあった。
一、ダンジョン『奇跡の洞窟』の奥地調査、並びにそこにある石の採取。
二、依頼期間中に行われる『女神祭(通称夏祭り)』での精霊役の出演。
三、同じく『女神祭』開催中の”神子”たちの護衛、捕獲。
以上、三つ。二の依頼に関しては、しーくんが指定されていたはずだ。
「まず、一つ目の依頼から詳しく話しておこうかの? 『奇跡の洞窟』とはワシのギルドが管理しているダンジョンの一つじゃ」
私が調べた下準備でも、そんなことが出てきていた。
仕事の難しさでランク分けされるように、ダンジョンにもいくつかランクが設けられている。誰でも足を運べるもの、専門の人達だけが入れるもの、そして、国やギルドが管理し、特定の人物だけが入れるもの。
ダンジョンの場所でランク分けされる理由についてはいくつかあるが、その大部分としては、犠牲者を増やさないためだ。どこでも誰でも入れるようになっていたら、自分のレベルとかけ離れた場所にも挑戦できてしまう。そうなった場合、意図も容易く、命が失われる。その危険性を減らすべく、この国……というか、各地に点在するダンジョンの危険な場所についてはどこかしらの管理下に置かれているのだ。
「『奇跡の洞窟』も例に漏れず、敵が強くてな~……並みの探検隊では手も足も出んのじゃ。そのため、我が国の法律に則り、ワシのギルドで管理されとるんじゃよ」
「それは理解していますが……そのダンジョン調査を私達に?」
私達でなくてもいいのでは、と思ってしまうのだけれど。もちろん、指定管理されたダンジョン経験がないとか、そういう話ではない。これでも、プリン親方の管理するダンジョン調査もしたことはある。あるけど、それは身内だからだと思っていた。だから、ルーメンさんのメンバーから出せばいいのに、と思ってしまう。
「そうじゃ。あそこのダンジョンは広いからの。定期的に、ダンジョンの中間点にある装置の点検と奥地にある石の採取をしてほしいんじゃ」
私達に依頼した理由は分からないが、やってほしいことは見えてきた。見えてはきたけど……
「点検? ぼくら、ルーメンさんのギルドが設置してある装置なんて、一度も見ていないので分からないですよ?」
この装置の点検よろしくと写真を見せられたのならともかく、今は資料も何もなく、口頭のみの説明だ。ティールの指摘は最もである。……のだが、ルーメンさんはにっこりと笑うだけだ。
「あぁ、それは大丈夫じゃ。点検と言っても、ワシが渡す部品の交換をしてほしいだけなんじゃよ。交換自体もそこまで難しくないものじゃから、普段から機械に触っているお主のパートナーなら、すぐに分かるじゃろうて」
「……?」
機械いじりをよくすることを知ってるのか?  いや、間違ってはないが。誰からの情報だ。イグさん? ツバサちゃん? それとも、他の誰か……?
別に隠していたわけではない。家でも作るし、学校でもちょっとした分解程度ならよくしていた。なんなら、ギルドの機械メンテも私がしているし……どこから情報を得ても不思議ではないのだけれど。
しかし、なんだろう。この感じ。見透かされているような、手のひらで踊らされているような……この変な気持ちは。
「中間点にある装置の点検が終わったら、次はそのまま奥地を目指してもらってほしい。そして、そこにある石をいくつか採取してほしいのじゃ♪」
疑念はそのままに、ルーメンさんは更に続ける。依頼書にも石の採取は簡易的に述べられていたが。
「石はどんなものなんでしょう。名前とかは?」
「それは行けば分かる……とだけ言っておくかの? なあに、イグニースに鍛えられているお主らなら大丈夫じゃろうて♪」
私の質問は適当にはぐらかされた。これを信用されていると捉えるのか、試されていると捉えるべきなのか。
まあまあ、今は内緒でいいじゃーん? みたいな感じだ。この感じ、知ってる。うちの親方やイグさんの雰囲気に似てるんだ……!
私だけでなく、ティールも戸惑いを隠せないようで、困ったように笑う。こちらの戸惑いなんてお構い無しなルーメンさんは、何かを思い出したように付け加える。
「でも、なるべく”緑”の石が多い方がこっちとしては助かるかの~♪ あとは、お主らの判断で、それ以外のやつをいくつか採取してもらって構わんよ♪」
よく分からないけれど、緑多めな……うんうん。じゃあ、なんかそんな感じに採ってくるかな~……って、なるかぁぁ!! なんの石でなんで緑やねん!! なんに使うの!? 装飾!? なんかの道具か!? それくらい教えろや!!
あれこれ疑問やら不満やらは浮かぶものの、ルーメンさんにそれをぶつける勇気は流石にない。これが親方やイグさんなら、全てぶちまけているところだけれど。初対面で、依頼人で、色んなところのお偉いさんにこんなの言えない。私にだって常識はある。ここは黙って従う。行けば分かると言うのだ。多分、その通りなのだろう。ここで嘘をつくメリットはどこにもないのだから。
「さて、続けて話をしてもよいかの?」
言いたい……けど、言えない。文句なんて言えない……落ち着くんだ、私。相手はこの国をまとめる一人。歯向かってはならぬ……!
「……えーっと、はい。残り二つはお祭り……女神祭に関する依頼でしたね?」
返事をしない私に代わり、ティールが確認してくれた。それにルーメンさんが嬉しそうに頷く。
このスプランドゥールで行われる夏祭りを『女神祭』と呼んでいるらしい。ここは、女神ミルティアが降り立った地とされているし、その女神に感謝を捧げる祭りなのだ。
確か、その祭りでは神子と呼ばれる人が舞を捧げるとか、なんとか?
「うむ♪ 毎年、神子に選ばれた者が『祈りの舞』を捧げるのじゃ。その時、ミルティアに仕えていた守護者に守られながら神子は舞を行うんじゃよ」
この舞は女神ミルティアへの感謝と国民達の祝福を祈るもの……伝統のあるお祭りということかな。私は一回も見たことないけど。
「ラル達には祈りの舞を行う神子の護衛を。雫にはその舞に出てくる精霊役をやってもらいたい。……依頼書にある二と三じゃな♪」
「それはいいんですが、神子の護衛はなぜ……? 舞を捧げるだけなら、守る必要あります?」
「うむ……毎年のことなんじゃが、『神子の祝福』を独り占めしようとする不埒なやつらが現れるでの~……ラルとティールには、そいつらから守ってほしいんじゃよ」
なるほど。どこにでもいる自己中勘違い野郎共を排除すればいいんだ。へっへっへ~……どうしてやろうかなぁ~?
「ラル、言い方に気を付けて!……えと、ちなみにその『神子』というのは誰なんでしょう? 護衛前に挨拶くらいはしておきたいので、教えてくれると嬉しいです」
「ん? お主らの知っている子達じゃよ?」
「え?」
知っている……ん? 達?
「『神子』というのは、誰にでもなれるわけではなくワシの家系……ケアル家から輩出されるんじゃ。……ここまで言えば誰か分かるかの?」
ケアル家で私達の知っている子達……って。
「もしかして、ツバサ?」
「いや……依頼書には神子達とある。つまり、ツバサちゃんだけではなく、ツルギ君も?」
その言葉にルーメンさんは無言で……しかし、笑顔のまま頷いた。それは肯定を表すものである。
マジか、あの双子がねぇ……?



~あとがき~
終わんなかった。終わらせたかったけど、無理だったぜ~……

次回、続けて依頼の話。

明らかになったようでなってません。ラル達に任された仕事の全容。私もこれを書いている時点でよく分かってないんですよね←
けとまあ、自ずと分かるらしいので、のんびりお待ちくださいなっと。

お祭りでは、ツバサちゃんとツルギ君が神子さんとして舞ってくれるそうです。神の子と書いて、『みこ』ですね。
双子が産まれる前は、誰がやっていたのか気になりますね。直系という意味では、セラフィーヌさんがいますが……セラさんなのかね。大変じゃ……(笑)

ではでは。