satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第184話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でお話ししてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回から、スカイの受けた仕事の確認作業を行っております! この夏休み編でスカイの二人はあれこれ仕事します! お楽しみに!
今回もそんなスカイのどっきどきお仕事についてをやります。


《L side》
あの双子を護衛せよというのが、この三番にあった依頼内容と認識してよさそうだ。しかし、ツバサちゃんにはアラシ君という騎士様がいるはずでは?
「そうなんじゃがの~……アラシは近衛騎士団の一人でもあるから、騎士としての仕事があっての。ずっと一緒にいられるわけではないんじゃ。だから、より詳しく言えば、アラシがツバサの側にいられない間……『祈りの舞』の後、そこの護衛をラル達に任せたいんじゃよ」
ふぅん。ずっと護衛するものだと思っていたけれど、そうではなさそうだ。あくまで、アラシ君の代わりにお守りすればいいのだろう。
「分かりました。お任せください」
ふふん。天使達の護衛。やったろうじゃありませんか~♪ 腕がなるね~?
「ぼくは君が不届き者なんじゃないかなって思うよ。心から」
「そんなことないよ。気合い入ってるだけだもん。大丈夫大丈夫♪」
「えー……ほんとかなぁ?」
信用してよ、ね? 相棒。
「……OK。ぼくもいるし。ラルが変なことしないように見張ってる」
ん?……あれ。おかしいな。そういう内容だったっけ?
「ほっほっほっ♪ 話が前後してしまったが、これが三番の内容じゃな。最後に二番の内容について話していこうかの~」
つい流れが神子に移ってしまったから、話が三番になってしまった。まあ、結局は全て話すのだし、順番はどうでもいいけれど。
「雫に任せたいのは、『精霊』じゃ。祈りの舞の最中に出てくる、精霊衣装を纏い、精霊を模した子供達の総称みたいなもんでな。雫以外にも精霊役はおると思ってくれ」
なるほどねぇ……でも、そこは本物の精霊を使わないんですね?
「女神ミルティア様が召喚したと言われとるのは、人の子の形でな。それに倣っておるのじゃよ」
確かに、人の形をした精霊なんて見たことないかも。それっぽいのはいるけど……ゴーレムとか……? でも、人ではない。真似るのなら、本当の人を使うしかないということなのだろう。
その舞の間、しーくんはツバサちゃんとツルギ君と一緒に踊るってこと……?
「そういうことじゃの。そこで雫には、少しやってほしいこともあるんじゃが……それは追々話そうかの?」
またこのパターン!? もうやだ! 情報全公開しろ!!
とはいえ、危険はないとルーメンさんは教えてくれた。
ずっと黙って話を聞いていたしーくんは、私の方を見上げ、自信満々に頷いた。どうやら、やる気は充分のようだ。本人のやる気があるなら、やらせてあげるのが一番である。
「分かりました。その依頼、雫が引き受けます。……しーくん」
「ん! がんばりますっ! よろしくおねがいしますっ」
「おぉ♪ ありがとの~♪ 舞の練習については、明日から指導していくことになるかの。よいかな、雫?」
「はい。だいじょぶですっ」
……? 気のせいだろうか。ルーメンさんがしーくんを見た一瞬、何か……考えていたような?
少しの違和感を覚えるものの、それが何かなんて分からない。本当に感覚的なところで、何かがおかしいと思ったくらい。
「これで大体は共有できたかの? 仕事に関して、何か質問はあるかな?」
「……言いたいことはありますが、きっと教えてくれないので大丈夫です。あ、でも、一つだけ」
「む?」
「護衛の話は聞きましたが、捕獲についての説明がありません。神子がケアルの双子のことなら、あの二人を捕まえるってことです……?」
「あぁ……その話はのぉ。……今、ここで言っても仕方がない。当日に言おうかの?」
ま、た、か! またこれか!?
「まあ、捕獲と言っても、お主らにとってはなんの難しい内容ではないじゃろうて。そう身構えなくても大丈夫じゃよ♪」
「そう……ですか? それならいいんですが」
くそ。そう言われたら、引き下がるしかないじゃないか。……よくねぇよ。万が一って言葉、知らないのおじいちゃん……?
結局、知りたいことの半分くらいしか教えてもらえなかった気もするが、これにて確認作業は終了である。
ダンジョン攻略に関しては、私とティールの実力なら問題ないはずだ。その後が問題なだけで……行けば分かるってなんだ。行けば分かるって。
祭りに関してはまあ、あれ以上のことを言えという方が難しいだろう。守る。これに尽きるのだから。しかし、しーくんにやらせたいことや、捕獲の件は不明瞭なままではあるが。
「アルフォース、例のものを」
「はい。親方」
今の今までずっと控えていたアルフォースさんがルーメンさんの指示に、一枚の紙を私の前に差し出してくる。
「では、こちらが今回の依頼報酬の内容になります。全ての依頼が完了後のお渡しとなりますので」
後払いか。まあ、それが普通だよな。いくつもあるし……あ? あぁぁあ!?
「え、ラル? ど、どうし……なっ!?」
「わー! ゼロがいっぱーい!」
いや、あの……えっと……えっとぉぉ!?
見せられたのは報酬の書かれた書類。きちんと終わらせたら、これだけ払いますよっていう契約書……なのだが。
そこには普段、長期休みでの私達の稼ぎ以上の金額が記されていた。詳しい数字は恐ろしくて言えない。一等のとは言わないけれど、ちょっとした宝くじ当てたんですかレベルな額である。
びっくりしすぎて何も言えなくなる私とティールに、ルーメンさんは何を勘違いしたのか、小さく首を傾げる。
「うむ? 足らんかの……? それなら、うちに来ている依頼を受けてみるかい? こちらとしては、仕事も消化されるからの。どんどん受けてくれて構わんぞい?」
ちがーーう! 満足してないわけじゃないの! そうじゃないの、このお金持ちめ!!
「足りないっていうか……その、私達にも他の仕事をもらえるなら、う、受けますが……え、あの、こんなに、いいんです?」
元々、こちらからの出費はあまりない。道具とか個々の持ち物についてはあるものの、泊まる場所、ここに滞在中に必要なご飯等々は保証されていたのだ。こちらから出るお金なんてほぼなかったのに……こんなに貰うの罪悪感しかないのだけれど。
「その、受け取る側がいうのもあれですが、報酬の見積り、間違ってません?」
「いやいや♪ そのくらい払う価値のある依頼なのさ。……それほど、難しいとも言えるがの」
……そういう、こと、なのか?
相手はツバサちゃんのお祖父さん。それにかつて『赤獅子』と呼ばれていた冒険家。
……嘘はないのだろう。だが、それでも、これは怪しさ満載だ。なんだけれど、プリン親方の面子もあるし、何より、ツバサちゃんのお祖父さん……知り合いの身内からの依頼。今までの話を聞く限り、問題はない。そして、一度、承諾した依頼だ。今更、逃げるわけにもいかない。
「……ラル、今更なんだけど、詐欺でしたオチはないよね」
ティールが誰にも聞こえないくらいの声で耳打ちをしてきた。私もその意見には賛成したいのだが、総合的に考えて、それは多分、ないのだ。多分。
「ないと思うよ。だって、ツバサちゃんのお祖父さんだし、イグさんもプリン親方も……それに、ティールのお祖父さんやご両親のお知り合いだよ? これで詐欺師なんて言われたら、私はもう何も信じられないよ……?」
「だ、だよね? 一気に人間不信になって世の中呪うよね、そんなの」
「そんなラストだったら、二人で夜逃げコースがある。私と一緒にいかが?」
「……お供します」
よしきた。
とまあ、冗談半分のお遊びはさておき。
依頼についてはこんなものだろう。あとで整理して、必要なものをまとめておかないと。
「……そうじゃそうじゃ。忘れるところじゃった。お主ら、部屋はどうするんじゃ?」
ん? てっきり、すでに用意されているものだと思ってたんだけれど、ここで部屋の話?
いきなりの話題に、理解が追い付かない私達は、きょとんとする。そんな私達にルーメンさんは付け加える。
「三人が寝泊まりする場所じゃよ。二つの部屋なのか、一つの部屋なのか」
あ、そういう……
「同じ家に住んどるとツバサから聞いておったんだが、こちらが強制的に年頃の男女を同じ部屋にするのもおかしな話じゃろ? だから、本人達の意思を聞いてから決めようと思っておったんじゃ」
なるほど。
まあ、シェアハウスしてるけれど、毎日、ティールと一緒に寝ているわけではない。しかし、同じ部屋での抵抗感はない。何年か前は何度か一緒に寝ていたし、今でも、時折、しーくん交えて三人で寝ることだってある。だから、ここで同じ部屋だとしても問題はないが。
ここ、家でもなんでもないんだよなぁ……外! 出先! 泊めてくれるとは言え、仕事中! 私的利用ではないのだ。なので、ここは身を弁えるべきだろう。
「……ティール。別でいいよね?」
「そだね。それでいこっか」
「そうかい? ならば、雫はどちらの部屋に……」
「えー!? ボク、ラルとティールといっしょがいー!!」
別々でって話が進むのかと思ったのだが、私の隣でしーくんからのとんでも提案に私とティールはお互いの顔を見合せ、子供の顔を見る。
「……えっ!? し、雫!?」
「な、なん、え? しーくん……?」
「おや……?」
「むう?」
それってつまり、三人部屋ってことですか、雫様!?



~あとがき~
仕事の話は終わったー!

次回、部屋の行く末。
……どうでもいいな!? けど、せっかくなので、親子三人(血は繋がってない)のやり取りをお楽しみに。

残り半分の仕事が明らかになりましたね。
こちらも微妙に明かされてませんが。
まあ、当日をお楽しみにってやつだね。

この夏、ラルとティールはどれたけの大金を手にするんでしょうね。今回受けたルーメンおじいちゃんのやつって、何割かはフェアリーギルド行きなんでしょうけど。かわいそうにな……(笑)
でも、明けの明星で受けたものに関しては、フェアリーギルドを通してないので、丸々っと手にするのではなかろうか。荒稼ぎしそうですね、あの二人。

ではでは。