satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第201話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でばたばたしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、爆発音を突き止めるため、また散歩がてら中庭へ行き、ツバサちゃんと遭遇しましたとさ。
今回も中庭からお送りしまーす。


《L side》
ツバサちゃん曰く、ここ『明けの明星』では、毎朝恒例の親方ルーメンさんによる朝練指導が日課だそうな。
ルーメンさんの気分で内容は変わるものの、何かしらの鍛練をするという大きな目的は変わらない。ということで、本日はくじ決めによる一対一の軽めの手合わせが朝練内容。
そのくじ結果で、ツルギ君は祖父のルーメンさん、ツバサちゃんはヤスさんと手合わせしていた、と。
ここまでに聞いた情報を脳内で整理しつつ、目の前の試合を見学していた。
愚直に真っ直ぐ攻めていくツルギ君を軽々とあしらうルーメンさん。時々、ルーメンさんの魔法で、ギルドメンバーさん達が飛ばされる等の巻き込み事故が発生していた。
軽めってなんだろうって感じの激しさだけれど、その辺は考えてはいけないのだろう。
「じいじ、誰が相手でもいっつも容赦なしなので、あんな感じの爆発音がするんですよね~♪」
誰が相手でも……ねぇ?
一足先に手合わせを終えたツバサちゃんとヤスさんが、ツルギ君とルーメンさんの模擬試合を見つつ、さもこれが日常です顔だ。
私にとっては非日常だ。一般的には非日常と分類されるはずだ。勘違いはよくない。
「あれ、本気じゃないって言うんですよね。流石、親方って感じです。……仲間達に被害いくんですが」
……あれが普通だと思うな、私。普通じゃ! ないからな!?
「あん!」
おはようと挨拶しているのか、リランが私にすり寄ってきた。そのお返しに、リランをわしゃわしゃと撫でてやる。
「……おはよう、リラン。さっきの噛みつき、よかったぞ~」
「くぅ? あんっ♪」
リランを愛でていると、一際大きな爆発音がツルギ君とルーメンさんの方から聞こえてきた。決着がついたのだろうか?
「ありゃ。ツルギ、じいじに埋められちゃったよ~」
「勝負ありって感じですね」
ルーメンさんの土魔法で地面に埋められたツルギ君は不満そうである。
「じーちゃん! ずるいぞ! 僕の進行方向の地面を柔らかくして、埋めるなんて!」
「ふぉっふぉ~♪ ツバサ程ではないにしろ、お主の攻撃が素直すぎるんじゃよ♪ まあ、ツルギのよいところでもあるがの?」
容赦ないとは言っていたけれど、十二歳の少年にあそこまでするんだな。身内だからこそ、より厳しいと取るべきなのか、はたまた、他に何か理由があるのか。
『マスターもあの狐には厳しいと思うがの』
ともは別やろ。悪さするあの狐娘が悪い。
「ん? おぉ♪ ラルではないか! いつの間に来ておったんじゃ~?」
「おはようございます、ルーメンさん。ついさっきです。音が聞こえて目が覚めて……二度寝するのも惜しいので、適当に運動がてら見に来ました」
「ほお。そぉかそぉか♪ 昨夜はよく眠れたかな?」
にこやかな挨拶と世間話を持ち寄ってくるルーメンさんの後ろで、ツルギ君が魔法の拘束から逃れようと必死になっているのが視界の端に映る。私が来たと知って、慌てているらしかった。あれは多分、突っ込まない方が優しさだろうな。
私はツルギ君には触れず、ルーメンさんとの世間話に勤しむことにした。
「おかげさまで。あんないいお部屋に泊めていただいて……よかったんですか?」
ティールとしーくんはあんまり動じてませんでしたがね! 元が王子と無邪気な幼児だ。慣れない空気に戸惑っているのは私だけなんだろう。
「もちろんじゃよ。これからの未来ある、若き探検隊達が気持ちよく過ごし、疲れを癒せるようにと用意した部屋じゃ。気にせんでよいぞ?」
そうは言ってもなぁ。疲れは取れたけれど、気にしなくなるとは訳が違うような。ま、何日かすれば慣れるが。
「ふむ。……どうじゃ、ラル。せっかここに来てくれたんじゃ。ちぃと運動していかんかね? 元からそのつもりだったのだろ?」
私の格好を見て、そう判断したのだろう。思ってもいなかった申し出に、曖昧に頷いてしまった。
昨日は馬車移動にギルド内での案内、仕事の話……とまあ、言ってしまえば事務的なものしかなかった。いつもなら、仕事で体を動かすはずなのにである。
少しでもいいから、体は動かしたいなと思っていたからこそ、散歩がてらどこかで走り込みできればなって。そんな願望がなかったわけではない。
「……じゃあ、お言葉に甘えて」
邪魔にならないところで、勝手にやらせてもらいます……と続けるつもりだったのだが、ルーメンさんは私の返事を聞くなり、嬉しそうに笑い、私の言葉を遮ってしまう。
「ワシも弟子達以外の相手をするのは久方ぶりじゃ。新鮮味があって楽しみじゃの~♪」
「……へ?」
「ん?」
今、何つった。このおじいさん。
『マスターとやるつもりらしいぞ?』
そうだよね。私もそういう意味に解釈しましたけれど……まっさかぁ!
「は……? え、ルーメンさんと、私が……戦う? 何てことは、ないですよね!」
「む? ワシとラルで戦うんじゃよ?」
戦うんじゃよ? じゃない!! 私、やりたいなんて一言も言ってない!
おかしい。私は軽く運動程度にと思っていたのだ。それがなんだ。今じゃ、あの激しめ朝練へのご招待されてるぅっ!? それは望んでいない。流石に。
「あ、あの、嬉しい申し出ではありますが、その、私、よそ者ですし……ルーメンさんのお手を煩わせるには」
「遠慮せんでいいぞ。ワシも楽しむでな♪」
やだ。無理。怖い。死んじゃうぅ~……
どうしてこういうときにティールはいないのだろう。ティールがいれば、さっと差し出すのに。もしくは、巻き込むのに……なんで、いない……朝弱いからや。
『パートナーの扱いが雑じゃの~』
お互い様じゃい……
できることなら、なんとか回避したいものだが、それができるような雰囲気でもないのは確かである。でも、回避したい。隅っこでいいのに。その辺で適当に雷姫で素振りしてるのに~……何がどうなって伝説の冒険家たるルーメンさんの相手を……?
負け戦はしたくないのだけれど。
「普段とは違う相手とやるのもまた一興じゃろう? 経験にもなるしの♪」
くっ……正論である。
のらりくらりと逸らすのも、なくはないのだけれど、このルーメンさんが諦めるとも思えない。なんせ、ルーメンさんの雰囲気がよからぬことを企むイグお兄様や親方様そっくりなのだ。そして、私はそういう人をかわすのが大の苦手。
このまま変に先延ばししたところで、意味もない問答が始まるだけ。それなら、さっさと受け入れて、さっさとやられてしまおう。そうしよう……
「……わ、分かりました。私のような若輩者がルーメンさんの相手にはなり得ないでしょうが。それでもよろしければ、お手合わせ願えますでしょうか?」
あれ。なんで私が、さも望んでいるような言い回しをしているのだろう。別に私はやりたくないはずなのに。
「もちろんじゃ。さあ、そちら側に立ちなさい」
「……はい」
くっそぉ……分が悪いな。かなり。
ルーメンさんの反対側に立ち、軽く準備運動をしておく。朝早くに激しく(?)やりあうのだ。これくらいしておかないと、怪我してしまう。
武器は雷姫のみ。装備品も補助用道具も、使い分けしている魔具すら持ち合わせていない。つまり、今の私にできるのは、雷姫を使った剣術と電撃……己の身体能力のみ、か。やれることが少なすぎる。
「なんでこんなことに……?」
全く乗り気がしないからか、やる気すら沸き上がってこないのだが、対戦相手のルーメンさんはやる気十分だ。
あぁ……もう! なんで! こんなことに!?



~あとがき~
ちょいと短いですが、バトルまで書くと終わらなくなりそうなんでね。許して!

次回、ラルVSルーメン!
雷獣と赤獅子の対決。お楽しみに~

どっかで言ったんですけど、ラルは押しに弱いタイプです。あれこれ言われまくると、「あーもう! やったるよ!!」と頷いちゃう人です。まあ、それにも例外はあるけれど。
今回はルーメンさんの話を上手く断れなくて、受けちゃってますね。デメリットもないし、断る材料もなかったからですね。ドンマイ!

ではでは!