satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第212話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界の物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
街観光が終わったと思ったら、ツバサちゃんもルナちゃんがいなくなりました。大変だ~
ラル「大変さが伝わらない」
あはは。まあ! シナリオ作ってるのは私じゃないんで! 大丈夫大丈夫!
ラル「何が!? 何が大丈夫なの!?」


《L side》
私が一人で考えを巡らせていると、とんとんっと肩を叩かれる。顔を上げると私を足元を指差すティールがいた。
「……ラル、リランが」
「ん?」
ティールに促されるまま下を見ると、何か言いたそうに私を見上げていた。ちょいちょいっと前足を上げている辺り、何か伝えたいのだろうが……
「ん~……何が言いたいんだろう?」
とりあえず、なるべくリランと同じ目線になるためにその場にしゃがみ、リランを撫でる。……こんなことで、言葉が分かってたまるかって話ではあるのだが。
「あんあんっ!」
「私、フォース君じゃないからなぁ。リランの言葉は全く分からん」
何か言いたいのは分かる。しかし、詳細までは分からない。ツバサちゃんの居場所なのか、事件の重要な何かに気がついたのか……はたまた、どうでもいい話なのか。
まあ、この様子を見るに、事件に関係のある話ではあるのだろうけれど。予測できるのはせいぜい、その程度である。
『……仕方ないな。貸し一つだ』
は?
ふわりと私の隣に降り立ったのは、雷姫だ。もちろん、姿は半透明で、実体化はしていない。しかし、リランはそんな雷姫にも気がついた。もしかしたら、雷姫自身がリランにも見えるようにしたのかもしれないけれど。
「わふ! あん! あんあん!」
『ふむ。それは真か? 偽りをマスターに伝えるわけにはいかんのだが』
「わふっ!」
『……そうか。ならば、そのように伝えてやる』
「雷姫、リランはなんて?」
雷姫は少しだけ考える素振りを見せるも、静かに口を開いた。
『あの白狐の娘、ここに残っていた魔力の残骸を追いかけたらしい。その魔力は犯人が残したものらしくてな』
それは、そうだろうなとは思っていたけれど。
『その犯人、禁忌とされる魔法に手を出しているらしいぞ? その可能性に気がついた娘は駆け出したそうだ』
「禁術に分類される魔法……ツバサちゃんだから気がついたのかと見るべきか」
魔法知識の豊富なツバサちゃんだ。もしかしたら、その禁術が何なのかも検討がついているのかもしれない。
『ふふん♪ 愉快だ。まさか、こんな時代に禁術の類いと合間見えるとはな』
「……そりゃ、よかったね」
くつくつと楽しそうに笑う雷姫は置いておき、私は近くにいた騎士さんを呼び止め、雷姫から聞いた話を伝える。もちろん、リランから教えてもらったとか、雷姫が言ってましたなんて言えないから、その辺はぼかしたけれど。
「なっ!? 禁忌の魔法!? おい、誰か団長かアラシ様に連絡しろ!」
「はい!」
禁忌の魔法という単語を出した途端、がらりの現場の空気が変わった。そりゃ、禁じられた魔法を使われたとなれば、街中大騒ぎだ。
「ね、きんきってなあに?」
「……使っちゃいけないってことだよ。禁忌の魔法は人が使うことを許されていない魔法ってことさ」
大きなくくりとしては禁術と呼ばれるものだ。これには技や術も含まれるため、区別するなら禁忌の魔法って言ってしまった方がいいだろう。
さて、話を戻そう。
ツバサちゃんが、どんな魔法を使われたのか知っていたと仮定するならば、一人で対処するしかなかったのかもしれない。だから、リランを置いて、この場から離れた。
「……消息を経ってから、まだ、時間はあまり経ってはいない。まだ、この街にいる?」
騒ぎにもなっていない辺り、例の妨害魔法が展開されていると考えて方がいいか。ふむ……少し、賭けにはなるが、何もしないよりはましか。
「騎士さん、私も……いえ、スカイもツバサ様の捜索、並びに誘拐犯の確保に参加させてください」
「えっ……」
「一時的とはいえ、彼女達から目を離した私にも責任はありますので。それに、我が隊の隊員が狙われていたかもしれないなんて、許せません。手伝わせてください」
「ご協力、感謝します!」
騎士らしい敬礼を決め、騎士さんはどこかへ行ってしまう。禁術が絡んでいると判明し、やることが明確になったからだろうか。
……やりますかね。
「ラル、どうするの?」
「ボクも! ボクもてつだう!」
「あんあんっ!」
騎士さんとの話を終え、私はティール達の元へ戻る。二人と一匹も、状況はなんとなく把握しているようで、気持ちはすでに切り替わっていた。
「もちろん。というか、しーくんにかかってるし♪」
「ほあ……?」
「その前に……雷姫、探知は可能?」
『無理だ。個人を特定できる能力ではないからの。……しかし、小僧ならば、魂の色を言うなれば、人のオーラを視る力を持つ。その力と我の力と合わせれば、可能だったろうな』
ここに来てフォース君のありがたみがひしひしと伝わるようだよ。……いない人のことを羨んでも仕方がない。
「じゃ、やっぱりしーくんしかいないね。……雫、この街全体の把握は可能?」
「うりゅ! マップ、あたまにはいってる! できるよ!」
流石、チーム一のサポーターだ。
「よし。なら、雫は街全体をスキャンして、犯人とツバサちゃん、ルナちゃんの居場所を捜せ。ティールは雫の傍で待機」
「……待って。君一人で街中を捜すの?」
そら、きた。言うと思ったわ。
「無闇に走るつもりはないよ。雫の指示で動くつもりだから」
「でも……」
「騎士団も動いている。私一人だけじゃないよ。……それに、本調子じゃないティールを現場に出すわけには行かない。それこそ、何かあったら危険だ」
水まきもあって、きっと普段よりは過ごしやすい環境だ。とはいえ、街中を走るとなると、暑さに弱いティールはすぐにバテてしまうだろう。そんな状態で戦闘にでもなったら、どうなるのか。それはティール自身がよく分かっているはずなのだ。
「……ごめん。無理言ってるのは、分かってるんだ」
「ううん。……大丈夫、私がその辺の犯罪者に負けるわけないでしょ?」
「そうだね。でも、無茶はしないで」
「……それは保証しかねる」
「そこは頷いてくれよ……仕方ないリーダーだなぁ」
あはは。まあ、私ですから。いつものようにやるだけよ。
「あんっ!」
「頼むね、リラン。ラルが無茶しないように見張っててよ」
なんでやねん。
なぜかやる気満々なリランは、見なかったことにして、私はバッグから小型通信機を三つ取り出し、それぞれに手渡した。
「連絡はこれで。じゃ、ぼちぼちやりますかねぇ……スカイ、出撃!」
「出撃するの、君だけだよ」
「ラル、しゅつげきー!」
……自分から言い出してなんですが、緊張感なんてどこにもないな。

プランとしては、騎士団とは別行動で捜索をする。しーくんの探知が終わるまではそれとなく、近くを捜してみる……だけである。
しかし、人通りの多いところや探検隊や冒険者の多い通りは避けるだろう……という予測で、住宅街が並ぶエリア、南方面を目指して走っていた。
「妨害されているとして、私の目じゃ無理だよなぁ」
というか、私は勝手に犯人側が妨害魔法を展開していると思っていたが、誰も巻き込みたくないという考えから、ツバサちゃんの可能性もあるな。
まあ、どちらにせよ、認識できない場所にあることに代わりはないか。
『スキャン、おわったー!』
「おー……流石。早い」
『うーみゅ……ない。ない……ないよー! ツバサお姉ちゃんもルナちゃんもみつからないー!』
しーくんの探知でも無理か。
『え、雫。いつもこんなスピードでこれ、見てるの……?』
『そだよー!』
私達は基本、しーくんから離れて実働部隊として動いている。そのため、実際、しーくんがどんな感じでサポートしてくれているのか見る機会は少ない。
あっちは和気あいあいとしてない? いや、まあ、しーくんが泣きながらやるよりはましか。
『……みゅ? ぼやってしてるとこがある』
「! どの辺!?」
『んとね~……ラルのいるちてんから、にひゃくめーとるさきのかどまがって……そこからさらに、ひゃくめーとるさきかなー?』
「了解。そこ行ってみる」
しーくんの探知が効かないとなると、その先の情報はないと思った方がいい。犯人の人数も、どんな攻撃をするのかという情報も得られないわけで。
「……雷姫」
『分かっておる』
「くぅん……」
私がしーくん達と連絡を取り合っている間、リランが匂いを辿ろうとしていたのか、地面をしきりに嗅いでいた。
「大丈夫だよ、ツバサちゃんはそのこら辺の魔法使いさんより強いし……あのルーメンさんのお孫様だよ……っ!」
「わふっ!」
風に乗って火薬臭が漂う。音はない。これの原因が銃だとして、サイレンサーでもつけているのだろうか。
しかし、敵は近いようだ。
「……あは。久しぶりに危ない臭いがするわ。さぁ、行こうか、リラン」
「あんあんっ!」



~あとがき~
時々、ふざけたくなる。

次回、ラルとリランは、ツバサとルナを発見できるのだろうか!?

補足したいことはないです!(笑)
なんだろ。禁術なんて読んで字のごとくですからね。モノが出てきてないので、説明もできませんしね~……今後に期待! ということで!

ではでは!