satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第216話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でお話しする物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、連続誘拐犯を懲らしめ、無事に事件解決しました! ということで、二日目のまとめになります。やったね。
視点はアラシ君。なぜなら、この辺のメインがラルじゃなくなるからです。


《A side》
ルナのとこに行ってたツバサとリランが戻ってきたところで、次は別のところにいるらしいティールと雫と合流することになった。
「つか、ティールと雫とは別行動だったんだな?」
周りの騎士からラル達が協力してくれてたのは知ってた。しかし、よくよく聞けば、二人は待機させていたらしい。つまり、動いていたのはラル一人だけ。普段ならともかく、こういう事件時に探検隊リーダーとして、隊員を使わないという選択を取ったのが気になった。普通なら人捜しするなら、人数いた方がいいって思うし。
「まあ、ねぇ……」
珍しくはっきり物を言わない。というか、目的地が近づくにつれ、ラルの挙動不審さが半端ない。気のせいか?
「街中での人捜しにティールが不向きだっただけだよ。しーくんも精神的にあれだったし……それに」
「おかえり」
あ、ティール。
帽子の奥に光る目が全く笑ってないが、一応の笑みを浮かべるラルの相棒。そして、ティールに隠れるように雫もいた。
二人の姿……というよりは、ティールの姿を捉えたラルがびくっと震える。ティールが纏う空気だけで、これからを悟ったんだろう。
「待って。何もしてない。怒られるようなこと何にもしてませんって! いつも通り! 普段と変わらないからぁ!」
これでもかってほどに首を振り、─何に対する言い訳なのか分からんけど─弁明するものの、ティールは全く動じていない。
「そっかぁ。一人で五人相手するのが普通か~♪ 朝からずぅっと雷姫さん使うのも普通なんだねぇ」
「スパン空いてますんで!! 継続して使ってませんので!!」
「よく言う。体力切れかかってるくせに」
「なっ……うっせぇぇ!!!」
図星だったのか、ラルは反論するのをやめ、とりあえず叫ぶみたいな選択を取った。
まあ、学校や昨日のラルより、今のこいつは疲れてるように見えるし、ティールの指摘も間違ってないんだろうな。思考力も低下してるのかもしれない。
「全く……君の提案に乗って、一人にしたらこれだ。ま、ぼくも人のことは言えないけどね……っと、ごめんね。アラシ……と、アリアもいるんだ。気づかなかった」
いっつも気配消してるわけじゃないけど、無口なぶん気づかれにくいだよな。アリアって。
とはいえ、今回の場合、ティールは俺達よりもラルしか見てなかったようにも思うけどね。
そして、ずっと黙っていた雫も、どこか気まずそうなツバサの姿を見て、ばっと駆け出した。
「ツバサお姉ちゃん!」
「あ、わ……しーくん!」
思い切り抱きついてきた雫を戸惑いながらも抱き止める。雫はわんわん泣きながらも、一つ一つ言葉を紡いでいく。
「しんぱい、たくさんしたのー!! ぼく、たんけんたいだもん! おてつだいできたもん!!」
「あう……ごめんね。しーくん」
ツバサは困ったように俺を見てくるものの、どうしたらいいか助言するわけにはいかない。置いていかれた雫の文句くらい、何も言わずに受け止めるのが一番。
そういう意味も込めて、俺は黙って肩をすくめる。
「っ~!!」
すぐ近くで変な声が聞こえてきたなと思ってそっちを見る。原因はなんとなく分かるけど。
案の定、ラルがティールに抱きついて、悶えているところだった。さっきまで言い合いしてたくせに、そんなのはお構いなしだ。
「私の天使達は今日も尊い……! 浄化されてしまいそうですっ!」
「はいはい。そうですね。そのまま浄化されて、不真面目な部分がなくなるなら、ぼくは泣いて喜んであげる」
ティールのスルースキルも洗礼されてんなぁ……

このままここにいても仕方ないので、俺達はギルドに戻ることにした。ツバサはもちろん、ラル達もそこに滞在しているわけだし、そこに行かないなんて選択肢はない。
未だに泣き止まない雫をおろおろしつつも相手するツバサと、それを放置する俺達はほんの数分で到着した。
そして、目的地の『明けの明星』正面口には、ツバサの兄であるツルギが仁王立ちで待ち構えていた。見るからに怒っている。そりゃあ、大好きな妹が危険なことしたんだ。当然、怒るわ。
「ツルギ……!」
「ツ~バ~サ~!!」
怒りを露にするツルギに思わずツバサも後ずさり。そのままにしておけば逃げ出しかねないので、俺とアリアで退路を塞ぐ。
「! アラシ、あーちゃん……!」
「今回ばかりはお前が悪い。素直に兄ちゃんの説教受けとけ」
アリアは何も言わないが、黙って数回頷いた。
ツバサが助けを求めるようにラル達を見るものの、あいつらも俺らと同意見なのか、はたまた空気を読んだだけなのか、自分達の世界に入っている。
「ぷんぷんしてるツルギ君も可愛い♪ お兄ちゃんしてるよ~♪」
「そうだね。……ほら、雫もいい加減に泣き止まないと目、腫れちゃうよ?」
「うにゅ~」
自由だな。あいつら……
そんな自由な三人がツバサを助けるはずもなく、ツルギがつかつかとツバサに詰め寄る。
「さっき、報告に来た騎士から話は聞いた! なんであんなことしたんだよ!! 危ないだろ!?」
「だ、だって、早く追いかけないと見失うって……思って」
「だからって、一人で行っていいことにはならない!!」
「……ごめん、なさい」
ツルギの言葉にしょぼんとするツバサ。それまで目をつり上げていたツルギだったが、小さなため息をついたあと、困ったように笑った。
「みんな、ツバサのこと心配してたんだ。だから、怒ってるの。何かあったら悲しいから、怒るんだぞ?」
「……うん」
「僕も……ちょっと怒ってる」
それまで今回、ツバサのやったことに口出ししなかったアリアがそっと口を開いた。ツバサはびっくりしたようにアリアを見上げる。
「危ないこと、禁止……ツバサ、強いけど……首突っ込んでもいいことにはならないよ……?」
「……」
「無事でよかった」
と、ツバサと同じ目線の高さになると、優しく頭を撫でる。
皆、ツバサを大切に思ってるからここまで怒ってくれる……それを理解してくれるといいんだけど。
「あ、あの、ラルさん、ティールさん。……その、本当にごめんなさい」
ツルギやアリアに言われたことが効いたのか、ツバサが申し訳なさそうに頭を下げた。謝られた二人はお互いの顔を見合せ、戸惑ったように笑う。
「いやぁ……ぶっちゃけ、路地裏ではあぁ言ったけど、私はあんまり強く言えないと言いますか。それに、心配はしたけど、怒ってはないかな」
「まあ、ツバサの気持ちも分かるし、アラシ達の気持ちも分かるからね」
ティールの言葉にラルは笑いながら頷いた。
「だよなぁ。目の前に悪党いるなら、放置しておけない。……かといって、ツバサちゃんには、私と同じ考えをしてほしくない。……私らの立場が違うからねぇ」
「ほえ。……立場、ですか?」
ツバサの言葉にラルは、説明するつもりはないのか、単なる独り言と言ってにっこりと笑うだけだ。
ラルは探検隊。探検隊としての立場なら、危険なことにも挑まなければならない……多分、そういうことなんだろう。
「……ぼくはある意味、立場的にツバサと似てるところあるけど、放任されてるから何とも言えないや。……だから、ツバサは恵まれてる。こんなに心配して怒ってくれる人達がいるって幸せなことだと思うよ?」
「まあ、私は怒られることを幸せだと思わないけど。そんなに悪いことしてないじゃん? 終わりよければよくないっすか?」
「君のそれは病気だからな。いい加減、理解してほしい」
「にゃにおう……! ティールもそういうところあるからな! 私だけがやってるみたいな言い方はよくないからね!?」
「頻度はそっちの方が上」
「ラル、ティール、けんか、だめー!」
「喧嘩じゃないよ、しーくん。意見交換! これからのための交換会だから!」
「平行線だろうけどね」
また、二人の言い合いが始まった……好きだな、こいつら。
自分の問いかけから軽い口喧嘩にまで発展してしまい、困ったような表情のツバサをぽんっと叩く。
「とにかくだ。何度も言うようだけど、これからはあんなことすんなよ。ツルギも俺もアリアも……それにラル達だって、皆、滅茶苦茶心配してたんだからさ」
「……うん!」
「あー! 色々あったから、お腹すいた! ツバサ、中入ってごはん食べよ!」
「! ご飯……!」
「あ~も……ぶれないな、アリアは。おい! 喧嘩してるそこの二人と雫も行くぞー?」
何がともあれ、無事に事なきを得たからいい……のかな?



~あとがき~
ざっっつかよ!

次回、ラルとティールのお仕事回。
二人しかいないお話でございます。わちゃわちゃを目指します。

ツバサちゃんが仲間に怒られるシーン。本来なら、ツルギ君とアリアちゃんに怒られて(?)終わりにするはずだったんです。が、一緒にいるラルやティールが完全空気になるのもあれやし、何よりツバサちゃんの性格からして、自分からごめんなさいするかなと。
でもまあ、正直なところ、ラルもティールも「もうやっちゃいけません!」と言える立場にないなと。二人ともツバサちゃんの立場だったら追いかけてますからね。きっと。

ではでは。