satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第218話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でばたばたしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回からお仕事してる二人のお話になってます。うっきうきなラルちゃんと、あんまり元気のないティール君。まあ、なんとかなるでしょう!
ティール「……どういうこと?」
ラル「ここで何を言うのか分からなくなったんだよ。突っ込んでやるな」
……その言葉で私の心は傷付いたわよ!!
今回はラル視点です。ここのお話は二人をごちゃごちゃに視点変えていこうかなと思ってます。まあ、ティールメインなところあるけど。
ティール「……えっ?」


《L side》
初めは私が敵を一掃していたものの、ティールも動く元気が出てきたのか、スイちゃん片手に応戦するようになってきていた。その動きに迷いもなく、ブレもない。暑さでバテていたのも感じさせない動きである。
それなら、例の物を使っても問題ないかな? ちょうど、開けた場所にも出てこれたしね。
「ラル? どうかした?」
見晴らしのいい大部屋でピタリと進行をやめたのが気になったのだろう。ティールが不思議そう……というよりは、心配そうで不安そうな表情を浮かべていた。それは恐らく、私を案じてではない。これから起こるかもしれないことを予期しているからだ。
だって、ティールは私の相棒を丸四年やってきている。私がやりたいことなんて、なんとなく分かっているはずだもんね。
ティール。敵との戦闘、いける?」
「……問題ない、けど。え、本当にやるの? やめるって選択肢はまだ残ってるよ?」
嫌です! やるっていったらやるのだ!
バッグから例の物を取り出し、ミュージカルでもやるのかってくらいにくるくると回る。そして、あれをびしっと天に掲げ、満面の笑みで
「いえーーい! ちきちき! どちらが多くのモンスターちゃんを倒せるでしょ~か対決!」
と、高らかに宣言した。それを聞いたティールは怪訝な表情を浮かべていた。そんな彼は無視だ。無視。
「ルールは簡単! ここにどばーっと流れ込んでくるであろう敵達をばったばったと薙ぎ倒す! さあ!? 準備はいいか、諸君!」
「諸君って……ラルとぼくしかいないんだけど」
こういうのはな、ノリだよ! 楽しんだもん勝ちよ!
「仕事! 仕事で来てるから! 仕事に関係ないことで楽しむとかないから! あーもー! 助けて、フォース! ぼく一人じゃ、このお転婆リーダー止められないよぉぉ!!」
ふっふっふー……奴がいると、一瞬で敵を殲滅されかねない。そして、「おら、これでいいんだろ?(ドヤァ)」みたいな勝ち誇った顔されるのがオチなのだ。それはムカつくので、私とティールの二人の時にやるのが一番なのだ。
嘆いているティールではあるものの、きちんとスイちゃんとセツちゃんを構え、私と背中合わせになる。嫌でもやることはきちんとやってくれるのが、真面目なティールらしい行動だ。
「今からは目の前に現れる敵だけを倒せ。背中は互いが守ればよし! ってことで、発動させまーーす!」
「くっそ! 罠アイテムを味方巻き込みながら使うって何!? 本来、離れて使うもんだよね!」
実感した方が楽しいからかな?
片手に握っていた『呼び寄せ玉』を宙に放り、私も雷姫を構える。
『呼び寄せ玉』は地面に着く前に跡形もなく消滅した。数秒の沈黙の後、私は多くの敵の気配を感じ取る。恐らく、ティールも感じたのだろう。後ろで少しだけ体が強張る気配がした。
「……んふふ。想像以上の気配の多さだねぇ?」
「ラルがやったんだからね。やったんだからね!? っていうか、ダンジョンは無限湧きしない!? 大丈夫なの?」
「あ、この罠の効果時間は三分だから。大丈夫大丈夫♪」
「そ、そう。効果時間あるだけまだましだね……だよね?」
さあ?
この部屋の出入り口は三つ。この三つから雪崩れ込むように敵が入ってきた。種族はバラバラ。きっと、ここの洞窟を根城にする奴らなのだろう。モンスターハウス以上の敵の多さに武者震いしてしまいそうだ。
「やるよ、ティール!」
「この事態を自分らで引き起こしてるのが辛い……誰とは言わないけど怒られそう」
バレなきゃ犯罪じゃねぇ理論だよ。そしてこれは無茶でもなんでもなぁあい! よって、怒られる要素もなし。以上!
「無茶苦茶なこと言ってる自覚ある?」
「さてね。……やるぞ、雷姫!」
『うむっ♪ 久々に感情が高ぶるぞ♪』
その言葉通り、私の背後で雷姫の気配を感じる。思い切り力を使ってやるという前兆みたいなものだ。もしくは単純に楽しくなってるかの二択。
というか、ちょい前にやった、ルーメンさんとの試合でも楽しそうにしていた気がするのだが……まあ、いい。雷姫の機嫌がいいに越したことはない。
「なんで雷姫さんまで、そんなに楽しそうなのさ……はあ。スイ、セツ! 頼むぞ!」
『あいさっ!』
『せっちゃたちにおまかせよ~♪』

背後は無視するにしても、目の前に数えるのを諦めたくなるくらいの大群が押し寄せてきている。それらを斬ったり、電撃浴びせたり、攻撃を避けて敵同士ぶつけてみたり……ありとあらゆる手を使って倒していく。
「なんか、思ったよりも減らなーい」
名前を思い出す前に斬り伏せてしまった獣型モンスターの最期を見届けながら呟く。
「二人で! 相手してるからこうなるの!」
ティールは、スイちゃんで四つ足モンスターに斬撃を食らわせつつ、私に向かって叫んだ。
「後何分!?」
「ごめん。計ってないわ」
「ラルのばぁぁあかぁぁ!!!」
私に対する怒りに身を任せて、セツちゃんを振るった。セツちゃんから放たれた冷気は、ティールに襲いかかろうとしていた敵達を一瞬にして氷像にしてしまう。そして、スイちゃんとセツちゃんを器用に操ってどんどん敵を斬っていく。
「よく叫びながらそんなに動けるよね。リランと同じで体力お化けか」
「平均的な高校男子並みの体力だよ!!」
嘘つけ。知ってるんだぞ。ギルドでの体力測定で一番の体力だったじゃんか。知ってるんだぞ。
それはさておき。
私の思惑通り、換金できそうなドロップ品は湯水のように出るのだが、いかんせん、数が減らない。そりゃ、二対大勢という図式が簡単に覆るとは思ってないが、こちらには広範囲攻撃をばんばん繰り出しているティールがいる。私だって単発よりも、複数個倒せるような技選択をしているのに、「あ、なんか減ってきたわ」と思うような瞬間がないのだ。
無限湧きだとしても、こうも短時間で多くのモンスター生成するものだろうか?
「ふむぅ……なんか理由でもあんのかにゃあ?」
「知るかぁぁ!!」
感情的なティールだが、攻撃自体は的確に狙っている辺り、冷静さが全くないわけではないようだ。
この大群の理由は後で思案するとしよう。今はこのたっくさんの敵達をどうするかだけを考えなければ。
「ま、こんなこともあろうかとってやつっすな。……ここはどかんっと一発、食らわせてやりますかね!」
「……はぁ?」
「あ、大丈夫。大技ぼかんっとするつもりではないから。けど、少しの間、攻撃の手を止めるんで、よろしくな」
「はぁ!?」
「雷姫、私を守って!」
「承知した」
困惑しているティールをよそに、私は雷姫を実体化させて、バッグを漁る。確かきちんと入れてきたはずなのだが。どこにしまったんだったか。
「ラ、ラル? できれば早くしてほしいんだけど!」
「もうバテたのか、パートナーよ」
「バテてないですけど、ちょっとした休憩はほしいじゃないですか……」
「それをバテたと言うんじゃよ、パートナー」
「ぐぅ……もういっそ、こいつらを濁流で流してやりたい……! 水源あれば一発で綺麗にしてやるのに」
そんなことしたら、私も巻き添えだし、ティールもばったり倒れるでしょうが。お母さん、許しませんよ、そんなこと。
敵を相手しつつも雑談できている二人。雷姫はともかく、ティールも一応の余裕はあるらしい。いやはや、頼もしい相棒だな。
「ごめん、待たせた! これだよ、これ!」
お目当てのものを見つけた私はそれをさっきみたいに天に掲げた。
「たららんったら~♪ 『身代わり玉』! これを使えば、敵のターゲットを別のものに置き換えられるんだ~♪ っってことで、なんか大きくて強そうなあいつに投擲っ!」
「説明から行動までが早い!」
適当に目星をつけたそいつに向かって、綺麗な放物線を描きつつ、こつんと命中。その瞬間、眩い光に包まれるも、それも刹那である。見た感じ、大きくて強そうなモンスターさんが変化した様子はない。が、その他のモンスターには大きな変化があった。
今の今まで、私達に敵意を向けていたはずだが、それが大きくて強そうなモンスターさんに変更されたのだろう。一斉にモンスターがモンスターを襲い始めた。
もう一匹も私とティールに興味を示していない。その辺に石ころ同然の存在になったみたいに。
「壮観っすね。バーゲンセールの奥様方戦争を遠目で見ているようです」
「それよりももっと悲惨だろ。なんかこう……集団リンチみたいなってるよ……? 『身代わり玉』当てられたモンスターが気の毒すぎる」
「ふん。この世は弱肉強食じゃろ? 弱き者は強き者に淘汰されるのじゃよ」
「自然界はそうかもしれませんけど、あれはラルが故意にやらせてるものです。モンスター達が面白半分に踊らされただけですが」
「……それも世の理ということじゃな」
「そんな理いらないから!!」
しばらく……と言っても、一分もしないうちに身代わりになってくれたモンスターがやられ、ついでに『呼び寄せ玉』効果も切れたらしい。新たなモンスターが入ってくることもなく、残ってしまった敵達は私とティールの手で倒して終了となった。
いやぁ~……道具の効果も試せたし、面白いもの見れたし、私は満足だよ♪



~あとがき~
マッドサイエンティストみたいなラルだな。

次回、まだまだ続くよ洞窟探検!

補足したいこともなければ、言いたいことも特にないです。はい。
でもまあ、久々にラルが好き勝手してるなぁって思いました。楽しそうなラルでした。
それについていくティールも大変やな。

ではでは!