satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第219話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわちゃってる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、めちゃくちゃ大量にいた敵をやっつけました。戦闘シーンは描写してないけどな!
今回もそんな適当な感じでお仕事している二人の様子を見ていこうかと思います。


《Te side》
ラルのはちゃめちゃ作戦により、無限に相手するのかと思われたモンスター軍団をなんとかやっつけられた。
罠の効果時間も切れ、戦闘で騒がしかったこの大部屋にも静寂が訪れた。
「……っしゃぁぁ!! 討伐完了!」
する必要もないはずの討伐をしまくった結果、ラルが満足するほどのドロップ品を手にできた。それはいいことだけど、無意味な殺生だった気もする。いいんだろうか、こんなんで。探検隊として、いいんだろうか?
ようやく終わったと実感した途端、色んな意味でどっと疲れが押し寄せてくる。情けない話だが、へなへなとその場にへたりこんだ。
「あぁ……つっかれたぁ」
「ボス戦前のいい運動だったでしょ?」
……そうだった。本来のぼくらの依頼はここのボスから採れる素材採取。つまり、まだ一つも終わっていない。
「……仕事終わった気でいたよ」
「やっだぁ! 終わってないよ? これからこれから!」
本番前に無茶苦茶、疲れてるんですが……?
ぼくはへとへとだけど、ラルはまだまだ元気みたいだ。体力はぼくの方があるはずなのに、なんでこうも差があるのだろう。
ラルがさっきの戦闘で、手を抜いていたとは思わない。だって、後ろでずっと戦っていた。ラルが手を抜いていたのなら、ぼくはとっくに背後からやられていたはずだから。
うーん、なんだろう。ぼくとは違い、彼女には、精神的な疲れがないのが一番の要因なのかもしれないな。……不公平じゃない?
ティール、思ったよりもバテてる? 大丈夫?」
「あんなエンドレス戦闘でバテない方がおかしいんじゃないかな……? それに、精神的にも疲れたんだよ。君の無茶苦茶に巻き込まれたって事実に!」
「んえー? 楽しかったじゃん?」
どこが!?
もっと文句を言ってやろうと思ったけれど、無垢できらきらした笑顔を浮かべるラルに、何も言えなくなる。
……そんな笑顔を向けられたら、何も言えないじゃないか。狡いよ。
「ま、ここで一旦休憩しよ。見晴らしもいいし、仮に敵に狙われてもすぐに分かるから大丈夫だよ」
と、バッグからアロマキャンドルみたいなのを取り出すと、何の躊躇いなく火をつける。つけた瞬間、ふわりとハーブの香りがぼくらを包んだ。
「……これは?」
「魔物避けアイテムだってよ。この匂いが魔物が嫌うやつなんだって」
へぇ……術以外にもこんなのがあるんだなぁ。それ、使うの初めて見るけど?
「これもこの前の買い物のときにゲットしました」
……ちゃっかり色々楽しんでたのね。
「買い物、楽しかったんだもん」
「そういうところは女の子だよね」
学校でだらだらしていたり、何かあれば脱走を試みようとするラルがデフォルトで、女の子っぽさを感じる瞬間の方が少ない。
仕事をしていたり、何かの事件を解決しようと動くラルは、むしろ男子みたいにかっこよくて、頼りがいのあるリーダーって感じで。
「……ラル、基本、女の子に見えないんだよなぁ」
「は? 私の性別、女ですけどぉ!?」
「……え? あ、ごめん! 口に出てた!?」
声に出して言うつもりのなかったものがつい、知らないうちに出てしまっていたらしい。どこから出ていたのかは分からないけれど、ラルの反応を見る辺り、「女子に見えない」というところだけが出ていたのか。
「出てたわ! 無意識か! 無意識に私を罵倒してんのか、このやろー!!」
「わ、わー! 違うってー!!」
がばっと覆い被さろうとするラルを慌てて押さえた。彼女の両手首を掴み、なんとか押し倒されないように踏ん張る。
いや、ここはきちんと弁明というか誤解を解かないと。このあとの仕事に支障が出ても困るし!
「ぼくは、ラルの笑ったとこ、女の子らしくて好きだし、可愛い洋服着てるときは、とっても可愛いくて似合うって思うし! それから、えっと……仕事するラルもかっこよくていいと思うよ!? まあ、ぼくは可愛いラルの方が好きだけど……どっちもラルだから、嫌なんて思ってなくて……って、聞いてる?」
話すのに夢中で気づいてなかったけど、いつの間にかラルが顔を赤くして、彼女が込めていたはずの力も抜けていた。ぼくがこのまま離してしまえば、こちらに倒れてしまうんじゃないかってくらいだ。
……? あれ。変なこと、言ったかな?
「ほんっっとに……お前というやつは……乙女心を弄ぶの好きなの……?」
「え? ラルに乙女心なんてあるの?」
「斬り伏せるぞ、貴様」
ごめんなさい。
ラルは小さなため息を一つつくと、ぼくから離れる。そして、ちらりと様子を窺うように見てきた。が、何か言うことはなくて。
「あ、あの、ラル? ごめんね? ぼく、嫌なこと、言っちゃった?」
「んーん……そうじゃない。そうじゃないけど、ここに来てなんだかなぁ……」
?? え、っと……ぼく、本当に何かしたんだろうか。ここ最近、ラルに色んな迷惑かけちゃってるから、そのことでも考えてるのかな。
「ねえ、ティール」
「ん? 何でしょうか……?」
「そういうこと、簡単に他の女の子に言っちゃ駄目だよ?」
「……? う、うん」
そういうことってなんだろ。笑顔が可愛いとか好きとかその辺り? 言うような相手もいないから大丈夫だと思うけど、まあ、いいや。
ぼくの返事に何を思ったのか、ラルは再びため息をつく。更に責められるのかと思ったけれど、彼女の口から聞こえてきたものは全く違うものだった。
「さっきのやつ、効果は絶大だったけど使いどころ選ぶなぁ」
えと、乙女心どーのって話はもう終わったみたい……?
「少なくとも、味方巻き込んで使うものじゃなかったね。分かりきってたけど」
「……それ、分かっててやったの? ぼくの苦労なんだったのさ」
当然の疑問にラルは、にこっと笑う。あのいたずらっ子が浮かべるような笑顔で。
「久しぶりにあんなに戦えてよかったでしょ?」
……そう、言われると、確かに久しぶりだったかも。
最後に仕事したのはテスト前……思い出したくもないけど、あの幽霊屋敷疑惑を調べに行ったのが最後だ。そこで討伐依頼もあったにはあったが、大体がラルが先頭に立って倒してしまっていた。ぼくが全力で剣を振るう機会なんて……あったけど、あれはノーカンってやつだ。うん。
夏休み前はテスト勉強やら、ラルに勉強教えるのに忙しくて、仕事なんて一つもしてなかった。夏休み入ったら入ったで、体を思い切り動かす機会もなかった。いやまあ、ラルとの模擬戦があったけど、あれは中途半端に終わってしまったし、そこまで動かしていない。
……なるほど。全く、ラルって人は。
「大切な仕事が探検隊活動再開後、初のお仕事なんて、なんかあれかなって思ったのよね~♪」
ぼくは暑さに弱いから、仕事前に少しでも慣れさせようとしていたんだろう。そのついでに、いつもの感覚を思い出してくれればと、あんな無茶苦茶なモンスターラッシュ戦させたのか。
ほんの数週間空いたくらいで戦えないまでに感覚が鈍るわけではない。が、ラルは仕事に関しては慎重な性格だ。不安要素は少しでもなくしておきたいと思ったんだろうな。
「……荒療治過ぎじゃない?」
「えへ。効果覿面だろぉ?」
そりゃあ、もう。
「ふふん♪ まだ治療は終わってないぞ、相棒! ボスが残っているからね」
「分かってるさ。……君の言う通りにしよう。そろそろ、行こうか」
「はーい♪」
魔物避けのキャンドルの火を吹き消し、ラルはすくっと立ち上がる。そして、ぼくの先頭に立ち、リーダーの顔つきになった。
「今から、今日の目標の一つであるボスを突破する! 指示は逐一出すから、終わるまで気を抜くなよ!」
「了解!」



~あとがき~
爆弾発言やら行動をするときのティール視点、やったことねぇなぁと思ってやりました。

次回、ボス攻略戦!
まあ、大した描写はするつもりないです。一話で終われ。一話で~

恋愛発展というか、反応に関して、空海とはちょっと違う、ラルとティールコンビ。
理由としては、ティールが恋心に気づかずここまで来てるのがあります。どっかで話したかな……? まあ、いいや。言ってたら、おさらいってことで聞き流してくれ!(笑)
なんで違うのって言うところは、こちらの二人の環境にあります。距離が近いんすよね。初めからずーっと。出会って即二人で暮らすし、ラルがお母さんみたいなことやり始めるんでね。ティールもラルの親というか、先生みたいに、彼女にあれこれ指南するので「恋愛」という関係性を考えてないんすよ。
でまあ、ラルが感情を完璧に隠してないときがあります。今回がそうですが。これに関しては、空海ピカと違って、過酷な状況下にいないからです。そこまで必死に隠す必要がないんですよね。
ということで、同じなようで全く違うレイ学世界のラル&ティールの関係がどうなっていくのかは、今後をお楽しみに~

ではでは。