satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第249話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でトークしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ユウアちゃんによる質問タイムが始まった辺りです。今回から本格的にQ&Aしていくで。
ただ、分からないものは分からないんですがね! すまんね!
ラル「絶対、すまんって思ってない」


《L side》
今、教えてもらえそうなものって何だ。とりあえず、依頼関連の話は駄目だろう。現に、もう一つの依頼である、『緑の石』は教えられないと言われたし。
となれば、先程話に上がった『女神の涙』は問題ない……のだろうか。それと、ユウアちゃん自身についてとか……後は、単純な興味でブライトさん達の話も聞きたいような、ないような。
……ミルティアの話を振るのは……どうするかな。大した返しがなさそうな気がするんだよね。するだけしてみてもいいんだが。
まあ、いいや。教えてくれそうな話題からいこう。
「んじゃ、お言葉に甘えて。いくつか聞いてもいいかな」
「はい♪」
「とりあえず、女神の涙についてもう少し聞いてもいい? 女神の涙っていうか、その周りに咲く花についてなんだけど」
「はい。あの周りの花……水晶の花は女神の涙へと変わる前の花だと思ってください。長い時間をかけ、魔力石へと変わっていくんです」
ふむふむ。では、私たちの知る水晶(鉱石)とは別物か。そう考えれば、あの脆さや不思議性質も頷ける。
「じゃ、次。ユウアちゃんはブライトさん達と会ったことあるんだよね」
「そうです。ブライト様……当時はライト様ですね。ライト様とセイラ様はセラ様に連れられ、ここまで来ています」
「それは私達と同じような理由で?」
「大体は」
ふぅん。……大体ねぇ?
「父上達はこの先に行ったの?」
「はい。私が奥へ行っても問題ないと判断しました! ライト様がここが女神と関連のある場所だと気付かれたので~♪」
それが奥に進むための条件?
「ライト様達の場合は」
……なるほど。
ブライトさん達は、私達みたいにあれこれ試されていなかったのだろうか。まあ、こちらへ訪れるきっかけを与えたのはルーメンさんだろう。その当時、すでにルーメンさんがここを管理していたはずだ。だからまあ、ブライトさん達もルーメンさんの指示で来ていたとは思うけれど。
……さて、世間話じみた話題はこの辺にしておこうか。
「じゃあ、今度はあなたのことを教えて?」
「私のことですか? もちろん、構いませんよ!」
「ありがとう。じゃあ、自己紹介のとき、自分のことを『自立型政令融合アンドロイド』って言ってたけど……それは純粋な精霊ではないってこと?」
私の質問に、ユウアちゃんは素直に肯定した。
「私は今から三十年以上前、マスターとルーメン様によって生まれた精霊と融合したアンドロイドなのです!」
ふぅん……ということは、アンドロイドに精霊が宿っている……んだろうか? 鈴流さんがリボンに宿っているのと似たような感じで? いや、どういう原理だ。
「マスターとルーメンさんって……君のマスターはルーメンさんじゃないのか?」
「はい。マスターはルーメン様の奥様、ルーチェ様です。そのルーチェ様こと、マスターが私を開発しました!」
おや。初めて聞く名前なんだけど……?
私が首を傾げる横で、ティールがぼそっと呟く。
「理事長が幼い頃に亡くなったってルーメンさんから聞いた。ルーチェさん、元々、体が弱かったって」
なるほど。理解した。
カタカタとタイピングをしていたユウアちゃんだったが、全ての入力が完了したのか、パシーンっとエンターキーを押す。そして、どこか懐かしむような……それでいて、悲しそうな笑み浮かべつつ私達を見た。
「マスターは凄いお方でした。魔法は使えませんでしたが、魔法学に造詣が深く、合わせてIT技術も持ち合わせていたのです。生前は数々の魔法具やダンジョン対策用のアイテムを発明していました」
……私みたいなことする人だったんだな。なんて物好きな。
「それ、自分で言う? けど、ラルとツバサを足した感じの人だったんだね。ラルは……ほら、魔法学はあれだし」
「あれとはなんだ。あれとは! 頑張ればできるからね!? ちゃんと一人でも作れますけどぉ!?」
「いやぁ、魔法関連はフォースに頼ってる姿しか見てない。……ルーチェさんは最初から最後まで一人でやるんだろ?」
「はい。マスターは術式構築も道具作成も、お好きでしたので!」
ティールが「ほらね」みたいな表情を向けてくる。
わ、私だって……あぁ、いや、やめよう。維持張っても虚しいだけだな。うん。やめる。
話は少し逸れてしまったが、ユウアちゃんの本来のマスターは今は亡き、ルーチェさんか。もし生きていれば、もの作りのあれこれを私と話せたのだろうか。それは少しだけ、魅力的ではある。
「と、いうことで! マスターとルーメン様によって生まれた精霊もとい、アンドロイドの私は、ここの管理を任されているのです。精霊らしく、ちゃあんと魔法だって使えますよ! 得意魔法は土属性魔法とバフ支援です!」
……なぜ、土属性? ってのは、ルーメンさんが関わっているからだろうか。ルーチェさんは魔法を使えないということは、精霊召喚魔法は使えない。となれば、魔法を使えるルーメンさんに寄った結果……と考えるのが自然か。
「精霊であるのはいいとして、なんでアンドロイドと融合する必要があるんだい?」
「マスターによれば、人型精霊を研究する過程で思い付いたと」
「確かに、精霊召喚魔法で人型を呼び出したなんて聞いたことはない。ゴーレム系統がそれっぽいけど、きちんとした人ではないからか。……ついてきてる? ラル」
うん、まぁ、ギリギリね。
女神ミルティアが人型の精霊を付き従えていたとルーメンさんから聞いた……気がする。が、今の時代、人型精霊を見かけたことはない。少なくとも、私はない。
「マスターは人型精霊を見てみたいと考え、ルーメン様の協力のもと、研究が行われました。そうして、生まれたのが私なのです。……まあ、精霊であるゴーレムのコアにとある細工を施し、形態を変化させているに過ぎませんけれどね~」
とある細工ってのが、電子機器、機械に関わる部分なのかな?
「ですです♪ コアに電子機器を埋め込むという細工です。そのため、純粋な精霊ではありません。とはいえ、半分が機械なお陰で、空気中の魔素を電子分子に変化させ、空中にモニターを表示させたり、機械の操作をしたりと、色々便利なんですよ♪」
へぇ~……その気になれば、いつでもどこでもネットし放題ってことか。しかも、PCという媒体を持ち運ぶ必要もないとは、なんとも羨ましい。
「はわぁ! ラル様、分かります!? そういうことです!」
と、誇らしげにしていたのも束の間。ユウアちゃんは困ったように笑う。
「……ですが、それらは私のエネルギーを激しく消耗させるので、必要なときにしかやらないんですよね~」
ふむ。滅茶苦茶、容量を食ってると見た。
空気中の魔素を変換するだけでなく、その後に様々な動作を行うのだ。そりゃ、消費電力も多いというやつだ。
……って、消耗電力って表現でいいんだろうか。充電とかそっちの方が適切な気もするな。まあ、ぶっちゃけ、どうでもいいんだけども。
「と、そうだ」
小さく呟いたユウアちゃんは、目の前のスクリーンを消すと、そっと地面へと降り立った。そして、誰かを優しく起こすみたいに地面を叩き始めた。
「クルス、起きて。お仕事の時間ですよ~」
本当に何かを起こしているらしかった。
何が起こるのかさっぱりな私達は、黙って行く末を見守っていると、ユウアちゃんが叩いていた付近の土がもこもこと動き始める。そして、盛り上がった土から一匹のウサギが現れた。オレンジと茶色の斑模様で額には一本、濃いオレンジ色の小さな角がある。
ユウアちゃんの言葉から察するに、このウサギは『クルス』という名前の精霊なのだろう。となれば、主は自ずと明らかになるというものである。
「……ぷぅ」
私達をぐるりと見回したクルス君─名前的に男の子っぽいので、君付けしておく─は、どこか面倒くさそうに一鳴きした。



~あとがき~
ここで終わっておかないと、長々と続く気がした。

次回、そろそろこの中間地点を出たい。(願望)
あれ? 次回予告でもなんでもないな……おっかしいな。

一応、質問回と称して色々(?)突っ込んだ質問をしました。ゆーて、そこまで謎が明らかになった感はないですが。
大きなものはこの後、明らかになる(予定)なので、お楽しみに。私も現時点で知らんのでな!!

ではでは。