satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第252話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でもんもんとしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ラルの時空の叫びによって、ダンジョンに生息するゴーレムの正体が分かりましたね。ミルティアさんが召喚したゴーレムが元になってました!
ということで、今回もそんな時空の叫びを使った考察回です。
ラル「ということでって……全く繋がってませんけど?」
いいのいいの。考察回なのは変わらないからな!
ラル「前回、大した考察してないけど!?」


《L side》
ゴーレムのお仕事を見学した後、私達は新たな『女神の涙』を発見した。つまり、レッツ時空の叫びチャレンジの時間である。
うん……チャレンジするの、私だけなんすけどね。
今日だけで何度、能力発動させようとしたか分からなくなる程に、意識を集中させる。
能力の発動した合図のように目眩が襲い、パッととある光景が浮かび上がる。先程はゴーレム召喚を試みるミルティアだったが、今回は、壁の宝石を眺めるミルティアがいた。そして、中間地点の花を触ったときに視たマントの男も気持ち俯きつつ、彼女の背後に立っていた。
二人とも私から顔は見えない。どんな表情を浮かべているのかは窺えないが、マントの男からは、心なしか不安と怒りを感じた。
「……さっき」
その雰囲気をミルティアが感じ取ったのだろうか。彼を見ないものの、控えめに話し始める。
「あなたは『本当にやるのか?』って聞いてきたけど……もちろん、そのつもりだよ」
女神の返答に、マントの男は顔を上げる。そして、彼女をじっと見つめるかのように微動だにしなくなった。
「だって、こんな事態になってしまったのは、全て私の我儘のせい。……私がちゃんと、父様の言いつけと掟を守らなかったせいだもの」
父様? 神様に父親が存在する? 少なくとも、ウィルさんからはそんな話は聞いたことはないが……?
それに、掟ってなんだろう? 確かに神様にも守るべきルールがあるのだろうが、それを破ったせいで何かがあった……何かとはなんだ?
「だから……これは、贖罪なの」
ミルティアは壁の宝石から足元に咲く水晶の花に視線を移した。
「流石にすぐに元通りにはならないけれど、この花がたっくさん咲いて、魔素が増えてくるまでの時間稼ぎくらいにはなると思う。そのための布石も準備してきた」
「だがっ……! それなら、俺にも──」
「あなたまで、責任を負わなくていい!!」
彼の言葉を遮るように、ミルティアは声を荒らげ、語気を強めた。それにはマント男も驚いたようで、口をつぐんでしまう。
「何れ……あの子達の存在が上のおじ様達にもバレてしまう。今はまだ、力も弱いから、大丈夫だけど……大きくなったら、おじ様達にバレて、消されちゃうかもしれない」
ミルティアは俯きながらも、話を続ける。
「だから……だから、そうなる前に私の方で手を打たないと。あの子達には寂しい思いをしてほしくない。……いなくなる親は、私だけで……十分だよ」
……親? 私だけ?
恐らく、話はまだ続くのだろう。しかし、私の能力で視れたのはここまでだった。
いくつもの疑問を残したまま、私の意識は現実に引き戻されてしまった。

「ん……あ、ラル。今回はどうだった?」
「……ん」
こちらへと戻ってきた私はティールの言葉も曖昧に返事しながら、ゆっくり立ち上がる。
ミルティアの父とは誰だ?
掟とは?
贖罪とは何をさす? ミルティアは……いや、ミルティアとあの男は何をした?
……不明な点が多すぎる。
なら、逆に分かることはなんだろうか。
ミルティアはこの大陸を救った女神。そして、この国の主であった。いくつもの政策を行い、過去に起こった魔素の枯渇を自身の魂を使って解決した。
ここまでは過去の文献によるものだ。
この場所はミルティアと縁がある場所。
水晶の花や女神の涙はミルティアによって作られた……そして、ここを守るためのゴーレムも作っている。
うーむ……分からん。分かっていることを並べ立てても、贖罪やら何やらは分かりそうにない。
「おーい? ラルってば! 聞こえてる?」
どうやら、何度か呼び掛けていたらしいティールが大した返事をしない私を心配しているらしかった。大袈裟に目の前で手を振っている。
「ごめん。全く聞いてない」
「あぁ……返事してくれるならいいんだよ。能力使いすぎて、疲れちゃった? 大丈夫?」
「うん。体は大丈夫。ねぇ、ティール」
「ん? なんだい?」
「神様に親っているのかな」
「え、唐突にどうしたのさ。……けど、親か。ウィルさんからは聞いたことないな。育ての親がフォースのマスターさんだっけ? そういうのは聞いてたけど……ラルの言う親は産みの親だろ?」
ティールの問いに黙って頷く。
「ぼくはいてもおかしくはないかなって思う。……ほら、神話とかでも〇〇神の子が~みたいな文面はあるわけで。けど、それはあくまで神話……物語みたいなものだからな。実際のところ、どうなのかは分からないよね」
そうだよね。可能性としてはなくはないけどって仮説にもならない話で終わってしまう。
「で、なんでいきなり親の話?」
「あぁ、ごめん。さっきのでミルティアと誰かさんの話を視たから……そこに親ってワードがね」
「なるほどね」
そういえば、ミルティアは上のおじ様と言っていたな。上ってのが天界なら、おじ様は住む他の神を指していたと推測できる。
他の神々に自身の子の存在がバレるのはよくないことだった、ということか。
そして……いなくなる親は一人でいい、か。
その台詞はまるで……ミルティアとあのマント男が夫婦だったような台詞だ。仮にそうだとしたら、あの二人が結ばれ、子供を成すことが掟破りだった? それがミルティアの……あの二人の罪で、贖罪のためにミルティアは自身の消滅を選んだ?
……うん。考えられなくはないけど、証明はできない。あくまで、仮説の一つだ。
……けど、マントの男は俺もって言ってたし、何も関係ないことはない……んだろう……が。
そもそも、贖罪と称して消えるってなんだ? 文献だと、魔素がなくなったから、ミルティアが補填のために消えるんだよね? それが贖罪ってなんだ。
落ち着け。……思考がまとまっていない。複数を考えるな。結局のところ、どれもこれも、答えに辿り着かないのだから、変に神経を使うのはよくない。
あーもう! なぁんで、こういうときにフォース君はいないんだろう。天界のあれこれなんて、やつの専門分野だろうに。ミルティアだって、掟だって……その他諸々! やつが! 詳しいはずなのに!! 
私の葛藤をユウアちゃんは楽しそうに見ているだけだ。なんなら、私達の話も口を挟まず、黙って聞くだけ。
「不明確な情報が増えすぎて意味が分からなくなってきたよ、私は」
「そうなの?」
そうなの。……って、今視たやつ、ティールに説明してないのか。
質問をぶつけるだけぶつけておいて、肝心な説明を後回しにしていた私は、今更ながら、先程の光景を簡潔に伝える。
「ミルティアの犯した罪……その罪滅ぼしのために命を捧げたってこと?」
「なのかなぁ。んでも、罪滅ぼしってよりも、家族を守るためっぽく聞こえるかも。話にもそんな感じに書かれてた気がする」
「あ~……『癒しの女神の祈り』?」
「そ。……どちらにせよ、今ある手札だけじゃ、どうしてそうなったかまでは分からない。こうなってくると、昔話で語られる、人々が使いすぎて魔素が枯渇しました~……ってのも怪しくなってきたかもね」
まあ、そもそも、あれが全部真実だと思ってもない。あれはあくまで子供に語り聞かせる昔話の一つ。そこに、残忍で残酷な話なんて出せるはずもないんだけれど。
結局のところ、どれもこれも不明瞭で曖昧な話でしかない。ここであれこれ考えていても仕方がないというやつだ。
私達にできるのは、奥地を目指し、依頼を達成すること。その道中で、謎解きができたらついでにしてしまおう……くらいの気持ちの方がいいのかもしれない。
「さぁて……そろそろ行きますかね」
「了解だよ、リーダー」



~あとがき~
すんごいごちゃごちゃしてしまいました。
申し訳ない……

次回、『奇跡の洞窟』最深部へ!

ミルティア関連の話はどうにも小出しでしかお見せしていないので、分かりにくくなってしまいますね。まあ、分かりにくいのは私の文章力が低いせいでもありますが……面目ねぇっす。
とりあえず、あれだな。
ミルティアが家族を守るため、贖罪のため、あれこれしましたってことだと思います。はい。多分……?
この辺は近いうちに続きがあるかなと思いますので、少々お待ちくだされ~

ではでは!