satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第261話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわいわいしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、謎空間でラルとミルティアさんが会話するという展開になりました!
いやぁ、びっくりびっくり。
また、があるんですかね?
あるなら、いつになることやら……(汗)


《L side》
「──ま………ってえぇぇっ!!??」
「っくぅ……ったぁぁぁ!!」
「あ、あわ……だ、大丈夫ですか~? ラル様、ティール様……?」
現実に戻ってきた私に待ち受けていたのは、ティールとの衝突事故でした……
私といたしましては、強風と共に離れていくミルティアに手を伸ばし、追いかけたつもりでしたが、それは叶わず。その代わり、寝かされていた私を覗き込んでいたらしい相棒に頭突きする羽目に。
く、くそぅ……なんだって、寝かされてたんだ? しかも、本日二度目の相棒(男)による膝枕をされるなんて……なんたる屈辱……!
「きゅ、急に起き上がるなよ! 危ないだろ!?」
「知るか!! つーか、なんつー頭してんだよ!? 馬鹿なの! 石頭なの!?」
「突っ込んできたの、君じゃないか……痛いのは、ぼくも同じだよ。ってか、馬鹿とか関係なくない? それに、いきなり罵倒はないんじゃないの? こっちは心配してたのにさ」
「心配?」
「突然、ふらっと倒れたら心配するだろ。今日だけで何度も使ってるわけだし、それに今回はなかなか戻ってこないから、余計にね」
「……それは、ごめんだけど」
「だけどぉ?」
「……いえ。ごめんなさいでした」
ここで更に反発したら、倍の小言が返ってくる予感がした。それは駄目。いつもなら、そういうノリも嫌いじゃないけど、今は面倒臭い。
「よろしい。……で、真面目な話、大丈夫?」
「うん、大丈夫。……ユウアちゃんにも心配かけちゃったかな。ごめんね?」
「いえ! ラル様がお元気ならよいのです♪」
……さっきの。さっきのは、何だったんだろう。
“時空の叫び”で視たのは、ここまでの道中で視てきたものの続きだと思う。ミルティアとマント男……アルマとの会話風景。これからの相談というか、予定というか……ミルティアがいろんなものを、人を守るために何をするつもりだったのか、そういう話だった。
そして、その後のミルティア自身の干渉。あれは、私の能力ではない。まさかとは思うが、ミルティアの思いを視た、とでも言うのだろうか。
いや、それはない。それにしては、きちんと意志疎通できていた。あのミルティアだって、花に残る思いと魔力が原因だと語っていた。つまり、花に残るミルティアの意思が……魂が私と会話したとでも言うのだろうか。
あの場ではなんとなく、押し切られたというか、考える余裕がなかったが……
あり得るのか? そんなことが。
いや、実際にあり得たのだ。そこに何かしらの原因があったとして、それが理解できなくとも、起きたのだ。いないはずの女神に出逢ったのだ。
それはそれとして、納得するしかない。
で、そのミルティアは私に頼みごとをした。
伝言……「ウィルくんに私は幸せだったよと伝えてくれ」か。
そう言ってほしいということは、生前─という言い方が正しいかは不明だが─それを伝えられなかった、のだろうか。
ウィルさんはミルティアの幸福を案じていた? なぜ?
ウィルさんから見て、ミルティアは幸せに見えなかった? その割に、ミルティアには、子供いたり、愛し合える相手もいたわけだが……それでもなお、幸せだったと言わなければならない、のだろうか。
……私の知る情報だけで推測するなら、ウィルさんがそう思った原因は、ミルティアが自らの命を捧げる決断をしたから?
それをウィルさんが案じていた?
……うぅん? なんか、違うような気がする。しっくりこないというか、なんというか。
それに、その後の言葉。お願いの内容だ。転生体とこれからも仲良くしてほしい? 転生体という言葉も不明だが、「これからも」という言葉。つまり、今も仲良くしてるから、今後もそのままでよろしくという意味だろう。
そうなると、私は、既にミルティアの転生体とやらと交流がある?
それは、誰なのだろう。
容姿だけで決めるなら、ツバサちゃんだ。容姿だけで決めるなら、だが。
しかし、理由が似ていたからでは……根拠としては弱い。なんせ、ケアル家はミルティアの直系の子孫である可能性が高い。回り回って、ミルティアそっくりの子孫が産まれてもおかしな話ではないと思う。……確率はあれだけど。
転生体がミルティアの関係者だとして、私と仲良くしていたのは、ルーメンさん、理事長、双子の四名。……ルーメンさんや理事長を仲良くしていた部類に入れていいかは謎だ。
こう考えると、可能性が高いのはやはり、ツバサちゃんか……?
……まあ、これからも仲良くなのだから、今更、何かを変える必要はないか。
伝言の件といい、お願いの件といい……今の私ではどうすることもできない。ウィルさんと会う約束はしばらくないんだし、転生体に関しても予想はできても、確証はできないのだ。今まで通りにするしかない。
「ラル? ねぇ、ラルってば」
「……ん?」
「ボーッとしてるけど、本当に大丈夫?」
「ん。大丈夫。考え事してただけだから。……いい加減、仕事しよっか。緑の石の採取……の前に、“時空の叫び”で視たやつの共有が先か」
ミルティアとアルマの会話をかいつまんで話していく。そして、その後のミルティアとの会話に関しては、話さなかった。別に能力で視たわけではないし、伝える必要はないと思ったからだ。
少なくとも、ユウアちゃんには、だ。
「なるほどなるほど~……共有、ありがとうございます! ラル様!」
「どういたしまして。……じゃ、今度こそ、採取始めよっか。ねぇ、ユウアちゃん。これ、採取方法とかある?」
ただの水晶の花は軽く力を入れただけでも、簡単に壊れてしまう程、脆かった。流石に女神の涙はそこまで脆くはないとは思うが、普通の花や鉱石類とは訳が違う。
「そうですね~……花の根本を折って回収してくだされば、割れる心配はないかと思います!」
「花の根本ね。ルーメンさんからもらった袋に入れてくかぁ~……ティール、緑多めでたまーに他の色も混ぜてく的な採取でよろしく」
「了解」
二人で手分けして回収した方が早いだろう。どれくらい回収したらいいかは……ユウアちゃんに確認を取りながらでいいか。
「そうだ。ラル様」
「ん~?」
「ルーメン様に依頼された採取とは別件で、ラル様達も持ち帰っていただいても構いませんよ。報酬の一部ってことで」
「……マジで?」
「はいっ♪ 過剰に採られるのは流石によくないですが、少しなら問題ありませんので」
ふむふむ。……そういうことなら、予定変更!
ティールは依頼された分を回収よろしく。私は自分ら用のやつ、吟味するんで!」
「えっ!? それ、サボりでは」
「人聞きが悪い! 持って帰れるなら、いいやつ持ち帰りたいじゃん!? 必要な行為だよ! はい! よろしく!」
「……なんか、ズルくない? いや、いいけどさ」
いやぁ~……持って帰りたいとは思ってたけど、まさか叶うとは思わなかったね! やばい! ここに来て、一番楽しいかもしんない!!
ティールが黙々と仕事をする横で、私はウキウキ気分でお持ち帰り(自分)用の『女神の涙』を選別していく。
できるなら、全種類が欲しいけれど、それは流石に駄目だろう。なら、数種類の色をいただいていこう。しかし、どの色がいいだろうか?
スタンダードな白は決まりとして、他の色は……うーん。悩むな。
「ラル様、ここに来てすごく楽しそうにしてますね?」
「あぁなったら、しばらくは自分の世界に入り込むよ。つまり、ユウアがラルの変なスイッチ押したってことだね」
「あ、あはは~♪」
という、ティール達の会話はガン無視である。答える必要がないからだが。
本来なら、十数分で終わるであろう採取だが、倍以上の数十分かけて採取した。理由は……まあ、言わなくても分かるだろう。
例えるなら、女の子の買い物は長い。……そういうことだよ!



~あとがき~
お、洞窟編の終わりが見えてきた!

次回、ティール視点でのんびり帰宅。

特に言いたいことはないな……
前回も言いましたが、明らかになっていない項目については追々とって感じだと思われるので、もう少々お待ちを。

ではでは。