satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第265話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で話す物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回はリランに雷姫奪われたり、いつものようにラルとツルギ君の仲の悪さ(?)が見え隠れしたりでした。
ラル「もっとあったと思うよ。ネロのこととか?」
ネロは今後、どっかに出てくるんすかね……? リランと仲良くできるのか……?
ラル「それは……大して重要ではないかな」
リランに幸あれ。


《L side》
雷姫の件は一件落着……してないけど、したことにして、ルーメンさんのところへ向かおう。さっさと報告して、仮眠取りたい。
「……そうそう。少し、いいかしら?」
ふと、何かを思い出したのかセラフィーヌさんが私達を呼び止める。何か伝え忘れたことでもあるのだろうか?
いや、私達とセラフィーヌさんが会ったのは、ある意味、偶然だ。何かあるとは思えないが……
「今回の探検の件、話は聞いているわ。二人としては、どうだったかしら? 大変だったとは思うんだけれど、楽しめた?」
ふわりと微笑みながら、そう問いかけてきた。
誰から聞いたのやら。誰でもいいけど。
言い淀むティールに代わり、私は肯定の意を込めて頷き、小さく笑う。
「……えぇ。自分達の知らない場所に挑むのはいつだって楽しいです。それに」
この先はどうしようか。言わなくてもいいのだが……いや。言って、みるか。
「それに、今回は色々、分かりましたから」
私の返答に、セラフィーヌさんは満足したように笑った。
「そう。……それなら、よかったわ♪」
よかった、ねぇ?
分かったという部分に関し、何の疑問も抱かなかったように見える。それに、セラフィーヌさんは、かつて、ブライトさんとセイラさんと共に『奇跡の洞窟』へ挑み、二人に秘密を語ったと思われる。つまり、謎を知る人物の一人。
……セラフィーヌさんは、私達がミルティアの謎を知ったと確信を得た。だから、満足そうに笑ったのだろう。
とはいえ、これは私の推察。想像でしかない。だからと言って、本人にこの場でそれを聞けるはずもない。
私はセラフィーヌさんにこれ以上、何かを言うことも問うこともなく、ギルドへと入る。ティールも遅れて私の後を追ってきた。
「……ねぇ、ラル? あの質問はどんな意味があったの?」
「色々あるとは思うよ。思うけど、大部分は単純に感想を聞きたかっただけじゃない?」
「そ、そうなの?」
「多分。……ま、そこまで気にしなくていいよ。大して重要じゃないから」
今、重要なのはルーメンさんに報告する。これだけだ。
はてさて、どう転ぶかな……

さて。
色々ありましたが、『明けの明星』の親方部屋の前まで来ました。
ティール、入る前に少しいい?」
「? なんだい?」
「この報告は簡潔に終わらせる。依頼完了しましたくらいのやつでいこうと思ってる」
「それは構わないけど……女神の話もするんじゃなかったの?」
「それに関しては一応、考えはある。これは、ティールにも協力してもらうけどね?」
「協力? ぼくにできることなんだよね?」
疑うなぁ。できることだよ。安心しろ。
「……分かった。協力する」
ありがと。ってことで、ノックしてくれ~
私の言葉にティールは「なんでだよ」と呟きつつも、素直に従ってくれた。ノックした直後、中から返答があり、そのままティールがドアを開けた。
「失礼します、ルーメンさん」
「おぉ~♪ ティールにラルか! 無事に帰ってきて何よりじゃ! 待っておったぞ。……その様子じゃ、依頼は無事に達成できたかの?」
ユウアちゃんから聞いていそうなものだけれど……わざわざ聞くのは、私達の口からも聞きたいのだろうか。
「ご依頼された品はこちらに」
私はバッグからルーメンさんから渡された袋を取り出す。その袋には言われた通り、女神の涙が入っている。
「そうかそうか。ならば、早速確認しよう。そこに座ってくれるかの?」
ルーメンさんは目の前のソファを指差し、自身は向かいのソファへと腰かけた。
袋はルーメンさんに手渡し、受け取ったルーメンさんは、そのまま中身も確認する。数秒の沈黙の後、満足そうに頷き、私達の方へ向き直る。
「依頼内容通り、奥地にある石……緑色の『女神の涙』を持ってきてくれたようじゃな。助かったぞ、スカイの二人よ♪ あそこはなかなかに大変じゃったろう?」
知ってて送り込んでるくせに~……とは、言わず。
「そうですね。探検の内容の濃さはそれなりにあったと思います」
「そうかそうか。ユウアから報告は受けておったが……二人が怪我なく帰ってきてくれて安心したぞい♪」
怪我なく、か。
この言葉にどこか引っ掛かりを覚えるものの、それを口にはしなかった。今は端的に報告するだけと決めていたし、詳細はまた後で問いただせばいい。……そのときまで私が忘れていなければ、だが。
まあ、報告と言っても、ユウアちゃんがある程度、ルーメンさんに伝えているだろうから、私から言えることも大してないのだが。
とりあえず、簡潔に『奇跡の洞窟』での出来事を話していく。ゴーレムとの戦闘、中間地点での出来事、奥地での戦闘等々……
ちなみに、“時空の叫び”で視た光景の詳細は伏せておいた。あれを話すと長くなりそうだから、こんなのを視ました程度に留めておいた。
「……以上が今回、『奇跡の洞窟』で起こった出来事です。途中、ユウアちゃんのサポートももらいながらの探索となりましたが、よろしかったですか?」
最後の最後で、これに疑問を抱いてしまったのだ。ユウアちゃんからの協力を聞いたときは断る理由がないから受け入れた。だが、それはルーメンさんの試練とやらに関係しているか全く考慮していなかった。
これが仮に誰の力も借りず、二人だけの力を見たかった場合、少々まずかったかも、と思ってしまったのだ。まあ、それに気づいたのは、奥地でベヒーモス型ゴーレムを倒した後だったんだけれど。所謂、後の祭りであった。
だから、ユウアちゃんのサポートは受けてもよかったのかという懸念が今更ながらに出てきてしまったのだが、ルーメンさんはニッコリと笑った。
「大丈夫じゃよ。あそこのダンジョンは下手すると、迷ってしまうからの。ある意味、ユウアの案内を受けるのは必須じゃ。だから、何も問題はない」
なるほど。なら、よかった。
んじゃまあ、依頼の報告はここまでとして、本題に移りますかね。
「ルーメンさん。依頼完了報告とは別にお話ししたいことがあります」
「分かっておるよ。『女神の罪』について、じゃろ?」
……そりゃ、ユウアちゃんから報告受けていれば、それを私が知っているのは把握済みだろう。この話を持ちかけてくるというのは、ある種の必然とも言える。
「ラルよ。お主は今回の依頼より、こちらの方が気になっておるのではないか? 隠しきれてないぞ?」
「……あは。ポーカーフェイスは得意な方なんですけれど。バレました?」
「ふぉふぉふぉ♪ 年寄りは年寄りらしく、いろんなものを見ておるからの~♪ しかし、その話はワシも軽々と話せるもんではない。それに、ワシの仕事はまだ終わっとらんからの。今から話すのはちと厳しい。お主らも帰ってきたばかりで疲れとるだろう?」
「私は問題ないですよ。……と、言えたらよかったんですが、その通りです。それに、雷姫をリランに預けてるので、早々に戻りたいです」
長時間放置なんてしたら、雷姫に殺される。すぐ戻るって言っちゃったもん。確実に殺される。やだ。怖い。
私の言葉で気づいたのか、ルーメンさんははて、と首を傾げる。
「どうりで妖刀の気配を感じんとは思ったが……リランに預けとるのか?」
「それは、まあ、色々ありまして」
ティールが私が雷姫を持っていない理由を簡単に説明してくれた。ルーメンさんは、リランとネロのやり取りを聞いた辺りから、少し呆れた様子で笑う。
「リランもネロも相変わらずじゃの~……そういうことなら、ラルは早く愛刀のところへ戻った方がよかろう。……ティールも今日は疲れたろう? 今晩は無理せず来んでもよいぞ?」
「いえ。ぼくは大丈夫です。それに夜にルーメンさんと話す時間、ぼくは好きなので。よろしければ、今夜もお願いします」
いいなぁ。私も大丈夫です! 元気です!……と、即答できる体力がほしい。
ティールの返答にルーメンさんは嬉しそうに笑い、頷く。
「世辞だとしても、そう言ってもらえるのは嬉しいの~♪」
「まさか! お世辞なんかじゃないですよ!」
……と、いけない。ぼうっとしている暇はなかった。このまま、二人の話が終わる前に割り込まないと、お開きの流れになりそうだ。
「あの、そのことについて、少しよろしいですか?」
「うむ? どうかしたのかな?」
「お邪魔かとは思うんですが、今晩の二人のお話しの時間、私も同席してもよろしいですか?」
この提案に二人はきょとんとする。当然だ。いきなり言い出したのだから。しかし、ティールは入室前の話を思い出したのか、少し合点がいったような表情になる。
「私はこの後、雷姫の回収もありますし、ルーメンさんはお仕事がある。それに、私はともかく、あなたは多忙な方です。後日改めて、先程のお話の続きを……なんてのは、少々難しいのではありませんか?」
「そうじゃの。報告を受けるような短い程度ならまだいいが、それ以上は難しいな」
「分かっています。なので、今日の夜、二人の時間を私にいただけませんか? もちろん、無理にとは言いません。急を要することでもないし、ましてや、仕事終わりのルーメンさんに仕事絡み話をさせるのは少々気は引けるのも事実なので」
曖昧に提案しているものの、私の勘が正しければ、きっと、乗ってくる。私はそう確信していた。
けれど、そうだな。……駄目押しにもう少しだけ、付け加えておこうかな。
「しかし、ルーメンさんは『女神の罪』について、私に話したいのではありませんか? でなければ、女神の秘密が眠るあのダンジョンへ向かわせたりしませんから」
過去を知る手立てのある私を向かわせたりしない。隠したいなら、私を行かせるべきではないのだ。もちろん、私の能力を知らないとは言わせない。愛する孫娘から、信頼する家族から聞いているはずだから。
……さあ、どう出る?
私の予測が正しければ、話すつもりはあるはずだ。今までの会話からも、話してくれる気があると思っている。
でなければ、私が女神を気にしているのを指摘などしない。
私の言葉にルーメンさんは、ピクリと眉を少しだけ上げ、驚いた様子だったが、それも一瞬だった。
すぐにいつもの調子に戻り……いや、戻ったかと思ったが、なぜか豪快に笑い始めた。
大笑いするルーメンさんに今度は私と、ついでにティールが驚く番だった。
「あっはははっ……!! いやぁ、すまんすまん。まさか、ラルからそんな提案をされるとは思わんくてな? 不意打ちを食らってしまったわい♪」
大笑いして思わず出てきた涙を拭いながらも、ルーメンさんは未だに笑い続けていた。
……そこまでおかしかっただろうか。不意打ちをしたつもりはなかったのだけれど。
ひとしきり笑い続けた後、ようやく落ち着いたのか、一呼吸置いて、いつもの表情に戻る。
「そうさな。ラルの言う通り、ワシはラルに……二人に『女神の罪』について、話したいと思うておる。ラルの提案、受け入れさせてもらおう。ティールもそれでよいかの?」
「ぼくは構いません。ラルに協力するって決めてましたから」
「ふむ、そうか。……ならば、今晩、二人でこの部屋に来るといい。待っておるよ」



~あとがき~
二週間程、期間が空いてしまい申し訳ない。完全に投稿し忘れてました(滝汗)

次回、ショートなネタ詰め編。
所謂、箸休めです。お楽しみに。

長かったんで、さらっと終わりましょう。こんなところ読まなくていいです!
体感、スプランドゥールでの夏は半分終わったよなと思ってます。思うだけです。この後、どれだけかかるのかは謎です。

ではでは。