satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第268話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界の物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回からルーメンさんとラルとの会話が始まってます。いや、その場にはティールもいるけど、空気っすね。話し合いはラルに任せる宣言したので、空気です。
ティール「二回も言わなくていいんじゃないかなぁ!?」
大丈夫。この先からは質問を飛ばす役目が回ってくるから。空気じゃなくなるはず!


《L side》
気のすむまで笑い続けたのかルーメンさんは、「これはもう隠しようがないのぉ」と前置きした後、こほんと咳払いを一つ。
「ラルの質問に答えよう。まず、儂らケアル家がミルティアの血を引く一族であるか否か……これは是じゃ。つまり、陸の国の一部を治めていた血縁者ということじゃの。まあ、もう随分と昔の話ではあるがな」
今でもなお、王政の残る海や空とは違い、陸の国はそれを捨て去った国だ。理由は色々あるだろうが、一つ言えるのは、各地域の意思なのかもしれない。
しかし、遠い過去の話とは言え、王族の血筋であるのは事実。現にこの城の所有者はルーメンさんだ。それだけでも凄いのではと思う。
だって、一般人が城の所有なんてしないだろう。絶対、管理できないもん。
「ほっほっほ……まあ、この城の所有するに至った経緯は……半分、成り行きなんじゃがな」
「いやいや! 全ての出来事が成り行き手なんです~……ですまされると思わないでください。今回、私は疑問に思ってることほぼ解消する気でいるんですからねっ!?」
「ふむ? ならば、今回の話とは関係ないが、そこまで言うなら軽く話そうかの~♪ とは言え、儂も大して知らんのじゃが」
確かに、城の話は全く関係のない話。脱線しているのは百も承知だけど、気になるものは気になる。もやもやしてるのはなんか気に食わないので、教えてもらえるのなら、聞いてしまいたいのである。
「我がケアル家が王権放棄する際、当初であればこの城の所有権もなくなるはずじゃった。が、当時の民から城だけは保有しておいてくれと言われたらしくてな。なぜ民がそのような申し出をしてきたのかは分からんが……大方、城そのものを残したいとでも思うたのだろ」
街のシンボルでもあった城を失くしたくないという思いだったのだろうか。それとも、街の歴史を語るピースを残したいと願ったのだろうか。
当時の人の考えは推測するしかないけれど、その申し出を受け入れたから、今でも城は残っているし、ギルドが城にあるわけで。
……当時の人は、城が改装され、ギルドにされるなんて思ってなかったかもな~……なんて。
「さて、少し話が逸れたな。本題に戻そうかの」
逸らしたのは私なんだけどね。
「ルーメンさん、全てを語ってくれるのですか?」
「ラルがそれを望むなら、現状で話せるものは話そう」
……その口ぶりはまだ内緒があるってことか。この期に及んで、まだ隠すつもりか、このおじいちゃんは。
「まず、初めに。ラル達を指名し、依頼したのにはいくつか理由がある。スカイのチームとしての特徴……もっと言ってしまえば、核となる二人の戦闘能力の確認。そして、ラル……お主の能力の有用性を確かめるためじゃ」
……ユウアちゃんからも知らされていたし、概ね予想通りかな。
「順を追って話していこうかの……儂らは女神の血を引き継ぐ直系の一族。そして、女神ミルティアは歴史やおとぎ話にある通り、善良な方である、とされている。……一般的にはの」
そんな言い方をするってことは、そうではない一面もあった、と?
私の問いにルーメンさんは静かに頷いた。
「全部が全部、嘘とは言わん。しかし、一般的に公開されておる情報の一、二割は嘘であるのが真実じゃ。……ちなみに、女神の人柄や出生は嘘ではないぞ?」
一、二割、ね。ほぼ真実ではある、のか。
膨大な資料の中に嘘が混じっていたとして、それに気づけるかは微妙なラインだ。複数の且つ、別の資料に同じ嘘が書かれていたとしたら、それは真実であると仮定するからだ。実際、私が調べるときもそうだった。
そこを覆されると調査もやる気失せるわぁ……ま、今回の件が例外的なのだろうが。
「えっと、じゃあ……女神ミルティアは天から来たってのは事実ですか? ってことは」
今まで沈黙を貫いてきたティールが疑問を投げ掛ける。言葉を最後まで続けなかったのは、「神様」という単語を使うか迷ったからだろう。天界なんておとぎ話みたいなところ、話題に持ち出すのに躊躇うってもんだ。
私やティールはフォース君やウィルさんの存在やしーくんのことがあるから、天界があると知っているけれど、一般的にそこは架空の世界と言われてしまえばそれまでである。
「そうじゃな。言うなれば、儂らは神の血を引く者である。しかし、すでに何千年と経ってしまっているが故、神の血なぞとうに薄れ、ほぼ人に近いと思うとるよ。とはいえ、それでも名残はあるとも思うがなぁ」
神の血を引く証……ケアル家が魔法に長ける一族というのは、神の血を引く産物なのかもしれない。
「話を戻そう。多くの真実の中に隠された嘘、それは案外気付かれんもんじゃ」
嘘。この場合の嘘はどれなのだろう。
……人々に知られる物語と私が能力で知った過去……その差異はなんだった?
記憶の糸を辿り、とある言葉を見つける。それはずっと気にかけていたものであり、それを聞くためにここを訪れたと言っても過言ではないくらいのもの。
「……女神の罪」
「うむ。……二人は女神の歴史を調べた際、疑問に思うことはなかったかの?」
「ぎ、疑問……ですか?」
ルーメンさんの言葉にティールが考え込む。彼を待ってもいいけれど、ここはさっさと話を進めてしまおう。申し訳ないけれど、こちとら、聞きたいことが山積みなのだ。
「光がなくなり、戦争が始まる……ですね?」
「正解じゃ。おとぎ話にある『光』が『魔素』を指しているのは、お主らも想像しておるやもしれんな。では、その魔素が女神の生きていた時代になくなった理由とはなんじゃろうな」
それはさっき、私が言った気がするけれど……もう一度言えってことか。
「女神が禁忌を犯したから……ですよね。神同士の子を身籠り、産むこと」
「うむ。ラルの予想した通りで正解じゃよ。女神は天界と呼ばれる神々の住む世界で『神同士の契りを禁ずる』と言われておったそうだ。が、それを告げられる以前からとある男神に恋をしておった。それが事の始まりじゃ」
基本、神は一部の感情を持たないと言う。例えば、愛情や恋慕等の感情はないに等しいとウィルさんから聞いたことがある。もちろん、神によってそれらを持ち合わせる度合いというか、感じ方は違うらしい。ウィルさんは友情や、家族愛─というよりは、兄弟愛とも言うかもしれない─それらの愛情はあると自負しているようだが、私達のように強く感じることは稀なのだと。現にフォース君のマスターさんとやらは、それらの感情を見せないのだとか。「もしかしたら、すこぉしはあるかもしれないけど、絶対、俺よりあるなんてあり得ないね。あのクソジジイ!」と笑っていた。隣にいたフォース君も黙って頷いていたから、間違いない、んだと思う。
「ミルティアは少々、他の神とは違った出生があり、それらの感情を持ち合わせていたらしい。つまり、神でありながら、人と同じような感情を抱いていたんじゃよ。そんな女神は男神と会う。その神もまた、特別な事情を抱えた男神でなぁ」
それが、能力で視たアルマという男、なのだろうか。
「……お主らは、『ブレスガーディアン』という言葉を知っておるかの?」
ブレスガーディアン……?
「それ、どっかで……って、ラルがぼくに質問してきたやつ、だったような」
…………ん? あぁ、何かの資料に繰り返し出てきた言葉だ。
「ほう? ミルティアの資料はある程度隠しておったつもりなんじゃがなぁ……それでもなお、調べてくるとは。関心関心♪」
隠したの、やっぱりあんたかよっ!
「ちなみに、隠した理由は大方、女神か禁忌を犯した事実を隠すため、ですか?」
初めは身内に隠すためだと思ったけど、身内よりもはるかに広い範囲だったのだろう。
「うむ。ラルのように勘がよい人にはバレる危険があるかの~♪ 必要最低限の資料だけ、表に置いてあるんじゃよ」
全部隠す方が怪しく見えるから、出しても問題ないものだけを出しているわけか。まあ、一応、納得した。
で、話はブレスガーディアンへと戻るわけだ。結局のところ、ブレスガーディアンとはなんなのだろう。



~あとがき~
長くなりそうなので、ここで終わります。
ここら辺、切りどころがわからんのじゃぁ~……

次回、ブレスガーディアンについて。
他にも喋る予定。

ラルが予想してきたものの答え合わせが次回から始まる予定です。それプラス、他の情報もぽんぽん出てくると思うので、お楽しみに。初出しも多いと思われ。

ではでは。