satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第271話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でお話ししてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
まさかのギルド勧誘で締めくくった前回。
これはコラボしてるからこそのあり得る世界線って感じですよね。楽しいね!


《L side》
真剣な表情を浮かべた目の前の老人から告げられたものは、私の予想の斜め上をいくものだった。何かの聞き間違いではないかと思ってしまうくらいである。
「ワシのギルドに来ないか」
聞き間違いでないのなら、そんなニュアンスのものを聞いた気がする。俗に言うギルド勧誘である。
私は隣に座る相棒の様子を窺う。
彼もまた、驚愕したらしく口をぱくぱくさせていた。しかし、その口から言葉は紡がれてはいない。
……うん。私の聞き間違いではないらしい。
「数年前からお主らの活躍はプリンやイグニースから聞いておってなぁ~♪ 何やら、しごきがいのある……基、ガッツのある探検隊がおる、とな?」
だぁれがしごきがいのある探検隊だぁ!?
んなこと言うの、あの厄介兄さんしかいないけど、もっと別の言い方があるよねぇ!? ふっざけんな!!
内心、お節介兄さんの文句で荒れている私をよそに─口に出していないし、表にも出していないから当然ではあるのだが─ルーメンさんはニコニコしながら話を続けていく。
「もちろん、話を聞いた当初は大して気にも止めておらんかったよ。プリンのところにおったのもあるし、お主らが学生でもあったしな。そんな探検隊がおるんだなぁ……くらいの認識だったわい。しかし、ツバサから話を聞いてからは考えを改めたんじゃ」
……ふむ?
「ラルの能力……“時空の叫び”の話を聞いてから、スカイについて調べるようになった。そして、調べるうちにラルの力が様々な面で役立つと感じた。特に未踏破のダンジョンの謎を解く上で活躍するだろうとな。その反面、ある懸念点も生まれた」
「それが女神の秘密……ですね。ルーメンさんの知らないところで、私が知るかもしれないと……暴かれるのではと危惧した」
ルーメンさんはゆっくりと頷く。
街の人々やほとんどのギルドメンバーはもちろんだが、身内であるツバサちゃんにも隠しているくらいだ。赤の他人の私達がそれに触れるのはルーメンさんとしても避けたいだろう。
「プリンやイグニースから話は聞いておったし、主らが悪い奴らではないと理解しておった。それでも何らかの対策は講じねばと思うたんじゃ」
「それがギルド勧誘に繋がるんですか? いや、だからってそこまで……」
ティールの言い分も分かる。それだけの理由で勧誘するのも変な話ではある。先程、女神の秘密については誰にも話しませんと言ったばかりなのに。
とは言え、ルーメンさんの言い分も分かる。
「そりゃ、身内に抱き込んだ方が楽ではあるじゃん。野放しにするより、ある程度目の届くところにいてもらった方が管理しやすいってもんでしょ?」
「ま、まあ、そうかもだけど」
「うーむ。そんな風に思うてはおらんが……分かりやすく言えばそんなもんじゃな。まあ、他にも理由はあるがの」
他の理由ねぇ?
「しかしまあ、どんな理由があったとしても表向き、ギルド勧誘となると入門条件があるんじゃよ」
例え、『女神の罪』を知る危険のある人を抱え込むという理由があっても、それを表に出して入れることはできない……ということか。まあ、周りに説明ができないし、当然と言えば当然か。
「明けの明星の入門は厳しいって聞きますし、ルーメンさんが慎重になるのも分かります」
「……え、そうなの?」
思わず聞き返してしまった私に、ティールはこくんと頷き、小さく笑う。
「ぼくらが入ってたフェアリーギルドはどちらかと言えば新人の教育機関だから、卒業できるは置いておいて……その、入るだけなら楽な方だよ。でも、明けの明星はベテランの……実力のある探検隊や探検家を受け入れるから、入門するのも必然的に難しくなるんだって聞いたよ。会社みたいなものかな?」
あぁ、うん。フェアリーギルドの卒業試験はあれだもんな。うん……うん。
フェアリーギルドが教育機関、学ぶための学校ならば、明けの明星はその先にある就職みたいなもんかなぁ。
……進路を決める年にはなったけど、就職なんて全く考えてなかった。嘘だろ。
「ギルドの施設はメンバーでなくとも利用可能ではあるんだがなぁ……メンバー、弟子となるとはそうもいかん。生半可な覚悟の弟子を取るつもりはないからの」
「あ~……つまり、今回の試験結果を元に、ギルド勧誘を受けている私達はルーメンさんの……明けの明星、ルーメン親方様のお眼鏡に叶った、と?」
私の答えにギルドの長は嬉しそうに頷く。
「どうかな? そちらとしても悪くないと思うが?」
まあ、そうだろう。
こちらとしては、有名ギルドの試験を受けるつもりはなかったが、受けちゃったもんは仕方ない。そして、それに合格を貰って、こちらの意図しない形とは言え、誘って貰っているんだから、幸運でもあり、またとないチャンスだと思う。
だと、思うけど……
「プリンから聞いたが、ラルは学園卒業後は彼の保護下から外れるんじゃろう?」
「え、えぇ……まあ、一応そうですね」
いや、待って。親方様? 人の個人情報、他人に話してんじゃないよ。やめて? お願い。
「ふむ。だとしたら、後見人はおった方がよかろう?」
「……ん? 後見人?」
「ラルがもし、うちに来るならば、ワシがラルの後見人になるということじゃよ」
…………ん~~~~???
困惑気味の私をよそに─ついでにティールも多少なりとも驚いてる─、ルーメンさんは笑顔を絶やさず、話を続ける。
「卒業後、一人の大人としてやっていくにしても、ラルはか弱い女の子じゃろう?」
うん。ティールが「か弱い」の部分で若干の疑いの目で私を見たのは気のせいだと思う。気のせいだ。気のせいだよなぁ!?
「もちろん、卒業後もプリンはラルの後見人としてあれこれやってくれるだろう。しかしまあ、そうじゃの~……例えばじゃが、ラルとティールが結婚するとしよう」
「「はい???」」
今度は二人して、困惑してます空気をがっつり表に出してしまった。しかし、ルーメンさんは全く気にしていないらしい。
「そのとき、ワシがいた方が貴族のゴタゴタを回避できるぞい? セイラさんのときもそうじゃったからな♪」
「ちょっと、ルーメンさん? ぼくとラルがけ、結婚て……結婚って!?」
「いやいや、ティールと私が? あり得ないです。私と彼は単なる友達。親友であり、相棒ってだけですよ?」
いやまあ、夢見たことが一度もないとは言わないし、恋愛感情が一ミリもないとは言わないが、現実的ではないと思っている。
単なる貴族じゃなくて、ティールは王族。私はどうよ。……はぁ、これ、考えるだけで悲しくなるんだよ。何度目だよ、全く。飽きもせず、懲りもせず……私は馬鹿かよ。
「ほう? まあ、今はそういうことにしておこうかの?」
……あは。勘のいい嫌なおじいさまだこと。
「あ、あの、母のときもって……?」
私とは違いがっつり慌てていたティールが落ち着きを取り戻し、ルーメンさんに問いかける。そういえば、セイラさんのときもって言っていたな。
「うん? あぁ、そうじゃった。このことは表向きに公開しておらんかったの。実はセイラさんは……あと、ライトもか。あの二人は今でもうちに籍を置いておるんじゃ」
籍をって……二人がギルドメンバーだと?
私はもちろん知らなかったが、ティールすら知らなかったらしい。
「名前だけでも置いておけば、ギルドの商品が安く手に入るんじゃよ。だから、律儀にギルドから除名しようとしていたライトを止めたんじゃったか。懐かしいの~♪」
真面目なブライトさんらしい。ギルドの一員として貢献できなくなるなら、脱退するも同義とでも考えたのだろうか。まあ、それが普通ではあると思うけど。
と、言うかだ。
「ギルドにいると、商品が安く手に入るんですか?」
「うむ。物によるが、三割から五割は安くなるかの? メンバー特別価格ってやつじゃの」
社員割りかな? いや、それはどうでもよくてだな。
明けの明星が取り扱う商品はどれも一級品だ。それを大量に仕入れる場合、籍を置いておく方が得である。なるほどねぇ。
「ついでに、試作品なんかも試せるのぉ~……昔、よくセラがライトに押し付けとったわい」
悪徳商法か? お得だなって思った途端、押し売りの話聞かされたんだが。どう反応すれば……?
一国の主に試作品を押し付けるセラフィーヌさん、怖いんだけど。え、怖いんだけど!?
ここに来て、理事長のイメージがどんどん崩れるのはさておき。
話は私達の加入問題へと戻る。
今までの話を聞くに、どこにも問題はないように思う。結婚云々や押し売りの話はともかくとして、損はないように思う。
ない、とは思う。思うけど。
私は……ここまで育ててくれた親方を、プリンさんの元を離れてしまってもいいんだろうか。あそこを卒業したとはいえ、フェアリーギルドにはたくさん、お世話になった。それなのに、他のギルドに入ってもいいんだろうか。
「……ラル」
分からない。……わかんないよ。どうしたらいい?
返答しない私を気遣ってか、ルーメンさんは優しい声色で私の名前を呼ぶ。
「返事は今すぐに欲しいわけではない。ラル達は『チーム』じゃし、チームへ報告なり、相談なりしたいじゃろ」
私は小さく頷く。頷きながらも、思考はぐるぐるしっぱなしだ。上手く言葉も出てこないくらいには。
「どちらを選んでもワシは構わんが……そちらとしても、入れば援助が受けられる。こちらとしても女神の秘密を知る者を保護できるから、win-winな関係、ではあるがの?」
「……ごめん、なさい。すぐに返答はできません。滞在中には必ず、答えを出しますので」
ようやく出た言葉は、解答を先延ばしにしたいという要求だった。即決するには、大きすぎる話だった。少なくとも、私にはすぐに決断できるような話ではなかった。
隊を率いるリーダーとしても。
一人の大人……いや、大人になりきれていない子供としても。



~あとがき~
とりあえず、ルーメンおじいちゃんとのお話し会は終わりかな。終わりかな。

次回、勧誘された後の二人の話。
ラルとティールだけの会議みたいなもんですね。

多分、あらかた情報は出した……はず。はず!
なんか出てなかったらごめんなさい!
出てないってことは現状、大して重要じゃない……んでしょうね。はい。(汗)

ではでは。