satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第276話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でだらだらしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、めためた久しぶりなアラシ君と少しだけお話ししてました。
アラシ「いやぁ、本当に久々かも。いつぶりだ?」
いつぶりでしょ。
ツルギ君とティールが仲良くなる話の最後にちろっと出た以来、かも?
アラシ「マジか」
まあ、本来ならアラシ君視点で進めてあげたいのだが、諸事情によりティールです。
アラシ「俺視点でやりにくいんだろ」
諸事情です。諸事情。


《Te side》
アラシに八つ当たりした直後、ラルは何を思ったのかふらりと外へ出ていってしまう。
まあ、情報提示されなかったイライラを鎮めるためにクールダウンしたかったんだと思うけど。
「あ~……なんか、ごめんな。もう少し気の利いた言葉使えばよかったな?」
「いいよ。あれはラルが悪いんだし。こっちこそ、ごめん。仕事の話してたのに、ラル、いなくなっちゃって」
「いや。ぶっちゃけ、あれ以上伝えられることもないから、問題はないっちゃないよ」
……そ、そうなんだ。
これはラルじゃないけど、こうして話し合いの場を設ける意味はない気がしてしまうのは、全貌が見えないからだろうか。
まあ、ぼくらのやる仕事は明確ではあるし、困ることはない……とは、思う。ぼく的には。
リーダーであるラルにとっては、情報はあるだけ欲しいタイプだから、今の状況はやりにくいんだろうな。
「そう言えば、さっき、騎士団の人達も警備に参加するって言ってたね。ってことは、アラシも?」
「ん? あぁ、そうだな。一部だけど、一任されてて、余計に忙しくなってるかな」
通常業務に加えて、今回の祭りの警備も任されてるんだ。凄いなぁ。
「アラシのお父さんが今の団長さん、なんだよね? ぼく達はまだ会ったことないけど」
「そう。……多分、近いうちに会えんじゃねぇかな。一部とはいえ、ティール達にも警備に参加してもらうわけだし。挨拶に来ると思う」
え、わざわざ、騎士団長さんが来るの? わざわざ!?
どんな人なのか分からないけれど、アラシやイグさんのお父さん、か。……想像ができない。アラシみたいな人なのか、イグさんみたいな人なのか……?
いや、そもそもだ。騎士団のトップがぼくら一探検隊に挨拶に来るという状況を考えただけでも緊張する。
「そう畏まる必要はねぇよ。親父は……そう、だな。性格で言えば、兄貴みたいな人だからさ。なんつーの? 兄貴が年食ったみたいな、そんな人だから」
「余計に緊張しそうだよ」
「立場で言えば、お前も王子様なんだろ。似たようなもんだって」
「似てないよ。ぼく、王子らしい仕事より、探検隊の仕事の方が板についてる気がするからね?」
「それはそれで問題じゃねぇか?」
うん、問題、だと思う。……まあ、ラルではないけど、ぼくもスイッチがあるから、大丈夫ではあると思うけど。
……いや、それはどうでもよくて。
アラシと雑談し始めて、数分経つけれど、一向に戻ってくる気配がない。
「ラル、すぐ戻るって言ってた割には遅いね?」
「だな。どこほっつき歩いてんだか」
迷子になって~……る、わけがないな。
じゃあ、何かあったんだろうか。知り合いに会って立ち話になった、とか?
でも、ラルだってアラシと話をしている途中なのは理解しているはずだ。なら、早々に切り上げるか、話が広がる前に上手いこと帰ってきそうなものである。
ならばあるいは……ツルギに見つかったのかも。
「……ねぇ、アラシ? ちょっと中庭、見てみない?」
ぼくの提案に、アラシも同じことを考えていたのか、無言で頷き、席を立つ。
ツルギに見つかったんなら、タイミング悪いなぁ……流石に。

アラシと共に部屋を出ると、中庭……メンバーの修練場を覗いてみる。
すると、案の定と言うべきか、見慣れた光景が広がっていた。
ラルとツルギがどんちゃんやりあっている。
「……あいつら、毎日毎日好きだよな。飽きねぇのか?」
「さ、さぁ……少なくとも、ぼくがツルギならとっくに心折れてるくらいには……その、ツルギが毎日負けまくってる、かな」
あいつら、というよりは、ツルギだけだと思うけど。ラルはあくまでも仕掛けられた側で。
「取ったぁぁぁぁぁ!!!」
ツルギの声にラルはその方向へ体の向きを返る。しかし、その方向にツルギの姿はない。
「……ふむ。なるほど」
ラルは瞬時に雷姫さんを出現させると、振り向き様に、背後に迫っていたツルギの太刀を受け止め、鍔迫り合いになった。
「むぅぅぅぅっ!!!」
あれを防がれるとは思わなかったのか、ツルギはかなり不満な様子で、膨れっ面でラルを睨み付けていた。
「初日よりはよくなってきてて、おねーさん、嬉しい限りだよ。でも、まだ足りない。あれで私を倒せると思うな」
そう言い放ったラルは、力業でツルギを押し返し、雷姫さんを消しながらも素早い動きで彼の背後へと回り込む。そして、ツルギの脳天にチョップを振り下ろして、試合終了、だ。
「うがぁぁぁぁ!!! なんで! なんで!!」
「あっはは! それは私が君より強いからですぅ」
「理不尽だっ! もーいっかい!!」
「えー? それ、さっきも聞いたんだけど」
「これで最後にするからぁ!」
「さっきも聞いたんだけど!?」
……あんな風にして、ぼくらのところに戻ってこれなくなったんだな。
「ツルギの催促を振りきれなくて、何度もやりあってたんだな。ラルのやつ」
みたいだね。
しかし、ラルは雑に言っていたけれど、ツルギは確実に成長をしている。だって、一瞬とはいえ、ラルに刀の雷姫さんを握らせたのだ。前は武器なしでひょいひょいこわしていたし、不意打ちすらもひらりとかわしてしまうくらいには余裕だったはずなのだ。
「気配の隠し方も上手くなってるから、ラルは直前まで気づかなかったし、雷姫さんで防ぐという手段に出た。……ツルギは強くなってるって素直に褒めてあげればいいのに」
ラルってば、褒め言葉一つも言わないんだから。いや、ツルギの場合、褒めたところで素直に受け取らないかもしれない。
……ま、ラルの「まだ足りない」という一言も事実ではあるとは思うけどさ。
──じゃなくて!
ぼくら、仕事の話の途中だよね!?二人の戦闘を見ている場合じゃないよね?
「あれ、もう少し続くみたいだな。どうする? 話し合い」
「う、うーん。流石にぼくが間に入って─」
「おっ! いたいた! アラシ! ティール!」
? 誰だろう?
ぼくらを呼ぶ声に振り返ると、見知った猫族の少年がぶんぶん手を振りながらこちらへと近づいてきていた。
「レオン! 久しぶり~」
「おひさ、ティール! この不肖レオン! 戦場から無事生還したぜ☆」
ニッと弾けるような笑顔を向けるレオンに、アラシは呆れた様子でため息を漏らした。
「なぁにが戦場だよ。単なる補習だろうが」
「ふふん♪ 分かってないな、アラシは。俺にかかれば補習なんてちょちょいのちょいなの!」
「なら、通常のテスト時にちょちょいのちょいで赤点回避しろや」
アラシの正論に名にも言い返せなくなったレオンは、ゆっくりとそっぽを向き、わざとらしく口笛を吹き始める。その口笛も空しく空気を漏らすだけで、音が出てないけど。
「無視すんなよ、レオン」
「……そうだ! ここに来たのは俺だけじゃないんだぜ?」
無理に話を逸らそうとしてない?
「んなことねぇって! これは本当だし!」
「うふふ♪ 少しだけお久しぶりね、ティールくん」
「えっ! リアせんせ……じゃなくて、リアさん!」
レオンの背後からひょこっと顔を覗かせたのは、レイ学(高等部)の養護教諭であり、ぼくら探検隊の先輩でもあるリアさんだ。
清楚な白のオフショルダーワンピースに麦わら帽子といういかにも夏らしいファッションに身を包んでいる。完全に夏のリゾートに来ましたみたいな雰囲気である。
「リアさん、どうしてここに?」
「ちょっとしたお仕事があってね。ちなみに、イグも一緒よ? 今はラルちゃん達のところに行ってるけれど」
そう言われて、ラル達の方を見てみると、確かにイグさんの姿もある。なんか楽しそうに談笑(?)しているらしかった。



~あとがき~
続々とメンバーが増えてきたな。

次回、ラルとツルギとイグニース。
……って言ってみるけど、そんなに絡まない気もする。すまん。

いやぁ、久しぶりにアラシ君を喋らせた気がします。あんなんであってたかなぁ~……(汗)

ではでは。