satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第277話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわいわいしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、レオン君、リアさん、(喋ってないけど)イグさんが出てきました。
久しぶりな面々がたくさんや~
ということで、今回もわちゃわちゃしていきますぞ~


《L side》
初めは単なる気分転換だった。ふらっと外に出て、すぐに戻るつもりだったのだ。
しかし、いつもみたいにツルギ君の奇襲を受け、あれよあれよという間に中庭でいつものが始まってしまった。
まあ、一回くらいならすぐに終わるし、アラシ君達との話も真面目に再開できるだろうなぁ~……と思い、一回だけならと承諾した。
……そう。一回だけのつもりだったが、気がついたらツルギ君のもう一回を何度も受けてました。なんでですかね。
ツルギ君は負ける度に悔しいのか機嫌が悪くなり、完全にむくれてしまっている。それでも、やる気だけはあるようで、膨れっ面のまま何度も「もう一回」と懇願する。
「むうぅぅぅっ!」
「あの、流石にこれ以上は怒られ──」
「話には聞いてたけど、俺の弟分をいじめるとはいい度胸だな。ラル~?」
脅し文句のような言葉とは裏腹に、どこかからかうような声で話しかけてきたのは……というか、こんな風に話しかけてくるのはイグさんだけだ。
私達のやり取りをどこから見ていたのか知らないが、ニヤニヤと楽しそうにこちらを見ていた。確かにこの場面だけを見ると、私がいじめているように見えるかもしれない。が、イグさんは「話には聞いていたけど」と言っている。つまり、ここでの私とツルギ君の関係性を知っているはずだ。
私は無意識ながらもため息をつき、じとっと睨み付ける。
「いじめてる、なんて人聞きの悪い。むしろ、私の方がいじめられてるんじゃないですかね。毎度、襲われてるんですから。……それに、私も妹分じゃなかったでしたっけ。ねぇ、イグ先輩?」
「ははっ! 悪い悪い♪ 確かに、今回はラルの方が正論だわな」
「むぅ~……イグ兄ぃー!!」
割って入ってきた際の言葉から、イグさんが自分を庇ってくれると思っていたらしい。その期待を裏切られたツルギ君は、少しつつけば弾けてしまいそうな程、頬を膨らませていた。
めちゃくちゃ拗ねてんな……そういうところも可愛げがあるし、遊びがいがあるってものだ。……絶対に言わないけど。
「ごめんな、ツルギ~? でも、今回の件に関しては、本人が承諾しているとはいえ、ラルが被害者だからさ」
「う~……」
ツルギ君の頭をぽんぽんっと優しく撫でるイグさんだったが、何かを思い出したのか、すっとしゃがんで彼と同じ目線になる。
「そーいや、さっきの戦闘見てたけど、お前、“反射魔法”使ってないんだな?」
「うっ……そ、それは」
……反射魔法?
聞き慣れない魔法名に首を傾げる私を横目にイグさんはニヤリと笑う。
「ツルギは卑怯な手段だと思ってるかも知れないが、あの魔法に関してはツバサよりもツルギが一番使い慣れてるだろ」
「そ、それは……そうだけど」
「それに……俺はあの魔法が卑怯だとは思わない。だから、奥の手として使ってみるのもアリだと思うぜ?」
何やら不穏なアドバイスをするお節介兄さん。すくっと立ち上がったかと思ったら、嫌らしい笑顔を浮かべ、私を指差してきた。
「もしかしたら、魔法学皆無のラルに一撃を食らわせられるかもしんないぜ?」
「え……ラルに、いち、げき……!?」
やめろやめろ。いたいけな少年になんつーアドバイスをしとるんや!
「あの、イグさん? 私の目の前でそんな話をしないでもらえますか」
「別にいいだろ。聞いたところでちんぷんかんぷんだろぉ? 魔法学関連はティールやフォースに丸投げなの知ってるんだぞ~」
「っるせ!! こちとら、適材適所で役割分担してるだけですぅ! 戦闘時は知識なんてなくたって問題ないですっ!」
私の言葉にイグさんは楽しそうに笑うだけで、それ以上相手にする気はないようだ。
それを察した私も彼から目線を逸らすと、その先にティールとアラシ君、そして、リアさんとレオン君の姿を捉えた。私の知らぬ間に、こちらへとやって来ていたらしい。
「やっほ。レオン君」
「お、ラル~♪ ひっさしぶり!」
彼らの方へ近寄ってみれば、こちらはこちらで楽しそうにお喋りしていたらしく、どこかハイテンションなレオン君は片手を掲げる。そんな彼に倣い、私も片手を上げ、ハイタッチを交わした。
「久しぶりだね、レオン君。補習はどうだった?」
「おぉー! それがさぁ、聞いてくれよ! 補習という戦場から無事に帰ってきたのに、アラシが全然優しくなくてな~?」
わざとらしく肩を落とすレオン君に対し、アラシ君は盛大なため息で返す。
「優しくってなんだよ。どーせ、その補習テストですらギリギリ合格なんだろ。そんな奴に優しくなんてするかよ」
「それは内緒だろ、心の友よ~♪」
「うざい。気持ち悪い」
「その反応は酷くねぇか!?」
アラシ君は時々、レオン君に対して辛辣だよな。まあ、レオン君はレオン君で分かっていて態度を変えない節はあるが。
「よ! ティールもちょっとだけ久しぶりだな♪」
「あ、イグさん。お久しぶりです」
遅れてこちらへとやって来たイグさんは快活そうな笑顔を浮かべながら、ティールと挨拶を交わす。そして、どう宥めたのかすっかり機嫌が直ったらしいツルギ君は、無邪気な笑顔をティールに向け、「ツバサと舞の確認してくるんだ!」と言い残して去って行った。
……舞の確認という予定があったのに、なぜ執拗に絡んできたんだろう、あの子は。
「そいやぁさ、レオン。ミユルとシエルは? 一緒じゃねぇの?」
「ん? あぁ、あの二人は明日こっちに来るらしい。ミユルは部活、シエルはギルドでの仕事があって、それが片付いたら来るって話だぞ」
「ふぅん? んじゃ、早くて明日から全員で練習できるわけか」
練習?
ちらりとティールを見るも、彼も小さく首を傾げる。じゃあ、イグさんやリアさんに聞くかと思うものの、どうせ教えてくれない。聞くだけ無駄というやつである。
「そだな。いやぁ、一年ぶりだから、覚えてるか自信ないわ~」
「レオン、毎年同じこと言ってねぇ?」
「……そだっけ?」
惚けるようにこてんと首をひねるレオン君に、アラシ君は何か言いたげではあるものの、口を開くことはなかった。
「ねぇ、アリアが雫達と一緒に何か準備しているみたいに、アラシ達もお祭りでは特別な役割があるのかい?」
二人の会話に一区切りついた辺りでティールが質問を飛ばした。それを聞いたレオン君はニッと笑う。
「おう。というか、俺らに限らず、ミユルとシエル達にもちょっとした仕事があるぜ♪」
となると、ツバサちゃん達、幼馴染み達には何か特別な役割があると見るべきか。……女神祭、ミルティアのための祭り。そして、ツバサちゃん達はブレスガーディアン……何か関連はあるのだろう。だからと言って、何をするのかまでは分からないけれど。
「……仕事、ね。ちなみに、どんなことするか聞いてもいい?」
「ん? そーだな~」
「それは、当日見た方が楽しめるんじゃないか~? ラル達も驚くと思うし?」
何か言いかけたレオン君の言葉を遮るようにイグさんが割って入ってきた。
この厄介兄さんはこの期に及んで、まだ何か企んでやがる。いい加減にしろ。すでにお腹いっぱいなんじゃ!
「そういえば、レオンくん。この後、アラシくんとアリアちゃんとお祭り関係の話がしたいって言ってなかったかしら?」
先程まで、にこにこと楽しそうに私達のやり取りを眺めていたリアさんが、ふわっとした笑みを浮かべつつ、レオン君に問いかける。リアさんの問いかけにハッとした表情を見せ、再びアラシ君の方へと向き直った。
「そうだった! 今年の祭りのことでお前とアリアとで確認したかったんだ。アラシ、この後、大丈夫か?」
「おう。ラル達に話したかったことは粗方、話し終えてるから問題ない。……けど、アリアの奴、今は食堂にいるんじゃなかったかな」
「ゲッ……マジで? うー……ま、しゃーないな。アリアのことは食堂に着いてから考えるわ」
「そうだな。……じゃあ、ラル、ティール。また何かあれば、後日、時間作って連絡すっから」
「うん。分かった。二人ともお祭りの準備、頑張ってね」
「サンキュ、ティール。じゃな」
食堂にいるというアリアちゃんをどう話し合い参加させるのか……話し合いの前に気疲れしてしまいそうである。多分、レオン君のタイミング悪いんだろう。こればっかりは行動が読めないし、仕方ないことではあるけれど。
……ということで、この場に残されたのは、私とティール、イグさんとリアさんの四人だけとなる。
私としてはこれ以上話したいこともないので、お別れしてもいいのだが。……どうにもそういう雰囲気でないのは察しているつもりだ。だって、この厄介兄さんがまだ楽しそうにニヤニヤしてるんだもの。
まだ、何か話があるんだろう。



~あとがき~
私、小説下手になってね??
いや、元からか……

次回、スカイとシリウス
シリウスってまとめるのは間違ってる気もしますが、まあ、いいか。

レオン君、早い退場だったな……
このあと、がっつり出てくる予定はあるんでしょうか。気になるところです。
これはもう仕方ないところでもありますが、キャラによって出現率というか、出演率かな。偏りが滅茶苦茶あります。
どっかで話したかもですが、主人公枠のラルやツバサちゃんは多い方に分類されると思うんですが、それ以外のキャラはどうしてもねぇ~……いつかピックアップする日があればいいんですが。
ではでは。