satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第279話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でお話してる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、イグさんやリアさんがメンバーであると言わなかった理由等々明かしました。
今回も続けてお話し会でーす。


《L side》
どうしてもお悩み相談をやりたいらしい。まあ、世話焼き兄さんらしいと言えば、らしいか。
きっと、放っておけないのだ。
私に邪険にされても、私達を大切に思ってくれるから、話を聞いてくれようとしてくれてるんだと思う。
……そこに『からかいたい』という思いも存在してるんだろうけど。それだけはムカつくけども。
でもまあ、本気で逃げようとしない私も、心のどこかで聞いてほしいと思っているのかもしれない。
「あ、プリンさんには相談したか? プリンさんってラルの親だし、俺達よりも的確なアドバイスしてくれるだろ?」
「親じゃなくて、身元引受人! あんな人の娘になんてなってないし、的確なアドバイスもなかったよっ!! 九割、適当な話で終わったっ!」
前言撤回しようかな……滅茶苦茶逃げたい。
「ははっ! 九割ってことは、一割は真面目に話してくれたんだろ?」
……まあ、そうなるが。
「親方も、この件はご存知だったようです。前々から聞かされていたんだと思います。なんですか。皆して、隠し事ばっかしやがって」
「ルー爺の場合は……あれだ。後々の反応見たさに隠してることが多いな。諦めろ」
「はぁぁぁ!? ドSおじいちゃんってか!? ざっけんな!」
「ちょ、ラル……!?」
なんかもう、これまでのあれこれが爆発してしまった。ティールが慌てているけれど、一度口から出た言葉は取り消せない。が、イグさんとリアさんは大して気にしてないのか、のほほんと笑っている。
「ふふ♪ ラルちゃんのそれ、みぃんな思ってると思うわ」
「おう。ルー爺、人を騙すの好きだから。もちろん、いい意味で?」
騙すのにいいも悪いもあるかぁぁぁ!!??
……いや、あるわ。時と場合によるわ。うん。はい。でも、だ。でもですよ。
「何事にも限度ってありません?」
「まあ、あるな。あるけど、ルー爺には効かないと思うぜ?」
助けて、偉い人……っ!
「そろそろ、本題に戻すか~♪ んじゃ、そだな。とりあえず、ギルドについて教えてやるよ。ここがどんなところなのか知らないと、入る入らないの判断もできないだろ?」
そう話すイグさんからは、ギルド加入のメリットを教えてくれた。
まず、ルーメンさんからも聞いたギルド商品の割引について。
それに加え、ギルドで作られている物以外にも、ギルド関連のところでもこれは適応されるらしい。また、希望すれば商品の試作品も試せるとのこと。
次にダンジョン探索について。
本来、手続きが必要なダンジョン……主に明けの明星が管理するダンジョンについては、探索ができるようになるらしい。
「探検隊として悪くない待遇だと思う。なんなら、結構いいと思うぜ?」
そりゃ、格安で道具を入手できたり、本来、探索が難しいところも行けるようになったら、探検隊として格段にレベルアップするだろう。
それは、とっくに理解している。
こんないい話、そうそうないってことは。
「……ま、ラルのことだ。こういう損得で悩んでるんじゃないんだろ? 結局、外野がどうこう言っても、決めるのは自分自身だ」
「えぇ。ルー爺や私達の話はあくまで手段の一つだもの。この話を断ったからと言って、探検隊として終わるわけではないし、私達の関係が変わるわけじゃないわ」
苦笑しながら、優しく説くイグさん。
柔らかな笑みを浮かべ、寄り添ってくれるリアさん。
二人とも、悔しいほど、私をよく分かってらっしゃる。
「……ちなみに、入門してできるデメリットってありますか?」
黙ったままの私に代わり、ティールが質問を投げ掛ける。彼の言葉にイグさんは少しだけ考え込み、はっきりしないまま口を開いた。
「あ~……正直、デメリットかって言われると怪しいけど……そうだな。ギルドからの要請で仕事が任される、くらいか。今回、俺らがここに来たみたいにさ」
本来、表向きフリーであるイグさん達に仕事が振られることもあるのがデメリット、か。
まあ、ギルドという集団に属する以上、自由に動けなくなる可能性は大いに存在すると思ってはいた。
なんなら、フェアリーギルドでほいほいやらされていた身としては、そんなもんか、と思ってしまうくらいだ。
……くらい、ではあるが。フォース君との対話の後で、フェアリーギルドと明けの明星の板挟みになる可能性だけは嫌だと強く思う私もいる。
無茶振り勘弁。この一言に尽きる。
「……あぁ、でも、ギルドからの要請つっても、強制ではない。だから、断っても問題はないぞ?」
「ふぅん。じゃ、今回はなんで来たんですか?」
「お? そりゃあ、悩める後輩のために優しい先輩が様子を見に行くために決まってるだろ?」
自分で言うか、それ。
「あとは、祭りの警備も頼まれてるな。お前らとは範囲違うらしいけど」
そっちが本命だろ。絶対。
「俺から話せるのはそんな感じ。ギルドに入って受けられる損得はこんくらいだと思うぜ? これらを聞いて、ゆっくり答えを出せばいい」
はい。……そうですね。
今、答えを出す必要はない。ここを去るその日までに答えを出せばいい。
……今のところ、出せるのか怪しいところではあるが。
「ふーん。……よっし! ここでモヤモヤしてもしゃーないな! 体、動かすか!」
何を言い出すんだ、このお兄さん。
訝しげにイグさんを見上げると、とても冗談を言っているようには見えなかった。とても楽しそうにしてらっしゃる。
「お前ら、『奇跡の洞窟』は突破したんだろ? なら、あそこでどれだけ成長したのかこのイグ先輩とリア先輩の相棒のソイルとで相手してやるって話さ♪」
言ってる意味が分かりませんが。
私とティールはお互いに顔を見合わせる。ティールも、「なぜ、相談から戦闘指導へと移ったのか理解できない」という顔である。大丈夫、私もだ。
「あ、あの。イグさん? 確かにぼくら、最近はイグさんのご指導受けてないですが……なぜ、急に、今?」
「そりゃ、うんうん悩んでるだけじゃ気疲れしちまうだろ? 気分転換だよ、気分転換。それに、ティールもいくらか調子良さそうだし?」
あら、ばれてぇら。
相方があからさまに反応し、イグさんはニッと楽しそうに笑う。こりゃ、逃げられないな。素直に受けてしまった方がよさそうだ。
私はため息混じりに立ち上がり、じっとイグさんを見つめ返す。
「……分かりました。この後の予定もないですし、ご指導の程、お願いします。ちょうど、イグさんには余計なお節介を色々ふっかけられましたし、その怒りぶつけたいと思ってたんですよね」
「ラル、それは私情挟みすぎでは……?」
「ん? 俺、なんかしたっけ?」
したんだよ! 主にルーメンさんにあれこれ流した罪がなぁ!?



~あとがき~
お悩み相談室は閉店。
お次は戦闘訓練場の開店です。
……開店、閉店。でいいんだろうか?

次回、スカイVSイグ&ソイル!
……ってところを書きたいんだなぁ。(願望)

大体、みんな同じ意見なんですよ。
納得できる答えを自分で探しなさい、なんですよ。
プリンもフォースもイグさんらも。
そんな彼らの意見を聞き、ラルがどう答えを出すのか……その答えはまだ先の話です。お楽しみに。

ではでは。