satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第285話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でだらだらしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ラルとセラさんが仲良くなる回をお見せしました。いや、テーマはそういうことではないと思うけど。
今回から、ようやく女神祭へ!
始まるぞ! 熱い熱い祭りがよぉぉ!!!
ラル「では、これを書いてる時期は?」
あ、10月中旬です……(小声)
そして、まだしばらくは祭り本番ではないです……(震え声)


《L side》
今日も今日とて平和なスプランドゥール。
そして、街を上げて行われる女神祭前日とあって、私達も仕事なぞせず、のんびり過ごすと決めたのでした。
ということで、私とティールはギルド内を散歩中なのです。
え、理由ですか?
暇だからですが? それ以外、何がありますか??
しーくんは祭りの最終チェックでお稽古だし、ツバサちゃん達も忙しそうだし。こんなバテバテのティールを引き連れて街に行くわけにもいかないしで、まあ、妥協した結果だよね。
「でも、本当に誰もいないんだねぇ。静かだなー」
「……祭りの期間中は観光客入れないらしいよ。セキュリティとかあるんじゃない?」
暑さでグロッキーなティールが小さく呟いた。こんな状態でも私に付き合う辺り、本当にこいつは優しいなぁと思う。……もしくは、私が何かしないか見張りたいのかもしれないが。いや、そんなことはないよね?
それはともかく。
祭りの準備でギルドの人達、大忙しだ。仕事どころじゃないだろうな。
いつもは観光客で賑わう旧エクラ城もシーンとしている。ギルド関係者やルーメンさんが許可した人物でなければ立ち入れないからだ。
「……なんかいい香りがする」
「え? 匂い? ご飯作ってるってこと?」
「多分……そう。ぼくの予想が正しければ、リンゴを使ったスイーツの予感!」
観光客がいないとはいえ、ギルドの人達は出入りする。この後の食事の準備でもしているのだろうか。いや、ティールの言うリンゴスイーツとかはよく、分からないが。
とりあえず、匂いが気になるらしいティールに連れられ、食堂を覗いてみることに。
リンゴ絡むと途端に元気になったな、こいつ。
扉を開けると、そこには数人のギルドの方々があーでもないこーでもないとお話し中のようだった。
「……あ、ラルさんとティールさん! いいところに!!」
私達の入室に気づいたヒノさんがパッと顔を輝かせ、こちらへと駆け寄ってくる。そして、ティールの手をがっちり掴んだ。
「カズキ先輩からお噂は伺っております! ティールさん、ご協力願えませんか!?」
カズキさんから何の噂を伺ったんだ、ヒノさん!?
「えーっと、ぼくにできることなら、お手伝いしますけど……料理ならラルの方がいいんじゃ」
「いいえ。これはリンゴ愛の強いティールさんにお願いしたいのです!」
リンゴ絡みか~……じゃあ、私は力になれないなぁ。
「よかったな、ティール。お前の何の取り柄にもならなそうなリンゴ愛がここで大活躍するらしいぞ」
「え、なんか馬鹿にされた気分」
気のせい気のせい。
「ヒノさん、こいつは貸し出すので思う存分使ってやってください。適当な時間になったら迎えに来ますんで」
「わあ、ラルさん! ありがとうございます」
「ラル? ぼくのこと、なんだと思ってる?」
パートナー。またの名を相棒かな。
この時期だし、祭りでリンゴ絡みの商品でも出すのだろう。それなら、ティールは適任だ。誰よりもリンゴ大好きだし、色んな意見を出してくれる。私は必要ない。
さて、私は散歩を再開するかな~♪

あてもなく、ギルド内をうろうろしていると、ギルドの出入口付近でリアさんとイグさんを見つける。楽しそうに談笑している辺り、デートにでも行く前なのかもしれない。
ここで突撃してもいいけど、変に言いくるめられ、二人に連れ出される可能性はある。「あれ、一人? じゃあ、俺らと出かけっか!」みたいに言い出しかねん。そうなれば、デートの邪魔になる。いや、あの二人はそんな風に思わないだろうけれども。
しれーっと離れよ……
くるりとUターンしたところで、バタバタと精霊役の子供達─ちなみに、その中にしーくんはいなかった─がギルドから出てきた。そして、一直線にリアさんの元へ駆け寄っていく。
思わず、子供達を目線で追っていると、困ったように笑うリアさんと目があった。
「ラルちゃ~ん! ちょうどよかった!」
……嫌な予感。
呼ばれたからには無視するわけにもいかず、リアさん達のところへ。
「どうしました?」
「今からイグと買い物に行くはずだったんだけど、実はこの子達に魔法の先生を頼まれちゃって。……ラルちゃんにお使い、頼んでもいい?」
なんだ、そっちか。
てっきり、子供達をお願いされるのかと。流石に一人でこの元気っ子達の相手は骨が折れそうだ。
「お使いくらいなら、お安いご用です。何を買いに行けばいいんです?」
「ありがとう! このメモに欲しいものは書いてあるわ」
手持ちの鞄からメモ用紙を取り出すと、私に差し出してくる。丁寧な字でお店の名前といくつか品物が書かれていた。どれも茶葉の名前らしい。
「……そうだ。せっかくだから、イグと一緒に行ってきたらいいわ♪」
……は?
「ん? 呼んだ?」
ここまで、私達の話を邪魔しないようにと子供達を相手していたイグさんが振り返る。
「イグ、ラルちゃんとお買い物お願いしてもいいかしら? お祭りも近いから、変な人がうろうろしてるかもしれないし」
「俺はいいぞ。元々、リアと行く予定だっし」
いや、待って? 私の同意は?
「別に心配しなくとも、私一人で問題ないですよ。そこら辺のチンピラより何十倍も強いと自負してますので」
「そうだけれど……男の人が傍にいれば、ナンパ男とかに話しかけられることもないじゃない。兄妹デートだと思って、ね?」
誰が誰とデートだ!? 誰と誰が兄妹!?
いや、リアさんの言い分が分からないわけではない。リアさんの言う通り、イグさんと歩いていれば、変なやつは寄ってこないだろうし、目をつけられることもないだろう。が、それとこれは話が別ってやつで。
イグさんと一緒にどこかへ行くのが嫌すぎる。絶対、遊んでくるもん。何かしらで遊んでくるもん!!
「イグなら安心して任せられるもの~♪」
あ、あぁ……これは、断れないやつ!
ほわほわ~っとお花が周りに飛んでいるリアさんに「イグさんと行きたくないです」なんて、言えない! これは意識的に嫌がらせしているのではなく、善意で言ってくれているのだ。私の身を案じてイグさんと行っておいで、と言ってくれているのだ。
いつものうりゃうりゃされるやつとは違うのだ……少なくとも、リアさんは。
「どーすんだ、ラル~?」
こっちは分かっててつついてやがる。そういうところだぞ、お節介兄さん!
ニヤニヤ笑うイグさんとニコニコと笑うリアさん。断れる空気ではない。
第一、私が「お使いくらいなら、お安いご用です」って言ったもーーん! 前言撤回なんてできない。だって、実際、暇だからうろついてたわけで。
「……行きますよ。リアさんの頼みです。イグさんと、行けばいいんですよね……!」
「ありがとう、ラルちゃん。せっかくだし、お祭り前の街を楽しんできてね?」
「よっしゃ! 行くか~♪」
リアさんは善意しかない。イグさんは悪意しかないけど。
くっそぉ、まさかこの人と二人で街を歩くことになろうとは……!



~あとがき~
思い付くままにつらつらと書いたのは久しぶりです。

次回、ラルとイグの兄妹デート。
兄妹でデートとはなんぞ??
まあ、本当の兄妹ではないから、デートでいいか……(笑)

よく分かりませんが、ティールのリンゴ好きがちょいちょい出てくるのはなんなんでしょうね。そこまで印象強いですか? 相方様、そこまで印象強いですか!?
うーむ、わからぬ……(笑)

ではでは。