satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第288話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界な物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、無事にリンゴヨーグルトゼリーの完成に一役買ったティールとリランの飛行訓練やら、いつかのセカイイチ泥棒事件の顛末をお話ししました。
今回は飛行訓練の続きです。


《L side》
私がなぜ、ここでリランの飛行訓練をしていたのかと問いかけると、ミユルちゃんが説明してくれた。
なんでも、舞の練習も終わり、時間ができたからだと言う。今日は一般客もギルドに入ってこないし、中庭ならのびのびと練習ができると。
「会長さん達もご存知かと思いますが、リランは白竜と呼ばれるドラゴンの一種だと言われてます。ですが、未だに上手く飛べなくて」
それはさっきの超低空飛行だったり、衝突事故だったりを見て、薄々勘づいてはいたけれど。
「白竜はすでに絶滅したと言われる種族だ。……リランに飛び方を教えてくれる仲間もいないってことだね」
一応、モンスターとしてのドラゴンは存在するけど、当然、そんなモンスター相手に飛び方を教えてやってくれ、なんて通用するはずもない。
「そうです。なので、現状、白竜に一番近い竜族のシルが時々、あぁやって教えているんです」
竜族の“竜化”だね?」
「はい♪」
竜族の特徴の一つ、“竜化”は文字通り、人から竜へと姿を変える能力のことだ。
ちなみに。
竜族が何らかの理由─仕事で変化するってのが一番多い理由らしい─で竜へと変化する者は、国から定められたチョーカーをつけることが義務付けられているそうな。
まあ、モンスターと間違われないように視覚で判断できるようにしているのだろう。
シエル君も例外ではなく、竜族の印が刻まれた紫色の石が特徴的な黒いチョーカーを身に付けている。
「リラン、もう一度、よく見てるんだよ?」
「あんっ!」
ツバサちゃんとしーくんの手助けもあり、復活したリランは飛行訓練を再開させるようだ。
シエル君が光に包まれると、彼の髪色と同じ、薄く透き通るような水色の鱗を持つドラゴンへと姿を変える。
ドラゴンのシエル君はふわりと体を浮かばせ、リランのお手本として翼を羽ばたかせた。
シエル君の竜化を見るのはこれが初めてではない。なんなら、シエル君以外にも学園内で資材運びと称して竜族の生徒達が飛ぶ姿を時折見かける。
とはいえ、だ。
「前に見たときより小さい気がする」
竜族の竜化は練習次第で体の大きさを自在に操れるそうですよ? あれはリランに飛び方を教えるときのサイズです」
意外と融通の利く能力なんだな。
確かに飛び方を教えるだけなら、そこまで大きくなくていいもんね。
「ちなみに、シルの本来の大きさは大体三メートルくらいですね♪」
「えっ!? シエルってそんなにおっきくなるの!?」
そりゃ、ドラゴンだもんな……
そんな話をしつつ、しばらくはリランの飛行訓練を見学していた。……まあ、しーくんが楽しそうに眺めていたので、切り上げるタイミングを図っていたとも言えるのだけれど。
ある程度応援したら満足したのか、しーくんは私達のところへ戻ってきた。
「ただいま!」
「ん。もういいの?」
「うん! リランにがんばれーってげんきあげてきたから、もういいの!」
そっかそっか~……うちの子、なんて健気で可愛いんでしょう。
「じゃ、私達も部屋に戻ろっか。色々話に付き合ってくれてありがと。皆は練習頑張ってね」
「いえいえ。そういえば、明日は会長さん達もお仕事があるんですよね? 頑張ってください♪」
「ありがとう、ミユル。君達も舞の披露があるんだろう? ぼくら、見るのは初めてだから楽しみにしてるよ」
「ふふ。ありがとうございます。精一杯、頑張りますね♪」
明日はそれぞれの役割を全うするため、互いに激励し合う。
まあ、私とティールは恐らく、普段と変わらない仕事内容ではあるのだけれど。


──これは、どこかの世界のとある場所。
多くの書物に囲まれたとある一室にて、一人の少年と一匹の子猫がそこにいた。
子猫は少年の膝の上で丸くなり、彼の手で優しく撫でられていた。
少年は優しい眼差しで子猫を見やり、楽しそうに話しかけている。
「いよいよ、女神祭が始まるね~? お土産いっぱい買ってくるから、楽しみにしててね?」
「にぃ~♪」
一人と一匹に穏やかな時間が流れる中、控えめながらも部屋の扉をノックする音が響いた。その音に彼らの耳がぴくんっと動く。
少年は流れるような長い銀髪を揺らし、扉の方を見ると、外にいるであろう人物に声をかけた。
すると、がチャリと扉が開けられ、そこから一人の青年が入ってくる。
男性にしては少し長めの髪は柔らかな乳白色をしている。そして、ルビーのような赤い目を少年に向け、青年はにっこりと笑った。
「おっまたせ! こっちの仕事と準備はちゃんと終わらせてきたよ。と言うことで、早速出発しよっか♪ ルフさん」
『ルフさん』と呼ばれた少年は、彼の言葉に肯定するようにニッと笑う。
「そだね、行こっか。ウィルくん!」



~あとがき~
私にしてはめっちゃ短い。多分、いつもの半分くらいです。まあ、ここがきりがいいんで、許してたも……!

次回、女神祭スタート!
うえーい。祭りだ! 祭りだー!!

最後のあれは気にしないでください。どっかでウィルとルフさん出てきますので。
この二人は誰やねんって方は、このまま本編の続きを待っていただくか、番外編『気ままな神さま達と日常記録』シリーズを読んでくれれば分かるかと思います。そこに出てくる二人です。なので、予習復習するのもありですよ!(宣伝)

ではでは!