satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第290話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でイメチェンしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、女神祭当日、つまり、女神祭スタート! しました!
まあ、まだ祭りっぽいことはしてませんが。今回、するかもしれない。できないかもしれない。
ラル「できないに一票」
やめて。


《L side》
本来、ツバサちゃんの傍にいそうなメアリーさんがしーくんと一緒にいる理由を聞いてみると、どうやらツバサちゃんのご指示だそうで。
「雫様はしっかりされてますが、本日は女神祭。大勢のお客様がいらっしゃっています。人混みに流され、お怪我をされぬように送り届けて欲しいとお嬢様から仰せつかり、雫様にお供しました。それに、お二人にちょっとした用事もあったものですから」
? 私達に用事?
メアリーさんは紙袋をそっと持ち上げ、にっこりと微笑む。
「奥様からお二人に思う存分、お祭りを楽しんで欲しいとこちらで和装の準備をしました。どうぞ、お召し替えを♪」
……奥様から、と言うことはセラフィーヌさんから? なんでそうなった?
「ルーメン様からのご依頼には『衣食住の保証』がされていたと伺っておりますよ?」
え、あ……そこぉ!?
確かに最初受け取った依頼書にそんなことが書かれていた。食と住の保証は分かるが、衣の保証ってなんぞ、と疑問にも思ってはいたが……
「まさか、ここでそれが出てくるとは思わないよね」
「ぼく、その保証の話、すっかり忘れてたよ」
うん、私もだよ。
戸惑いを隠せない私達だが、メアリーさんは全く気にせず、話を続ける。
「奥様がご用意した和装には『接触冷感』や『熱気カット』等施されております。夏が苦手なティール様でも快適に過ごせますよ!」
そういうセールスポイントは聞いてませんけど……特に気にしてないですし。
とはいえ、ここで受け取らないのも失礼だろう。せっかく用意してくれたのだし。
「ありがとうございます。メアリーさん」
「いえいえ! あ、そうだ! 雫様」
何か思い付いたのか、メアリーさんはしーくんと目線を合わせるようにその場にしゃがむと、楽しそうに微笑む。
「雫様さえよければ、精霊衣装にお召し替えしますか? せっかくですもの、一足先にお二人に見てもらいたいですもんね?」
「ほあ。もういーの?」
「はい。恐らく、雫様以外の精霊役のお子様達も着て、お祭りを楽しんでらっしゃるので、問題ないかと」
「そっか! じゃあ、ボクもきがえる!」
え、もう着替えるの?
「さあさ、ラル様、ティール様? 一度ギルドへ戻りお召し替えを! なんなら、私もお手伝いしますので!」
えっ!?
なぜか、私とティールよりもやる気満々なメアリーさんに押し負ける形で、ギルドに逆戻りさせられる。
そのままギルドの空き部屋へ連れ込まれ、まずはしーくんがメアリーさんの手によってお着替えさせられた。
和服ベースに膝丈の青い袴。そして、サメモチーフのポンチョを着た、精霊しーくんが誕生した。
「どお? すごいでしょー!」
何がどう凄いのかは分からないが、可愛いのは確かです。いや、うちの天使はいつも可愛いけれど。今日は一段と素敵です。うちの子が一番可愛い精霊だよ!
「ラル? しゃべんなくなっちゃった。ボク、どこかヘン?」
「気にしなくていいよ、雫。心の中で滅茶苦茶褒めてるだけだよ。ラルも似合ってるって思ってくれてるからね」
言葉に言い表せないくらい、褒めまくってる。うちの子が一番可愛い。誰がなんと言おうと、しーくんがNo.1です。はい。
「ふふ。では、お次はティール様ですね~♪ お手伝いしますよ」
「へっ!? いや、一人で大丈夫で……あ、メアリーさん!? え、力強い……!」
ぐいぐいと押しの強いメアリーさんに拐われてしまった。そういえば、メアリーさん、ツバサちゃんに可愛いお洋服着てもらうの好きだったな。こういうの、元から好きなのかもしれない。
ティール、どんなかっこーで出てくるかな?」
「どうだろうねぇ~……ま、セラフィーヌさんが用意した服だし、変なコスプレとかにはならないとは思うよ」
……和装、か。せっかくだし、あれ、つけてみようかな。となれば、一旦部屋に戻らないと駄目か。
「しーくん、ちょっとここで待っててもらえる? 忘れ物取りに行ってくる」
「うん。わかった! ティールとメアリーお姉ちゃんをここでまってる」
「ありがとう。ま、部屋までそう遠くないし、すぐ戻ってくるよ」

私がちょっとした忘れ物を取って戻ってくると、ちょうどティールも着替え終わったようだ。
上は涼しげな青色にシャボン玉のような水玉模様があしらわれた着物ベース。そして、下は動きやすいよう、パンツスタイルになっている。そして、メアリーさんチョイスなのか、前髪の一部をピンで上げている。
「その、ど、うかな……?」
どこか恥ずかしそうにしているが、恥ずかしくなる要素なんてどこにもないように思う。
「いいじゃん。似合ってるよ? ね、しーくん?」
「うん! ティール、かっこいー!」
「そうかな……ありがとう」
「ふっふっふー……最後はラル様ですね」
この流れ、私一人でできますなんて言っても無駄な気がする。大人しくされるがままになるか。そっちの方が楽だよね、色々と。
私はメアリーさんのお手伝いをありがたーく受けながらてきぱきと着替えた。……いや、この場合、着替えさせてもらった、と言うべきかもしれない。
オレンジ色の着物に白の花模様が施されている。そして、こちらも動きやすいよう、裾部分にはスリットがあり、下はラップキュロットになっていた。
最後に髪を纏め上げ、簪を挿せば終了。
「お似合いです、ラル様♪」
「あはは。ありがとうございます、メアリーさん」
着替え終わって、二人に合流すると、しーくんがきらきらした目をして、私を見てきた。
「ラル、にあってる!」
「ん。ありがとね、しーくん♪」
しーくんは女の子を喜ばせる台詞をきちんと知ってて偉いな。でも、どこで学んでくるんでしょ。お母さん、気になります。
「……」
そして、ティールはなぜか黙ったまま。心なしか、顔も赤いような?
ティール? どうかしたの?」
「あ……その、結構雰囲気変わるなって思ってさ。えっと、可愛いな、て」
「え……あ、ありがとう……?」
いつもなら、すんなり言ってきそうな台詞をなぜ、そこまで恥ずかしがりながら言うんだ。なんで照れてんだ? え、なんで!?
「あら? あらあら~♪」
メアリーさんはなんで楽しそうなんだ!?
「か、簪、つけて、くれたんだ」
「あ、うん。せっかくの和装だし……柄とお揃いで、合うだろうなって思って。変?」
「ううん。あのときは君に似合うかなって思って選んだけど、間違ってなくてよかった」
……なんだろ。
勘違いさせそうな台詞をぽんぽん言ってくるティールなんだけれど、今日はどことなく意識されてる、のか? 恥ずかしがりながら言ってくる辺り、自覚してると見て取れるのだが。
そうなると、私をただの相棒じゃなくて、女の子として見てるってことになってしまうのだが。
……いや、まさかな。今更、そんなことはないだろう。
「ラル様もティール様も見たところ、問題なさそうですね。それでは、私はそろそろ失礼いたしますね。よきものが見れましたし♪」
服だよな。いいものってのは、服のことだよな??
大満足というご様子で退出したメアリーさん。彼女が抱いた思いについては分からないままだったが、きっと服がぴったりでよかったですってことだ。うん。
「じゃ、当初の予定通り、お祭り見て回ろうか?」
「あぁ、うん。そうだね」
「! ラルとティールもいっしょ?」
「うん。私達のお仕事、夕方からでいいって言われたの。だから、しーくんと一緒だよ~♪」
「やったー! あのね! たくさんいきたいとこ、あるの! いこ!」
こんな風に喜んでくれるなら、祭りを楽しめってフェゴさんのお言葉に甘えて正解だったかも。
よぉし! せっかくだ。家族サービスしよーっと!



~あとがき~
まさか、衣装替えだけで一話使うなんて思ってなかったよ。

次回、お祭り。
わいわいがやがやします。(適当)

ラルとティールと雫の三人でお出掛けするのはツバサちゃんの観光案内以来です。あのときはツバサちゃんとわいわいしてましたが、今回は三人しかいません。
三人だけってのは今回が初めてや……いろんな意味でどきどきするぜ!

ではでは。