satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第301話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわいわいしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、謎のご老人に話しかけられ、その正体はティールの祖父、アルドアーズでしたっと。
そんなアルドアーズと一緒に本部目指すぞい。
アルドアーズ「よろしくの~♪」
正体ばれた途端、おじいちゃん感増したな。


《L side》
このまま放置しているとティールとアルドアーズ様の口論─というか、ティールが一方的に小言を言っているだけ─が始まってしまいそうなので、慌てて二人の間に割って入る。
ティール! 色々、積もる話はあると思うんだけど、歩きながらでもいいかな。時間はあるとはいえ、そろそろ向かわないとまずいかなーと」
「あっと、そうだよね。ごめん……でも、お祖父様は」
「アルドアーズ様も一緒! 実はルーメンさんに用事があるんだって。……ですよね!」
「うむ♪ よいかな、ティール?」
「……まあ、そういうことなら、ぼくは構いません」
よーしよし! そんなティールには飴ちゃんあげようねー!
先程、アルドアーズ様から貰ったバラの飴細工を差し出す。ティールはじとっとアルドアーズさんを睨むものの、黙って飴細工を受け取って、そのままぺろりと舐め始める。
「そういえば、お嬢さん達の名前を聞いてなかったの。聞いてもよいかな?」
「あ、そうでしたっけ。ごめんなさい。……私の名前はラル・フェラディーネと言います。ティールと探検隊でやってて、一応、彼のパートナーです」
「ボクはね、しずくってゆーの! よろしくおねがいします!」
「そうかそうか~♪ よろしくのぉ♪ 私のことも改めて自己紹介といこう。私の名はアルドアーズ・クランド。昔は国を束ねておったが、今じゃ単なる放浪者やっとるかの。気軽に『アズじぃじ』と呼んでくれて構わんぞ?」
うん、恐れ多いので呼びません。呼べません。
「そうか? それならせめて、様はよしてくれるとありがたいなぁ……私はもうそう呼ばれる程の力もないからの」
「……じゃあ、アルドアーズさん、で」
「うむ♪ その方が気楽でよいわ♪ して、ティールや? いつの間にこんな可愛らしいパートナーとお近づきになっとるんじゃ~♪」
仏頂面でだんまりなティールにえいえいっと絡みに行くアルドアーズさん。ティールはそんなアルドアーズさんを鬱陶しそうにしつつも、ぼそっと答える。
「……五年前から。これ、ちょっと前に話したよ? 女の子のパートナーいるって」
「うむぅ。可愛いパートナーがおるという話は聞いとったさ。しかし、こんな美人だとは知らなんだ。ティールも隅に置けんやつじゃ」
び、美人って……ご冗談を。
「いやいや。嘘ではないよ? 本心から言っておる」
……お色気オーラすげぇな、このおじいちゃん。さてはやり手か?
突然、ティールに腕を引かれ、ぐいっと肩を抱かれる。そして、そのままアルドアーズさんに冷ややかな目を向け、抑揚のない声で「お祖父様」と、呼び掛けた。
「ぼくのパートナーに色目使わないでください。あと、孫の目の前で堂々とナンパしないで」
「色目もナンパもしとらんがな~? ふふん♪ ティールにもよき相手が見つかったようで何よりだ」
「お祖父様……ぼくは」
私のことを思って色々言ってくれてるんだろう。それは大変嬉しいのだが、このまま険悪な空気のままなのはいただけない。
そう思った私はそっとティールの肩をつつく。それに気づいてくれたティールが不思議そうに私を見下ろした。
「あの、ティール? アルドアーズさん、多分、悪ふざけしてる」
「……は?」
だって、途中から肩がぷるぷる震えてるもん。ティールが大真面目に返答するのが面白いんじゃないかな。
多分だけど、私を美人と言った辺りから、面白くなり始めてたのではないかと思う。
「お祖父様!」
「すまんすまーん♪ 孫とこうしてやり取りできるのが嬉しくての~♪」
ティールはため息混じりに私を解放する。とはいえ、アルドアーズさんの隣を歩いてほしくはないらしい。然り気無く、私と立ち位置を入れ換え、ティールがアルドアーズさんの隣を歩く。……正確には二人の間にしーくんもいるんだけれど。
「……で、実際のところ、ぼくのいないところでナンパしたのでは?」
「しとらんよ。ルゥを探しとるときに偶然、ギルド関係者の腕章をつけたラルさんを見つけたに過ぎん。ルゥを手っ取り早く見つけるには、関係者に聞くのが一番だろう?」
まあ、うん。される手前だったような気はするけど。未遂かなって感じではある。そうしておかないと、ティールがまた不機嫌になるので、未遂……いえ。何もなかったってことにしよう。
「……まあ、それはそうですけど。お祖父様の場合、腕章がなくてもラルに話しかけていませんか?」
「なんじゃ、ティールよ。久々に会ったのに冷たいの? そろそろ、いつものように『アズじいじ』と呼んでくれてよいのだぞ?」
「呼びませんし、呼んだこともない!!」
アルドアーズさんは本当に楽しそうに話している。ティールと話せて嬉しいのは本心なのだろう。
ティールも出会い頭に聞いてましたが……アルドアーズさんはなぜ、こちらに?」
「あぁ! そうだったな! しかしまあ、特別な理由はない。この女神祭には毎年足を運び、ルゥ達に会いに来とるんだよ」
ルゥ達、ということはルーメンさん以外にも会いたい人がいるってことですか?
「そうさの~……神子であるツバサとツルギの舞も目的の一つかの? それと……ラルさんのような可愛らしいお嬢さんと会話をするのも目的の一つに入るやも知れん」
あ、ナンパは常習犯なんだ……?
「お祖父様。いい加減、その悪癖をどうにかしてください。毎度、父上にも言われてるでしょう?」
「む? しかしまあ、私は昔からこうだからな。今更、変わらんわ。ブライトもこの私が変わると思って言うとらんよ」
「それはそうかもしれませんが。……よくもまあ、ルーメンさんもこんな人と仲良くしてるよ」
一応、アルバムに昔の写真を残すくらいの仲ではあるもんね。
「こんな、とは失礼な。ルゥとは昔からの付き合いだ。寛大なルゥは私のこの性格すらも許してくれるんだよ?」
……本当だろうか。
確かにルーメンさんは寛大で優しい。様々なことに理解もしている。
しかし、本当に許しているかは分からない。
「アズおじーちゃん、ルーメンおじーちゃんとなかよしなの?」
「そうだの~♪ ルゥとは親友だよ」
毎年、お祭りの時期に会いに来るのなら、その言葉に嘘はないのだろう。
アルドアーズさんはニコニコ笑顔で私に語りかけてきた。
「私の話より、ラルさんの話が聞きたいのぉ」
「……わ、私の?」
「ラルさんはティールとチームを組んでおるのだろ? その辺の話を是非とも聞かせておくれ」
それなら、私でなくてもティールから聞かされているんじゃ……それに面白い話も特にないんだけれど。
「お祖父様、ラルと話したいだけでしょ」
「そりゃ、可愛いお嬢さんと話したいに決まっておる!」
「高らかに宣言しないで!?」
「まあ、ティールの話をラルさんから聞きたいのも事実ではあるがの? して、どうかな?」
え、えっと~……話すのは別に構いませんけど……?
ふと、私達目掛けて何かが落下してきたのが目に入る。正確には、アルドアーズさん目掛けてだ。
「チュピ!」
「あだっ!?」
「お祖父様!」
凛とした鈴の音のような鳴き声と共に、アルドアーズさんの頭部に何かが突進。
突然の出来事に流石のティールも慌てた様子で、アルドアーズさんを心配する素振りを見せた。
「こ、小鳥?」
ティールの戸惑うような声に私も目線を移してみる。すると、アルドアーズさんの頭の上には小さな紺色の小鳥が鎮座していた。この小鳥が突進してきた正体なのだろう。
「おぉい! ここにおったか!」
あ、ルーメンさん。……ということは、この小鳥がルーメンさんの言っていた精霊?
ルーメンさんと一緒にルナちゃんとその母親らしき女性の姿もあり、こちらへと駆け寄ってきていた。
その間も小鳥は容赦なくアルドアーズさんの頭をつつきまくっている。
小鳥さん、アルドアーズさんに恨みでもあるんだろうか……? 滅茶苦茶、怒ってません?



~あとがき~
そんなつもりはなかったけど、ティールがアルドアーズに滅茶苦茶反抗してるな?

次回、アルドアーズとルーメン。
お楽しみに。

こういうお茶らけた(?)キャラを書くのはあまりないので、これで大丈夫なのな不安になりながら書いてます。
面白いんだけどね、アルドアーズ書くの。

ではでは。