satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第302話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわいわいしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、アルドアーズと色々あったラルとティール。そんなアルドアーズに鉄槌(?)が。
今回はアルドアーズとルーメンおじいちゃんなやり取りをお楽しみください。


《L side》
「無事に会えてよかったわい♪」
私達と合流後、開口一番にそう話すルーメンさん。そして、つつく攻撃を受け続けるアルドアーズさんは完全無視のまま、ここまでの経緯を教えてくれた。
なんでも、私達と合流を目指す中、たまたまルナちゃんとルナちゃんママ(空色の狐族さん)と会ったらしい。精霊役のしーくんとルナちゃんは舞の準備時間も迫っているため、このままルナちゃん達にしーくんを預けていけばいいのではと考え、ここまで一緒に来たという。
「雫はルナ達と共にツバサ達のところへ向かうとよい。案内はルナの母がしてくれるでな♪ 雫や。精霊役、頑張るのじゃぞ?」
「うん! がんばる!」
「いこっか!」
ルナちゃんに手を引かれ、しーくんは元気よく準備へと出掛けていく。ルナちゃんママは私達に向かって軽く一礼すると、二人を連れてどこかへと行ってしまう。
「い、いい加減にやめないか!?」
「ピュピピピピ!!」
す、すごい連打だぁ~……
流石にそろそろ説明してくれるかなと期待を込めてルーメンさんを見てみるものの、当の本人は全く気にする素振りはない。それどころか、アルドアーズさんを無視したまま、本部へと行こうと促していた。
「そろそろ二人も時間じゃろう? ワシと共に、本部へ向かおうかの」
「あ、えっと……本部に向かうのは私達も賛成なんですけれど、あれは」
「おん? 放っておけ~♪」
うえぇぇ!?
「ルゥ! いい加減にやめさせないか! というか、無視とは酷いではないか!?」
「なんじゃ。アズ? 居ったんか。いつこちらへ到着した?」
「いたわ! ずっとここに居ったが!? 私がここへ来ておるの知っておるくせに、しらばっくれるでない。……そして、このフィアの攻撃もやめさせろ!」
「フィア……?」
「ピ? ピィ♪」
ティールが名前を呼ぶ声に反応したのか、紺色の小鳥はつつく攻撃をすっとやめ、アルドアーズさんの頭の上にちょこんと座る。
小鳥で紺色の精霊がルーメンさんの精霊だとするなら、ネロのように元々は野良精霊なのだろう。
「うむ。フィアは元野良精霊じゃよ。まあ、セラのネロと比べれば、フィアとの契約時期はずっと後じゃがの」
私の考えを読んだのか、微笑みながらフィアの説明をしてくれる。
そして、フィアもどこか誇らしげに一鳴きする。しかし、その下のアルドアーズさんはなんとも言えない表情を浮かべている。
「ルゥ……ラルさん達にフィアの説明するのはよいが、そろそろ私の上から退かしてはくれんか。そもそも、なぜ私の上に」
「そりゃあ、アズがフィアに懐かれとるからに決まっておろう?」
「懐いとるなら、出会い頭につついたりせんわ! 毎度毎度、頭をつつきおって」
「そこはアズが悪いんじゃよ。どこぞで見知らぬ女の子に声をかけおって。フィアのそれは愛の鞭とでも言うべき行為だぞ?」
「嘘つけ! なぁんで私が小鳥から愛の鞭を受けねばならん!? ただの嫌がらせだろうに!!」
「嫌がらせとは失礼な。フィアの愛だよ♪ 愛」
「ピィ♪」
ニコニコ笑顔のルーメンさんに呼応するようにフィアが楽しそうに鳴く。そんな一人と一羽の反応にアルドアーズさんがキッと目を吊り上げた。
「嘘つけぇぇぇ!!! 悪意を持ってやってるだろう!? 善意でやってるとは思わんぞ、これぇ!」
「何を言う。長年の親友からの忠告だ。善意に決まってるじゃろ?……ま、多少なりともワシよりハゲてしまえばよいとは思うとるかな。年甲斐もなく若い子に話しかけおってから。いい加減、年を弁えよ」
「ふふん♪ 私はまだまだ現役なのだよ、ルゥ? それにお嬢さん達には私くらいの年齢を好む子らもいるんじゃよ。……あと、私の一族は皆、ふさふさなのでハゲん」
「ならば、ワシの魔法を使ってツルツルにしてやろう♪」
「……それを使用するのは反則ではないか?」
私とティールの存在なんて気にせず、二人のおじいちゃんは楽しそうに話をしている。
「あんなお祖父様、見たことないよ。いつもは飄々としてるというか……何を言われても適当に流す人だから、あんな反発するところ、初めて見た」
「でも、それくらい仲良しってことじゃない? 悪い空気感じゃないし」
ルーメンさんに滅茶苦茶いじられてるアルドアーズさんだけど、それを気にする様子はない。むしろ、時折、二人して笑顔で会話を交わしている。二人にとってこれが当たり前なのだろう。
アルドアーズさんはルーメンさんを親友だと言っていた。きっと、ルーメンさんにとってもアルドアーズさんはそうなのだ。
私とティールはお互い目配せすると、小さく笑い合う。そして、前を歩く二人の後ろに着いていった。

本部に向かう道すがら、ルーメンさんにいじられまくっているアルドアーズさん。それについて、私達は突っ込まず、こちらこちらで楽しく同行させてもらっていた。
「……全く、昔からルゥはこれだよ。人の話は聞かんし、知らないうちに下らない策略練るし、何が楽しくてかつての相棒を陥れようとするんだ」
ため息混じりに問いかけるアルドアーズさん─フィアを退かすことは早々に諦め、大人しく頭の上に乗せたままである─に対し、ルーメンさんはニヤリと笑いながら答える。
「ほぉ? 人聞きの悪いことを言うの? ワシはただ、楽しく人生を生きておるに過ぎん。それのどこがアズを虐めておることに繋がると言うんじゃ?」
「その顔からして、私をからかっとると言うものだろうに!」
「そんなことはないがのぉ~? して、アズ? 孫の前でそのように取り乱してよかったのか? ほれ、孫の前ではかっこいい祖父でありたいと言っておったろう」
私はアルドアーズさんとティールのやり取りを少ししか見ていないが、そのイメージを保つには無理があるように思う。というか、そのイメージを持ってもらえるかすら怪しいところですらある。
「……え、かっこいい?」
「どこが?」とでも言いたげなティールにアルドアーズさんが見るからにショックを受けていた。
「そうさせないように仕向けとるお前が何を言う!?」
「何の話かなぁ~♪」
「惚けるな、ドS鬼畜ジジィめ!」
「はて? 大して歳変わらんだろうに」
「関係あるか!?……と、そうこうしてるうちに目的地だな」
おや?
アルドアーズさんの言う通り、いつの間にか本部のある噴水広場に到着した。
「ラル、ぼくらの仕事って」
「神子の舞を見届けた後だよ。で、内容としては二人の護衛と捕獲……捕獲って何なんだろうなぁ」
護衛は言葉通りの意味だとしても、捕獲とは。ツバサちゃん達を捕まえろってこと?
そう言えば、昨日、街中で走り回るとか何とか言っていた。もしかして、走り回るのって……いや、やめておこう。不確定要素だけで推察するのは私の悪い癖だな。
本部のテントには一足先に到着していたらしいセラフィーヌさんと、元々本部にいたのかアルフォースさんの姿があった。
私達の姿……というよりは、アルドアーズさんの姿を見つけたセラフィーヌさんはパッと顔を輝かせ、こちらへと駆け寄ってくる。そんなセラフィーヌさんに少し遅れつつも、アルフォースさんもこちらへ歩み寄る。
「アルドおじさま! お久しぶりです!」
「お~♪ セラちゃん、久しいな。アルさんも」
「えぇ、ご無沙汰しております。アルドアーズ様」
「あっはは! 『様』はよせと何度言わせる気だい? まあ、そこがアルさんらしいがの~」
「そうですよ。海の国を支える重要人物の一人ですから。気軽に呼べません」
そ、そうなんだ……?
ちらりとティールを見ると、苦笑を浮かべつつ、「一応」と答えた。
「あれでも、外交官みたいなことやってるんだよ。父上の手が回らないところを代わりに見て回ってる」
なるほどな……じゃあ、やっぱり私もアルドアーズ様って呼ぶべきでは。
「身内からすると、仕事よりも私情でふらふらしてることの方が多いから、敬う必要はあんまりないかなぁと思う」
おおらかなティールからそこまで辛辣な評価を聞くとは……私以外にもいたんだな、そんな人が。
とはいえ、仮にティールの話がなくとも、先程「アルドアーズさん」呼びをすると言ってしまった手前、今更変えるのも変な気分である。私は「アルドアーズさん」って呼ぶか。
私とティールが話している間にもアルドアーズさん達は楽しそうに談笑をしているらしく、和気あいあいとした雰囲気が漂っていた。
「──それにしても、セラちゃんはますます美人になったの~♪」
「あら、アルドおじさまったら♪ お世辞はよしてくださいな?」
……隣に旦那様がいるにも関わらず、セラフィーヌさんを口説いてらっしゃいました。いや、口説いているというよりは、あれはアルドアーズさんのお決まりの挨拶なのかもしれない。だって、そう思わないと、アルドアーズさんが粗相のない人みたいになってしまうではないか。
ここに! 孫も見てますよ、アルドアーズさん!!
セラフィーヌさんとアルフォースさんは気にするでもなく、楽しそうに笑うだけだ。アルドアーズさんの口も止まるところを知らない。
「いやいや? お世辞でもなんでもないさ。会う度に君の美しさは精度を増していくようでとても魅力的な女性に──」
「ピィッ!」
「あだっ!?」
アルドアーズさんが止まらないので、フィアがつつきで無理矢理止めてくれた。そして、ずっと沈黙を守っていたルーメンさんも笑いながら─あまり目は笑ってないけれど─会話に割って入ってきた。
「ワシの娘を褒めるのはよいが、言葉は選んでくれないと困るのぉ? 昔、アズの言った冗談、ワシは未だに許しとらんぞ?」
「はあ!? まだ根に持っとるのか! あれ、いつの話だと思ってるのだ」
冗談……?
私とティールが首を傾げていると、セラフィーヌさんが小さく笑いながら、「実はね」と話してくれた。
「お母様が生きていた頃……私が三歳くらいだったかしら。初めて私と会ったとき、アルドおじさまが『私の息子の嫁に来るか?』って言ったんですって♪」
「それを聞いたお義父さん、それはそれは鬼の形相だったって話ですよ?」
あの……ティールさん? アルドアーズさんって本当に君のお祖父さんなのかい? 本当に血縁者?
「……お祖父様ぁぁ!!??」
「可愛い娘がおったら言いたくなってしまってな。あの頃はブライトにも婚約者おらんかったし」
「絶対、それだけが理由じゃないっ! 下心あるでしょ! お祖父様だもん!!」
「流石に幼子相手にそれはないかなぁ~……? 完全にその場のジョークのつもりだったぞ~? まあ、ルゥはジョークをジョークと取らなかったんだがなぁ」
「言ってよいことと悪いことがあるんじゃよ、アズ」
「ルゥがセラちゃん大好き過ぎるだけだろうて。親馬鹿なんだよ、お前は」
アルドアーズさんの悪い冗談ととるのか、ルーメンさんが娘に対して溺愛すぎるととるのか……難しいところかもしれない。



~あとがき~
くっだらない話で一話終わったが??

次回、そろそろ舞を始めます。多分。

アルドアーズがただの厄介おじいさんになってて震えてます。元々はそういう風な感じにするつもりはなかったのですが、アルドアーズという人物を練り上げていくにつれて、こんな人になってしまいました。
おかしいなぁ……?

ではでは。