satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第306話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で会議する物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、舞が終わったかと思えば、楽しい楽しいゲームが開催されるぜ!!
要は鬼ごっこみたいなもんかと。相方がそういってた気がする。(適当)


《L side》
何の因果か、街中へ逃げ出した神子二人を捕まえる『神子探し』に参加する運びとなった私とティール。
早速、街中へ駆け出し、手当たり次第に探す──等という愚行をしている暇はない。
この街は広い。加えて、制限時間は二時間。対象は数十匹に対し、たった二匹を見つけること。なんの策もなしに達成できるミッションではないのだ。
私は作戦会議と称し、近くに合ったベンチに腰掛け、思考を巡らせる。
私とティールは索敵に長けているとはいえない。全くできないとは言わないが、向いているとも言えない。少なくとも、この広い範囲から特定の人物を見つけられる程の精度を持ち合わせていない。そんなことができるのは、チームだと二人だけ。
一人はずば抜けた索敵能力を持ち、後方支援に長けたしーくん。そして、もう一人は高い気配察知と探知能力、加えて、人の心や魂の色を見分ける能力持ちのフォース君だ。
しーくんは駄目って言われたので、力は借りれない。となると、後者のフォース君だが。
「こんなことにフォース君を呼び出すのは怖い……っ! 報復が、怖いですっ!!」
もうあれだ。「貴様、こんなくっだらねぇことで呼んだの? 覚悟はできてんだろうなぁ?」というお怒りの笑みを浮かべて詰め寄ってくるフォース様の姿が浮かびます……っ!
「その……フォースの力を借りるのはありなの?」
そこは問題ないと判断している。
いくら情報通でなんでも知っているようなルーメンさんでも、フォース君の力までは知らないだろう。だって、フォース君は力の全てを情報源となりうるツバサちゃんに伝えていないし、この前の剣技大会でも見せてすらいない。
だから、フォース君と協力したところで問題はないはずだ。バレりゃしない。
「まあ、そりゃそうか。……でも、呼んだとして来るの? こんな人でごった返したところ……やるっていうかな? こんな状況で」
絶対に来ないだろうし、来たところでやるって言ってくれないぃぃ!!
つまり、索敵に強い二人をこれに巻き込むのは不可能。
──では、どうするか。
私達の持つ手札でどうにかしなくちゃいけない。
私は探検隊バッジを起動させ、街の地図を空中に表示させる。
「ラ、ラル? いつの間にこれを?」
「本来は街の警護をするつもりだったからね。予め、インプットしておいた……で、これにダンジョンと同じように敵と仲間の位置を表示させる、と」
青い丸が三つ表示された。これは私とティール……そして、本部待機しているだろうしーくんのものだ。そして、数えきれないほどの赤い丸。本来なら、これは敵を意味するマークなのだが。
しかし、思った以上に敵として表示される数が多い。これ、もしかして参加者とごっちゃになってるな? まあ、意味合いとしては敵だけど。
ここから対象者を絞るのは、バッジだけじゃどうにもならないな。絞るためにはバッジの設定変更、そして、探る対象者のデータを組み込む必要がある。現状、データを書き加えるためのパソコン機器もない。でもまあ、ある程度の位置関係が分かれば、脳内で予測立てられる。
「……雷姫、精霊の魔力パターン探って、位置関係を割り出せそう?」
『む。読めなくはないが……想像以上に数が多い。恐らく、小僧や小娘らが精霊を呼んでおるのだろ。……あの白狐のみを探るのはちと厳しい』
「いいよ。とりあえず、精霊だけを知りたい」
『うむ。それならば……しかし、街全体だと、索敵範囲が広すぎる。……これでは漏れが出るやも知れん』
「大丈夫。探るのは北側だけだから。範囲もそこだけでいい。それならいけそう?」
『それなら問題ない。しばし待たれよ』
雷姫が刀から人へと姿を変え、ふわりと街を見渡せる程の高さまで宙に浮かぶ。
「ねえ、ラル? なんで北側だけなの?」
うん? あぁ、そうだな。
もちろん、南側にも狐はいるだろう。しかし、そこにツバサちゃん達はいないと思う。
「その根拠は?」
「いつだったか、アラシ君と警備の話をしたでしょ? 私達の範囲は北側だって教えてくれたよね?」
街の地図を見せられ、異様に広い警備範囲に文句を飛ばした日。アラシ君が示した範囲は北側だった。この辺に二人がいるから、お前達はこの辺に行け、と言われたのだ。
「もちろん、それが嘘かもしれない。けど、現状、街全体を探し回る程、時間も余力もない。なら、少しでも範囲を狭めた方がいい」
「なるほどね。了解」
「待たせたな。マスター、パートナーよ」
雷姫はふわりと着地をし、地図の何ヵ所かを指差していく。
「この付近で精霊らしき存在を感知した。それが狐かは分からぬがな」
「ふむ。……そう、だな」
他の参加者は私達より先に街に出て、狐達を追いかけているはずだ。つまり、複数人の参加者が群がるところに狐はいる。
しかし、私達は手分けしても二ヶ所しか回れない。もう少し絞るか。
「……ここを見てみよう。近いから」
「? それなら、こっちの方が近くない?」
と、ティールが指差した範囲は確かにここから一番近いところだ。
「二人の性格を考えて、別々に行動してるとは思えないんだよね。ほら、ここで生活してるときって、基本的に二人一緒にいたでしょ」
片方に仕事や用事がない限り、あの双子はいつも一緒にいた。朝練に参加するときも、ご飯を食べるときも、その道中だってそうだ。
「……確かに、ラルの言う通りかもしれないな。ってことは、ラルが示したところの方が可能性はあるね」
「そ。つまり、狙うなら二匹一緒にいる精霊だよ。……ま、ツバサちゃんはともかく、ツルギ君はこれを読んで精霊達に指示している可能性もあるけど、それを考えても仕方がない」
まずは近くの複数反応のあるエリアにゴー、だ。
「作戦としては逐一、雷姫で精霊の位置関係を探知しつつ、二匹で逃げる狐を探す、だ」
「了解。二手に別れる?」
「ん……いや、止めておこう。あっちが二人同時に行動してるなら、私達も二人の方がいい」
「OK。最後に一ついい?」
「どうぞ」
「制限時間ギリギリになっても捕まらなかった場合、どうする?」
「……そのときはそのときで考えがある。つっても、捕まえられるかは五分五分くらいだけどね」
これを伝えるかは少し悩んだ。
ある意味、最終手段のようなものだ。使わないに越したことはないが。
「……まあ、軽く説明はしておくよ。ギリギリになっても捕まらなかった場合の最終目的地は噴水広場。街の中心部に行く。そこで二人同時に捕まえる」
「……ギリギリになっても捕まらないのに、そこで一網打尽にできる、の?」
「恐らくは。……ま、上手くいけば、だけどね。詳しい話は時間迫ってから伝えるよ」
「了解」
……うし! 行きますか!



~あとがき~
作戦会議だけでおわったぁぁぁ!!??

次回、ラルとティールによる捕獲作戦!

索敵に向いている二人がチームにいない今、ラルはどのように場を動かすのでしょうかね。たのしみたのしみ~♪

ではでは。