satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第317話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわちゃわちゃしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ツバサちゃんに眠っていたミルティアがぽぽーんっと出てきました。
ってことで、そんな女神様とわちゃっと話します。多分。


《L side》
そう言えば、ルーメンさんは最初からこうなると分かっていて放置していたんだったか。
ミルティアの声を私が聞いたのは知らなかったみたいだが、それを知ったルーメンさんはこうなると分かっていたはず。それなのに、なぜ私達を騙そうと……いや、騙そうとしていたミルティアに乗っかったのか。
私はここまで黙りなルーメンさんを見る。
「ルーメンさんも楽しんでた口ですか。この女神の悪戯に乗っかったと?」
「すまんすまん♪ いやぁ、何。ミルティア様がツバサのままここにいらっしゃったから、これは芝居に付き合わねばと思うてな? こちらとしても、ラル達がどんな反応をするのか見てみたかったしの~♪」
この先祖に、この子孫ありってか!?
わざわざ、あんな悪戯に乗っかる必要性あったか!? ふっつーに真面目に話を進めてもよかろうに! つーか、神様と一緒になって私らで遊ぶってなんなんだよぉぉ!?
と、心で滅茶苦茶に文句をぶつけたい衝動に襲われる私。もちろん、胸の内をさらけ出すような失態は犯さないけど。
「ふふっ♪ 流石、私の子孫。会ったのはこれで三回目だけど、こうして臨機応変に付き合ってくれるなんてね♪」
三回目。
先程も一年ぶりって言っていたし、頻繁に顔を出している訳ではないのか? そりゃ、ミルティアは実際は死んでいて、この世にいない存在だ。こうして出てくる方がおかしいけども。
「うむ。ラルの言う通り、本来、前世の意識が表に出るなぞあり得ん。今世は女神ミルティアではなく、人の子『ツバサ』なのじゃからな。だからまあ、こうしてミルティア様が現れるのは今夜のみ……厳密に言えば、女神祭の夜。ツルギとツバサが『神子神楽』を舞った夜に現れるのじゃ。それも、体の持ち主であるツバサが眠りについたときにな?」
ツバサちゃん達が神子ではなかった頃は表に出ていなかったのか。それなのに、今はこうして表に出てくるようになった、と。
「憶測でしかないのだが、『神子神楽』で発生する『女神の祝福』に原因があるとワシは思うとる」
『女神の祝福』……あの光の粒か。
「あそこで使われる花は、元々は私の魔力で作られた魔力石。私が死んで永い時が経ったけれど、今でも花には私の魔力が微量ながら含まれているの。……それが祭りの日、あの瞬間、一ヶ所に集まるでしょ? だから、ツバサの中に眠る私も集まった魔力に感化され、ひょっこり出てきちゃうってことかな?」
んな、可愛らしいもんなのか?
いやそれはいい。とりあえず、二人の言いたいことは理解した。
あの場で一番多くの女神の魔力に触れるのは、観客……ではなく、舞を踊る神子の二人。ツバサちゃんとツルギ君だ。だからこそ、神子となってから、ミルティアが現れるようになったのだ。
「しかし、初めの年は驚いたものです。まさか、ケアル家の始祖、ミルティア様にお会いするとは思いもせんでした」
「それは私もだよ。借りた体とはいえ、こうしてまた、地に足をつけるとは思ってもなかったもの」
と、二人は楽しそうに笑い合った。
私とティールは互いに顔を見合わせ、思わず苦笑を浮かべる。
「……やっぱ、先祖って似るのか。こう、纏っている空気が同じに思えるんだけど」
「うん。……やりにくいったらないわ」
「それは……ドンマイ?」
うっせ。
えぇい! 私が投げ掛けてしまったとはいえ、いい加減に本筋に戻そう。
ミルティアがここに現れた理由は恐らく、去年も一昨年もルーメンさんに会っているから。だから、「ルーメンの部屋で」という伝言を私に残したのだろう。それはいい。
じゃあ、なんで私とそんな約束をしたのかである。
「お楽しみのところ申し訳ないのですが、話を元に戻してもよろしいですかね」
私の呼び掛けに似た者同士の二人はこちらを振り返った。
「なぜ、私にあんな伝言を残したのですか。まさか、あれも私に対する悪戯だったですますおつもりで?」
「あぁ~♪ もちろん、そんなことないよ?」
ミルティアはにっこりと笑いながら否定すると、私の隣まで近寄り、ぐいっと腕を引き、立ち上がるように促してきた。私はそれに逆らうこともできず、ソファからよろよろと立ち上がり、そのままぴったりとくっついてくるミルティアを見る。
「え……あ、の、ミルティアさん?」
「……うふふっ♪」
え、何。その笑みはなんだ。なんだ、その含み笑いは!?
「ルーメン。女の子同士、秘密のお話ししてくるね?」
「はあ!?」
聞いてないけど! 何、秘密の話!?
戸惑う私をよそに、ルーメンさんは肯定するように大きく頷いた。
「どうぞどうぞ。時間の許す限り、お話ししてくだされ」
それを許可するのはルーメンさんではなく、私では!? 嫌だが!? ティール、ヘルプ!!
私の無言の訴えにティールも困ったように笑う。多分、期待するなってことだ。
まあ、分かる。多分、これ、どうにもならんやつだもん。
「えーっと……秘密の話ってことは、ラルはミルティアさんと二人きり……?」
「ん? 大丈夫だよ? 怖いことしないから。それに、別にラルちゃんを食べちゃおとか、乗っ取っちゃえとか思っていないし、しないから。だから、ティールくんも安心してルーメンと待ってて?」
「あ、と。そういう心配はしてないです」
素直かっっっ!!
ルーメンさん以上にペース握ってくる人とタイマンで話したくない! 怖い! なんか、怖い!!
「ラル、ごめん。従うしかなさそう? 君が望むなら、ついてってあげたいけど……ぼくは邪魔っぽいし」
「うむ。……今年のミルティア様はラルと話をすることを望んでおられるようじゃ。……こうなったミルティア様は意地でも意思を曲げんお方。身を任せるが吉じゃよ」
ルーメンさんが諦めろという表情を浮かべる。まさか、あのルーメンさんがそんな表情をするとは思わなかった。……ますます、怖いんですが?
「あんまり時間は取らせないって約束するよ。……じゃ、ラルちゃん。早速行きましょうか♪」
「い、行く? 行くってどこ─」
言い終わる前に突然の浮遊感が体を襲う。そして、視界が眩い光に包まれ、ここではないどこかへ連れていかれると理解した。
「! ラル!」
私が最後に見たのは、私の名前を呼ぶティールの驚いた顔だった。



~あとがき~
短いんですが、きりがいいんで終わる。

次回、ラルとミルティア。

なかなか強引なお方らしいミルティア様。
ラルもそれを察知したのか、二人で話すのは嫌らしい。が、結局は連れていかれました。
マイペースすぎるのはラルの苦手なタイプの一つです。嫌いとかそういうのではなく、単純に話が進まないのと、自分のペースに引き込みにくいので、苦手だなって思ってます。
プリン親方とかルーメンさんとかがそれに当たります。けど、苦手度としてはプリン親方が上だと思われ。話が通じないんで(笑)
……あとは、自分の土俵に持っていきにくいって理由でイグ兄さんもあれかもしれん。ラル的には。

ではでは。