satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第323話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でほんびりしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
朝練風景……というか、処刑風景(笑)をお見せしました。朝練なんてなかった。いいね。


《L side》
セラフィーヌさんとの朝練を無事に終え、部屋へと戻るが、予想通り、ティールはまだ夢の中だった。
私は軽くシャワーを浴び、着替えを済ませる。濡れた髪をタオルで拭きながら、ベッドに置きっぱなしになっていた端末を拾い上げる。
「ちょっと早いけど、起きてるかな~?」
端末を操作して、とある相手の連絡先をタップし、連絡を試みる。何回か呼び出し音が聞こえて、相手の声が聞こえてきた。
「もしもし。早くにごめんね、ムーン」
『いえいえ。問題ありませんよ。何かありました?』
私が連絡した相手はチームの頼れるお兄さんの一人、ムーンだ。ムーンの電話口からは特に何か聞こえることはないから、外にいるわけではなさそうが、一応、念ため。
「まあねぇ。……今、どこ?」
『家です』
「他には?」
『ともとクラウさんがいらっしゃいます』
ふーん。クラウもいるのか。なら、好都合だな。
「昼過ぎ、他のメンバーをそこに揃えて欲しい。大事な話がある」
『分かりました。フォースさんもですか?』
「そっちにいるならね。後で聞いてみる。どうするかはその時にまた連絡するよ」
『はい』
……ふむ。
ムーンは元々、聞き分けのいいと言ってはなんだが、何かあっても深く追求をするタイプではない。こちらが話すのをじっと待つタイプだ。それは分かっているけれど、一般的な心理として、「大切な話がある」と言って、気にならない人はいないだろう。
「聞かないの? 何の話するのって」
『えぇ。そのうち分かりますからね。それにラルさんは僕達を悪い方へ連れていくこともしないでしょう?』
「まあ、するつもりはないけどさ。……前から聞きたかったんだけど、ムーンのその絶対的な忠誠心はどこから来るの?」
『ラルさんは僕の救世主みたいなものだからですかね?』
「んえ~? 何かしたっけ」
『してくださいましたよ。……貴女には何でもないことかもしれませんけれど、ね?』
意味深だな……ま、これ以上は聞いても教えてくれないだろう。
「興味本位で聞くんじゃなかったわ。……それじゃあ、悪いんだけどよろしくね?」
『はい。お任せください』
ムーンとの連絡を終え、次はフォース君に連絡をしてみる。ムーン以上にコール音が続くが、連絡が切れることはなく、やがてコール音は途切れ、無音が訪れる。
「……え、出たの?」
『…………出てますけど』
「もしもしくらい言ってもよくね?」
『お互い様じゃね?』
確かに。
『何』
「この前、相談した件、答えが出たから皆に話そうと思って。……この後、昼くらいに家行ってくんないかなーと」
『……了解』
ぶっきらぼうな返事が聞こえて、私は少し驚いた。フォース君のことだから、「嫌だけど」くらいは言われるかと思ったけど。
「案外、あっさりだね」
『何? これに拒否権あんの』
「ないけど、一発目は拒否るかなって」
『ねぇなら言うな。めんどくせぇ』
と、一方的に切られた。
機嫌悪くね? いや、いつも通りか? まあ、前に相談したい連絡した時とほぼ同じようなやり取りだった気もするし……普通、なんだろうか。
……なんて考えてみるものの、顔が見えないフォース君とのやり取り以上に本音が見えないものはない。ここであれこれ思案するのも無意味ってものだ。
私が二人に連絡した理由は一つ。
明けの明星への入団の是非を伝えるため。
チームに関わる事柄だ。一人で決めて、勝手に話を進めるわけにもいかない。
「……さて、と」
連絡を取り合っている間に自力で起きてこないかと淡い期待をしていたのだが、泡沫へ消えてしまったようだ。未だにぐっすりである。
私はティールを見下ろし、静かに拳を振り上げる。そして、無表情のまま一気に振り下ろした。
「いい加減に起きろ」
「……ってぇぇ~!?」

文字通り、ぶん殴って叩き起こしたティールと共に食堂で朝食を食べていた。
その食事で私はギルド入団の話を持ちかけた。
「決めたの?」
「まあ、とりあえずは、ね」
その話をするためにはルーメンさんを捕まえる必要がある。先程の朝練中に話しかければよかったのだけれど、とてもそんな雰囲気ではなかったし、アルドアーズさんの件もあって、すっかり忘れてしまっていた。
「この後、アルフォースさんを探して、ルーメンさんの予定を聞いてみよっかなって思ってる」
「そっか。じゃあ、ぼくも一緒に行くよ。特に予定もないから」
「うん。今日くらいは仕事なくていいっしょ。昨日、頑張ったんだし?」
「……別に昨日頑張ってなくても、仕事なくていいよねって言うよね?」
「え……ソンナコトナイヨー?」
これに対して、ティールから「嘘つけ」と聞こえた気がしたが、聞こえないフリをした。聞こえていなければ、どうということはないのである。
慎ましい朝食を終えた私達は、そのまま部屋には戻らずにアルフォースさん探しへと移る。
探すなんて言ったけれど、ぶっちゃけ、アルフォースさんの居場所に心当たりがある。
「技師部屋に向かおう。アルフォースさん、よくそこにいるし、いなくてもアンナさん辺りが居場所知ってるっしょ」
「そうだね。……ま、また、怪談話にならなきゃいいけど」
以前、ティールと訪れたときはアンナさんに怪談っぽい何かを聞かされたっけ?
人の居場所を聞いているのに、怪談話になる理由が分からない。大丈夫だろう。流石に。
謎にアンナさんの怪談話に怯えるティールを連れ、技師部屋前まで到着した。扉をノックし、部屋に入ってみると、アンナさんの姿をすぐに発見できた。そして、部屋に備え付けあるソファの上で寝ている人物も見つける。仰向けになって、顔には何かの技術書を乗せているが、恐らく、アルフォースさんだ。
「おや、ラルとティールじゃないか!」
私達に気づいたアンナさんが振り返りながらゴーグルを外し、にっこりと笑う。
「こんなところへどうかしたのかい?」
「ぼくら、アルフォースさんに用があって来たんですが……もしかして、休憩中ですか?」
「ん? アルかい?……まあ、叩き起こしていいよ」
えっ!?
気持ち良さそうに寝ているのに、いいんですか。休憩中なら尚更いいんですか!?
「構わないよ。どうせ、アルからは一時間後には起こしてくれって言われてたしねぇ? その約束の一時間ももうすぐ経つし。……あ、どうせなら、ラルの電撃で起こしたって構わないよ?」
ひゃあ!? い、いや、流石にそれは……ちょっと?
「そうかい? アルのやつ、寝起き悪い時があるから、んなこと気にしなくてもいいと思うけどねぇ?」
にやにやと楽しそうに笑う。アンナさんが気にしなくても、私は気にしますんで。
けど、普通に起こして起きなかった時は……考えなくもない、けど。
そうならないことを願いつつ、私はアルフォースさんの側まで近寄り、そっと体を揺すってみる。
「アルフォースさ~ん? 約束のお時間、経ったみたいですよ~?」
「……ん~」
もぞもぞと動きだし、ゆっくり上体を起こす。しかし、まだ寝ぼけているのか、せっかく起こした体もゆらゆら揺れまくっていた。
「だ、大丈夫……なの? これ」
「ど、どうだろう? えーと、アルフォースさーん?」
ティールの呼び掛けにアルフォースさんはそちらを向く。が、目が全く開いていないから、起きているとは思えなかった。
「ん……ティール、く、ん?」
「へ? あ、はい。ティールです……?」
「……くぁ」
会話にならないな、これ。
「おやおや。今回はそっちかい? 心配はいらないよ。数分もすれば勝手に目を覚ます」
苦笑を漏らしながらアンナさんが教えてくれる。そして、アンナさんは再び作業に戻ってしまった。
アルフォースさんは未だに眠そうに目を擦り、意識がはっきりしていなさそうだ。これはもう少し待つしかなさそうか。
「あぁ、そうだ。ラル、ティール、立ってるのもあれだろう? その辺の椅子にでも座って待ってな」
あ、はーい……
アンナさんに言われ、近くの椅子に座って待つ私達。そして、アンナさんの宣言通り、数分で目を覚ましたアルフォースさんがこちらへ近寄ってきて、照れ臭そうにお礼を言ってきた。
「お恥ずかしいところをお見せしました。アンナ先輩の代わりに起こしてくれてありがとうございます」
眠気覚ましのコーヒー片手にアルフォースさんは私達の向かいの席に座る。
「いえ、それはお気になさらず。……ぼくらの方こそ、お休みのところごめんなさい。アンナさんがいいって言ってましたが、本当に起こしてしまってよかったのですか?」
「はい。元々、気分転換に休んでてそのまま寝てしまっただけですから。それでお二人は僕に用事があって来たんですよね? 親方へのアポの相談とかですかね?」
あらやだ、察しがよい。流石、ルーメンさんの補佐役。
アルフォースさんの言葉に私は頷くと、彼は懐から手帳を取り出し、パラパラと捲っていく。
「そうですね、早くても今日の夕方くらいならお時間は取れるかと。ご用件は?」
「ギルド入団の話を」
「分かりました。では、今日の夕方、ラルさん達が来ると親方にお伝えしますが、よろしいですか?」
「それでお願いします」
私が頷くのを確認したアルフォースさんは、さらさらっと手帳に何かをメモすると、パタンっと閉じる。
「はい。承りました♪」
「ありがとうございます」
「いえいえ。これが仕事ですから」
答えはすでに心に決めているとはいえ、改めて伝えるとなると緊張する。まだ時間はあるし、その前にチームの皆に話す必要もあるのだけれど……それはそれだな。
「では、私達はこれで失礼します」
「はい。わざわざありがとうございました……と、いけない。少しよろしいですか?」
椅子から立ち上がり、そのまま部屋を後にしようとしていた私達は互いの顔を合わせ、首を傾げる。
? なんだろ?
「こんなことを言うのも変ですが、今日のツルギとツバサは昨日の疲れが残っているみたいで。だから、その、ツルギの襲撃はないと思ってくれればと」
あぁ、そういう。
「流石のツルギも今日は来ないんだな」
「つまり、久々の平和な一日が過ごせるわけだ」
「あってもなくても変わらないくせに」
まあ、それはそう。あってもなくても、私の生活になんら支障はない。
「あはは……いつも息子の相手をしてくれてありがとうございます」
いつもにこやかな笑みを絶やさないアルフォースさんだけれど、この時は困ったように笑った。



~あとがき~
なんか雑な繋げ方で申し訳ねぇっす!
私が適当に付け足したやつのせいです!! すまねぇっす!!

次回、チーム会議。
スカイメンバー大集結です。声だけ出演多めですけど。一応、ここで全員が出ることになりますね。わーい。

夏休み中、ラル達以外のキャラ(フォースとかステラとか)は出番ないやろって思ってたけど、案外、フォース君が出てきますね。まあ、多分、ここら辺が最後です。

ではでは。