satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第324話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でだらだらしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ルーメンさんへ入団の話をするためのアポ取りをしましたよーっと。
今回はそれに関係する話をば。


《L side》
アルフォースさんとアンナさんに見送られ、技師部屋を後にした私達は、真っ直ぐ自分達の部屋へと戻ってきた。
「しーくんが戻ってきたら、ルーメンさんに話す前に教えとく。今後の方針というか、答えについて」
「ん。了解」
「その時、他のメンバーにも通信繋げて、一緒に話しておこうと思う。あっち帰って、事後報告ってのも変な話だから」
「うん」
結構、重大な決断をしているつもりなのだけれど、ティールは至って普通だ。私に任せると心に決めているからなのか。
「変に緊張してるのは私だけかい」
「え? うーん……ラル程ではないと思うけど、ぼくもしてるっちゃ、してるかな? 主にルーメンさんがどんな反応するかってところでさ。受けても断っても、どう反応するか分からないだろ?」
なんで今更、脅し文句みたいなものを聞かされなければならないのか。分からんでもないけど!!
「まあ、それでもぼくはラルと一緒に行くって決めてるから。君となら怖いものなんてないよ」
「……そこにお化けいるよって言っても?」
「それは滅茶苦茶怖いから別物っ!! なんでそういうこと言うかな! そんな雰囲気じゃなかったよね!?」
いい雰囲気だったのは認める。けど、今はそんな真面目空気いらない。
「いつも通り、のほほんとしてたいよ。今は」
「なら、のほほんとできるような話題で空気壊して欲しいかな! え、ほんとはいないよね!」
いないよ。冗談だから。
というか、一週間以上も滞在している部屋に今更、実はここに幽霊いるんだよねって言っても仕方ないだろう。バラすなら最終日だろ。そっちの方が怖くね?
「どっちも一緒だ、馬鹿っ!!」
ティールは布団を頭から被り、部屋の隅っこに移動してしまう。そういうところは本当に子供っぽいというか。……しーくんやともですら、あんな怖がり方しないと思うけど。
「ごめんごめん♪ もっとマシな嘘つけばよかったね~?」
「やだ! 許さないっ!」
しーくんが帰ってくるまでにティールの機嫌を直さなきゃいけなくなったらしい。あ~……自業自得だけど、めんどくせぇ。

ティールのご機嫌取りがようやく終わった頃。部屋をノックする音が聞こえ、扉を開けるとツバサちゃんとしーくんの姿があった。
「ラル! ティール! ただいま!」
「はい、お帰り~♪」
「お帰り、雫。ツバサもここまでありがとう」
「いえ! おはようございますと言うには、遅いです……ね。……えへへ。こんにちは、ラルさん。ティールさん」
「こんちは、ツバサちゃん」
セラフィーヌさんの言葉通り、たっぷり寝たお陰なのか、滅茶苦茶元気一杯のしーくん。興奮気味に昨日、何をしたのか教えてくれた。
「あのね! トランプしたりね、まくらなげたりね、いっぱいあそんだんだよ!」
「そっか。楽しかった?」
「たのしかったー! おっきーおふろにもはいったの! ラルとねティールとねボクがはいってもだいじょーぶなくらい、おっきーの!」
そっかそっか~……そんな大きなお風呂で大惨事してないよな? ザバーッとお水……もとい、お湯で遊んでないよね?
「だいじょーぶ! がまんした!」
やりたいとは思ってしまったのか。よかったよ、力が暴発しなくて。
「しーくん、ちゃんと皆と仲良くしてたのでご安心ください♪」
「みたいだね。しーくんの様子を見れば分かるよ」
「はい♪ では、私はこれで。この後、ツルギと一緒にもう少し寝る予定なので」
あら、そうなんだ。
「舞で大量の魔力を消費しちゃったので、その疲れが抜けてないみたいです。……もう一眠りすれば完全に回復するので、ご心配なくっ♪」
なら、よかったけど。
確かに特別顔色が悪そうとかもないし、本人の言う通り、もう少し休めば問題ないのだろう。
「なら、一つ頼みごとしてもいい?」
「? はい。なんでしょう?」
「夕方くらいにルーメンさんと話をすることになってて、その時にしーくんを預かって欲しいなって。もちろん、無理にとは言わないけど」
「夕方ですか? それなら大丈夫だと思いますよ♪ 私もツルギも完全回復してる頃ですから」
笑顔で快く引き受けてくれたツバサちゃんの頭をなでなでする。条件反射なのか、ぴこぴこと動く耳と尻尾が大変愛くるしいでございます。
「ありがとう、ツバサちゃん♪ じゃあ、お願いしちゃうね?」
「はいっ♪ 任せてくださいっ!」
撫でられたのが相当嬉しかったのか、ツバサちゃんは幸せそうな笑顔のまま、元気よく手を振って自分の部屋へと戻っていった。
……ツルギ君に変な誤解を与えなければいいのだが、まあ、今更か。
さて、しーくんも戻ってきたし、ムーン達に話していた時間帯も差し迫ってきたな。
私はティールとしーくんにソファへ座るように促し、テーブルの真ん中に端末を置く。
「どしたの、ラル?」
「んーとね、今から大切な話をしようと思ってね……と」
しーくんを私の膝の上に座らせ、ティールは対面に座る。そして、テーブルの端末を操作して、仲間に連絡を取る。
「……よし、これでいけるはず。やほ~? 聞こえますか~?」
『えぇ、聞こえます。問題なさそうです』
『おー! ひっさしぶりだな、ラルー! これ、かんどりょーこーってやつだぞ!』
『あらあら、ともさん、難しい言葉知ってますね~♪』
『その言い方は馬鹿にしてるだろ』
端末からはチーム全員の声が聞こえてくる。
ムーン、とも、クラウ、フォース君。私の希望通り、全員いるらしい。
『ラルさんとは朝に少しだけお話しましたが……ティールさんや雫さんもお元気ですか?』
「ムーンか。うん、元気にやってる。ちょっと暑いのは勘弁だけどね」
「げんきだよ! ムーンたちもげんきー?」
『もっちのろんだぜ! あ、でも、フォースはさっきまでだらーってしてた!』
『聞き捨てならん。一人だけくそ暑い中、ここにわざわざ来てるからな? 分かる? その苦労』
『あら、それなら私がお迎えに上がりましたのに~』
『お前の迎えは怖いからいらねぇ!』
あちらは随分と賑やかだな~……このまま適当に雑談してても面白いんだけれど、今回連絡したのは雑談のためではない。
私は流れを変える意味で、こほんっと咳払いをした。端末越しにわいわいしていたメンバー全員がしんっと黙る。
「肩慣らしはその辺にしておこう。今日は皆に伝えたいことがあって連絡したの」
『むー? あたし達、ぜーいんに聞かせたい話ってこと?』
「そうだよ。事前に伝えたくて」
『……真面目な話なの?』
「そう。真面目な話。ともは苦手かもしれないけど、分かるように説明する。ここにはしーくんもいるからね。……だから、最後まで聞いていて欲しい」
いつもなら、難しい話なんて嫌だと匙を投げるともだけれど、雰囲気が違うと察したのだろう。少しの間が空いて、そっか、と呟くのが聞こえた。
『わかった。聞く。分かんなかったら、何回も聞いてもいい?』
「うん、何回でも聞いていいよ。……他の皆も大丈夫そう?」
『えぇ、大丈夫です』
『はーい♪ 問題ないですよ♪』
『お好きにどーぞ』
とも以外の全員の返事を聞き、私はここにいる二人にも目配せをする。
「ん。大丈夫だよ」
「ボクもー!」
全員の同意を聞き、私は深呼吸をする。
思えば、こうして全員で真面目な話をすることは稀だ。いつだって、私が一人で勝手に決めてきた。メンバー加入も、チーム方針も、仕事の割り振りも全部。もちろん、決めたことに対して、同意を得るために皆に話をするけど、それだって大体が事後報告みたいなもんだ。
「私達が今、『明けの明星』ってギルドにいるのは知ってると思う。今、そこの親方さんに私とティールが学園を卒業したら、二人ともギルドへ来ないかって話が来てるの」
『ほあ……?』
『あらまあ~』
『……』
事前に相談をしていたフォース君以外からはそれとなく反応が返ってくる。
ともははてなマークを浮かべて。
クラウはただの相槌だけ。
ムーンは沈黙。話の続きを聞くような体勢。
「平たく言えば、私とティールは勧誘されたってことになるか」
『でも、フェアリーギルドは? スカイはあそこにいるんじゃなかったの?』
『馬鹿。とっくに卒業してんだろ。今、スカイはフリーの探検隊だ』
『あれ? そうだったっけ?』
『嘘だろ。お前、おれより先輩だろうが!?』
……ともさん、自分のチームの現状くらいは把握しておいてください……っ!?
『ともの馬鹿発言は置いておくとして。……この連絡はお二人がどうするのか伝えるためのものですね? その答えに伴い、僕達のこれからも決まる、と』
「うん。そう思ってくれていい」
『なるほど。理解しました』
流石、ムーンさん。物わかりが早い。
「ラル、ルーメンおじいちゃんのおねがいごと、どうするの?」
「そうだね。……正直、この話を聞いた直後はかなり悩んだ。入団した時の恩恵は大きいし、魅力的だと思った。けれど、今まで、プリン親方……フェアリーギルドの皆にお世話になった恩もあったから」
『まあ、言い方が悪いですが、鞍替えしたと思われても不思議ではないですものねぇ』
「……うん。クラウの言う通りだと思う」
ギルドの皆がそう思わないのは知っているけれど、思われてしまうんじゃないか、私がそう考えてしまった時点で、罪悪感は生まれてしまう。
「そういった事情込みで、私の出した答えを聞いて欲しい。……私は──」



~あとがき~
答えはルーメンおじいちゃんのところで☆←

次回、ラルの出した答えとは。

クラウさん、初出しがここってまじぃ!?(笑)
いや、名前だけならかなーり前に出てるんです。名前だけならな! しかし、(当然っちゃ当然)出すタイミングもなく、あれよあれよとこんなところで声の出演が初出しになってもた。
どこかの休日回とかで出せたらええが……そんな予定もないのが現状。悲しみ。
まあ、しゃーなしですんで、軽くここでご紹介しておきましょう。
チームの運び屋。且つ空の国の次期王女で今はまだお姫様、ハーピィ族のクラウさんです。そんな彼女は成人済み、スカイの大人組の一人です。とはいえ、お姫様特有(?)のふわふわしてるマイペースな方なので、大人組に属してもいいのか謎なお姉さんです。よろしくお願いします!!

ではでは。