satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第338話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわいわいしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、海に行った一行。
ラルとティールがのんびり(?)語らうだけで海で遊びませんでした。
今回は遊ぶぞっっ!!
ラル「必要か、それ」
必要だ! 夏要素の一つ、きちんとやるぞ!


《L side》
『てぃー! るー!』
「スイ」
ティールが身に付けていたポーチから飛び出してきたのは毎度お馴染み、ティールの相棒の一人、スイちゃん(液体ver.)だ。
「あれ? 連れてきてたんだ」
「うん。伝言頼む代わりにね。ちなみにセツは留守番」
無慈悲な……流石、ティール。
スイちゃんは私達とやり取りは気にしてないのか、聞いてないのか、特に突っ込みもせず、ただどこか不満そうにゆらゆら漂っていた。
『うみなのに、おはなしばっか! つまんなーい! あそぶ!』
「変なことしないんなら、勝手にどうぞ」
『ちっがーーう!! すいちゃ、てぃーとるーとあそぶのー!!』
遊ぶと言われても……私はスイちゃんが楽しめるような遊びはパッと思い付かないけれど。
かといって、リランのいるあそこに飛び込むのもなぁ……そこにスイちゃんも加わるとなると、被害が出る確率が右肩上がりでは?
「お前が楽しみたいだけなら、あっち行ってきていいぞ。ぼくらはぼくらで楽しいから」
『やだ。すいちゃ、ふたりとあそぶもん』
「遊ぶって……何するつもりなんだよ?」
『みずであそぶの!』
スイちゃんと水で遊ぶ……事故の予感しかしてない。
私とティールはお互いの顔色を窺うように目を合わせる。
ティールも私と大して変わらない考えをもっているらしく、表情には「面倒くさい」って書いてあった。
しかし、現状、今のスイちゃんを納得させるだけの理由も見当たらないし、本人も諦めるつもりもなさそうだ。となれば、素直に従い、抜ける隙を窺う方が賢い。
「じゃ、とりあえず皆のところに行こっか。大勢の方が楽しいからさ」
ずぶ濡れリスクはあるけど、その分、スイちゃんの意識も私達から逸れる可能性も高い。
なんて、私の考えなぞ知る由もないスイちゃんは返答を聞けば、嬉しそうにくるくると回り、ぴゅーっとツバサちゃん達の方へと飛んでいってしまう。
「よかったの? あんな風に言っちゃって」
「ずるずる引っ張る方が面倒になりそうだったからね。……適当に付き合って、引き上げよ」
「了解」

──なんて、そう思っていた時期が私にもありました。
「あうーーん!」
「きゃー! リラン! 冷たいよー!」
「あんあんっ!」
「ほあー! こっちきたー!」
リランが海面にダイブする度に大量の水飛沫があちこちに飛んでいく。近くにいる人はもちろんのこと、少し離れていても飛んでくるものだから、逃げ道なんて存在しない。
なら、リランからある程度の距離を取ればいいのではと思うだろう。
「あんっ!」
……取れたら苦労しないんだよ。
離れようとした途端、逃がさんとばかりにロックオンしてきて、バシャーンっと飛び込んでくるのだ。
「くっ……リラン、元気すぎじゃない!? というか、なんでこっち来るの!」
「あんあんっ!」
何度目かのリランの水飛沫攻撃を受けてしまった私はどうにかして次の攻撃を避けたくて、翻弄しているところだった。
「雷姫か! 雷姫と遊びたいってか!?」
「あんっ」
肯定っぽい返事だ。
皆と楽しく遊んでるから、雷姫も一緒に遊ぼうよーと訴えてる……のかもしれない。
しかし、私の中にいる雷姫は沈黙を貫いている。何度か呼び掛けてはみたものの、全く反応を示さないのだ。ここまでくると、意地でも出てこないという意思表示なのだろうなと悟る。
「モンスターか何かが出てこない限りは無反応だな、これ……諦めて別の人と遊んでくんない?」
「あん?」
……じゃあ、逃げないでね?……ですかね?
雷姫という翻訳機がないので、本当のところは分からない。だが、黙っていなくなるのが嫌なのは、今までの構って行動で何となく分かる。
「逃げない。逃げないから、大量の水をかけるのだけはやめてください」
「わふんっ♪」
私の答えに満足したのか、リランは私ではない誰かの元へと駆け寄っていった。
ちなみに、一番濡れてるのはツバサちゃんで、次にしーくん、レオン君、私、ティールの順。
途中参加の私ですら、そこそこ濡れてるので、初めからリランと遊んでいた三人はびっしょりである。
「というか、ティールはズルいよね」
私がリランかのダイブ攻撃から逃げようとしていた横で、スイちゃんとの水かけ合戦なんてものをしていたはずのティールなのだが、全くと言っていい程に濡れていない。その秘密は青色に淡く光る瞳にあった。
「そりゃ、生まれ持った能力は駆使するべきだろ?」
「まあ、そうかもしんないけど」
「大丈夫。手加減はしてるし、使いすぎないようにしてるから」
そこじゃねぇが??
……とにかく、だ。
タオルは持ち合わせているが、ここまで濡れることは想定していないため、着替えはない。また、一般人に解放されていない場所でシャワーとかもないから、いいところで切り上げないと風邪を引きかねないだろう。
体力お化けのリランや水慣れしまくってるしーくん、能力でずぶ濡れ回避してるティールはともかく、他メンバーはそうも言ってられない。
「日も傾きかけてるし、そろそろ帰ろっか。夏とはいえ、このままだとまずいでしょ」
「だなー? こんなに濡れといてあれだけど、元々、濡れていい服でもないしな~?」
レオン君が遊び足りなそうなリランを捕まえ、砂浜へと戻ってくる。それに続いて、ツバサちゃんとしーくんも海から戻ってきた。
「うみ、たのしーね! でも、おくまでいきたかったなー」
「しーくんが言うと洒落にならんなぁ……また今度ね?」
「はーい!」
沖合いまで行って帰ってこなさそうな気がするよ、この子は……大丈夫なんだろうけども。
鞄から人数分のタオルを引っ張り出し、皆に手渡していく。濡れた髪や手足等拭き終われば、各自帰り支度を始めていく。
帰り支度なんて言っても、身なりを整えられるだけ整え、忘れ物がないかチェックするくらいなのだが。
「短い時間だったけど、遊んだ遊んだ~♪ アラシがいないのが残念だったぜ♪」
「アラシ君がいたら、リランももう少し大人しかったかなぁ」
獲物が一人増えるもんな。絶対、そっちの方が楽だったよ。……まあ、それは置いておくとして。
「帰るか! 皆、忘れ物はない? 大丈夫?」
「はいっ♪ 大丈夫でっ……くしゅっ!」
あらあら、ツバサちゃん大丈夫?
随分と可愛らしいくしゃみしてるけど……よくよく考えたら、リランの被害─リランだけとは言わないけど─に一番遭っているのはツバサちゃんだ。そこまで冷たい風が吹いているわけでもないが、体が冷えてきたのかもしれない。
「早く帰って、お風呂に入れてもらおっか。風邪引いちゃうかもしれないし」
「う~……はい。そうします」
ツバサちゃんは私が渡したタオルを肩から掛け直しながらニコッと笑う。
……風邪、か。
アルフォースさんの言葉通りなら……もしかして、明日……?



~あとがき~
とりあえず、リランがはしゃいだ話。

次回、ほのぼの日常(?)を送ります。

なんかもうちょっとはしゃぐところを書きたかったけど、ラルが思ったより保守的な動きしかせんかった。もっと青春しろや!!←?
あと、幼児の雫が沖合いまで行きたい発言してますが、皆さんは駄目ですからね。帰ってこれなくなりますからね。やっちゃアカンですよ!
雫? 雫は平気な顔して戻ってきます。あの子は特別です(笑)

ではでは。