satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第374話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわちゃわちゃしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、噂のモグラ……いえ、モーグラーさんがやってきましたね! ツバサちゃんにけちょんけちょんにされた挙げ句、ラルにトドメ刺されてましたが。
ラル「モーラスね、モーラス」
はい! 今回はまた趣向を変えて、きゃっきゃっするぞお~♪


《L side》
モーラスを撃退した後、遠巻きに見ていた貴族達も、落ち着きを取り戻し─の割には、私達を避けている気もしなくはない─、パーティーへと戻っていく。
「んもー! なんなんですか、あの人っ!」
お怒りモード&令嬢モードを切ったツバサちゃんは、ぷりぷり怒りつつ、先程のモーラスに対する不満を露にする。
「ラルさんのこと、散々バカにしてきて! ラルさん、こんなにいい人なのに!」
「ははは……私は気にしてないよ?」
「むう~……でも、ラルさん、なんにも悪いことしてないのに。あんな風に言わなくってもいいじゃないですか。平民とか貴族とか、関係ないです! ラルさんはラルさんなのに」
……ツバサちゃんの地雷ってもしかして?
「……ツバサちゃん、さっきのって私のために怒ってくれてた?」
何かの地雷は踏んでるとは思ってたけど、差別用語とかそんなところだろうと勝手に思っていた。
「そりゃそうですよ! 私の大好きな人のこと、バカにされたんですもん!」
「そ、か……ありがとう、嬉しい」
「ほえ?」
「私のために、あんな風に怒ってくれたんでしょ? まあ、ルーメンさんやセラフィーヌさんのためもあるかもだけど……だとしても、理由の一つに私が含まれてるのは、ちょっと嬉しいかも」
私はツバサちゃんの頭を優しく撫でる。パーティー会場でこんなことしちゃうのはよくないかもしれないけれど、少しくらいなら問題ないはずだ。
「かっこよかったよ、ツバサちゃん。私のこと、守ってくれてありがとね」
「ふにゅ……あの人のこと考えると、まだムカムカしますけど……ラルさんは、もういいんですか?」
「うん。もういいよ。……それにずーっとぷんぷんしてたら、可愛い顔が台無しだよ、ツバサちゃん。笑って?」
「……ラルさんがそう言うなら」
よしよし、やっぱりツバサちゃんには、可愛い笑顔がよく似合う。
「あ! 私もラルさんにお礼言わなくちゃです。ありがとうございました!」
「……? 何かしたっけ?」
モーグラー、追い払ってくれたので! 私にはよく分かりませんでしたが……ラルさんの雰囲気が変わったのは分かりました」
「あーね? あれは私じゃなくて雷姫だよ。いや、私のも混じってたとは思うけど……雷姫も使って、殺気を倍増させてみたの。効果あったっしょ?」
「はいっ! 効果覿面でしたっ!」
これでモーラスもちょっかい出さなくなるといいけどね~……はてさて。
「ごめん! お待たせ~!」
おや、ようやくお戻りか。
飲み物やら食べ物やらを取りに行っていた男子二人が戻ってきたようだ。
取りに行くだけで随分と時間かかったな? こちとら、二人のいない間に色々あったんですけど。
「悪い悪い! こっちも色々あってな? いやぁ、ティールがたくさんのご令嬢に囲まれちまってな~?」
ティール、お前……まあ、分からんでもないけどさ」
「やめて!? 納得しないで!? 大体、レオンがさっさとフォローしてくれたら、すぐに戻ってこれたのに」
「え? あんな面白そうな場面、すぐに終わらすのは俺のポリシーに反するだろ?」
「面白がるなっ!!」
そっちはそっちで面白そうなことしてたんですな~……
「で? ラル達は何があったの?」
……あれ、ティールに言ってもいいものか。いやまあ、いるってのはティール達も知ってるし、事細かに伝えなければ問題ないか。
「例のモグラに絡まれた」
「あぁ……モーラス様……二人とも、何もされてない?」
「はい。色々言われはしましたが、何にもないです!」
「右に同じく。色々言われるのは慣れてるし、いつも通りでした」
「……それは少し気になるけど、君が大丈夫ならいいか」
なんでやねん。気にするなよ。いつもの小鳥のさえずりやて。
ティールとレオン君が持ってきてくれた飲み物や食べ物を堪能していると、ふと会場の雰囲気が変わる。
今まで楽しげな音楽が流れていたのだが、優雅な曲調に変化したのだ。そして、それを聴いた参加者達はペアで会場中央に集まり、ダンスを踊り始めたのだ。
「……これね、ファンブル卿のご意向で、ダンスタイムが設けられてるんだ」
「一曲目は夫婦や婚約者。二曲目は自由に参加していいんですよね?」
「そう。だから……ほら、あそこに父上と母上が」
ティールの指す方を見れば、確かに、男女のペアの中にブライトさんとセイラさんがいた。
ブライトさんはセイラさんをリードし、セイラさんはブライトさんに身を委ねて、息の合ったダンスを披露していた。
「流石、おしどり夫婦……めちゃくちゃ慣れてるね」
「あはは♪ そりゃ、伊達に何十年もペアダンスしてないよ。それにあぁいうダンスは、貴族の必須科目みたいなものだしね。踊れない人の方が少ないよ」
そういうものか……
「話が逸れたけど……今回は大体、五分間隔かな。そこで曲が変わるから、ペアを入れ換えたり、人を変えたり……まあ、好きなようにどうぞってなると思う」
ふーん。そうなんだ。
パーティーの参加者が踊るってことは、ティールやツバサちゃんも?
「いえ、私と身長の合う人がいないので、参加しません」
確かにツバサちゃんは小柄だ。周りの男性陣とはちょっと合わないか。
「ぼくも踊るつもりない」
「あ~……つっても、ティール……それはちょっと無理があるんじゃね?」
そういうレオン君は、ちらりと目線を別の方へと向ける。そちらには、複数の女性達がこちらの様子を伺うようにちらちら見てきていた。
きっと、あの子達は全員、ティールと踊りたいのだろう。一国の王子様と踊るチャンスなんて、そうそうないからってのは、容易に想像できる。だって、ティール自身も、こういったパーティーに顔出す機会は少ないと言ってたし。
「これを機にティールとお近づきに~……って子達もいるんだろね? 人気者は辛いね」
「うえぇ!?」
「だよな~? 噂の件もあるし、ツバサもいるから、今のところ、無理矢理、誘ってダンスしよう~……とは、してこないと思うけどな? つっても、周りのお嬢様達は、ツバサが参加しないなんて知らねぇし?」
それな~……?
近付いてこないのは、参加者であるツバサちゃんがいるのと、令嬢同士の牽制があってこそ。仮にティールが少しでも動く素振りを見せようもんなら、令嬢達も動くだろうし、誰とも踊らずに会場を出るのは無理がありそうだ。
「えぇ……ぼく、本当に誰とも踊るつもりなんてないのに」
「あ、じゃあ、ラルさんとティールさんはどうでしょ!」
「「………………え?」」
「レオンも言っていた通り、身長差もあって私は誰かと踊るつもりはありません。でも、私の代わりとして、ラルさんが踊れば、他の方々もティールさんを取り合うことはないんじゃないかと」
理屈は分かるけど。それ、別の火種も生みそうな予感が凄い。
……いや、そもそもだ。
「私、ダンスとかしたことないけど。何て言うのこれ、ペアダンスっていうの? とにかく、やったことないよ」
剣術の舞はできるけど、あれはペアダンスとは違う。
こんな動きにくいドレスで慣れない動きなんてしたら、転ぶに決まってる。やだよ、大勢の見てる前で恥さらすなんて。
「ラル、器用だし、ノリと勢いで、なんとかなりそうだけどな?」
「レオン君は私をなんだと思ってるの。やったことないって言ってるじゃん! 無理ですけど!?」
「その辺はほら……ティールが教えてやりゃ、なんとかならね?」
何とかなるような単純なものではない気がしますけど!!
「身長的にもお似合いだと思います♪」
「二人で探検隊組んでるし、息はピッタリだろ? いけるいける♪」
なんでやる方向に話が進んでるんだろう。



~あとがき~
なんかまだ一波乱ありそうな話題。

次回、ラルとティールのダンス。

何度か言ってるような気がしますが……
ラルは他人からの罵倒というか、悪口等々は慣れてます。とは言え、全く気にしない、傷付かねぇって訳じゃないんだけど、耐性が馬鹿高いだけです。適当な罵倒なら、さらっと聞き逃せます。
ティールはラルのそんな強い一面を知りつつも、気にしない、傷付かない訳じゃないのも知っているので、ちょいと気掛かりなところがあるのです。
大分前のツルギ君の悪口云々で、ラルがティールにバレるのを気にしていたり、バレた後、ティールがいい顔してなかったのは、そういう理由もあったのでした。

ではでは。