satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第378話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわちゃわちゃしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ラルが鈴の音を聞いたり、謎の人物の声を聞いたり、朝御飯食べつつ、怪談話に花を咲かせました!
ティール「朝から怖い話する必要って何っ!」
ツバサ「……」←無言の高速頷き
仕方ない。そういう流れだった。


《L side》
楽しい楽しい朝食後、各々が解散する中、私は仕事に向かうであろうブライトさんを呼び止めた。
断ったっていいはずなのに、ブライトさんは嫌な顔一つせず、「何かあったのかい?」と優しく問うてくれる。
「お忙しいところすみません。……実は昔、ティールが聞いたっていう鈴の音の話、少し詳しく聞きたくて」
「? 私は構わないが……どうしてだい?」
「なんとなく、気になったので。私、気になったら調べたくなっちゃうんですよ~♪」
本当は私も鈴の音を聞いたからです!……とは言えない。
ブライトさんは「ラルさんらしいね」と小さく笑い、数秒だけ思い出すように沈黙すると、ふと、こちらに視線を戻した。
「詳しい時間帯までは覚えていないんだが、真夜中にティールが一人で廊下を歩いていた時、鈴の音を聞いたらしい。それと、光の中で揺れる人影も見た、と。その時は誰もいないのを確認しているらしいから、人影は何かと見間違えたのだろうね」
ふむ。人影、とな。
しかし、そこは真面目なブライトさんと言うべきか。怯える息子の話を聞き、調査をしたらしい。
「私達はペットなんて飼ってはないし、魔法使用者ではないから、精霊の類いが彷徨いているはずもない。当時の家臣や警備らの精霊魔法使用者の中にも、鈴をつけた精霊は従えていなかった」
ほうほう。つまり、鈴の正体も分からないし、人影らしき何かも謎のまま、か。
「だから、その時は、たまたま迷い込んだペットか何かがいたんだろうと、勝手に結論付けているよ。当時のティールにも、そのように説明してはいるが、相当怖かったのだろうね。今でもこの類いは苦手のようだ」
「なるほど。ティールのビビリの原因はそれだったのか」
ブライトさんの調査によれば、当時のそれは部下の人でもなければ、精霊でもない。音は迷い込んだペット。影は幼いティールが光の中、揺れる何かを人だと見間違えた、と。
つまり、ブライトさんは偶発的に、偶然、何かが噛み合っただけだと思っていると。
確かにブライトさんが侵入者とか見逃すなんて考えにくいし、お化け云々を信じるのも変な話だ。筋は通っている気はする。……する、けど。
ブライトさんが迷い込んだペットを見逃すのだろうか? 名高い剣士と噂のブライトさんが?
「私が知っている当時の話はこれくらいだ。もしくはティールが何か知っているかもしれない。幼かったとはいえ、当事者ではあるからね」
「……まあ、確かに」
けど、あのティールが鮮明に覚えてるかな。怖すぎて、何にも覚えていない可能性すらあるけど。
「じゃあ、ラルさん。失礼するよ」
「あ、はい! お忙しいところ、ありがとうございました!」
これ以上、多忙なブライトさんを引き留めるのはナンセンスだ。また何か聞きたければ、後で聞きに行けばいいや。きっと、ブライトさんなら時間を見繕ってくれるし。
「……さぁて、と。我が相棒と合流っすかね~?」
ぐっと背伸びをした後、私はティールの部屋へと歩みを進めるのだった。

「──はあ!? さっきの話が全部、本当!?」
「おっす。ってことで、調査しようぜ~♪」
私はティールの部屋に来て早々、先程、夢として語った話が全てリアルで起こっていたこと、その際に謎の声と封筒を見つけていることを共有した。
彼は何を防御できるのか、ベッドの上でふかふかの布団を頭から被り、産まれたての小鹿のようにぷるぷる震え出した。
私はぷるぷるティールには反応せず、近くの椅子を引っ張ってきて、ベッド近くにセットすると、そこに腰かける。
ティール、昔、鈴の音聞いたんでしょ? 声は聞かなかった?」
「聞いてない! 聞くわけないっ!」
「そこまで必死に首振らんでもいいよ。取れるぞ、首が」
「取れるかぁぁ!! 取れてたまるかっ!!」
涙目&震え声で反論されても、威厳なんてなければ、怖くもない。もっといじってやりたい気持ちもあるのだが、ここはぐっと我慢する。でないと話が進まない。
「ふーむ。で、声の主さんが『ぼうけんのしょ』ってのを見つけてくれって言ってたんですけど。ティールが知ってるだろ~って」
正確には可愛い王子様だけど、きっとティールのことやろ。ここにいる王子様はティール一人だけだから。
「はあ!? ぼくがそんなん知るわけ……いや、待って……?」
おやおや?
ティールは涙目になりながらも、『ぼうけんのしょ』とやらを思い出そうとしているのか、何度か唸る。
「……昔」
数十秒間、唸り続けた効果か、彼の中から答えを見つけられたらしい。ぽつりぽつりと話し始めた。
「ぼくが『ぼうけんのしょ』って呼んだ本がある……もしかしたら、それのこと、かな」
「その本、どこにあるの?」
「書庫だよ。後で案内する。……それで、ラルの拾った封筒っていうのは?」
ようやく探検隊スイッチ入ったか? これで、少しはましになるといいけど。
私はポケットから封筒を取り出し、布団から抜け出てきたティールに手渡した。彼はそれを数秒眺めるものの、諦めたように首を振る。
「ごめん、ぼくには分からない。……けど、仕事関係の手紙とかではないと思う。そういうのは、決められた印が押されるから。そもそも、手紙とかって大抵、ぼくらの手に渡る前に検閲されるんだけど、それをされた形跡もない。……つまり、身内の誰かから持ち込まれた可能性が高いかも」
ふむ。身内かもしれないとはいえ、不審物の可能性は捨てきれないのは確かだ。
朝、見つけた時は一人だったから、何もできなかったけど、今なら。
「視てみる?」
「うん、そうだね。頼んでもいいかな?」
「了解。ちょっと待ってね」
ティールから封筒を受け取り、私は意識を集中させる。
──集中、してみたのだが。
「駄目だ! なーんも視えません!」
なんなら、能力が発動する気配すら感じない。集中力が切れているわけでも、何かに気を取られているわけでもないのだが、なぜか視ることができなかった。
「ありゃ、調子悪いの?」
「んえ~? そんなことはないと思うけど」
主観になるが、体調はばっちりだし、朝ごはんだって、きちんと食べた。文字通り、元気一杯なんですが。
私は首を捻りつつ、無言で目の前のティールに抱き着いた。
「ふぁ!? あ、あの、ラル、サンッ!!??」
突然、抱き着かれたティール君が謎のパニックを起こしていますが、放置しておきましょう。
いつものように意識を集中させる。
数秒後、くらっと目眩が起こると、とある光景が脳裏に浮かぶ。
幼い頃……恐らく、三歳程のティールが可愛らしい白とピンクのお姫様ドレス─ドレスというか、ロリータっぽさはある─を着せられている光景だ。犯人は言わずもがな、セイラさんだ。
幼いティールは現状を理解しきれていないのか、きゃっきゃっとはしゃぐ母を不思議そうに見上げている。
──という光景を“時空の叫び”で視ることに成功した。つまり、私は不調でない。この封筒と相性が悪いだけってことだ。
ふんふんと何度も頷き、私はティールから離れると、にこりと笑ってみせた。
「ありがとう、ティール。私は絶好調ってことが証明されたわ。コンディションは無問題です」
「そ、そう……いきなり抱き着くからびっくりしたよ。視るなら視るって言ってくれたらよかったのに……」
私の謎行動にペースを乱されていたらしいティールは、ほっと胸を撫で下ろしていた。が、すぐに何かに気づいたようで、私を見上げる。
「絶好調ってことは、何かを視たんだよね? ぼくの何を視た?」
「特に何かを指定したつもりはないです。けど、ちっちゃい頃のティールを視ました。とても可愛いでした。幼児ティール君、よかったです。……セイラさん、流石の趣味してるね♪」
「……んなぁっ!?」
私がはっきりと何かを言った訳ではないけど、思い当たる節はあったのだろう。恥ずかしさからか顔を赤くし、力強く私の肩を掴む。
「忘れろ! すぐに忘れろ!!」
「無理だよぉ……あんな可愛い姿、しばらくは忘れらんないって。このご時世、息子を姫として育てる必要はないけどさ~? いやぁ、分かるよ? めっちゃ可愛い息子を可愛くしたいよねー!」
「どうでもいい! 今すぐ忘れろ!!」
「だから、無理だってば~♪」
「じゃあ、ぼくを殺せ」
「突拍子もないこと言わんでください。というか、去年の文化祭で─」
君、女装して劇に出てましたよね、と続けようとした。……のだが、どういう訳か、私はティールにベッドに押し倒され、キスしてしまうんじゃないかって距離まで顔を近付けられていた。
……いや、これ、どういう状況!?
「それ以上言ったら、どうなっても知らないからな」
「ア、ハイ」
あ、あの、ティールってこんな押しが強い人でしたっけ!? あ、いや、そうか。ここぞって時の押しは強いわ……すっかり忘れてたけども。



~あとがき~
あんなんでも付き合ってないです。

次回、封筒の中身と差出人。

なんか小さい子って女の子なのか、男の子なのか、分からない子っているよね。ティールはその部類でした。
そんなん、セイラの趣味が爆発するやんってことでな。幼い頃のティール君、好き勝手に可愛いお洋服着せられていた模様。本人はその過去を知っているので、ある種の黒歴史みたいな感じです。本人が何かした訳じゃないのに、恥ずかしい過去になるの可哀想で笑う。←酷い

ではでは。