satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第109話

~前回までのあらすじ~
ポチャ君たちの話は一旦終わりです。ピカとフォースに戻すよ! いえい!
ピカ「………うちら、何してたっけ?」
フォース「え? あー……なんだっけ?」
あれだよ! あれ! あの………あれだよ。
ピカ「ずーっと出番無かったし、この小説も久しぶりだし、そもそも、作者が執筆するの久しぶりだから全然駄目だし!」
フォース「書き方忘れてんだろ。この人」
言わないで……………(^∀^;)
えーっと、ラウラさんとバトルする話に入っていいのかな。いいよね! はい、やるね!
始めるね!
ピカ、フォース
「ごーいんだな、こいつ……」


パルキアから貰った鍵を使って元の次元に戻ってきたピカはフォースにばれないように帰ってきた。……わけではなく、隠すことなく普通に戻ってきた。そのことに気づかないはずもなく、フォースはちらりとピカの方を見る。
「おかえり。どこ行ってた?」
「ん? 夜這い」
「もっとましな嘘をつけ。まあ、いいけど」
「いいんだ。もっと心配してくれてもいいのよ?」
「誰がお前みたいな奴、心配するかよ。そこら辺にいる男より強いじゃねぇか」
「ほめてないよね。それ、絶対にほめてないよね?」
ピカの問いに答えることはなく、ふいっと視線を外した。ピカはピカで近くの木の下に座り、ふわりと欠伸をする。今日一日で色々あったためか、座った途端、睡魔が襲ってきた。ここで寝てしまうのはどうかと思うところはあったものの、勝てるはずもなく、うとうとし始めた。
「ごめん………ちょっと寝かして…」
「まだ時間あるし、別にいいよ。なんもないと思うけど、周りは見張っとくから。……おやすみ」
「ありがと。そうしてもらえると助かるわ……」
まぶたを閉じると本格的に睡魔が増し、意識を手放すことは容易かった。

ピカが眠った後、フォースはしばらく少し離れた木の上に座っていた。そして意識を集中させ、このあと戦うであろう、ラウラの気配を探す。
ファウスがどんな考えでフォースをこの役目に指名したかはわからない。しかしピカはラウラのためにやる必要があると説いた。ラウラがフォースを選んだのだ、と。
「結局、ラウラは自分が消えたかったってことかよ。……こんなのって…」
やりたくないなどと駄々をこねたとしてもファウスが許すはずもない。現に先程冷たくあしらわれたのだ。本当のことをファウスが知っていたとしても反応は同じだろう。
そんなことを考えていると、ぴくんと無意識に耳が動いた。フォースはその場に立ち上がると、ラウラが指定したらしい森を見つめる。
そもそもの話、フォースがここまで来た理由はラウラに呼ばれたからであり、その言葉を聞いたのも初めに戦った直後だった。しかし、そうは言っても本人から直接聞いたのではなく、もう一人のフォース…ウィルから伝え聞いたのだった。

『なんかー待ってるらしいぜー?』
『あ? 誰が。何を。どこで。つか、何普通に話しかけてきてんの』
『いいから聞けよ、主人格様よー』
『んだよ。用があるならさっさと言え』
『白の制御者が、ここから北東にある森でお前を待ってるってよ。お前寝てたから、俺様が聞いてやったんだよ。ありがたく思え』
『ありがたくねぇし。………北東の森か。ちょっと遠いな』
『知らねぇよ。とにかく、俺様は言ったからな? あとはてめぇ次第だ』
『? お前、心配してんの?』
『はぁ? 誰がするか。バーカ』

「………今思えば、あれがウィルにぃの演技なのか微妙だな。ウィルにぃ、怒ると怖かったし、言葉遣いも荒くなるし」
まだウィルだと知る前に交わした会話を思い出しながら、案外あれが本性なのかもしれないと結論付ける。
しかし、とフォースは自分の手のひらを見つめながら考える。もちろん、これからの戦いのことを、だ。
どう戦うべきか、どう動くべきか、何を成すべきか、考えるだけで答えが見つかるなんて思ってもいないが、考えることしか出来ないのもまた事実。
考えていると、どうしても何をどうすれば回避出来るのかを思ってしまう。その考えを払拭するかのようにふるふると頭を振る。
「違う。逃げるな。やることは分かっているはずだ。分かっている…」
ふう、と短く息を吐き、決心を固める。
ふと下を見ると座って寝ていたはずのピカはバランスを崩したのかその場に倒れ、丸まっていた。それでもすやすやと寝ているようで、問題はないようだ。フォースはそれを見ると、木の上から降り、畳んであったマントをピカに掛ける。
「無用心だな、こいつ」
しゃがんで近くで観察しながら呟く。
ピカ自身は大して気にしていないのかもしれないが、女の子がこんなところで警戒心もなしによく寝れるものだ。フォースが監視しておくとは言ったものの、ここまで熟睡してしまってもいいのだろうかと心配になる。
しばらく黙ってピカの寝顔を覗きこんでいたが、それもあきたのかピカの隣に座った。そこで数日ピカと過ごしたことである疑問が浮かんでいたことを思い出した。
「…………なあ、おれずっと聞きたいことがあったんだ」
どうせ聞いていないのだから、他の人に面と向かって聞けないことを吐いてしまおうと考えたのだ。
「お前達ってどうしてそこまで他者に構えるんだ。結局一人きりなのに。勝手に死んでいくものなのに。……関わってその人がいなくなって辛いのは残された方だろ。それなのにどうして関わりを持つ?」
「…………それは一人じゃ生きれないからだよ」
寝ていたと思っていたピカがぽつりと呟いた。驚いたフォースはピカの方を見るが、ピカが横になっているためか表情が読めない。
「私達は弱いの。一人じゃなにも出来ないくらい。だから、一緒になる」
「こんな世界で?」
「フォース君がどんなことを思って、そう言うのか分からないけれど、私は好きよ。皆がいるこの世界が。……そりゃ、いいことばかりじゃないけど、それ以上にポチャやギルドの皆……仲間がいるこの世界が好きなの」
そこまで言うとピカは起き上がり、にこっと優しく笑った。その笑顔はやはりと言うべきか、無くしてしまった笑顔によく似ていた。
「それに私、死ぬって話、私が仮に死ぬときがあってもそれは肉体が死ぬって思ってるんだよね」
「……?」
「よく言うじゃん。肉体は滅んでも、魂は死なないっ! ってやつ。私のことを誰かが覚えている限り、それは死んでないのと同じだって思うから」
「自分勝手だな、それ」
「そうだね。私、そういうのは都合のいいように考える主義だから。私の知っている人が死んでしまっても、そんな風に考える。覚えていれば、忘れなければ、その人はここにいられるでしょ? 逆に言うと、誰にも覚えられなかったら……忘れられたら終わりなんだけどね」
気まずそうに笑うピカを見て、フォースは何か言おうか迷う。ピカも何か思うところがあって、そう言ったのだろう、と思ったからだ。しかし、言葉が見つからず、結局黙ってしまった。
「でもまあ、フォース君に私の考えを押し付けることはしない。それぞれの考えがあるもの。嫌いでもいい。けど、せめてイブちゃんだけは……継承者は認めてあげて。彼女が住むこの世界を彼女が好きだと言えるものは認めてあげて?」
「…………分かってるよ、そんなこと…」
ふいっと視線をそらし、立ち上がる。これ以上、話はしないという意思表明だ。ピカもそれ以上口を開くことなく、すくっと立ち上がり背伸びをした。
フォースの目にピカがどこか儚げに映り、何か言わなければと思った。何か言わないと消えてしまいそうなそんな雰囲気だった。さっきは言えなかったことを今、言ってみようと。
「おれはお前のこと、忘れたりなんかしないから」
「………!」
「それなら、ラルがこの世界から死んでもおれの中じゃ死なないんだろ? ずっと覚えとくよ」
「…えへっ……ありがと、フォース君」
照れ臭そうに笑ったピカは、フォースに背を向け、表情が読めなくなった。会話を続けるのが恥ずかしくなったのかもしれない。
「それに………お前は嫌いじゃねぇ」
ぽつりと呟いたその言葉にピカは反応しなかった。聞こえていない訳ではないだろうが、する必要がないと思ったのだのだろう。それはフォース自身も理解していた。関わりたくないと思っていた自分の心の変化に気づいてしまったのだ。変えさせたのは、恐らく、彼女の存在だろう。
「さて、最後の対決だよ。準備OK?」
「あぁ。いつでもいいぜ」
覚悟は決めた。どうなるかはフォースにも予想はついていない。しかし、フォースは勝たなければならないのだ。
「待ってろよ、ラウラ」



~あとがき~
久し振りでよく分からないけど、とりあえず終わりです!
次回、フォースVSラウラ戦!
今回で入れなくてごめんなさい……

フォースはまあ……あれっすね。人の嫌な部分しか見ていないので、人に対する印象や、その世界については何とも思っていません。というか、嫌いですね。はい。
最初は普通でした。可もなく不可もなくって感じで。でもその考えが変わったのは鈴流ちゃんの件があったからなんですねー(;・∀・)
なので、心の底では何を考えているのか言いませんが、いいことは思ってませんね。
そんなフォースを変えたのは……はてさて、誰でしょうね? わざと名前を出しませんでしたが……そこはご想像にお任せします!

ではでは、次回をお楽しみに!