satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第450話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でだらだらしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、午前の部ラスト競技、パン食いレースが終わりました!
ティールは無事、ジャムパンを手にできたのでしょうか……?
ラル「そこ、重要か!?」


《L side》
無事、パン食いレースも終了し、異様な熱狂も落ち着きを取り戻した頃。
『一日目、午前の部も無事に終了だ! おつかれさん! ここからは皆様、お待ちかね! 昼休憩の時間だ~~~!!!』
『体育祭期間中は例年通り、学校からお弁当が支給されます。今年もレイ学の食堂でお馴染み、料理長のゴンツさんお手製のランダム弁当です♪』
これもまた、体育祭の醍醐味かもしれない。
ゴンツさんのランダム弁当とは、別名、試作弁当とも呼ばれ、学食の新メニュー候補の料理やおかずがランダムに入っている弁当のことだ。そのため、どんな弁当なのかは受け取ってみてからのお楽しみである。
「食堂の奴ら、よくもまあ、生徒全員分を用意できるよな? しかも、全部一緒じゃなくて、ある程度バリエーションのあるやつ」
「しかも、全生徒、だもんね? ここ、千人くらいいるんでしょ?」
「最早、業者じゃねぇか……気が滅入る」
分かる。料理する身としては、沢山の種類のお弁当を用意するの、嫌だもん。でも、これはあくまで私とフォース君の主観なので、ゴンツさんは嫌とか思ってないんだろうな。プロだし。
……さて、そんなランダム弁当は一度、自分のクラスに戻って、そこで担任の先生から受け取る方式だ。そこから各々、好きな場所で昼休憩となる。
「さて、と……今年も皆で一緒に食べるでいい? ステラちゃんやリーフちゃん、予定ある?」
「いえ! 私は大丈夫ですよ♪」
「ワタシも! 今年もご一緒させてくださいっ♪」
了解。なら、集合場所も例年通り、中庭辺りでいいか。そこから人が少なそうなところに移動すれば問題なさそうだ。
「……一応、おれにも聞けば?」
「え!? 問答無用で強制参加の人に何を聞く必要が!?」
「うっぜ」
お黙り。なんなら、お弁当の受け取りも、私と一緒に行くんだよ。フォース君は!
私は嫌がるフォース君の腕を掴み、強引に引っ張るようにその場を離れた。ティールはまだここに戻ってないけど、どうせクラスで合流できるので、こちらで待つ必要はないだろう。
そして、ステラちゃん達は中等部なので、校舎は別になる。ここで一旦、解散だ。
「二人とも、また後でね~♪」
「はい。ラルさん、すーくんをお願いします!」
「まっかせろ~♪」
「こいつら、覚えてろよ……!」

私はフォース君と一緒に一度、教室に戻ってきた。教室ではすでに昼食の配布が始まっており、受け取ったクラスメイト達が楽しそうに移動していたり、そのまま教室で食べ始めていたりしていた。
ちなみに、ティールの姿はない。
「お弁当の数からして、まだ半分も戻ってきてないっぽいね?」
「あ~……あいつ、ジャムパンに意識向き過ぎて、これ、忘れてるとかないよな?」
え? いやぁ……流石にそれはないと思うけどね。とりあえず、私達は受け取ってしまうか。
先生からお弁当を受け取り、一旦、空いている席に座る。待っている間は暇なので、適当に話でもしていよう。話題はやはり、目の前にあるお弁当だ。
「フォース君って好き嫌いなくていいよね……何が出てきても、お弁当、美味しく食べられるもんね」
「なんだよ、突然。……まあ、これに激甘スイーツとかなければね。お前だってそこまで好き嫌いない……って、辛いの駄目なんだっけ?」
ピリ辛とか、ちょっと無理ですね」
何かトラウマがあるとかではないのだが、私は辛い料理が食べられない。カレーで言うところの中辛もしんどい。
辛み成分が口に残る感じが駄目なのか、刺激物自体が駄目なのか……とにかく、嫌いなものは嫌いです。
「あのくそまずダンジョン飯を食べる方がましなんだよね」
「あぁ……ダンジョンでポップする謎の食料ね。あれと辛い料理が同等なの、ヤバイな。あれ、食べるもんじゃなくね?」
あれを食べる時は最早、無なんだよな……何も考えてないし、何も感じないようになると言いますか。とは言え、あれはあれで極力、手を出したくない代物なんだけど。
そんな話─昼食前になんつー話をしてるんだって感じだが─を二人でしていると、ウッキウキのご様子のティールが教室へ戻ってきた。彼の手には先程の戦利品と思われるパンが一つ。
「ただいま~♪」
「おかえり。目当てのもん、取れたのか?」
「うんっ! バッチリ!」
フォース君の言葉に素直に頷き、満面の笑みを見せた。彼の様子を見れば、一目瞭然ではあるけど、やっぱり手に入れていたようだ。
「パンもいいけど、早くお弁当ももらってきて? この後、中等部二人と待ち合わせてるんだから」
「分かった。ちょっと待ってて?」
「……ラルは手慣れてんね、あいつの扱い」
それなりの付き合いですから。あぁいう時のティールは、こちらから促さないと動かないからな。
ようやくティールも自分の昼食を手にし、私達は教室を退出した。目指すはステラちゃん達の待つ、中庭である。
私達が中庭に到着すると、すでに二人は自分達のお弁当を受け取っているらしい。お弁当の入った袋を抱えて、空いているベンチに座っていた。
「ごめーん! 二人とも、待った~?」
「ラルさ~ん!」
「大丈夫です。ワタシ達もさっき着いたので! ティールさん、パン食いレース、お疲れ様でした♪」
「ありがとう、リーフ」
ちゃんと合流もできたな。後は食べる場所だな。このまま中庭で食べてもいいんだけど……一つ、問題がある。
「フォース君、どこにする? ここでもいい?」
「ここじゃないとこがいいです」
だよねぇ……
中庭は私達以外にも多くの生徒が昼食の場所として選んでいるらしく、結構な賑わいを見せていた。
一番、楽なのはどこかの空き教室とか、生徒会室を使うことだけど、体育祭中はサボり防止なのか、空き教室は終日施錠されている。いやまあ、私にはマスターキーがあるので、一応開けられるけど……ズルはよくない。同じ理由で生徒会室も開けられるけど、生徒会室を使うのはグレーだよねぇ?
「……比較的、人が少なそうなところに行こっか。フォース君なら探し当てられるでしょ?」
「じゃあ、こっち」
人気の少ない場所を探すプロを先頭に学園内を移動していると、見覚えのある男女とすれ違う。
白の狐族の女の子と赤の牙狼族の男の子……言わずもがな、ツバサちゃんとアラシ君だ。
あちらも私達に気付いたようで、ツバサちゃんがパッと顔を輝かせ、ブンブンと手を振ってきた。
「あ、ラルさん! それに皆さんも!」
「やっほ。そっちは二人だけなの? デート?」
「んなわけあるか! レオンとアリアと待ち合わせてんの!」
どうやら、アラシ君とツバサちゃんは幼馴染み達とお昼を過ごす予定らしい。ミユルちゃんとシエル君の名前が出てこないところを見るに、二人はまた別で約束があるのだろう。
「そだ。ラルさん、あーちゃん、教室で見かけませんでした?」
「いや? いなかったと思うけど……いた?」
と、男子二人に目配せをする。
「おれは知らん。……少なくとも、おれ達がいる間は教室にいなかったよ」
「ごめんね? ぼくも知らないんだ。パン食いレース後、一緒に教室行くか聞いたんだけど、残ったパン貰いに行くとかなんとか言って、別れちゃったんだよね」
え、レースに使われなかったパン、貰いに行ったの? 破棄されるより、誰かに食べて貰った方がいいかもしれないけども。
「そうですか……ってことは、パン貰って、教室行って……自前のお弁当も持ってってするから、もう少し時間かかるかな?」
「かもな。なら、先にレオンと合流っすか?」
「うん。そうしよっか。……あ、あの、ラルさん」
「ん? なぁに?」
「もし、皆さんがよろしければ、お昼、一緒に食べませんか……?」
私は構わないし、多分、ティール達も問題ないだろう。問題があるとするなら、フォース君くらいか。
「フォース君が決めて~」
「…………嫌だっつったら、うるさい人がいるんで、好きにしてください」
ステラちゃんの睨み……もとい、熱い視線にフォース君は大人の対応をする。流石、お兄さん。
「わあ! ありがとうございます! アラシもいいよね?」
「俺の確認は事後かよ……まあ、いいけどさ」
「えへへ♪ じゃあ、あーちゃんとレオンと合流したら、ラルさん達のところに行きますね! 皆さん、どちらで食べるんですか?」
……私らはどちらで食べるんでしょうね?
私達はフォース君に視線を向けた。如何せん、場所のチョイスはフォース君に一任している。つまり、行き先は彼しか知らないのである。
フォース君は少しだけ考え、すっととある場所を指差した。
「あの建物の影。あの辺にいる」
「分かりました! では、また後程ですっ♪」
フォース君がそう言うってことは、あの辺は人がいないってことなんだろうな。
まあ、それはそれとして。
いつもより大所帯になりそうだし、私達は先に行って、場所を整えておきますか。



~あとがき~
競技パートは一話でしたが、昼パートは何話か続きそうですね(笑)

次回、お弁当だー!

この体育祭編、ラルチームとツバサチームが絡むところがほとんどないです。まあ、お互い、別々に観戦してるので仕方ないですが。
なので、休憩時間くらいはいつも通りのメンツでね!

ではでは!