satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第271話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でお話ししてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
まさかのギルド勧誘で締めくくった前回。
これはコラボしてるからこそのあり得る世界線って感じですよね。楽しいね!


《L side》
真剣な表情を浮かべた目の前の老人から告げられたものは、私の予想の斜め上をいくものだった。何かの聞き間違いではないかと思ってしまうくらいである。
「ワシのギルドに来ないか」
聞き間違いでないのなら、そんなニュアンスのものを聞いた気がする。俗に言うギルド勧誘である。
私は隣に座る相棒の様子を窺う。
彼もまた、驚愕したらしく口をぱくぱくさせていた。しかし、その口から言葉は紡がれてはいない。
……うん。私の聞き間違いではないらしい。
「数年前からお主らの活躍はプリンやイグニースから聞いておってなぁ~♪ 何やら、しごきがいのある……基、ガッツのある探検隊がおる、とな?」
だぁれがしごきがいのある探検隊だぁ!?
んなこと言うの、あの厄介兄さんしかいないけど、もっと別の言い方があるよねぇ!? ふっざけんな!!
内心、お節介兄さんの文句で荒れている私をよそに─口に出していないし、表にも出していないから当然ではあるのだが─ルーメンさんはニコニコしながら話を続けていく。
「もちろん、話を聞いた当初は大して気にも止めておらんかったよ。プリンのところにおったのもあるし、お主らが学生でもあったしな。そんな探検隊がおるんだなぁ……くらいの認識だったわい。しかし、ツバサから話を聞いてからは考えを改めたんじゃ」
……ふむ?
「ラルの能力……“時空の叫び”の話を聞いてから、スカイについて調べるようになった。そして、調べるうちにラルの力が様々な面で役立つと感じた。特に未踏破のダンジョンの謎を解く上で活躍するだろうとな。その反面、ある懸念点も生まれた」
「それが女神の秘密……ですね。ルーメンさんの知らないところで、私が知るかもしれないと……暴かれるのではと危惧した」
ルーメンさんはゆっくりと頷く。
街の人々やほとんどのギルドメンバーはもちろんだが、身内であるツバサちゃんにも隠しているくらいだ。赤の他人の私達がそれに触れるのはルーメンさんとしても避けたいだろう。
「プリンやイグニースから話は聞いておったし、主らが悪い奴らではないと理解しておった。それでも何らかの対策は講じねばと思うたんじゃ」
「それがギルド勧誘に繋がるんですか? いや、だからってそこまで……」
ティールの言い分も分かる。それだけの理由で勧誘するのも変な話ではある。先程、女神の秘密については誰にも話しませんと言ったばかりなのに。
とは言え、ルーメンさんの言い分も分かる。
「そりゃ、身内に抱き込んだ方が楽ではあるじゃん。野放しにするより、ある程度目の届くところにいてもらった方が管理しやすいってもんでしょ?」
「ま、まあ、そうかもだけど」
「うーむ。そんな風に思うてはおらんが……分かりやすく言えばそんなもんじゃな。まあ、他にも理由はあるがの」
他の理由ねぇ?
「しかしまあ、どんな理由があったとしても表向き、ギルド勧誘となると入門条件があるんじゃよ」
例え、『女神の罪』を知る危険のある人を抱え込むという理由があっても、それを表に出して入れることはできない……ということか。まあ、周りに説明ができないし、当然と言えば当然か。
「明けの明星の入門は厳しいって聞きますし、ルーメンさんが慎重になるのも分かります」
「……え、そうなの?」
思わず聞き返してしまった私に、ティールはこくんと頷き、小さく笑う。
「ぼくらが入ってたフェアリーギルドはどちらかと言えば新人の教育機関だから、卒業できるは置いておいて……その、入るだけなら楽な方だよ。でも、明けの明星はベテランの……実力のある探検隊や探検家を受け入れるから、入門するのも必然的に難しくなるんだって聞いたよ。会社みたいなものかな?」
あぁ、うん。フェアリーギルドの卒業試験はあれだもんな。うん……うん。
フェアリーギルドが教育機関、学ぶための学校ならば、明けの明星はその先にある就職みたいなもんかなぁ。
……進路を決める年にはなったけど、就職なんて全く考えてなかった。嘘だろ。
「ギルドの施設はメンバーでなくとも利用可能ではあるんだがなぁ……メンバー、弟子となるとはそうもいかん。生半可な覚悟の弟子を取るつもりはないからの」
「あ~……つまり、今回の試験結果を元に、ギルド勧誘を受けている私達はルーメンさんの……明けの明星、ルーメン親方様のお眼鏡に叶った、と?」
私の答えにギルドの長は嬉しそうに頷く。
「どうかな? そちらとしても悪くないと思うが?」
まあ、そうだろう。
こちらとしては、有名ギルドの試験を受けるつもりはなかったが、受けちゃったもんは仕方ない。そして、それに合格を貰って、こちらの意図しない形とは言え、誘って貰っているんだから、幸運でもあり、またとないチャンスだと思う。
だと、思うけど……
「プリンから聞いたが、ラルは学園卒業後は彼の保護下から外れるんじゃろう?」
「え、えぇ……まあ、一応そうですね」
いや、待って。親方様? 人の個人情報、他人に話してんじゃないよ。やめて? お願い。
「ふむ。だとしたら、後見人はおった方がよかろう?」
「……ん? 後見人?」
「ラルがもし、うちに来るならば、ワシがラルの後見人になるということじゃよ」
…………ん~~~~???
困惑気味の私をよそに─ついでにティールも多少なりとも驚いてる─、ルーメンさんは笑顔を絶やさず、話を続ける。
「卒業後、一人の大人としてやっていくにしても、ラルはか弱い女の子じゃろう?」
うん。ティールが「か弱い」の部分で若干の疑いの目で私を見たのは気のせいだと思う。気のせいだ。気のせいだよなぁ!?
「もちろん、卒業後もプリンはラルの後見人としてあれこれやってくれるだろう。しかしまあ、そうじゃの~……例えばじゃが、ラルとティールが結婚するとしよう」
「「はい???」」
今度は二人して、困惑してます空気をがっつり表に出してしまった。しかし、ルーメンさんは全く気にしていないらしい。
「そのとき、ワシがいた方が貴族のゴタゴタを回避できるぞい? セイラさんのときもそうじゃったからな♪」
「ちょっと、ルーメンさん? ぼくとラルがけ、結婚て……結婚って!?」
「いやいや、ティールと私が? あり得ないです。私と彼は単なる友達。親友であり、相棒ってだけですよ?」
いやまあ、夢見たことが一度もないとは言わないし、恋愛感情が一ミリもないとは言わないが、現実的ではないと思っている。
単なる貴族じゃなくて、ティールは王族。私はどうよ。……はぁ、これ、考えるだけで悲しくなるんだよ。何度目だよ、全く。飽きもせず、懲りもせず……私は馬鹿かよ。
「ほう? まあ、今はそういうことにしておこうかの?」
……あは。勘のいい嫌なおじいさまだこと。
「あ、あの、母のときもって……?」
私とは違いがっつり慌てていたティールが落ち着きを取り戻し、ルーメンさんに問いかける。そういえば、セイラさんのときもって言っていたな。
「うん? あぁ、そうじゃった。このことは表向きに公開しておらんかったの。実はセイラさんは……あと、ライトもか。あの二人は今でもうちに籍を置いておるんじゃ」
籍をって……二人がギルドメンバーだと?
私はもちろん知らなかったが、ティールすら知らなかったらしい。
「名前だけでも置いておけば、ギルドの商品が安く手に入るんじゃよ。だから、律儀にギルドから除名しようとしていたライトを止めたんじゃったか。懐かしいの~♪」
真面目なブライトさんらしい。ギルドの一員として貢献できなくなるなら、脱退するも同義とでも考えたのだろうか。まあ、それが普通ではあると思うけど。
と、言うかだ。
「ギルドにいると、商品が安く手に入るんですか?」
「うむ。物によるが、三割から五割は安くなるかの? メンバー特別価格ってやつじゃの」
社員割りかな? いや、それはどうでもよくてだな。
明けの明星が取り扱う商品はどれも一級品だ。それを大量に仕入れる場合、籍を置いておく方が得である。なるほどねぇ。
「ついでに、試作品なんかも試せるのぉ~……昔、よくセラがライトに押し付けとったわい」
悪徳商法か? お得だなって思った途端、押し売りの話聞かされたんだが。どう反応すれば……?
一国の主に試作品を押し付けるセラフィーヌさん、怖いんだけど。え、怖いんだけど!?
ここに来て、理事長のイメージがどんどん崩れるのはさておき。
話は私達の加入問題へと戻る。
今までの話を聞くに、どこにも問題はないように思う。結婚云々や押し売りの話はともかくとして、損はないように思う。
ない、とは思う。思うけど。
私は……ここまで育ててくれた親方を、プリンさんの元を離れてしまってもいいんだろうか。あそこを卒業したとはいえ、フェアリーギルドにはたくさん、お世話になった。それなのに、他のギルドに入ってもいいんだろうか。
「……ラル」
分からない。……わかんないよ。どうしたらいい?
返答しない私を気遣ってか、ルーメンさんは優しい声色で私の名前を呼ぶ。
「返事は今すぐに欲しいわけではない。ラル達は『チーム』じゃし、チームへ報告なり、相談なりしたいじゃろ」
私は小さく頷く。頷きながらも、思考はぐるぐるしっぱなしだ。上手く言葉も出てこないくらいには。
「どちらを選んでもワシは構わんが……そちらとしても、入れば援助が受けられる。こちらとしても女神の秘密を知る者を保護できるから、win-winな関係、ではあるがの?」
「……ごめん、なさい。すぐに返答はできません。滞在中には必ず、答えを出しますので」
ようやく出た言葉は、解答を先延ばしにしたいという要求だった。即決するには、大きすぎる話だった。少なくとも、私にはすぐに決断できるような話ではなかった。
隊を率いるリーダーとしても。
一人の大人……いや、大人になりきれていない子供としても。



~あとがき~
とりあえず、ルーメンおじいちゃんとのお話し会は終わりかな。終わりかな。

次回、勧誘された後の二人の話。
ラルとティールだけの会議みたいなもんですね。

多分、あらかた情報は出した……はず。はず!
なんか出てなかったらごめんなさい!
出てないってことは現状、大して重要じゃない……んでしょうね。はい。(汗)

ではでは。

学びや!レイディアント学園 第270話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でお話ししてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
今回でついに270話……あとさんじゅーで、さんびゃく……さん、びゃく……だと?
ラル「記念すべき……かは、謎ですが、今回もまだまだルーメンさんとお話ししていきます」
ティール「情報量多くてパンクしそうだけど、よろしくお願いします」
さんびゃくっ!!
ラル「それを返事みたいに使うんじゃない」


《L side》
水神の子……前々からしーくんの使うものは水関連の技や能力だから、水に関係する神様なんだろうとは思っていたが……本当にそうだったとは。
「ラル達が行った『深海の神殿』は、水神様が気紛れで作ったダンジョンなんじゃ。そして、そこで眠っていた雫は水神の力を一部を受け継いでおってな。いずれ、従者として仕えるはずじゃよ」
それが、水神の子ですか?
私の問いにルーメンさんは静かに頷いた。
「『水神の子』は育て人にかなり影響を受けるんじゃよ。善良な者になるか、悪なる者になるか、とな。それがまた、地上の海に出てしまう程の存在なんじゃよ」
従者なのに、そこまで影響を与えるの? もうそれは神様と同じなのでは……? ま、まあ、あれか。神の力を一部受け継いでるせいなのか?
確かにしーくんの攻撃技、滅茶苦茶お強いけど。そういうことか。そういうことか?
「そういった理由もあって、初めは水神様のダンジョンが発生した場合、『明けの明星』で攻略するつもりでおったんじゃが、ちぃと問題が発生しての。気がついたら、スカイの主らが攻略し終わっておったんじゃよ」
……それはなんとタイミングが悪い。
確かに、私達の攻略後はどこかのギルドの管理下に置かれていると聞いていた。そのギルドとやらが、『明けの明星』だったのかもしれない。
「事情を知らなかったとは言え、横槍というか……その、すみませんでした」
「あぁ、いや。謝罪はいらんよ。こちらも急にダンジョンが発生するとは考えておらんかったからな。後手に回ってしまったのも事実じゃよ。……しかし、結果的に雫がいい子で育っているようで安心したわい」
のほほんとした笑顔でお茶を飲み、ほっと一息つくルーメンさん。
ここまでルーメンさんがしーくんを……否、『水神の子』をここまで気にする理由とはなんなのだろう。ルーメンさんが少なからず、神の血を引く者だから? それだけの理由でそこまでするか?
「……儂が雫を気にかける理由は一つじゃ」
私の考えを読んだのか、或いは最初から話すつもりだったのかは分からない。それでも、ルーメンさんはしーくんを気にかける理由について話していく。
「大した理由ではないんだがの~……先程話した『ブレスガーディアン』の内、一人が水神様の弟君でなぁ。その関係もあって、『水神の子』を保護する方向で動いておったんじゃよ」
ふむ。ルーメンさんの感覚的にはしーくんは半分、身内みたいなものなんだろうか。……ん?
私は納得しかけた思考を一旦停止させる。
ブレスガーディアンとは、ミルティアを含めた六人の元神様で構成されている。つまり、ミルティアの子孫であるルーメンさん達もそれにあたるわけで。いや、今現在そうなのかはさておき。
ルーメンさんのお孫さんであるツバサちゃんとその周りにいる幼馴染み達も……六人、いる、よな。
そして、その六人の中で水系統は一人だけ。つまり、しーくんと彼女は……
「ルーメンさん。ブレスガーディアンは今でも存在しているんですよね」
「もちろん。初代ブレスガーディアン達の目的の一つにこの地に自らの子孫を残すこととあるからの。実際に儂らはここにおるわけじゃしのぉ」
「……それは理解してます。その言葉が真実なら、現代のブレスガーディアンは」
私達の知るあの青少年達ではないか、と。
そう言葉を続ける前に、ルーメンさんはニッコリと笑い、全てを肯定するように頷く。
その頷きが意味するのは、ツバサちゃんやアラシ君達は、それにあたるという事実に他ならない。
あぁ、もうっ! なんつーおとぎ話の世界だよ……っ! 私はもうお腹いっぱいだよっ!
「つまり、だ。しーくんは水神の血を引く子孫だとして……アリアちゃん、初対面のしーくんをじっと見てたのは、そういうことかぁ」
「え、何それ? 初耳だけど」
呑気に首を傾げる我が相棒。話してなかった私も私だが、あれがそんな重要だとは思わないじゃないですか。
「私らの知らないところでしーくんの正体を見破られてたって話だよ。それに何かの害があるわけじゃないけども」
「そ、そうなんだ……ぼく、次元が違う話ばっかでキャパオーバーしそう」
大丈夫。私もだから。
何がともあれ、間接的にしーくんとアリアちゃんが関係あって、それをルーメンさんが気にする理由だったわけで。
……しーくんの秘密の特訓とやらも、ルーメンさんが私達を呼んだ理由の一つなのだろうか? アリアちゃんが水神と少なからず関係があるなら、何かしていそうだなと考えずにはいられない。
しかしまあ、何かあったとして、私にそれを見通すことは不可能だ。しーくんは意外にも(?)多才なのだ。どの能力を伸ばすものなのか……もしくは、身につけるための特訓なのかは見当もつかない。……つける必要もないけど。
「とまあ、色々話したが……以上が主らをここへ呼んだ理由になるかのぉ。何かと騙すような真似をしてすまんかったの」
すまんと本当に思っているかが気になるところである。それを聞ける程、私は天然ではないけれど。
えぇっと……要約すると、三つの理由があったのかな。
知られたくない女神の秘密を見通す可能性のある、私の能力を見極めたかった。
それに付随して、私達の探検隊としての能力を計りたかった。
ブレスガーディアンの一人であるアリアちゃんと関係のあるしーくんを見極めたかった。
……これらが大まかな理由、か?
「お気になさらないでください。ルーメンさんなりの理由があったとぼくらも理解できましたから。それにぼく個人としては、ルーメンさんと色々話せてよかったと思ってます。……父のこととか、特に」
「そうか? それならよかったがの~」
ほのぼのとお開きムードで話す二人の横で、私は未だに思考の海を漂っていた。
なんだろう。絡まっていた疑問と謎の糸が全てほどけたはずなのに、何かまだ引っ掛かっている。
──まさか、まだ明らかにしていないものがある、とでも?
それはなんだ。ルーメンさんは私達に何を語っていない?
引っ掛かっているということは、一度は私の中に浮かんだもののはずだ。考えろ。思い出せ。考えろ。
「ラル? どうかした?」
ティールの問いかけには答えず、ハッと顔を上げる。そして、目の前の彼を見据える。
「……どうして、『奇跡の洞窟』だったんですか」
「ふむ? と言うと?」
「私の能力で女神の過去を視せたかったのは、分かります。でも、その舞台は『奇跡の洞窟』でなくてもよかったはずです。女神と関係深い場所があそこだけ、なんて言わせません」
能力を計りたいなら、場所なんてどこだっていい。なんなら、ダンジョンなんて危険なところではなく、安全なところで能力を使わせればいいはずだ。それに、まだある。
「私達の力を見極めるなら、あそこでなくてもよかったはずです。手段なんていくらでもあるでしょう。例えば……貴方自ら、私達を相手にする、とかね。それに、奥地のあれも……ルーメンさん、貴方の仕組んだものですよね」
ベヒーモス型のゴーレムが人為的なものであるのは明白である。ユウアちゃんが把握していたのだし、試練だと言っていたのだ。
「わざわざ、あんなゴーレム二体を用意したのも悪趣味だと思いますが」
「ちょ、ラル。言い方」
「だって、そうでしょう。私達にとって、ベヒーモスとはどういう存在? 単なるボスクラスのモンスターではないよね? お互い、度合いは違えど、トラウマになっている位には因縁のある相手でしょう?」
私の言葉にティールは押し黙る。
他にも強いモンスターは存在する。それでも、『あえて』ベヒーモスを置いたのは意味があるはずなのだ。それが人為的なものであれば、尚更。
ルーメンさんがどこでその情報を得たかも謎だが、それは今はいい。
「今まで語ったことが本当なら、わざわざこんな回りくどいやり方をする必要なんてどこにもないはずです。一つ一つは単純なものですまされる。なのに、それをしなかった。……結局のところ、貴方はあのダンジョンで私達の何を試していたのですか? なぜ今更、ベヒーモスを私達にぶつけて、試練のようなことをさせたのです?」
なんとなく、話に出てきてはいたものではあるが、明言を避けられていた。
先程まで話していたものが嘘だとは思わない。しかし、あえて話していないことがあるとも思ったのだ。
それが今、語ったものだ。全て引っくるめて、スカイとしての能力を試すためじゃよ、なんて言われたらそれまである。深読みもいいところだ。それはそれで恥ずかしいってやつだ。
……さあ、どう答える?
「……ふむ」
私の話を一通り聞いたルーメンさんは、私から視線を外すことはなく、一口お茶を飲む。
そして、ニヤリと笑い、「お見事!」と言い放つ。
それを聞いた私とティールが呆然とするのは自然の理である。
「上手く話を逸らしたつもりじゃったんがなぁ? 再び、そこの話に突っ込むとは、度胸があるのぉ」
まあ、ここでシラを切られてたら、終わりでしたけどね!? 恥ずかしさで死ぬところでしたけどね!?
「全て、お話していただけますよね?」
「うむ。ここまで言われては隠す必要もないからの。主らをあそこへ向かわせたのは……色々と都合がよく、また試験会場としてうってつけだったから、かのぉ。ワシがやってほしいことと知りたいことが一度にすまされる場所とでも言うべきかの」
やってほしいことは依頼内容にあるもので、知りたいことは今まで語ってくれた内容ってことだろう。
つまり、全ての条件に当てはまる場所が『奇跡の洞窟』だった、と。
ルーメンさんはこくりと頷く。
「そして、あそこにアレをおいた理由だったか。アレにした理由はお主らがどう対処するのか見てみたかったんじゃよ。己よりも強い敵が目の前に現れたとき……そして、トラウマとどう向き合うのか、どう立ち向かうのか見たかったんじゃ」
はぁ……それをなぜ、ルーメンさんが見たかったのか疑問に残りますが?
「ふむ。まあ、なんだ……この件はこちらとしても慎重にならざるを得ないでなぁ」
「慎重に……? というか、試験会場ってことは、ぼくらは何の試験を受けていたんでしょう……?」
「……そうじゃのぉ。まあ、ここでうだうだしても仕方がないの。なぁに、難しいことは何も試しておらんから、安心せぇ」
と、ルーメンさんは一呼吸置くようにお茶を飲む。数秒の間が空き、コトンと湯呑みが置かれる音だけが響いた。
「ラル、そして、ティールよ」
私達の名を呼び、真剣な眼差しで向き直った。直後、ゆっくりと口が開く。



「お主ら、レイ学を卒業したら『明けの明星』に来ないかの?」



「「………………は?」」



~あとがき~
はい。勧誘だよ。勧誘。

次回、ルーメンのギルド勧誘の意図とは。

普段は何て言うんでしょう。……改行技? というか、そういうのはあんまり使わないんですけど、このルーメンおじいちゃんの台詞だけは少しの間を空けたくてだな。
あと、なんか目立つやん?? そういうことだよ。

ではでは。

学びや!レイディアント学園 第269話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわいわいしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
淡々とあれこれ話し始めています、お話編とでも言うんでしょうかね!
しばらくそれが続きます。お付き合いくださると幸いです。


《L side》
ルーメンさんは大して資料が見つからなかった『ブレスガーディアン』についても教えてくれた。
ルーメンさん曰く、ブレスガーディアンとは、女神ミルティアを含む六名の『神の名を捨て、地上に祝福という名の豊かさを送る守護者』を意味するらしい。つまり、ブレスガーディアンを名乗るのは、元神様六名のこと、らしい。
「資料や物語では、女神が地上に光を与えたとされておるが、あれは嘘じゃ」
おっと。しれっととんでもないカミングアウトしてくれてるな……?
「正しくは、ミルティアの上司と言える神が魔素をお作りになり、地上に与えてくださったのじゃ」
上司……神様社会なのに、上司って……と思うけど、ウィルさんが上司上司言ってるので、しっくりきちゃうんだよね。言わないけど。
しかし、ミルティアの上司……ミルティアは癒しの女神だったか。関連のある神様だったりして……癒し……治癒……命に関係するのだろうか。そういえば、ウィルさんも生命の神で、命に関係する神様だったな。もしかして、ウィルさんと同じ上司を指してる……なんて偶然、ないか。
それはともかく。
昔話では、ミルティアは光をもたらすため、地上に降り立ったとされていた。が、それが嘘であるとするなら、ミルティアが降り立った理由も変わってくる。ここで魔素はミルティアと全く関係ないで~す……とは、ならないだろう。流石に。
「では、ミルティアは魔素の管理、観察のために降りてきた……とか、そういう理由ですか?」
「うむ。地上で発生した魔素の観測。及び、管理が正しいかな。ちなみに、それらの仕事はミルティアだけではなく、他にもおったんじゃ」
「……それがブレスガーディアン?」
ティールの解答にルーメンさんは嬉しそうに頷く。しかし、すぐに憂いを帯びたような微笑みへと変わった。
「何の因果かのぉ……そのブレスガーディアンの中には、女神が愛した男もおったんじゃよ」
ここで言葉を区切ると、ルーメンさんはパッと顔を明るくさせ、指を二本立てる。
「ブレスガーディアンの目的は二つ。地上の空気中を漂う魔素の観察と管理。そして、その役目を継がせるため、神の名を捨てて人と交わり、己の子孫を残すことじゃ。……とはいえ、ここで神の名を捨てたとしても、元神様であることは変わりない。天界の禁忌目録は適用されてしまうんじゃよ」
適用されたから、物語にある通りの結果を招いた。
光……魔素を失い、争いが生まれる。そして、それらを解決するため、女神は自らを犠牲にする道を選んだ。
……これが、女神の罪であり、贖罪の内容……なのだ。
「大切な人を守るため、自分の命を捧げる、か」
そうティールが静かに呟くと、何を思ったのか私の方をちらりと見てきた。その瞳に何の意図があるのか、考えるまでもないかもしれない。
きっと、私とミルティアを重ねたのだ。
自分が引き起こしたこととはいえ、ミルティアの気持ちは理解できる。私でも、きっとそうすると思うから。それが、自分のせいだろうと、なかろうと、だ。
そういう考えが私の中にあると、ティールは理解している。だからこそ、無意識にでも私を気にしたんだと思う。
……いくつか、前科もあるしね。
「さて。……ここまで、女神の話をしてきたが……なぜ、儂がこの話をしたか主らに分かるかの?」
どこか意味深な笑みを浮かべるルーメンさんに、私達は小さく首を傾げる。
ルーメンさんが私達にそれを話した理由。
本来であれば、知られてはいけない秘密をわざわざ、私達に話す理由。
その秘密を知る、手段がある私達に……私に話す理由ということだろうか。
「……歴史にない女神の秘密を知る可能性があるから。あえて、教えたのはそれを未然に防ぐため、でしょうね」
「そうじゃ。女神に関するダンジョンはある程度、うちで管理しておる。じゃが、それでも儂らの知らぬダンジョンがないとは言い切れんからのぉ……勝手に知られる前にこちらから接触したのさ」
未開拓のダンジョンは星の数程あると言われている。それに、いきなりダンジョンが現れることもあるし、私達に忘れられたダンジョンだって存在するだろう。だからこそ、それらを解明するため、私達のような探検隊や冒険家達がいるのだ。
「理由は分かりましたけど……仮にぼくらがルーメンさんの知らないところで、重大な秘密を知ったとしても、周囲に広めるようなことしない……と思いますが」
断言しない辺り、ティールらしいか。まあ、この世に絶対なんて早々あるものではない。とは言え、今回の件を例えに出すならば、ティールの言い分も分かる。言っていいことと悪いことの区別くらいつくってもんだ。
……しかしまあ、繰り返すようで悪いが、この世に絶対なんてない。
「私達の意思関係なく話す可能性もあるでしょ。例えば……そうだね。誘拐なり監禁されるなりして、情報提供を要求される……とか? 提供というより、無理矢理言わせるって感じだけどね」
「えっ!? んなことっ……ない、と思いたいけど……そっか。そう、だよね。そういうこともある、かもなんだ」
ティールは苦い顔をしつつも、理解してくれたらしい。そして、ルーメンさんも神妙な面持ちでゆっくりと頷き、話を続ける。
「まあ、なんじゃ。お主らの戦闘能力を試したのはそういった理由があったから、というわけじゃよ」
誘拐、監禁の可能性が限りなく低い……つまり、どんな相手でも抵抗できるくらいの力があるか否かを見られていたのだろう。
「ダンジョンの探索を通じ、スカイの戦闘能力、知識力、推理力……考察力とも言えるかの。それらの能力を知りたかったんじゃ。この中で、ラル……お主の能力も見極めたかったんじゃ。いやぁ、女神の過去を知られらのは想定内じゃが、まさか女神と会話を交わすとはな。こればっかりは想定しておらんかったわい♪」
私だってそこは想定外だったわ、畜生。
「本来、私の能力は未来、過去を視るだけです。対象に干渉する能力ではないですが」
「うむ。理解しておる。女神との会話に関しては……儂は女神の力によるものだと思うておるよ」
いやいや。それ、理由になってるか……?
もう少し何か最もらしい理由があるだろうと言いたいが、納得できるような理由は浮かんでこない。普段、能力を使うときと違う要素を考えてみても、相手が『神様だった』くらいしか思い当たらない。少なからず、神自ら力を加えた物に触れ、過去を視たという部分しか特異点は見当たらない……と思う。
まあ、大して重要ではないから、いいけど。
「まとめるとじゃな……お主らを呼んだ大きな理由として、女神の秘密を先に知られないため。そして、お主らの能力を知るために今回、『奇跡の洞窟』へと行かせたというわけじゃな」
「な、なるほど……大きなってことは、他にもぼくらを呼んだ理由があるんですか?」
「うむ。……しかし、他の理由はついでのようなもんじゃがな。ラルとティールの子である雫を一目見ておきたかったというか、成長を確認したかったんじゃ」
「えっと……し、雫ですか?」
こんなところでしーくんの名前が出てくるとは思わなくて、一瞬ではあるが思考停止してしまう。
なぜ、ルーメンさんがしーくんを気にするんだ?
保育園児とはいえ、探検隊として活発に活動しているわけではないしーくんを気にする必要性がどこにある。基本、表立って動くのは私とティールだけだ。ホームにしているフェアリーギルドではともかく、離れた場所にあるここでしーくんの名前が届くとは思えないのだが。
「お主ら、二、三年前に『深海の神殿』で雫に会ったじゃろ?」
『深海の神殿』……しーくんを見つけた深海ダンジョンの名前だ。
今では名前を聞かなくなったが、発見された当時は未開拓ダンジョンということもあり、頻繁に名前が飛び交っていたように思う。
「ラルのことじゃ……大方、雫の正体にも見当はついておるんじゃろ?」
えぇっと……ついているというか、どっかのお兄さん達に遠回しに教えられたといいますか。……まあ、そんなこと、言えるわけないんだが。
曖昧に微笑んでいると、どう受け取ったのかルーメンさんは静かに息を吐く。
「事前にプリンから話は聞いておったが、『水神の子』を拾ったのがお主らでよかったやもしれんの」
……水神。
「うむ。二人が察しておる通りじゃよ。雫は水神の分身……『水神の子』じゃ」



~あとがき~
話が雫へと移っていくぅ~

次回、雫の話とか。雫に関係するとある人の話とか。

色んな情報を一度に出してるので、ぐあーってなってませんか? 私はなりました。
まあ、なんですかね。女神様の話は一応、終わり、ですかね。多分。
この後は細々としたやつをやっていきます。

ではでは。

学びや!レイディアント学園 第268話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界の物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回からルーメンさんとラルとの会話が始まってます。いや、その場にはティールもいるけど、空気っすね。話し合いはラルに任せる宣言したので、空気です。
ティール「二回も言わなくていいんじゃないかなぁ!?」
大丈夫。この先からは質問を飛ばす役目が回ってくるから。空気じゃなくなるはず!


《L side》
気のすむまで笑い続けたのかルーメンさんは、「これはもう隠しようがないのぉ」と前置きした後、こほんと咳払いを一つ。
「ラルの質問に答えよう。まず、儂らケアル家がミルティアの血を引く一族であるか否か……これは是じゃ。つまり、陸の国の一部を治めていた血縁者ということじゃの。まあ、もう随分と昔の話ではあるがな」
今でもなお、王政の残る海や空とは違い、陸の国はそれを捨て去った国だ。理由は色々あるだろうが、一つ言えるのは、各地域の意思なのかもしれない。
しかし、遠い過去の話とは言え、王族の血筋であるのは事実。現にこの城の所有者はルーメンさんだ。それだけでも凄いのではと思う。
だって、一般人が城の所有なんてしないだろう。絶対、管理できないもん。
「ほっほっほ……まあ、この城の所有するに至った経緯は……半分、成り行きなんじゃがな」
「いやいや! 全ての出来事が成り行き手なんです~……ですまされると思わないでください。今回、私は疑問に思ってることほぼ解消する気でいるんですからねっ!?」
「ふむ? ならば、今回の話とは関係ないが、そこまで言うなら軽く話そうかの~♪ とは言え、儂も大して知らんのじゃが」
確かに、城の話は全く関係のない話。脱線しているのは百も承知だけど、気になるものは気になる。もやもやしてるのはなんか気に食わないので、教えてもらえるのなら、聞いてしまいたいのである。
「我がケアル家が王権放棄する際、当初であればこの城の所有権もなくなるはずじゃった。が、当時の民から城だけは保有しておいてくれと言われたらしくてな。なぜ民がそのような申し出をしてきたのかは分からんが……大方、城そのものを残したいとでも思うたのだろ」
街のシンボルでもあった城を失くしたくないという思いだったのだろうか。それとも、街の歴史を語るピースを残したいと願ったのだろうか。
当時の人の考えは推測するしかないけれど、その申し出を受け入れたから、今でも城は残っているし、ギルドが城にあるわけで。
……当時の人は、城が改装され、ギルドにされるなんて思ってなかったかもな~……なんて。
「さて、少し話が逸れたな。本題に戻そうかの」
逸らしたのは私なんだけどね。
「ルーメンさん、全てを語ってくれるのですか?」
「ラルがそれを望むなら、現状で話せるものは話そう」
……その口ぶりはまだ内緒があるってことか。この期に及んで、まだ隠すつもりか、このおじいちゃんは。
「まず、初めに。ラル達を指名し、依頼したのにはいくつか理由がある。スカイのチームとしての特徴……もっと言ってしまえば、核となる二人の戦闘能力の確認。そして、ラル……お主の能力の有用性を確かめるためじゃ」
……ユウアちゃんからも知らされていたし、概ね予想通りかな。
「順を追って話していこうかの……儂らは女神の血を引き継ぐ直系の一族。そして、女神ミルティアは歴史やおとぎ話にある通り、善良な方である、とされている。……一般的にはの」
そんな言い方をするってことは、そうではない一面もあった、と?
私の問いにルーメンさんは静かに頷いた。
「全部が全部、嘘とは言わん。しかし、一般的に公開されておる情報の一、二割は嘘であるのが真実じゃ。……ちなみに、女神の人柄や出生は嘘ではないぞ?」
一、二割、ね。ほぼ真実ではある、のか。
膨大な資料の中に嘘が混じっていたとして、それに気づけるかは微妙なラインだ。複数の且つ、別の資料に同じ嘘が書かれていたとしたら、それは真実であると仮定するからだ。実際、私が調べるときもそうだった。
そこを覆されると調査もやる気失せるわぁ……ま、今回の件が例外的なのだろうが。
「えっと、じゃあ……女神ミルティアは天から来たってのは事実ですか? ってことは」
今まで沈黙を貫いてきたティールが疑問を投げ掛ける。言葉を最後まで続けなかったのは、「神様」という単語を使うか迷ったからだろう。天界なんておとぎ話みたいなところ、話題に持ち出すのに躊躇うってもんだ。
私やティールはフォース君やウィルさんの存在やしーくんのことがあるから、天界があると知っているけれど、一般的にそこは架空の世界と言われてしまえばそれまでである。
「そうじゃな。言うなれば、儂らは神の血を引く者である。しかし、すでに何千年と経ってしまっているが故、神の血なぞとうに薄れ、ほぼ人に近いと思うとるよ。とはいえ、それでも名残はあるとも思うがなぁ」
神の血を引く証……ケアル家が魔法に長ける一族というのは、神の血を引く産物なのかもしれない。
「話を戻そう。多くの真実の中に隠された嘘、それは案外気付かれんもんじゃ」
嘘。この場合の嘘はどれなのだろう。
……人々に知られる物語と私が能力で知った過去……その差異はなんだった?
記憶の糸を辿り、とある言葉を見つける。それはずっと気にかけていたものであり、それを聞くためにここを訪れたと言っても過言ではないくらいのもの。
「……女神の罪」
「うむ。……二人は女神の歴史を調べた際、疑問に思うことはなかったかの?」
「ぎ、疑問……ですか?」
ルーメンさんの言葉にティールが考え込む。彼を待ってもいいけれど、ここはさっさと話を進めてしまおう。申し訳ないけれど、こちとら、聞きたいことが山積みなのだ。
「光がなくなり、戦争が始まる……ですね?」
「正解じゃ。おとぎ話にある『光』が『魔素』を指しているのは、お主らも想像しておるやもしれんな。では、その魔素が女神の生きていた時代になくなった理由とはなんじゃろうな」
それはさっき、私が言った気がするけれど……もう一度言えってことか。
「女神が禁忌を犯したから……ですよね。神同士の子を身籠り、産むこと」
「うむ。ラルの予想した通りで正解じゃよ。女神は天界と呼ばれる神々の住む世界で『神同士の契りを禁ずる』と言われておったそうだ。が、それを告げられる以前からとある男神に恋をしておった。それが事の始まりじゃ」
基本、神は一部の感情を持たないと言う。例えば、愛情や恋慕等の感情はないに等しいとウィルさんから聞いたことがある。もちろん、神によってそれらを持ち合わせる度合いというか、感じ方は違うらしい。ウィルさんは友情や、家族愛─というよりは、兄弟愛とも言うかもしれない─それらの愛情はあると自負しているようだが、私達のように強く感じることは稀なのだと。現にフォース君のマスターさんとやらは、それらの感情を見せないのだとか。「もしかしたら、すこぉしはあるかもしれないけど、絶対、俺よりあるなんてあり得ないね。あのクソジジイ!」と笑っていた。隣にいたフォース君も黙って頷いていたから、間違いない、んだと思う。
「ミルティアは少々、他の神とは違った出生があり、それらの感情を持ち合わせていたらしい。つまり、神でありながら、人と同じような感情を抱いていたんじゃよ。そんな女神は男神と会う。その神もまた、特別な事情を抱えた男神でなぁ」
それが、能力で視たアルマという男、なのだろうか。
「……お主らは、『ブレスガーディアン』という言葉を知っておるかの?」
ブレスガーディアン……?
「それ、どっかで……って、ラルがぼくに質問してきたやつ、だったような」
…………ん? あぁ、何かの資料に繰り返し出てきた言葉だ。
「ほう? ミルティアの資料はある程度隠しておったつもりなんじゃがなぁ……それでもなお、調べてくるとは。関心関心♪」
隠したの、やっぱりあんたかよっ!
「ちなみに、隠した理由は大方、女神か禁忌を犯した事実を隠すため、ですか?」
初めは身内に隠すためだと思ったけど、身内よりもはるかに広い範囲だったのだろう。
「うむ。ラルのように勘がよい人にはバレる危険があるかの~♪ 必要最低限の資料だけ、表に置いてあるんじゃよ」
全部隠す方が怪しく見えるから、出しても問題ないものだけを出しているわけか。まあ、一応、納得した。
で、話はブレスガーディアンへと戻るわけだ。結局のところ、ブレスガーディアンとはなんなのだろう。



~あとがき~
長くなりそうなので、ここで終わります。
ここら辺、切りどころがわからんのじゃぁ~……

次回、ブレスガーディアンについて。
他にも喋る予定。

ラルが予想してきたものの答え合わせが次回から始まる予定です。それプラス、他の情報もぽんぽん出てくると思うので、お楽しみに。初出しも多いと思われ。

ではでは。

おちらせ。(お知らせ)

結論からいきましょう!

しばらくの間、週1更新にします!
というか、週1更新ができるかも怪しいですが、とりあえずは週1で。はい……

理由は簡単です。リアルが忙しくなって創作時間を作れなくなってしまった、です!
小説書けなくなったんや……(´・ω・`)

もしかしたら、数週間後にはしれっと週2に戻してる可能性はありますが、現状のまま週2更新は厳しいなという判断に至った次第です。
いやはや、申し訳ない。

来週はいつものレイ学更新です。
お楽しみに。

投稿数1000over!

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↑めちゃめちゃシンプルですが。おめっとさんってことで!

このブログを数年続けてきて、投稿記事数が1000越えました。最近は作品を上げるだけのブログと化してますが……(汗)
一応、どれも何かしらの分類はしてあるものの、増えてきましたね。もう最初の頃のやつなんて見たくもないくらいですけどね!?
前はもうちょい日記みたいなことや落書きイラストとかも上げてたのになぁ……最近は全くですね。おかしいなぁ……?
需要はないと思うけど、たまーに違うもんも書きますか。せっかくの記録媒体ですもんね。活用しなきゃ……!


ということで、意味もなく近況報告でも。
つっても、大したこと話せませんが。
つい最近、TRPGというゲーム熱が再熱しております。所謂、アナログゲームの一種で、テーブルトークロールプレイングゲームのことです。
学生時代は動画漁ったり、友人と何回かやってたんですが、学生やめてからはすっかりご無沙汰となってました。
んでまあ、ゲーム片手(こっちはふっつーのデジタルゲーム)に作業用として動画垂れ流ししてたら、見事に再熱しました。そういえば、これって楽しいゲームだったなぁと。
でまあ、とあるきっかけで友人とTRPGする機会を得て、きゃいきゃい遊びました。そりゃあもう、楽しかったっすね。見知った仲だもんで。お互いやりたい放題です。
いつか、ラルやティールをキャラクターとして作って、作品にしてやりてぇなぁと思うとります。そういうのを考えちゃうくらいには再熱しております。考えるだけでも楽しい。
いつかぽんっと投稿するかもしれません。まだ何も形になってませんけども!

っていう単なる趣味の話ととある願望の話でした。
ちなみに、システムはCoCってやつです。
皆大好き、クトゥルフ神話です。ルルブが高いことで有名であります!←


あとはなんだろう。ポケモンスナップの無料アプデの話でもする?? まだ遊べてないんだけど、まさか追加アプデを無料でしてくれるとは思ってませんでしたね。いやはや、太っ腹っすね。
ポケモンスナップは一応ストーリークリアはしてて、最近は忙しくて触ってなかったんですが、これを機に復帰しようと思います。いや、他にも未クリアなゲーム山積みなんだけども。
社会人になると駄目だね。まとまった時間ないのに、お金はあるからやりたいゲームばかり買ってしまう……!
誰か私に仕事終わりでもゲームを楽しむ元気とまとまったお時間をください。


と、どうでもいい話をつらつらと書きなぐってきました。永遠と続くかもしんないので、この辺でやめておきます。
これからもこんなゆるーい話をすることがあるかもしんない。そのときは暖かい目で見守ってくださればと。
また、今後ともゆるーくやっていきますので、お暇なときは覗いてくださると幸いです。
ではでは。

学びや!レイディアント学園 第267話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でお話ししてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回はごちゃ混ぜ回でした。ネタを雑多に詰めたって感じのやつ。
今回は真面目にお話しする回でございます。
しばらく、続く……と、思われ。


《L side》
楽しい夕食の時間を終え、一度部屋に戻った私達。ルーメンさんとの約束の時間が迫る中、私は雷姫を実体化させ、彼女の前で正座をしていた。
「こんなお願いを受け入れるのはあなたのプライドに関わるかもしれないんだけど、しーくんとお留守してくださいっ!」
「マスター……この我を一度ならず、二度も子守りを頼むというのか。今日だけで、二度もか?」
「しーくんとだから! しーくんとだからぁ!! ツバサちゃん達に預けるのも考えたさ! けど、話がどこまで続くか分からないし、夜遅くなったら悪いじゃない!? いや、ツバサちゃんは気にしないだろうけど……私は悪いと思っちゃうんで!」
しーくんはいい子だ。一人でお留守しててね、と言っても嫌とは言わない。素直に従い、部屋で待っていてくれるだろう。でも、しーくんは精神年齢高め幼子でも、文字通り幼いのだ。心配になるやろがい! それが親心ってもんでしょーが!
「ラル~? ボクはひとりでも、だいじょぶだよ? ごほんよんで、まてるよ?」
「多分、ラルの気持ちの問題だよ。大人しく見てようね、雫」
「うん? うん……わかった!」
という、外野の会話を気にしないくらいには心配なの! 分かるでしょ!?
「……まあ、よい。あの駄犬に比べたら、童の子守りの方が何百倍もましというもの。それに、パートナーも一緒ならば、マスターに危険もなかろ」
うん。ギルド内で雷姫を使う事態になんてならないですよ?
「ふん。分からんぞ? もしかすると、あの白狐の小僧がマスターの首を狙うやもしれんじゃろう」
うん。不意を突かれたからといって、ツルギ君にやられるような私じゃないですよ?
「ふん。マスターはよくても、あの態度が気に食わんのじゃ。いつか我の電撃を食らわしてやりたいものよ」
うん。やめてくださいね。大事件ですよ。
「言うだけならタダじゃからなぁ」
うん。本当に言うだけにしてくださいね。マジで、笑えないんで。
「冗談はこのくらいにして、童は我に任せて早う行け。あの古兎を負かしてやるのじゃろ?」
「うん。何で今日はこうも刺々しいの?」
正確には、今だけ、なのだが。
「朝から晩まで我をこき使うからじゃよ」
いや、仕方なくない!?
……あぁ、もう。雷姫の気分が変わる前にさっさと行こう。これ以上話していたら、もっと何かを言われそうだ。
「しーくん、雷姫とお留守、お願いね?」
「うん。いってらっしゃいっ!」
はい、いってきます。
ティールに目配せをし、二人で部屋を出る。
目指すは明けの明星の親方部屋……ルーメンさんの部屋だ。

自分達の部屋を出て、ルーメンさんの部屋の前まで来た。ここまでは何事もなく……本当に特筆すべきこともないくらい、何にもなくて、真っ直ぐ来れた。
いやまあ、それが普通なのだけれど。
そして、さも当然かのように、アルフォースさんにソファへと座るように促され、目の前にお茶が差し出される。そして、アルフォースさんはさっさと退出してしまった。引き留める暇もなく、ここまでが一連の流れですと言わんばかりである。
……いつも、こんな感じなのだろうか。この二人の雑談タイムとやらは。
ルーメンさんはアルフォースさんが用意したであろう湯飲み片手にニコニコしている。
対する私達は用意してくれたハーブティーを横目にじっとしていた。要するに、緊張しているのだ。
ティールはともかく、私はこうして話すのは初めて……ではないけれど、内容が内容なだけに、緊張してしまうのは仕方がないというやつである。
私が切り出すべきか、相手の出方を見るべきか。判断に迷う。迷っているからこそ、謎の沈黙が続いているのだが。
「いやはや、まさかこうなるとは思わんかったよ」
……沈黙を破ったのは、ルーメンさんだった。
ティールとだけでなく、ラルともこうして話す機会があるとはなぁ」
「それは……お時間を取らせてしまい、申し訳ありません。改めて、お詫びします」
「いやいや。ワシは一向に構わんよ。元々、ティールと話す予定の時間。そこに一人増えたとて、大した違いはないからの」
ルーメンさん的にはそうなのかもしんないけども。一応、ルーメンさんは偉い人である。ギルドマスターであり、陸の国を取りまとめる一人。本来なら、部外者である私と、こうして雑談交えるのも変な話なわけで。
……なんて、一般論を説いたとして通じる相手でもないか。
「しかし、本当に今夜でよかったのかの? 今日くらい休んでもよかったんじゃぞ?」
「問題ありません。少しの休息はとりましたから。それに、分からないを延々と抱え込みたくはないので」
なんか気持ち悪いじゃん。それに、謎解きをし終えてこそ、ようやく今回の探検を終えられるってもんだ。
「そぉか……ならば、本題に入るとするかの。早速じゃが、ラルや。……お主に質問してもよいか?」
そぉら、きた。
ルーメンさんの言葉に私は黙って頷く。ルーメンさんは笑みを絶やすことなく、口を開いた。
「ラルはどこで『女神の罪』について知った?」
先刻での報告で簡潔ではあるものの、一応は伝えたはずなのだが。こうして改めて聞くのは、確認のためか。或いは、改めて私に言わせるためなのか。
まあ、ここは正直に答えるか。
「『奇跡の洞窟』で、です。正確には、そこに咲く女神の涙に触れ、能力で視ました」
どこまで情報開示しようか。ユウアちゃんがどんな風に伝えているのかは分からないが……事実として言えることだけ言ってしまうか。
「そこで結果的に四回程、能力が発動し、その四回とも過去……女神ミルティアに関係するものを視ました。どれも鮮明な映像として能力が発揮した形になります」
この言葉にルーメンさんはピクリと眉をひそめる。
「……ほう。映像、とな?」
「えぇ。そう表現した方が分かりやすいので、そのような言葉を使いました。……その映像で『女神の罪』を知りました」
「ふむ。どこまで知ったか、改めて聞かせてくれるかの?」
……そうきたか。まあ、そうだよね。
私がどこまで理解しているか確認の意味もあるのだろう。それによって、話す内容も変わってくるからだ。
私は『奇跡の洞窟』で視たものをできるだけ具体的に伝えていく。
ミルティアが洞窟を守るためにゴーレム達を造り出したこと。
魔素不足解消のために女神の涙を作り出したこと。
枯渇してしまった魔素を補填するため、自らの命を捧げると話すミルティアを視たこと。
そして、その告白を聞くマントの男……アルマのこと。
一連のあらましを淡々と報告し、私は一呼吸置いた。
「ここまでは能力で視たもの……つまり、真実であり、事実です。ですが、ここから話すことは私の推測が混じるのは、ご了承ください」
「うむ」
「……マント男のアルマについて、詳しくは分かりません。しかし、会話内容から、彼もまた神であるのではと考えます。まさか、一般人に重大な秘密となりうるそれを女神が語るとは思えませんので」
余程信頼しきっているか、ミルティアが超お人好しでなければ成立しない。
まあ、アルマが自分が消えれば云々言っていた時点で、一般人ではないんだろうと推測できるんだけれどね。
……それはさておき。
ここで、女神の罪とは何かを仮定する必要がある。断定できる証拠がない以上、どれを唱えても可能性の話ではあるのだが……
「私は……女神の罪とは、《神同士が子を成すこと》……身籠ることではないかと考えています。神同士の間にできた子を産んだ影響で、世界のバランスが崩れた。……それを正すため、ミルティアは自身の命を使った、と」
最後に視た映像の中で、二人の子供に関する事柄が出てきていた。上にバレるバレないという話もしていた。少なからず、罪に子が関係しているのは明らかである。
世界を守るため、子を守るため、ミルティアは命を手放した。……それが、物語の結末だと、思う。
ルーメンさんは私の話を静かに聞くだけで、何も答えなかった。あっているとも、間違っているとも言わない。
「ルーメンさん……一つ、よろしいですか? あなたは全てを知った上で、私達をあそこに向かわせたのでは?」
「……なぜ、そう思った?」
思わず出た言葉なのか、数秒の沈黙後、「質問を質問で返してしまってすまんな」と困ったように笑った。
「構いません。……そう考えた理由は、ケアル家がミルティアの直系の子孫であると仮定しているからです」
最初にそうではないかと疑ったのは、洞窟へ行く前にミルティア関連の資料を漁っていたとき。また、この城の所有権がケアル家……もとい、ルーメンさんにあることも、子孫であるという一つの決め手となり得るのかもしれない。
「それに……能力で視たミルティアの姿がツバサちゃんと似ていたので。……何て言うんでしょう。大人ver.のツバサちゃん、みたいな容姿でした」
「ふむ。なるほどのぉ」
まだ少し、決定打に欠けるか……?
じゃあ、ここでカードを切るか。
「今話したものは状況証拠みたいなものですけれど……一番は本人にそれっぽいことを直接聞いたから、ですかね」
「……なぬ?」
ルーメンさんは少しだが驚いた様子を見せる。予想外な答えを聞いたということなのだろう。
私とミルティアが会話をするのは、ルーメンさんの計画にはなかったのだろうか。
「本人? 本人って……女神、本人ってこと?」
あぁ、そういえばティールにも言ってなかったな。タイミングなくて、伝え忘れていたっけ。
私は最後に発動した際にミルティアと逢ったこと、そこで交わした会話を簡単に伝えていく。……ここでは関係ないウィルさんのくだりは省略してるけど。
「ミルティアの口から『私の子孫』って言葉があったし、これまでの資料や情報を総合して……私はケアル家がミルティアの直系の子孫であり、元王族であると考えました」
物的証拠があるわけではない。反論されれば、何も言えなくなる可能性もある。一番の決め手として挙げたミルティア本人による証言すら、妄言だと言われたらそれまでである。なぜなら、それを聞いたという証明ができないから。
内心ドキドキしつつも、表面上は至って冷静ですよ……という雰囲気を保つ私。
ここでルーメンさんがどう切り込んでくるかで話も変わってくる。さて、どう出る?
「……くくっ」
私の話を聞き終えたルーメンさんは、目元を片手で覆いながら、堪えるように笑い始めた。
「そうか……これはやられたもんじゃ。ミルティア様自ら、ラルにコンタクトを取るとはのぉ? 予想外じゃよ」
予想外という割には楽しそうに笑ってらっしゃる気がしますが?
もう堪える気もないらしく、ひとしきり笑ったあと、ぼそっと何かを呟いたように見えた。
残念ながら、私の耳はそれを聞き取れなかったのだけれど。



~あとがき~
お話し中です。

次回、あれこれ話します。
この辺から真実が語られる……はず。
答え合わせです。

色々話すとごっちゃになりそうなんでしれっと終わります。

ではでは。